キプロス子連れ旅行の見どころ
愛と美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)が誕生した島、キプロスは、1年のうち300日以上が晴天に恵まれるという太陽の国だ。大きさは日本の四国の半分ほどだが、海と空が眩しく輝き、白砂のビーチや、1万年の歴史を誇る古代遺跡が点在する。また、中央の山岳地帯には、豊かな森と中世の面影を残す村落があり、冬にはスキーが楽しめるオリンポス山がそびえる。
キプロス子連れ旅行
小さな島国とはいえ、これほど多くの観光資源に恵まれた場所は、世界でもめずらしいと言えるだろう。そして新鮮なシーフードは、味にうるさい日本人の舌も唸らせるほど。設備の整ったリゾートホテルも数多くある。
地中海交通の要所として古くから栄えたキプロスは、日本ではまだあまり知られていないが、びっくりするほど多くの見所が集まった、子連れ旅行者にもおすすめの、スーパーリゾートアイランドなのだ。
紀元前14世紀に造られたクリオンの古代遺跡を子連れで観光
日本からキプロスへののフライト
現在、日本からキプロスへの直行便はない。ヨーロッパ主要都市を経由して行くのが一般的だ。最も乗り継ぎの効率がいいのが、ロンドン経由。ロンドンからキプロスへのフライトは週30便ある。ロンドンからキプロスまでの所要時間は約4時間30分。その他、アテネから約1時間40分、ドバイ約3時間、フランクフルト約3時間30分、ローマ約2時間25分、ウィーン約3時間、モスクワ約4時間30分。
キプロスの空の玄関口は、南海岸の東にあるラルナカ国際空港。西部のパフォスにも国際空港があるが、便数はラルナカのほうが多い。
キプロス旅行の基本情報
言語
19世紀から20世紀にかけてイギリスの支配下にあったため、英語が通じる。その他ギリシャ語、トルコ語。
通貨
2008年1月ユーロが導入されている
人口
約78万人
首都
ニコシア
面積
9251平方キロメートル(四国の半分くらい)
民族構成
ギリシャ系77.8%、トルコ系10.5%、その他11.7%
宗教
ギリシャ正教、イスラム教
電圧とプラグ
240V、50Hz プラグタイプはBF
時差
日本との時差は7時間。キプロスのほうが遅い。3月最終日曜日深夜から10月最終日曜日深夜まではサマータイムのため6時間遅れになる
ペトラトゥオミウ海岸。アフロディテ(ヴィーナス)生誕の地
島内交通
キプロスには鉄道がないので、移動手段はバスかタクシー、レンタカー利用になる。バスは主要都市の市内は頻繁に循環しているが、都市と都市を結ぶ路線は便数が少ない。タクシーには通常のタクシーと、4~8人で乗る、乗り合いタクシーがある。
車の走行は、日本と同じ右ハンドル、左側通行なので、レンタカーは日本人にも運転しやすい。
気候と地形
気候は地中海性気候で、夏は暑く、乾燥する。北部は海岸線に沿って山脈があり、首都ニコシアを中心とする中央部が平坦地となっている。南部は大部分が山地で、海岸沿いに美しいビーチやマリーナが点在する。島の最高峰はオリンポス山。標高は1951m。冬は雪も降り、スキーができる。
食べ物も美味しいよ / 黄色いポストがかわいい
世界遺産
キプロスには、ユネスコの世界遺産に登録されてい文化遺産が、3カ所ある。
1)トロードス地方の壁画教会群Painted Churches in the Troodos Region(1985年ユネスコ世界遺産登録)
キプロス島内陸部の山岳地帯に点在する、ギリシア正教の教会群。茅葺き切り妻屋根という質素な外観と、きらびやかなフレスコ画で覆われた教会内部の壁画、という予想外の組み合わせが見る者を虜にする。緑深い山の中で中世の面影を残す素朴な村々も、同時に世界遺産に登録されている。
2)パフォスPaphos(1980年ユネスコ世界遺産登録)
愛と美の女神アフロディーテ伝説発祥の地の近く、パフォスには、紀元前1200年頃造られたアフロディーテ神殿跡をはじめ、数多くの貴重な文化財があり、町全体が世界遺産に登録されている。
ローマ時代の貴族の館も多く残り、東地中海モザイク芸術の傑作といえる、多くのモザイク画を見ることができる。
3)ヒロキティアChoirokoitia(1998年ユネスコ世界遺産登録)
紀元前7000年頃に形成された農耕民族の集落の跡。ラルナカから西へ約30キロ、キプロス南部の海岸に近い山麓の川沿いに位置している。石器や装飾品など多くの出土品が発見されている。
世界遺産の街、パフォスのマリーナプロムナード
おもな都市
ラルナカ/LARNAKA
国際空港があるキプロスの玄関口にしてキプロス最大の都市。海に面して広がる近代的なビーチリゾート都市でもある。近郊に世界遺産のヒロキティア遺跡がある。
パフォス/PAPHOS
町全体が世界遺産に登録されている古都。愛と美の女神アフロディーテの誕生地としても知られる。貴重な文化財が数多く残され、港に面したプロムナードにはシーフードレストランが軒を連ねる。
ニコシア/LEFKOSIA
街の紀元が、新石器時代まで遡る、キプロスの首都。紀元前11世紀に首都となり、城壁と砦に囲まれた旧市街は、古代の魅力を感じさせる。城壁内の旧市街に、北キプロスとの国境(グイリーンライン)がある。
レメソス(リマソール)/LEMESOS
キプロスの商業の中心であり、島最大のリゾートシティ。またキプロス最大の港を擁し、海の玄関口となっている。
乾燥した山肌 / バスの車窓からの景色 / 目の醒めるような鮮やかな海
北キプロス問題
キプロス島の北側は「北キプロス・トルコ共和国」の領土。首都ニコシアの北側は北キプロスに属する。現在は国境の往来はかってほど厳しくなくなったが、北キプロスの独立はトルコ以外の国は承認していない。もし北キプロスでトラブルに巻き込まれたら、とても困難な状況に陥る事を認識しておこう。
船上から眺めるリマソール