明日上陸するイスラエルについて

2019年2月23日

ブルーモナークの船室はものすごくせまい食事が終わって部屋に戻ったら、もうすることがない、と言うか、寝るしかないまあ、今朝は早く起きたから眠いし、明日の朝も早いから、早く寝る分には文句ありません。健康的だしね。でも、寝る前にちょっとだけ、明日上陸するイスラエルについておさらいしておこう。

イスラエルについて

イスラエルの歴史

旧約聖書/創世記によると紀元前20世紀、ユーフラテス川のほとりで遊牧を営んでいたヘブライ人の族長アブラハムは、神の命令に従い今のパレスチナに移住した。

アブラハムの孫、ヤコブの12人の息子たちからイスラエルの12部族が生まれた。その後飢饉のためエジプトに移住していたが、奴隷となっていたイスラエルの民は、モーゼによってエジプトを脱出する。パレスチナに向かう途中、モーゼはシナイ山で神から十戒を授けられる(旧約聖書/出エジプト記)。十戒は今でもユダヤ教の教義の中核となっている。紀元前11世紀頃、パレスチナに定着したユダヤ人は、イスラエル王国を建国する。 イスラエル王国は、第2代のダビデ王、続くソロモン王の時代に最盛期を迎え、ソロモン王はエルサレムに壮麗な神殿(第一神殿)を築いた。

かし、ソロモン王の死後、王国は分裂、衰退し、バビロニア、アッシリア、シリア、マケドニア、などによって次々と征服を受け、ユダヤ人は各国へ散らばる。

紀元前538年、ユダヤ人たちは帰国を許され、エルサレムに神殿が再建される/「第二神殿」。

その後ユダヤ人は、ペルシャ、エジプト、シリアの支配を受けながらも基本的な自治権をもって生活していた。

ところが、ローマ帝国の支配を受け、紀元66年に反乱を起こしたが失敗。 70年にはエルサレム神殿が破壊され、これ以後、ユダヤ人はパレスチナの地を追放され離散(ディアスポラ)の歴史が始まる。

313年にローマ帝国のコンスタンティヌス帝によってキリスト教が公認されると、ユダヤ人は「イエス・キリストを殺した犯人」と言う名目のもと、キリスト教徒から、殺害、暴行、略奪、職業の制限などの迫害を受ける。そしてそれは20世紀まで続いた。 

一方、7世紀半ばから13世紀まで、パレスチナを含む西アジアから北アフリカ南ヨーロッパ一帯を、イスラム教帝国が支配、ムハマンドがエルサレムで昇天したことから、エルサレムはイスラム教の聖地となり、エルサレム神殿跡にはイスラム教の寺院/黄金のドームが建てられた。

今日、ソロモン王が建造したエルサレム神殿の壁の一部はユダヤ教の聖地(嘆きの壁)、イエスが十字架にはりつけにされたゴルゴダの丘はキリスト教の聖地(聖墳墓教会)、そしてムハマンドが昇天した場所はイスラム教の聖地(黄金のドーム)となっている。

驚くべきことに、これら3大宗教の聖地はすべてエルサレム旧市街、それもわずか400m四方の中に肩を寄り添うように存在している。

さらにアフリカからヨーロッパへ移動する渡り鳥の群れの3分の2は、エルサレムの上空を通り道にしているという。

ここは、はるか紀元前の昔より、多くの民族や生き物たちを、磁石のように引きつけてきた土地なのだ。

20世紀になって、ナチスのユダヤ人迫害から逃れるため、ユダヤ人はパレスチナの地を目指すようになった。 当時オスマントルコと敵対していたイギリスは、管理下だったパレスチナの土地をアラブ、ユダヤ双方と、都合のいいように受け渡す約束をしてしまう。これが今日まで続くパレスチナ紛争の直接的な原因となっている。 

こうした状況に対処するため、1947年に国連はパレスチナをユダヤ国家、アラブ国家、国連関連管理地区の3つに分ける分割案を採択する。 これを受けて翌1948年5月14日、イスラエルはテルアビブで初代大統領ベングリオンによる独立宣言を行なった。 

アラブ側はこれに猛反発、武力攻撃を開始し、 これ以後、イスラエル軍とアラブ軍との間で何度も何度も、戦争が繰り返されている。

オリーブ山からエルサレム旧市街の眺め

オリーブ山からエルサレム旧市街の眺め

イスラエル基本情報

● 面積 2万7800キロ平方メートル(イスラエル占領地区であるヨルダン川西岸やガザ地区などを含む。日本の四国程度)

● 人口 732万6900人(2008年)> 868万人(2017年5月)

● 首都 エルサレム(諸外国は未公認)

● 通貨 シェケル (1シェケル=約25円)。補助通貨はアゴラで1シェケル=100アゴラ。エルサレムなどの都市ではUSドルやユーロが使用できる。

● 言語 公用語はヘブライ語とアラビア語(英語も通用する)

● 宗教 ユダヤ教76.1%、イスラム教16.2%、キリスト教2.1%

● 電圧とプラグ 電圧は220V(50Hz)。プラグはヨーロッパで使用されている2つ足のCタイプが使用できる。

● 気候 4月~10月の乾期はほとんど雨が降らない。テルアビブの真冬の平均気温は10度~17度(エルサレムは標高が高いため5度くらい低い)。夏の気温は東京とほぼ同じ。

● 時差とサマータイム 日本との時差は7時間。3、4月~9、10月はサマータイムが導入されるため時差は6時間となる。

● ビザ 観光目的なら3ヶ月以内の滞在についてはビザ不要。ただしパスポートの残存有効期間が入国時に6ヶ月以上必要。イスラエルの出入国スタンプが押されたパスポートでは、シリア、レバノン、などイスラエルと国交のない国には入国できない。  

● 日本大使館 テルアビブにある。HPはコチラ

● GDP 2,961億ドル(2015年)、1人当たりGDP は35,343ドル(2015年)

 *参考 GDP 1,378億ドル(2006年)、1人当たりGDP は19,900ドル(2006年)

● 経済成長率 3.8%(2016年)

● 失業率 4.8%(2016年)

岩のドームはイスラム教の聖地となっている

 岩のドームはイスラム教の聖地となっている

日本からの行き方

イスラエルの空の玄関口、ベングリオン国際空港へは日本からの直行便はない。成田や日本各地方空港からソウルを経由して行くのがもっとも便利。ソウル~テルアビブは直行便が週3便就航している。その他、タシケント/ウズベキスタン、イスタンブール/トルコ、カイロ/エジプトからテルアビブへの直行便がある。

欧州主要都市経由で行く方法もあるが、上記の方法に比べると時間がかかる。

ベングリオン空港からテルアビブへは直通列車が運航している。タクシーでの所要時間はおよそ10~15分。エルサレムへは車でおよそ1時間。

空路で出国する場合、相当な覚悟が必要。マンツーマンで荷物の中身まで徹底的にチェックされる。

アテネやイスタンブールからクルーズ船で立ち寄る方法もある。

主な見所

イスラエルは日本の四国くらいの大きさ。しかし壮大な自然や史跡が満載で見所は多い。移動時間が短くてすむので効率よく観光ができる。

1)エルサレム

3000年の歴史を持つ世界最古の都市、エルサレムは、イスラエル観光のハイライト。3つの宗教の聖地が肩を寄り添うように隣り合い、イエスが十字架を背負って歩いた道は、巡礼者や観光客の列が後を断たない。

2)死海

海抜下420メートルにある死海は、世界でもっとも低地にある湖。流れ出る川がなく、たまった水は強烈な太陽の熱でどんどん蒸発するため、塩分濃度が33%もある「死」の湖となった。塩分濃度が高いため誰でも簡単に水に浮くことができる。また湖畔にはミネラル豊富な死海の水や泥を使用したスパや、高級ホテルが立ち並ぶ。

2)紅海

紅海に面した美しい近代的なリビーチゾート、エイラットはイスラエル最南端に位置する。珊瑚礁の海でダイビングやスノーケリング、クルージングなどのマリンスポーツが楽しめる他、砂漠に眠る古代遺跡を巡るラクダツアーなどがある。また隣接するヨルダンの世界遺産、ペトラ遺跡やエジプトのシャルムイッシェーフ聖カトリーナ山へも気軽に足を伸ばすことができる。

3)地中海沿岸

高層ビルがビーチ沿いに立ち並ぶテルアビブは、歴史が古いイスラエルにあって20世紀になって誕生した新しい都市。各国の大使館が集中し、イスラエルの政治、経済、文化の中心地となっている。テルアビブから北の地中海沿いには、美しいビーチを持つ町が続く。

4)ガラリヤ湖周辺

標高2814mのヘルモン山がそびえ雪解け水はヨルダン川の水源となっている。森林や滝があり他のイスラエルの風景と異なる。古代から湧く温泉やイエスゆかりの土地がある。

5)ネゲブ砂漠

イスラエル南部に広がる荒涼とした砂漠地帯。香料の交易で栄えたナバテア人の遺跡都市が点在する。また深さ500メートルある巨大なクレーター、ミツペーラモンに大量の霧が流れ落ちる現象は、イスラエルが世界に誇る絶景。

イスラエルの世界遺産

◆エルサレム旧市街と城壁(1979年登録、ヨルダンによる申請)

◆マサダ(2001年登録)

◆アッコー旧市街(2001年登録)

◆メギッド、ハツォル、ベエル・シェヴァにある聖書時代の遺跡(2005年登録)

◆ネゲブにある香料街道の沙漠都市(2005年登録)

◆ハイファと西ガラリア地方にあるバハーイー教の聖地(2008年登録)

イスラエル子連れ旅行記の目次

  1. 明日上陸するイスラエルについて
  2. 凍りつく入国審査〜アッシュドット港
  3. まるで遺跡のテーマパーク!世界遺産エルサレム
  4. 「神」を信じる者は「紙の橋」を渡る〜万国民の教会とゲッセマネの園
  5. ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」子連れ観光ガイド
  6. 世界最古の地図にも載っているショッピングアーケード・カルドでお土産を物色
  7. イエスが十字架を背負って歩いた悲しみの道
  8. ゴルゴダの丘に建つキリスト教の聖地・聖墳墓教会
  9. 港町ヤッフォに陸揚げされた荷物を運び入れる門として賑わったヤッフォ門
  10. グランドコ-ト・ホテル・エルサレムのランチビュッフェでイスラエル料理をいただく
  11. パレスチナ自治区子連れ旅行〜ベツレヘムのおみやげショップで十字架グッズを買う
  12. 聖誕教会~イエス・キリストが生まれた場所
  13. さよならイスラエルディナー