キュリーズ島海洋国立公園〜ゾウガメだらけ!バーベキューランチ・キュリーズ島博物館
キュリーズ島はプララン島北海岸の沖合に浮かぶ比較的大きな無人島。3島クルージングツアーではこの島でビーチサイドバーベキューランチを食べた
ボナプレミジ!マリンスポーツ歴40年のイルカパパです☆今回は「インド洋の真珠」「地上最後の楽園」と讃えられるセイシェル共和国に2人の子供(小3、年長)を連れ家族4人で旅行をしてきました。
セイシェル旅行滞在2日目。クーザン島に上陸見学したあと、ボートに戻って次の目的であるキュリーズを目指します。
セイシェル子連れ旅行のスケジュール
- 1日目 モルジブからシンガポールで乗り換えてセイシェルヘ ヴァレドメ自然保護区 プララン島
- 2日目 3島クルーズツアーに参加 プララン島
- 3日目 ラディーグ島へ移動 サンセットクルーズ ラディーグ島
- 4日目 午前中ココ島クルーズ 午後ホテルのプール&ビーチ ラディーグ島
- 5日目 アンスココトレッキングツアー 島の北海岸へサイクリング ラディーグ島
- 6日目 午前中ホテルのプール&ビーチ 午後移動
- 7日目 シンガポールで乗り継いで帰国
キュリーズ島について
こんなところ:
ココデメールが自生し、アルダブラゾウガメが生息する無人島。プララン島のすぐ北側にあるため多くのツアーが催行されている。
行き方:
マヘ島からキュリーズ島へは、日帰りツアーまたはクルージングツアーで参加するのが一般的。プララン島滞在者は3島クルージングツアー(クーザン島、キュリーズ島、サンピエール島)で参加する。
子連れにおすすめ度:
3
おすすめポイント:
ゾウガメを見学したり、運がよければゾウガメの背中に乗ることができる。またキュリーズ島にはかってのハンセン病患者の隔離療養施設があり当時の医者の住居がキュリーズ島博物館として公開されていてる。子連れで人類の悲しい歴史を学ぶことができる貴重な場所だ。*入館料は無料。
多くのツアーではこの島でランチの時間を取り、ビーチサイドバーベキューをおこなう。キュリーズ島にも美しいビーチがあるが、シュノーケリング、ボディボードには向かない。
キュリーズ島へのクルージング
クーザン島探索が終わり全員が船に戻ると、今朝来た航路を引き返して、キュリーズ島を目指す。クーザン島からキュリーズ島まではおよそ20分程度のクルージング。右手にプララン島を眺めながら、気持ち良く潮風に吹かれていたら、あっという間に到着した。
沖に船を泊め、またまた小型ボートに乗りかえて上陸する。しかし今度はクーザン島のときのようなスリリングなランディングではなく、普通に浜に乗り上げ、足首まで水につかりながらのウェットランディングだった。
キュリーズ島博物館
ひらがなの「つ」を逆向きにしたような形のキュリーズ島は、プララン島の北1~2kmの沖に浮かぶ、手つかずの自然が残る無人島だ。世界でセイシェルにしか自生しない不思議な巨人ヤシ、ココデメールはヴァレドメ渓谷と、このキュリーズ島でしか見ることができない。
またこれもセイシェルでしかお目にかかる事が出来ない、アルダブラゾウガメが生息しており、島全体と周辺の海は海洋国立公園に指定されている。
キュリーズ島には、ホテルやレストラン、売店などはない。道路も町も港もない。
島の南東のビーチに半屋外のピクニックテーブルと、簡易トイレ、そしてキュリーズ島博物館があるのみだ。
キュリーズ島博物館は、館内と庭園を無料で見学できる。
キュリーズ島はセイシェルがかってイギリスの植民地だった時代、ハンセン病患者の隔離療養施設があった場所で、博物館の建物は当時、医師の住まいだったところらしい。
建物の中にはハンセン病に関する説明やキュリーズ島の歴史、そして周辺の海の素晴らしい自然環境などを説明するブースが設けてある。また2階のバルコニーからは建物を取り囲む庭園と、その向こうのターコイスブルーにきらめく海を眺めることができる。
ゆったりと流れる時間に身をまかせ南海の無人島の風になったような気分だ。博物館は入館無料。
キュリーズ島博物館の入り口 / 外観 / 風が吹き抜けるバルコニー
ハンセン病について
ところでハンセン病って何だろう?気になったので、日本に帰ってから調べてみた。
ハンセン病は「らい菌」による感染症で、主に抹消神経と皮膚がおかされる病気。外見上に変形が生じたり、熱さ、冷たさ、痛みなどの感覚が麻痺し、やけどや傷ができてもわからなかったりすることがある。
島の歴史や自然についての説明 / かってこの建物は医師の住居だった
ハンセン病の医学的な特徴
●遺伝病ではなく、感染力の極めて弱い慢性感染症。
●成人の場合は、ほとんど感染することはなく、感染しても発病することはまれ。実際、療養所の医師や看護師などでハンセン病にかかった職員はいない。
●不治の病ではなく、化学療法によって完治する。
●早期に適切に治療すれば、身体に障害を残すことはない。
残念なことに、ハンセン病患者とその家族、親族は、長い間ひどい差別を受けてきた。
その理由は
- 病気が進むと、顔や手足などの目立つところが変形したり不自由になったりすることがあったこと。
- 有効な治療薬がなかったころは、治らない病気と考えられていたこと。
- 遺伝病と誤解されていたこと。
- 「らい予防法」により、患者を強制的に療養所収容・隔離したり、患者の出た家を消毒したことなどから、「強い感染力を持った恐ろしい病気」というイメージが社会に定着してしまったこと。
その結果、ハンセン病の患者・元患者の方々の多くは、人権を無視された生活を強いられてきた。
例えば
- 親や兄弟姉妹と一緒に暮らすことができない。
- 自由に自宅に帰ることができない。
- 実名を名乗ることができない。
- 一生療養所から出て暮らすことができない。
- 結婚しても子どもを持つことができない。
- 死んでも故郷の墓に埋葬してもらえない。等等。
ハンセン病問題とは、病気そのものの感染や脅威ではなく、人々の偏見による差別が、患者とその家族を苦しめてきたということだ。
「らい予防法」は平成8年4月1日に廃止されたが、10年以上経つ現在でも、社会に残る偏見・差別から、このような苦しみを持ちつづけている人が多くいる。
わたしたちの住む世界は、喜びと感謝に満ち溢れている。
その一方で、いじめ、偏見、差別、テロ、戦争、環境破壊といった影の部分が、増長する隙を狙っていることもまた事実だ。
わたしたちがなすべきことは、心を影に支配されないこと。
そして無知が偏見を生み偏見が差別を生む、ということを心に銘記しておこう。
キュリーズ島でバーベキューランチ
今日の昼はキュリーズ島のビーチでバーベキューランチ。
ランチの代金も含まれていると言うから、このツアーけっこうお得じゃないかーー。
島に上陸するとジョセフィーナの案内で、ビーチの奥にあるピクニックエリアへ移動。ここはお祭りの詰め所のように、何席ものイスとテーブルがテント張りの屋根に覆われた場所に置かれている。
足もとは砂。通常、クルージングツアー等でこの島を訪れたゲストは、ここでランチを食べるようだ。
ランチの席は、ツアーのゲストごとに分けられている。わたしたちのテーブルには、赤いギンガムチェックのテーブルクロスがかけられ、その上に奇麗な花がデコレートされていた。こういうさりげない気遣いがなんともハッピーな気分にさせてくれる。
食事は野趣溢れるシーフード&肉のバーベキュー。
う~ん、香ばしい匂い鼻孔を刺激するぞ。もーお腹ペコペコ、たまりません!
バーベキューのコンロはテーブルのすぐ隣にあり、日本と同じように炭で焼くのがうれしい。
肉はいろんなソースでマリネ浸けされたものが数種類、それぞれ味わいがあって美味しい。
こどもたちはボークのスペアリブが気に入ったようで何本もむしゃぶっていた。ってコラー!、行儀悪いぞ。
魚は見た目ちょっとグロテスクで、えっ、いったい何?と不安になる得体の知れない魚だったが、おそるおそる口に入れたら、
予想に反してうまい!!。
脂ののったサバみたいな味で、塩とレモンをふりかけていただく食べ方も、新鮮でよかった。そ
の他、ピラフにサラダ、パンに飲み物までついていた。
南海の無人島のビーチで、こんな美味しいものがいただけるなんて、あ~シアワセだーー!!
「あなたたちどちらからいらしたの?」
食事をしていると同じツアーに参加しているイギリス人のご婦人が尋ねてきた。
東京からです、とわたしが答えると、彼女はちょっとびっくりした表情。どやらわたしたちがヨーロッパか中東在住の日本人家族だと思ったらしい。
「へ~日本から、セイシェルへはどうやってくるの?」
シンガポール経由です、とわたしは答えた。さらに、ここに来る前にモルジブに寄ってたことを話すと、やはりわれわれと同じホテルから参加しているフランス人ご夫妻も、え~モルジブ!と会話に入ってきた。
知り合いがモルジブへ行ってすごくよかったという話を聞いていたので、興味があったらしい。
どんな感じなのか、海は綺麗なのか、ダイビンングはどうだったか、根掘り葉掘り質問されて、美味しい料理に話も盛り上がったランチタイムだった。
参考記事:モルジブ子連れ旅行記(6才、9才)〜極上のハウスリーフを持つビヤドゥアイランドリゾート編
参考記事:インド洋の楽園モルジブ・ビヤドゥのハウスリーフで子連れシュノーケリング〜7つのパッセージと海中写真
参考記事:個人手配モルジブ子連れ旅行記(6才、9才)〜計画・準備編〜モルジブでコスパの良いリゾートホテルを選ぶ方法・行き方比較
食事の後は1時間ほど自由時間。各自木陰で昼寝したり、ビーチを散策したりして過ごす。
キュリーズ島のビーチ。クリームソーダを海に溶かしたように美しい
わたしとこどもたちは、少しビーチでシュノーケリングをしてみた。
ここのビーチは見た目はとてもきれいなのだが、水の中はそれほどでもない。珊瑚はまったくなく、底地には緑色の海藻が生えている。魚もほとんどいない。透明度は3メートル程度。
参考記事:子連れ海外シュノーケリング
参考記事:世界中の海に潜ったマリンスポーツのエキスパートが教える子連れシュノーケリングの楽しみ方、注意点、道具の選び方
子連れシュノーケリングは早々と切り上げ、ビーチでこどもたちと遊んだり、木陰で本を読んでいるママのとなりでお話をしたりしてのんびりすごした。
やがて出発の時間になり、ジョセフィーナがボートの前で集合をかけている。これから島の裏側へ行ってゾウガメを探すのだ。
さあ、いよいよ今日のツアーのクライマックス、ゾウガメ探しにGO!
ひゃぁ〜〜ゾウガメだらけ!キュリーズ島
ゾウガメの乱獲と絶滅
動きが鈍いので簡単に捕まえられる、ひっくりかえしておけば逃げない、水や餌をあたえなくても半年以上生きている、などの理由から、ゾウガメは長期間の航海に最適な食料と考えられていた。
そのため大航海時代に、たくさんのゾウガメが乱獲され絶滅してしまった。
人類が気づいた時にはもう、地球上に残されたゾウガメは、ガラパゴスゾウガメとアルダブラゾウガメの2種類だけになっていたのだ。
ところが1997年、セイシェルのシルエット島で、120年ぶりにセイシェルゾウガメの生存が確認された。その後の保護と研究により、現在ではこのゾウガメの繁殖の可能性に光がさしている。
キュリーズ島で見ることができるのはアルダブラゾウガメ。もともとセイシェル諸島の南端にあるアルダブラ環礁に生息するゾウガメで、保護と繁殖のためにキュリーズ島に連れてこられたものだ。
現在キュリーズ島では約700頭のアルダブラゾウガメが繁殖に成功し、野生化して平和に暮らしている。
またキュリーズ島の北方にあるバード島では、推定年齢200才のゾウガメが生存している。
これは現在地球上で確認されている、最高齢の動物だ。
ちなみに前述のセイシェルゾウガメは、シルエット島の研究施設でしか見ることはできない(行っても見学できるかどうかわかりません)。
ゾウガメだらけ~キュリーズ島
岬の先端を回り込むと、鏡のように静かな入り江が現れた。ボートはその入り江の北側のビーチに接岸し、わたしたちは順番にウェットランディングで上陸する。
「あ、ゾウガメ」
その時、カイが砂浜を指差して叫んだ。見ると白い砂浜のヤシの木陰で、大きなゾウガメがこちらをじーっと見つめている。さらに陸のほうを見ると、草の広場にオブジェのような岩がごろごろ転がっているが、ん~、
あれ全部ゾウガメですか~?ええぇー、いったい何匹いるの~~。
島の北側にゾウガメを探しに行こうというので、あまり期待はしてなかったのだが、それでも運がよければ1、2匹くらい見れるかななんて思っていた。
それが運がよければどころか、まさか上陸してすぐ何もそこまでというくらいたくさのゾウガメと出くわすなんて!
ビーチから少し奥へ入ったところに、屋根付きの休憩所がある。屋根でできる日陰にも、たくさんのゾウガメがたむろしている。
ここの管理人みたいなおじさんが、ちょっとこっちへ来いというので行ってみたら、おじさんはゾウガメの首の下をなでてみせた。
するとアレアレ、ゾウガメの首がぬーっと伸びるではないか。
これは面白い!そのうえ
「ゾウガメに乗ってもいいよ」
なんて言うもんだから気を失いそうなくらい喜んで、背中にまたがる子供たちだった。
いっぱいゾウガメを見て、背中にまで乗っちゃって大満足♪
では、ボートに戻って、今日のツアーの最後の目的地、サンピエール島へ向おう。(*ここでの滞在時間はおよそ30分くらいでした)
セイシェル子連れ旅行記の目次
- 最後の楽園セイシェル子連れ旅行記(6才、9才)〜スケジュール・計画・準備編
- セイシェル航空でGO!
- セイシェル子連れ旅行記(6才、9才)〜フライト&空港編・マヘ島ビクトリア国際空港
- 個人手配セイシェル子連れ旅行記〜プララン島空港に到着編・ホテルラルシペル
- セイシェルでレンタカーを借りるのに国際免許はいりません
- 為替の両替~セイシェルルピーをゲットする
- 世界遺産・ヴァレドメ自然保護区のココデメール
- セイシェルナンバーワンビーチ/アンスラジオへのアクセス
- プララン島のディナ~クレオール料理のレストラン「ラグーリュ」
- プララン島のホテル/ラルシペルのプールで水中にらめっこ
- 野鳥の楽園セイシェル・クーザン島に子連れクルージングツアー
- キュリーズ島海洋国立公園〜ゾウガメだらけ!バーベキューランチ・キュリーズ島博物館
- セイシェル・サンピエール島で子連れシュノーケリング
- ホテル・ラルシペルのプールから見るプララン島の夕陽
- ドレスコードは意外に厳しかった・ホテル・ラルシペルのディナー
- え?片道切符だけ?不安いっぱい期待いっぱいでラディーグ島行きフェリーに乗船
- ラディーグ島子連れ旅行記(6才、9才)〜レンタサイクル編・観光の見どころ・リュニオンエステートビーチ
- 最後の楽園セイシェル子連れ旅行記(6才、9才)〜ラディーグ・アイランドロッジ編
- セイシェルサンセットクルーズツアー
- ヨーロッパからのゲストが多いリゾートの朝食では脳にいいものをたくさん食べれる
- ココ島子連れシュノーケリングツアー
- セイシェル子連れ旅行記(6才、9才)〜リュニオンエステートパーク・ゾウガメ公園編
- セイシェルを代表する景観・神の積み木〜アンススールダルジャン
- インポッシブルで危険なミッションとは?〜セイシェルの夕日
- プールバーのお兄さんが火を吹いて驚いたファイヤーショーを見ながらディナービュッフェ
- ツアー参加者だけでビーチを独占する贅沢〜セイシェルの秘境ビーチ・アンスココ子連れトレッキングツアー
- セイシェルを代表するビーチ・グランダンス
- セイシェルのプレイグランドで遊ぶ
- ラディーグ島北側へのサイクリングの途中で野生のゾウガメと遭遇した
- 舌が4次元の世界にワープする衝撃的な美味しさ・グレゴリーズピッツェリアのココナツタルトとキャラメルプリン
- 地上最後の楽園セイシェル子連れ旅行記(6才、9才)〜さよならセイシェル編・デイユース・空港のお土産ショップ
- セイシェル子連れ旅行記エピローグ〜子ども達がセイシェルで楽しかった事ランキング