ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」子連れ観光ガイド

2019年2月23日

💓ども、シャローム!子連れ海外旅行をこよなく愛するイルカパパです。

小2、小5の子供を連れて家族でイスラエルを旅行しました。今回はエルサレム観光のハイライト、ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」を子連れで見学した時の様子をレポートします。

ユダヤ教の聖地エルサレムの嘆きの壁

名前の由来

新約聖書にたびたび名前が登場するユダヤの王、ヘロデは、キリスト教徒にも特別な意味を持つ人物だ。そのヘロデ王が再建したエルサレム第二神殿の外壁が、現在ユダヤ教の聖地になっていることは、大変興味深い。

紀元前538年、バビロニアの捕虜から解放されたユダヤ人たちは、エルサレムに帰還し、破壊された神殿の再建を計った。さらに紀元前40年頃、ローマ帝国より「ユダヤ王」に任命されたヘロデが、その神殿の大改修をおこない、第二神殿を完成させたのだ。

同じ頃、エルサレムの南10kmにあるベツレヘムでイエスが生まれ、その後、ローマ総督ティトスによって、ヘロデ王が改築した第二神殿が破壊される。

神殿崩壊後、ユダヤ人は年に1度許可されているエルサレムへの帰郷の時、部分的に残った第二神殿の西側の外壁に集まり、神殿再建と救世主の来臨を祈るようになった。夜露が、壁の石の隙間に生えるヒソプの草を伝って落ちる様が、人が涙を流す姿に重なることから、いつしかこの壁は嘆きの壁と呼ばれるようになった。

ユダヤ教の聖地、嘆きの壁の高さはおよそ21m。下から7段目の石までが第二神殿時代のもの、その上の4段はローマ時代に付け足された部分、そしてさらにその上にあるのは、マルムーク時代の石。また地下にも第二神殿時代の石垣が17段まで埋まっている。壁に近づいて、時代ごとに異なる石組みの大きさを比較してみるのも面白いだろう。

嘆きの壁と岩のドーム
嘆きの壁と岩のドームはこんなに近い / ぼくたちのうしろに見えるのが「嘆きの壁」だよ

手荷物検査場

糞門から嘆きの壁へ続く道 / 嘆きの壁広場へ入る人の列 / 観光客用の手荷物検査場はすいている

旧市街を囲む城壁の南にある糞門から中へ入る。

糞門は嘆きの壁に一番近い門で、大勢の観光客や信者たちがぞろぞろと列をなして壁に向かっていた。楽器を手に持って演奏しながら行進している一団もいる。聖地というから、もっと、神妙で厳かな雰囲気をイメージしていたが、列に加わって歩いている人の表情はみな、今日の快晴の空のように明るく、まるで、これから野球の試合でも観戦するような、興奮状態に包まれている。

嘆きの壁にむかう道は途中で2手に分かれ、下の道は、大勢の人でラッシュアワーの満員電車のように混雑していた。一方、上の道は、申し訳ないくらいすいている。どうやらわたしたちのようにツアーで訪れる観光客用の道のようだ。

観光客用の道は、いったん細い階段を登ったあとすぐ降りて、その下にある手荷物検査場に入る。空港で飛行機に乗り込む時にあるようなやつだ。その建物を出たところが、嘆きの壁の前の広場だった。

嘆きの壁
嘆きの壁の正面

嘆きの壁広場

「おお~~すごい」

広場の東側に嘆きの壁があって、広場の地面は、壁にむかってゆるやかに下っている感じだ。

想像していたよりずっと広い空間だったので、まず驚く。

それから、こんな大きな広場なのに、その突き当たりが壁、という景観も、おそらく世界でここだけではないだろうか?広場というのは通常、そこに面してカフェやお店、建物があるはず。ただの壁に囲まれた広場というのは、ちょっとよそではお目にかかれないだろう。

嘆きの壁の前の広場

何を嘆くのか?

でも、一番驚いたのは、壁の北側の建物のすぐ上に、黄金に輝くイスラム教の聖地、岩のドームの丸屋根が見えていたことだ。

嘆きの壁はユダヤ教、黄金に輝く岩のドームはイスラム教。

その2つがこんなに近いなんて!

イスラエルとアラブはしょっちゅう紛争をおこしている。その是非や歴史的背景はともかく、新聞やニュースで、自爆テロやら空爆やらの、血なまぐさい報道をたびたび見ているので、ものすごく険悪な仲なんだろうと想像できる。しかし、実際には、この2つの宗教の聖地はこんなに近くにあるのだ。

数千年という時間と、人間のドラマに彩どられた、聖都エルサレム。その中心で広場の行く手を遮るようにたたずむ「嘆きの壁」は、過去より、これからやってくる「未来」を嘆いているのかもしれない。

嘆きの壁の入り口でキッパをかぶる子供達
これをかぶらなければ嘆きの壁には入れません
キッパをかぶる子ども達の記念撮影
キッパは誰でも無料で借りれるよ

キッパはどこで売ってる?

嘆きの壁にはユダヤ教の信者でなくても入ることができる。

ただし男性はキッパというユダヤ独特の帽子をかぶらなくてはならない。

どこで売っているんだろうと思いきや、心配ご無用、嘆きの壁の入り口にたくさん置いてあり、誰でも自由に取ってかぶることができる。

嘆きの壁に祈るカイとリュウ
嘆きの壁に祈るカイとリュウ / こちらは女性用

その他注意事項

嘆きの壁では通常、写真、ビデオ撮影はOK。

ただしユダヤ教の安息日である金曜の日没から土曜の日没までと、祝日は写真撮影が禁止になるので注意しよう。

それから壁は男性用と女性用に祈る場所が分かれている。

そうそう、壁のある広場の北側に、信者や観光客用のトイレがあって、きれいでゆったりしていて、もちろん男性用と女性用に分かれていた。

石組みの隙間から生えているピソウ草
 石組みの隙間から生えているのがピソウ草

嘆きの壁の地図

嘆きの壁子連れ観光のまとめ

嘆きの壁は、ユダ教の聖地にしてエルサレム観光のハイライト。でもユダヤ教の信者でなくても入ってお祈りすることができます。入り口には空港のような手荷物検査場があるので、あまり大きな荷物は持っていかないほうがいいかな。

周囲は歩行者天国なので、車の心配をしないで子供と歩けるのは嬉しいね。きれいな無料トイレもあります。キッパも無料で借りれます。

ただしお祈り場は男女別なので注意してください。

この記事があなたのイスラエル旅行の参考になったならとってもうれしいです。それでは良いご旅行を!

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