現役PTA会長が中学校の卒業式でスピーチして感動を呼んだ挨拶例文「手紙」
😊こんにちは、イルカパパです。
東京の公立中学校でPTA会長を4年、学校運営協議会会長を8年しています。
今日は中学校の卒業式で私が実際に原稿を考え話した祝辞の中で、一番卒業生や保護者が涙した感動の自信作を紹介します。ご自由にアレンジしてお使いください。リンクを貼ったりSNSでシェアしていただけると嬉しいです👍
手紙
PTAを代表しまして、一言お祝いを申し上げます。
卒業生の皆さん、保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。
本日に至るまで、愛情と情熱を持ってご指導くださった塚脇校長先生をはじめ教職員の皆様に深く感謝申し上げます。
また、日頃から子供達を温かく見守ってくださっている、地域の皆様には、早朝より卒業生の晴れの舞台に多数ご臨席賜り、共にお祝いいただきますこと、誠にありがとうございます。
さて卒業生のみなさん
3年前、皆さんは大きな期待と少しの不安を胸にこの東が丘中学の門をくぐりました。
小学校とはまた違った環境に、とまどったり、大変だなと思った人もいるかもしれませんね。
けれども、みなさんは、勉強や部活動、校外学習など、クラスメートや担任の先生とたくさんの経験を積み、いろいろなことを学んできました。
今みなさんが手にしてる卒業証書は、皆さん1人ひとりが中学校の全教育過程を終了した証です。そして今日を最後に長い人生のうちのかけがえのない3年間を過ごしたこの校舎から巣立って行きます。
3年間PTAの活動を通じていつもみなさんのことを近くで見てきましたが、中でも一番すごいなあと感心したのが、昨年秋におこなわれた合唱コンクールです。
はじめて練習した時はばらばらだった歌声が、最後にはクラスの仲間とひとつにまとまりすばらしいハーモニーになりましたね。
どのクラスも東が丘中合唱コンクールの歴史の中で抜きん出てハイレベルな出来映えだったと思います。
その影には、クラスの仲間と朝早くから学校に集まったり、放課後も遅くまで残って一生懸命練習した姿がありました。
あの合唱コンクールで優勝した3年6組が歌った「手紙」は、みなさんと同じ15才の自分が15年後の自分にあてた手紙をテーマにした歌です。
その歌詞の中に「今を生きてる」というフレーズが繰り返し登場します。
どんなに後悔しても昨日という時間はもう戻っては来ません。またどれだけ不安を抱えていても「明日」はまだ訪れてはいません。
過ぎたことやまだおきていないことに心を奪われず、何より貴重な「今」という瞬間を大切に生きて欲しいと思います。
先週であの東日本大震災から3年が経ちましたが「今という瞬間を大切に生き大勢の人の命を救った」1人の女性がいました。
わたしの話しの最後に、その女性が書いた「手紙」の話しをしたいと思います。
それは岩手県南三陸町という町の防災センターで働いていた、遠藤みきさんという若い女性が書いた手紙です。遠藤さんは、3年前の3月11日、防災無線のマイクに向かって、町の人たちに津波から避難するよう放送し続けました。
遠藤さんの放送を聞いて大勢の人の命が助かりましたが、かわりに遠藤さん自身は津波に流されなくなってしまいました。津波に飲み込まれる最後の瞬間までマイクに向かって必死で避難を呼びかけ続けたからです。
そのことを知った遠藤みきさんのお母さんはとても複雑な気持になりました。
愛する娘の死を受け入れられず、自分も死のうと考えたこともあったそうです。
そんなお母さんを救ったのが、震災から2年たったとき偶然見つかった、みきさんの手紙です。それはみきさんが生前、20歳の成人式の日に書いた手紙でした。
津波に流されたその手紙はところどころ汚れていましたが、開くと文面には心が洗われるくらい美しい文字ではっきりこう書いてありました。
「お母さん、わたしを生んでくれて本当にありがとう」
もうこの世にいないみきさんが書いた手紙が、時を超えて母のもとに届き生きる希望を失いかけていた大切な大切なお母さんを勇気づけました。この手紙を読んだお母さんは涙が止まりませんでした。
今、全国からたくさんの小中学生、高校生、大学生たちがみきさんのお母さんのもとを訪れています。
「みきさんの話しを聞かせて下さい」
「手紙を見せて下さい」
という全国からよせられていた声に答えることにしたからです。
そう言えば6組のみなさんが歌った「手紙」にはこんな歌詞もありましたね。
「人生のすべてに意味がある」
みなさんも将来、大きな壁にぶつかったり、出口の見えない暗いトンネルに迷い込んで、死にたいくらい辛いめにあうことがあるかもしれません。
でもそんなとき、不運をなげくのではなく、こんなふうに問いかけてみて下さい。
「この事は何を自分に教えるために起きたのか?」
それでは卒業生のみなさんの新たな一歩を喜び、益々のご活躍とご健康を祈年いたしましてお祝いの言葉とさせていただきます。
中学校PTA会長卒業式の祝辞例文
手紙2
PTA会長として卒業式のスピーチ例文1の「手紙」を話してから6年後、今度は学校運営協議会会長として、卒業式で祝辞を述べることになりました。6年の間に校長も先生方も変られているので、これ幸いと、私はまた「手紙」を卒業式の祝辞として述べました。6年前と少し内容を変えて。ここではそのニューバージョンの「手紙2」をご紹介します。
卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。
本日に至るまで、熱心にご指導くださった橋本校長先生をはじめ教職員の皆様に深く感謝 いたします。またご来賓の皆様には、卒業生の晴れの舞台に多数ご臨席賜り、誠にありがとうございます。そして保護者の皆様、本日は手塩にかけて育てこられた大切なご子息のご卒業、心よりお祝い申し上げます。
さて卒業生のみなさん
私は学校運営協議会や青少対の活動を通じて、入学式のときからみなさんの成長を近くで見てきました。体育祭や学習発表会、部活の練習や試合、スキー教室もいっしょに行きま した。みなさんはとりわけ心の優しい生徒が大勢集まった学年でしたね。
今みなさんの教室の前に1、2年生からのメッセージが貼ってありますが、そこには「いつも笑顔で接してくれた」「優しく教えてくれた」という感謝の言葉がいっぱい寄せられ ています。
3年間のどの場面でもクラスの仲間とともに学ぶみなさんのひたむきな姿が思い出されますが、一番印象に残っているのは、昨年の秋、さくらホールでおこなわれた合唱コン クールです。
はじめて公共の舞台でおこなうという重圧があったと思います。でも最初に練習した時はばらばらだった歌声が、だんだんひとつにまとまり最後にはすば らしいハーモニーになりましたね。その影には、クラスの仲間と朝早くから学校に集まっ たり、放課後も遅くまで残って一生懸命練習した姿がありました。
毎日あたり前のように学校に来て机を並べたクラスの仲間は、決して当たり前の存在では ありません。9年前の東日本大震災では当り前の日常が一瞬で消滅しました。
わたしの話の最後に震災のとき「当たり前のことを大切にし大勢の人の命を救った」1人 の女性の話しをしたいと思います。 それは岩手県南三陸町の防災センターで働いていた、遠藤みきさんという若い女性です。
みきさんは、3月11日、地震発生直後から防災無線のマイクに向かって、町の人たちに津波から避難するよう放送し続けました。みきさんの放送を聞いて大勢の人の命が助かりま したが、かわりにみきさん自身は津波に流されなくなってしまいました。 津波に飲み込まれる最後の瞬間までマイクに向かって、小さな子どもやお年寄りのために必死で避難を呼びかけ続けたからです。
そのことを知ったみきさんのお母さんはとても複雑な気持になりました。愛する娘の死を 受け入れられず、自分も死のうと考えたこともあったそうです。 そんなお母さんを救ったのが、震災から2年たったとき見つかった、みきさんの手紙です。それはみきさんが生前、二十歳のときに母にあてて書いた手紙でした。
津波に流されたその手紙はとても汚れていましたが、開くと美しい文字でこう書いてあり ました。
「お母さん、わたしを生んでくれて本当にありがとう」
手紙を見てお母さんは涙が止まらなかったそうです。 でも心が救われても、もう二度と温もりのある我が子の体を抱きしめることはできません。声を聞くこともできません。
それを考えると大切な人に直接気持ちを伝えることのできる状態というのはどれだけ恵ま れているのでしょう。ぬくもりのある体に触れられるというのはどれだけありがたいことなんでしょう。
わたしたちが当たり前だと思っている日常は、小さな偶然がいくつも積み重なった結果なんです。そしてそのはかない奇跡は明日にはもうなくなっているかもしれません。
今日、みなさんの卒業式を一番喜んでくれている人は誰ですか?
3年間美味しい〜お弁当を作ってくれた人は誰ですか?
いつも夜遅くまで仕事を頑張ってくれた人は誰ですか?
ちょっと咳をしただけで体の心配をしたり進路のことでいっしょに悩んでくれた人は誰ですか?
この卒業式が終わったら、その人の温かい体に触れながら、みなさんの優しい気持ちを伝 えてあげて下さい。
卒業生のみなさんのこれからの活躍と健康を祈年いたしまして私からのお祝いの言葉とさ せていただきます。
心に残るスピーチをするための方法
中学校の卒業式で心に残る感動的なスピーチをするためには次の3つのポイントが大切です。
- 原稿に具体的なエピソードを入れる
- 原稿を覚える
- スピーチの練習をする
短いスピーチでは聞き手の心に残る挨拶はできません。
私は「手紙」では原稿に「合唱コンクルールでの練習」という卒業生が当事者だった具体的なエピソードを入れています。長さは8分程度です。そして私は原稿を丸暗記して、ジェスチャーを交えながら卒業生や保護者に語りかけるようにスピーチをしました。
「手紙2」の時はマイクを片手に持って、ステージ上を右や左に動き回りながらスピーチしました。原稿が長くてもこのような話し方をすれば聞き手が飽きることはありません。
この記事が全国のPTA会長の皆さんのお役に立てば幸いです。またそれが子供達や地域の笑顔を増やすことにつながればこんなに嬉しいことはありません。
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それではまたどこかでお会いしましょう!
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