さよならイスラエルディナー

2019年2月24日

エルサレムから帰って来て船に乗る前に、またまた厳重なパスポート&荷物チェックがあった。

いいじゃん、もう船に戻ったんだから、と思うがそうはいかないらしい。

クルーズ船のツアーでもこの厳しさなんだから、個人旅行だったら、いったいどうなっちゃうんだろう。

 

さよならイスラエルディナー

 

さよならイスラエル

チェックが無事終わり、船室に戻ったが、夕食まではまだ時間がある。

「ねえ、ちょっとでいいからプールで遊んでいい?」

大口契約が決まる直前のセールスマンみたいに、神妙に尋ねるこどもたち。

まあ、ダメだと言う理由もないし。

「よっしゃ!」

天井にアタマを打つほど飛び上がって喜んで、そのままこどもたちはプールへ急行する。子連れ旅行では「プール」の存在は絶大だ。丸1日観光した今日みたいな日でも、1日の終わりにほんのちょっとプールに入るだけで、子供の機嫌はぜんぜん違う。高学年になって観光が楽しめるようになったと言っても、まだまだこども。少しでも時間があったらプールで遊びたいんだね。

こどもたちがプールで遊ぶのを横目で眺めながら、プールサイドで読書をする。ふと、揺れに気づいて顔をあげると、いつの間にか船が動き出しているではないか。

おお~~、

ベッドから起き上がって振り向くと、西の空が水彩絵の具をにじませたように赤く染まっている。火力発電所の煙突から立ち上る水蒸気も、夕凪にあおられてゆったりとたなびきながら、赤く染まっている。

地中海に沈む夕日を追いかけるように、船はアッシュドットの港をゆっくり離れていった。

 

きんと冷えたシャンパンが美味しい

          きんと冷えたシャンパンが美味しい / パエリアです / 前菜のテリーヌ

 

イスラエルとの別れを惜しむディナー

さて夕食の時間になったので、メインダイニングに向かう。

「お腹減ったかな~~?」

入り口で、わたしたちのテーブル係のレイモンドが笑顔で迎えてくれた。

「アイムハングリー!」「ミートゥー!」

レイモンドとハイタッチを交わしながらレストランに入場するこどもたち。今夜もわたしたち家族が一番乗りだ。今夜の夕食のメニューからわたしたちが選んだのは、パエリア、テリーヌ、コンソメスープ、子供たちはスパゲティミートソースとサーロインステーキ。

うひゃぁ~~、美味しそう♪

ビールとグラスシャンパンで乾杯して、いただきま~す☆

明日は未知の国、キプロスに上陸するぞーー。

 

料理の写真

    こどもたちのお気に入り、ミートスパゲティ / ボリューム満点のサーロインステーキ / デザートのムース

 

食育について

夕食ついでに、ここで、子育てと食事について、我が家で気をつけていることを紹介しよう。

人間は生きていれば毎日何かを食べる。そして食べたものが、肉や血になり、病気に負けない免疫力を生み、活発に行動するエネルギー源となり、知能や豊かな精神さえも作りだしてゆく。こどもにとっての食事とは、単に何かを食べて空腹を満たす行為ではなく、その子のしあわせな一生の土台を作る大切な「授業」なのだ。

我が家では子育てにおける食事で、押さえるべきポイントは次の3つだと考えている。

 

  1. 規則正しい時間に、必ず1日3食いただく
  2. 家族全員で会話をしながら楽しくいただく
  3. 化学物質が入った加工食物はできるだけ摂取しない

 

「規則正しい時間で、必ず1日3食いただく」

2008年度文部科学省の全国学力・学習状況調査によると、朝食を抜く小学生は全体の13%、中学生は19%もいるらしい。

夜寝てる間は何も食べていないから、朝は脳の栄養が不足している。そんな状態で朝食を抜くと、アタマがぼ~っとして学校の授業に集中できなくなる。1日のうちで脳が最も働く時間帯である午前中を、そんなふうに過ごしてしまったら人生の無駄使いと言えるだろう。朝食を抜く原因が、夜更かしに起因する朝寝坊にあるなら、まず規則正しい生活をこどもに覚えさせることが先決。

夜、だらだら遅くまで起きていると、早起きが出来なくなる。寝る時間を決めてしっかり守ることが、早起きの習慣を身につけさせる需要なポイントなのだ。

早起きをするから朝食もしっかり食べられる。まさに一石二鳥と言えるだろう。

ところで、規則正しい食事の習慣を邪魔するものが、お菓子のだらだら食い。いつでもどこでもお菓子をだらだら食べる子供は、食事の時間になるともうお腹いっぱいで何も食べられなくなる。一度、子供が食べているお菓子の「栄養分」をチェックしてみるといいだろう。そこに含まれている化学物質がどんなものかわかれば、こどもにお菓子を与える親は、こどもを虐待しているのとたいして変わらないことに気づくに違いない。

 

「家族全員で会話をしながら楽しくいただく」

家族全員で揃って、楽しく会話をしながら食事をすることも、子育てと食事において大切なポイントだ。1人で夕食を食べる頻度の少ない子ほど、学力が高い傾向にあることがわかっている。またそのような子は、勉強だけでなく、スポーツや芸術などの分野におても、すぐれた才能を開花させることが多い。

我が家では、家族で夕食をいただく時は、全員で準備や片付けも分担している。もちろんテレビはつけない。

そして食事中は「おしくない」とか「これきらい」のような否定的な言葉は使わないようにしている。何を食べても「美味しい!」「しあわせ!」「おかわり!」の3つの言葉だけ。どんなことでもありがたく受け入れる、器のでっかい人間に育って欲しいからだ。仕事をしているならお父さんが、毎日、夕食を家族といっしょにとるのは難しいかもしれない。しかし、子供がこどもでいる時間なんて、ほんのちょっとの間しかありません。大きくなってから後悔しないよう、会社での仕事の段取をうまくこなそう。

 

「化学物質が入った食物をできるだけ摂取しない」

人間の味覚というのは実はとってもあいまい。まず目で見た情報で勝手に思い込んでしまうところがある。そして味そのものではなく「香り」で味を決めてしまうことが多い。だから極端な話し、合成着色料で色を付け、香料で味覚をごまかせば、段ボールだって、ステーキやスイカだと信じ込ませることが出来るのだ。

できるだけ、合成着色料や、香料、合成保存料が含まれていない、「旬」で「本物」の食材をいただくようにしよう。

化学物質浸けになると、子供の身体の健全な成長に支障をきたすばかりか、免疫力が落ちるから病気にもかかりやすくなる。

また、最近はやわらかく食べやすい食事が多くなっているが、柔らかい食べ物ばかり口にしていると、我慢できない人間になるなど、こどもにとっていいことはない。我が家では極力、堅くてかみにくいおかずも、必ず何品か皿に乗せるようにしている。堅いものを何回も噛むことによって歯や歯茎が鍛えらる。また何回も噛むことで脳が刺激され、脳神経の回路が活性化していくのだ。

 

*文部科学省は2005年、子供の食習慣の乱れを是正するため「食育基本法」を制定している。→HPはコチラ