【子連れ海外旅行の達人が伝授】大人も子供もみんな楽しめるプランニングのツボ

2019年3月19日

ブルネッキーズビーチでボディボードをする子供達

大人も子供も心のそこから楽しめるボディボード天国ブルネッキーズビーチ

子連れ海外旅行プランニングのポイントは過去の成功体験(大人だけの旅行)を忘れること

人は過去の成功体験をなかなか忘れられないものです。独身時代に海外旅行で素敵な経験をした人は、子連れ旅行でも同じような体験をしたい、またあの感動を味わいたい、と思ってしまいます。しかし、赤ちゃんや小さなこどもを連れて行く海外旅行は、独身時代に訪れた、あるいは子供がいなかった頃夫婦で行って楽しかった海外旅行とは、まったく違う、ということを理解して下さい。

今までにあなたが経験した旅行をイメージしてプランニングすると、とんでもない目に遭うかもしれません。これは脅しでも何でもありません。大人のペースや好みで旅行を計画したら、食事や環境が違う海外の国で、子供には大変なストレスになり、体調を崩してしまうケースもあります。特に有名観光地を足早に巡り滞在先を毎日変える移動型旅行では、どこかで子供が体調を崩したらそのあとのスケジュールは全部キャンセルしなければならなくなります。

これはほんの一例ですが、口コミ評価の高いレストランで評判料理を食べる、有名観光地を回る、インスタ映えする場所で写真を撮る、ショッピングをする等、大人が海外旅行でしたいことと、子供が楽しいと感じる事は別なのです。子連れ旅行をプランニングする時、独身時代に行って楽しかった海外旅行はもうできない、ときっぱりゼロから考えなおすことが重要なポイントです。

一方、子連れ旅行には子連れ旅行(家族旅行)の楽しみがあります。独身時代の旅行とは価値観もスタイルも全く別のものですから、最初はピンとこないかもしれません。

しかし実際に経験してみると、それは子供がいなかった頃の旅行で経験したことの、何倍も何十倍も素晴らしいものだということがわかるでしょう。

ここでは、海外旅行で多くの大人が楽しみと考える食事や観光、買い物について、子連れ旅行の観点から再考しながら、子連れ海外旅行のプランニングのポイントを説明していきいます。

実は子供といっしょに海外旅行を楽しめる時期は、人生のうちほんのわずかしかありません。

もしこれを読んでいるあなたが、子供と旅行に行くことにためらいを感じているなら、何も迷わず今すぐどか~んとお出かけすることを、強くアドバイスします。

子供はあっという間に子供でなくなりますよ。

何才から赤ちゃん・子供を連れて海外旅行に行けるのか?

何才から子供を連れて海外旅行に行けるのか?

子連れ海外旅行には、いったい何歳くらいから行けるのでしょうか?あるいは国際線の飛行機には、何才くらいから搭乗できるのでしょうか?わたしは外資系の会社で働いていたので、赤ちゃんを飛行機に乗せる外国人の同僚の話しをよく聞きました。それによると、出産のためアメリカやヨーロッパに里帰りしていた奥さんが、赤ちゃんを連れて日本に戻って来るのは、だいたい生後1ヶ月くらい、というのが一般的でした。

でもなかには出産後2週間で、日本に戻って来る奥さんもいらっしゃるようですから、あまりかちっとした決まりはないようです。

出産に関する考え方は国ごとに大きな違いがあって、日本では出産後も母親は1週間くらい入院する、と言うとびっくりする外国人のお母さんが大勢いらっしゃいます。アメリカやシンガポールでは、お母さんは出産して2~3時間後に赤ちゃんを連れて退院するのが、普通です、ひゃぁ〜〜。

話しが横道にそれましたが、我が家で、長男をはじめて海外旅行に連れ出したのは、生後9ヶ月の時で行き先はハワイ/マウイ島でした。*飛行機に乗せた、ということで言えば、生後4ヶ月で東京から島根の実家に帰省したときが最初です。その後、6ヶ月のときスキー旅行で北海道へ行き、9ヶ月のときのマウイ島、10ヶ月のときは石垣島へ、そして11ヶ月でまた島根に行きました。ですから長男は1歳になるまで、5回飛行機に乗ったことになります。

次男はちょうど生後2ヶ月目で、イギリス、フランス、スペインに行きました。そんな生まれたばかりの赤ちゃんをよその国に連れて行くなんて!としかられそうですが、その時は義姉の結婚式に参列するためだったので、仕方ありませんでした。

ちなみに次男はその後、特に問題もなく元気すぎるくらい元気に成長しています(笑)。生後4ヶ月から1才までの間に5回飛行機に乗せた長男も、ちょっと能天気なところをのぞけば特に問題なく成長しています(笑)。(2人とも今では大学生です)

海外旅行に子供(赤ちゃん)を連れて行ける年齢制限を法律や条例で定めている国なんて知りませんから、何才から子供を海外旅行に連れて行けるのか?あるいは何才から子供は飛行機に乗っても大丈夫なのか?(成長に害はないのか)という質問の答えは、何才でも大丈夫です、ということになるでしょう。

ところで、子連れ海外旅行と言っても、ゼロ歳の赤ちゃんから中学生、高校生のお兄ちゃん、お姉ちゃんでは楽しみ方もプランの組み方もまったく違います。

次に、子供の年齢別に、旅行の観点からどんな特徴があるのか見てみましょう。

子連れ海外旅行における子供の年齢別特色

子供連れ海外旅行の年齢別特色

赤ちゃん連れ・子連れ旅行のプランニングと言っても子供の年齢によって重視するポイントは違ってきます。ここでは、子供の年齢別に旅行における特色を見て行きましょう。

0~7ヶ月くらいまで

赤ちゃんによって個人差がありますが、まだハイハイをしない頃までとお考え下さい。この時期の旅行は、「子連れ」という趣旨ではなく、大人が行きたいところに赤ちゃんを連れて行く、旅行です。この時期は母乳かミルクの赤ちゃんが多いでしょうから、離乳食など持ち物の心配をする必要もありません。比較的苦労が少なく、大人の楽しみ優先でプランニングできますから、お勧めの時期でもあります。

7ヶ月~2才

ハイハイやつかまり立ちをするようになると、本当の「子連れ海外旅行」が始まります。子供は日々成長しており、毎日新しい発見がある時期でもあります。この時期の子連れ旅行は、離乳食の時期になるので、旅行に持って行く荷物も一気に増えたりして、本当に大変ですが、驚きや感動も並ではありません。ハワイやグァムのビーチで子供が砂遊びをしただけで、ご家族にとっては、シーラカンスの発見くらい衝撃的な重大ニュースになるでしょう。

プランとしては、1日の大半を部屋やリゾート内で過ごすスケジュール作りが望ましいです。

2才~4才

子供が歩き回って、走り回って、いろいろなことに興味を持つ年齢です。まだまだ大変な時期ですが、それもあとちょっと、なつかしい想い出になると考えてがんばって下さい。

プランとしては、やはり1日の大半を部屋やリゾート内のプール等ですごすことが望ましいでしょう。でも、ちょっぴり公園や観光地、レストランなどに連れて行くことも可能になります。

4才~7才

大人と同じ遊びやアクティビティに興味を持ち、やってみたいと考えるようになります。我が家でもこの頃から、リゾートのプールを飛び出して、川でカヤックをしたり、海でシュノーケルやボディーボードに挑戦し始めました。初心者向けのトレッキングコースを初めて歩いたのもこの頃です。

参考記事🛶

小学校1、2年生

子連れ旅行の大変さからだいぶ解放される時期です。反面、航空券が安い時期に旅行に行けないなど、プランニングにあたり、別の制約が出てきます。

子供は海外でいろんなことができるようになりますし、レストランでの外食もハードルが低くなります。野生動物を見たり、海外の珍しい文化に触れるなど、海外旅行本来の楽しみを、親子で追求できるようになります。

参考記事:子連れ海外野生動物観察

小学校3、4年生

体力的にも大人と並ぶか越え始める時期です。子供自身がいろんなことに興味を持ち、実際大人と同じようにいろんなことができるようになります。アウトドアーのアクティビティだけでなく、世界遺産観光とか、美術館や博物館を訪れるなど、ますます海外旅行の醍醐味を親子で体験できるようにもなります。

また小学校高学年と比べると、まだ旅行に行くことに子供のスケジュール等の制約が少なく、子供料金の適応もあるので、

子連れ海外旅行の黄金期

と言えるでしょう。

小学校高学年

子供のスケジールや都合で、旅行に行ける機会が少なくなることは確実です。何の制約もなしに旅行に行けた、子供がもっと小さかった時に、もっともっと行っておけばよかったと後悔しないようにしましょう。

子供の成長はあっと言う間です。

中学生

勉強や学校行事、部活などのスポーツ活動で子供のスケジュールは埋まってしまい、子連れ海外旅行に行く機会は非常に少なくなります。仮に行けても長い期間を必要とする、ヨーロッパやアフリカ、南米方面へ旅行することは難しくなります。

我が家ではこの時期、子連れ海外旅行に行けた機会は、長男は中学3年間で1回、次男は0回でした。またそもそも小学生の頃と比べると、親とべったり過ごしたり、家族で楽しく盛り上がることが少なくなります。反抗期とか照れとか子供が親から自立するタイミングのため、子連れ海外旅行に行っても現地での過ごし方はかなり変わります。

高校生

家族で旅行に行くチャンスがあるとしたら、中学を卒業して高校に入学するまでの春休みの間か、高校を卒業した直後くらいではないでしょうか。この年齢では、そもそも親と行動をともにするのをいやがるお子さんもいるでしょう。

子供のパスポートについて

入国審査で子供のパスポートを見せる

インドネシアの入国審査で子供のパスポートをチェックする管理官

海外旅行に行くためにはパスポートが必要です。では子供はいったい何歳からパスポートの取得ができるのでしょう?答えは生まれてすぐ、です。もちろんこの世に生まれてすぐ海外旅行へ行くようなケースはめったにないでしょうが、外務省はそんな赤ちゃんでもパスポートを発行してくれます。

でも、証明写真やサインはどうするの?と疑問を持たれるお父さん、お母さんも多いことでしょう。我が家では長男は8ヶ月、次男は生後1ヶ月でパスポートを取得しました。その時の様子を少しお話しましょう。

証明写真

赤ちゃんを仰向けに寝かせてママが写真を撮りました。下に白いシーツを敷いて写真の背景にしました。ポイントは、赤ちゃんの目が開いていることです。笑っていても泣いていてもかまいませんが、目が閉じていたらNGです。もちろん眠っていると目を閉じているのでダメです。

当時はデジカメが普及していなかったので、とりあえず何枚かプリントしてパスポート申請所へ持って行きました。そして申請する時、係の人に見てもらいながらどれがいいか相談して決めました。

パスポートを作って5年も経つと子供はもう赤ちゃんではありませんから、パスポートの証明写真とはまるで別人になっています。それでも海外旅行時の入国審査で「これはぜんぜん別人じゃないか!もっと最近の写真に変えないとだめだ」なんて言われたことは一度もありません。

どこの国の入国審査でも、それまで苦虫を噛み潰したような怖い表情で審査していた管理官が、赤ちゃんと成長した子供の顔を見比べてぱーっと明るい笑顔に変わります。おおげさに驚いたり、声をあげて笑出す人もいました。

そんなときの入国審査はとっても楽しかった思い出です。

サイン

子供のパスポートのサインは親の代筆が認められています。子供用パスポートの有効期限は5年ですから、赤ちゃんの時作ったパスポートは、5歳と10歳の時更新しました。子供のパスポートは「三代目」になってから、子供達に自分でサインをさせるようにしました。

申請・受け取り

申請の時は親だけでも大丈夫ですが、受け取りの時は必ず子供/赤ちゃんを連れて行く必要があります。

旅行中の食事プランについて

旅行中の食事について

美味しいレストランで食事をすることは、海外旅行の大きな楽しみのひとつです。しかし子供が3~4才くらいになるまでは、毎回レストランで食事をすることはまず不可能だと思って下さい。どうしてもとトライしても、こどもが騒いで他の客の迷惑にならないか、お店の雰囲気をこわさないか、ストレスばっかりたまって食事をした気分にはなれないはずです。

また海外の食材や味付け、料理の見た目や匂いを、子供が受け入れられないケースもあります。せっかくはりきって評判のレストランへ行っても、子供が一口も食べない、さらに、時差の影響で食事中に眠くてぐずったりすることもあります。

そもそも外食では、毎回毎回食事のたびに、子供用の汚れ防止エプロンやお手拭き、スプーン、着替えなどを用意し、子供を着替えさせ、靴をはかせ、お出かけするのは大変な労力です。

またヨーロッパやヨーロッパ人が主流のリゾート地では、夕食が始まる時間が、日本人の感覚からするとビックリするくらい遅いことも珍しくありません。そんな時間までお腹がすいた状態で待ってるのは、大人でもつらいですし、食べてる時にこどもは眠ってしまいます。

海外に行ってまで家事はしたくない!というお母さんのお気持ちはよくわかりますが、わたしの経験から申しますと、子供が小さいうちの旅行中の食事は「自炊」がいちばん合理的です。

関連記事:子連れ海外旅行のエキスパートが教える1回分の旅行代金で2回も3回も行けちゃう驚きの節約テクニック10選

一方、ファーストフード店やフードコートは子連れ旅行者の味方です。栄養が偏ってしまうところはどうしてもありますが、チップやサービス料がかからない、味になじみがある、子連れでも気楽に食べれる、料金が安い、早く出てくる、お店の営業時間の縛りがない等メリットも大きいので、海外旅行で外食する場合は、上手に活用しましょう。

また別項でご説明していますが、ホテルのルームサービスも、高いもの(お酒や前菜、デザート類)はスーパーで買い、それ以外のものをオーダーするなどしてうまく利用すれば、出費を押さえて楽しい食事をすることができます。

いずれにしても食事は毎日のことなので、旅行のプランニングをするときは、レストランで食べる、自炊する、ルームサービスを利用する、ファーストフードですませる、などの配分をある程度考えて計画をすすめると良いでしょう。

子連れ海外旅行とショッピング

子連れ海外旅行とショッピング

男の子は買い物がきらい

海外旅行での買い物は、多くのお母さん、お父さんにとって、食事と同じくらい大きな楽しみだと思います。旅行中のショッピングは、子供がまだ歩けないくらい小さいうちは意外と楽です。と言ってもベビーカーに乗せて押してるのは、無理矢理連行しているのと同じですが(笑)。ただそれでも、うまくお昼寝の時間にあわせて行動すれば、それなりにショッピングを楽しむことは可能でしょう。

ところが子供が大きくなって歩くようになり、物心がついてくると、子連れで買い物をするのは大変な事になってきます。特に男の子は買い物をきらうようになります。

それでもまだ小学校低学年のうちは「おもちゃ買ってあげるから」でごまかせますが、高学年になってくるとごまかすこともできません。

女の子のケースでは違うかもしれませんが、小学4年生以上の男の子を3分以上(カップラーメンか!)買い物につきあわせるのは、至難の技といえるでしょう。

旅行中に買い物を楽しみたい方は、お父さんがこどもと海やプールなどに出かけて遊び、その間にママが買い物をするなど工夫するようにしましょう。

移動型旅行を赤ちゃん連れ・子連れで計画するときの3つの秘策

キャンピングカーを利用した子連れ海外旅行
キャンピングカーの旅行なら子連れで移動型旅行を楽しむことができます

移動型旅行について

せっかくの海外旅行なのであれも観たいそれも観たい、あそこも行きたいこっちにも行きたい、と欲が出て、気がつけば毎日宿泊するホテルを変える「移動型旅行」になっていませんか?例えばイタリアなら、ヴェニス→ミラノ→フィレンツェ→ローマ→ナポリ、というように。

それが悪いとは言いませんが、宿泊先が毎日変わることは、子供にとって大きな負担です。もちろん親にとっても、毎日荷造り荷ほどきを繰り返すのでは、旅行を楽しむ余裕がなくなってしまいます。さらにもっと大きな問題は、旅行の途中で子供が体調を崩したり、病気になってしまったら、次の宿泊地に移動することが難しくなるかもしれないということです。そうするとその次の宿泊地も次の次の宿泊地も行く事ができず、結局、それ以降の旅行をあきらめなくてならないことになるかもしれません。

移動型の旅行を楽しめるようになるのは、病気や体調を崩す心配が減ってくる、子供の年齢が小学校高学年くらいになってからです。

そうは言っても、せっかく海外旅行に行くのだし、子供がまだ小さいけれどそうそうこんなチャンスはないとあきらめきれない人に、とっておきの秘策をお教えします。それは訪れたい観光地の中間地点(あるいは交通の便の良い場所)に宿をとって、そこを基点に日帰りでそれらの観光地を訪れる方法です。(秘策1

プールに飛び込むカイ
イタリアのワイナリーリゾート(アグリツーリズモ)にプールで遊ぶ子ども達

我が家ではイタリア旅行のときこの秘策を使いました。フィレンツェ郊外のアグリツーリズモ・ワイナリーリゾートに宿を取り、そこを起点に、シエナやピエンツァ等トスカーナの田園の町や、ピサやミラノ、フィレンツェなどを回ることができました。夏のイタリアは夜遅くまで暗くならないので、午前中はワイナリーリゾートのプールなどでゆっくり遊び、午後遅くあるいは夕方近い時間帯から観光や買い物に出かけました。子供は午前中思いっきり遊んでいるので、観光に出かけてもおとなしくついて来ます、それどころか、遊び疲れて車の中で寝てくれるのでちょうどよかったです。

参考記事:子連れでも楽しめるイタリア旅行〜アグリツーリズモに泊まるトスカーナ旅行記(3歳、5歳)・計画、手配編

ナポリ湾のサンセットクルーズ
ナポリ湾サンセットクルーズは子連れ海外旅行の中でも思い出に残る美しさ

それから、寝ている間に観光地を次々訪れるクルーズ旅行も、宿泊先を変えないでで多くの観光地を訪れたい人におすすめの子連れ旅行です。(秘策2

さらにキャンピングカーの旅行も荷造りしないで宿泊場所を移動できるおすすめの旅行です。

参考記事:キャンピングカーで行くオーストラリア大冒険秘策3

それぞれの旅行記を参考にして移動型旅行プランニングのヒントにしてみて下さい。

子連れ海外旅行の観光プランについて

子連れ海外旅行の観光について

子供がまだ小さいときに訪れたイースター島では団体観光ツアーで苦労した

団体行動での観光旅行は、小さな子供を連れた旅行者にはハードルが高いと言えます。団体で移動するバスの中で子供が長時間おとなしくできるか?観光地での説明を静かに聞けるか?子供がトイレに行きたくなったらどうする?など団体行動に対する懸念が山積みです。

そのうえこどもは美しい景色を見ても思った程感動しません。ですから有名な観光地や遺跡を訪れても、あっという間に関心が薄れ、ガイドさんの説明もたいくつで、長い時間おとなしくしていることはとても難しいと思います。ですからパッケージツアーやエクスカーションなどの団体行動で観光をするのは、こどもがある程度の年齢になるまでは不可能だと思って下さい。

どうしても訪れたい観光スポットがあれば、家族だけでまわるように工夫しましょう。そのときあっちもこっちもと欲張らずに、訪れる場所を絞りこんで下さい。

さらにそこがどんな場所で、どうしてパパやママはそこへ行きたいのか、旅行前に本を読んだりこどもに話して聞かせてあげるといいでしょう。

そうは言っても繰り返しになりますが、せっかく有名な観光地や史跡を訪れるのなら、子供が小学校高学年くらいになるまで待ったほうが無難だと思います。

子連れ海外旅行のプランを子供ポイント大人ポイントで評価する

子供ポイント大人ポイントで旅行のプランニングを評価する

子供ポイント大人ポイント

ここでもう一度整理すします。こどもは、観光がキライ、買い物がキライ、レストランでの外食がニガテ。さらに日本との気候の違いや、時差、食べ物の違いなど、大人以上に、日本と海外の環境の違いの影響を受けるものです。そもそも日本と違う食事が食べれるかどうかもわかりません。またこどもはいつ体調を崩すかもわかりません。

子供が小さいうちは、旅行先で長い時間外を出歩くことや、毎回レストランで外食すること、毎日泊まるホテルがかわるような移動型の旅行などは、とても難易度の高い上級者向けの子連れ旅行と言えます。

一方、子供は海とプールが好きです。また動物をみたり、ちょっとした散歩や、自然の中を歩くのも好きです。そして何より好きなのは、パパとママといっしょにふんわり過ごす優しい時間。

赤ちゃん連れ・子連れ海外旅行をプランニングする時、ホテルに宿泊して観光やショッピングを楽しむ、という今までの旅行パターンをいったんリセットしましょう。そういう「大人スタイル」の旅行が楽しめるようになるのは、子供が小学校高学年になってからです。

子連れ海外旅行の好ましい基本スタイルは、「滞在型」でありかつ「体験型」であることです。この2つのキーワードを意識しながら「大人ポイント」、「子供ポイント」をつけて、あなたの旅行プランを評価してみましょう。

子供ポイント

海、プール、山、川、散歩、部屋で過ごす、動物園、水族館、公園、美術館、乗り物、遊園地等

大人ポイント

買い物、観光、景色のいい場所、有名な観光スポット、癒しスポット、レストラン、遺跡史跡等

評価の仕方

あなたのプランの中で、これらに該当する項目があれば1時間1ポイントと計算します。

例えばプールで1時間遊ぶ計画なら子供ポイントが1、観光を2時間する計画なら大人ポイントが2です。

このように集計して、合計で子供ポイント、大人ポイントがそれぞれいくらになったかチェックしてみて下さい。そしてそれぞれのポイント数を比較して、少なくとも子供ポイントと大人ポイントが同じか、それ以上でないと、その旅行はうまくいかない可能性があります。

特にこどもの年齢が小さいうちは、子供ポイントの比率が8~9割以上であることが理想です。

ちなみに旅行がうまくいかないと、どんなことになるか?

  • 子供が体調を崩し旅行のスケジュール・計画を完遂できなくなる
  • 子供が機嫌を悪くし、ママにもストレスがたまる

これではせっかくお金と時間をかけて海外まで行くのにもったいないですよね。さらに旅行に対する負のイメージが強くなると、奥さんから「もう二度とあなたとは旅行に行きたくない」と宣言されるかもしれません。それだけならまだしも、最悪離婚なんてことにもなりかねません。家族のためによかれと思って計画した旅行の結末がこれでは悲しすぎます。

こんな悲劇を生まないためにも、旅行のスケジュールが大人の志向にかたよりすぎていないか、ここでご説明した子供ポイント大人ポイントを冷静に集計して、見つめ直して下さい。

赤ちゃん連れ・子連れ海外旅行におけるホテル選びのポイント

ホテル選びの注意点

プーケット旅行で宿泊したホテルは自室にプールがついていて部屋から一歩も出なくてもそりゃないよというくらい楽しく過ごせた

前項でお話した子供ポイントが9割以上の旅行とはどんな旅行なのか?それは「1日の大半を部屋で過ごす、ちょっとだけビーチやプールに出掛ける。外食はなるべく控える。観光や買い物にはほとんど行かない」そんな旅行です。

「え~それじゃあ海外旅行に行く意味ないーー!」と思われるかもしれませんが、これが子供が小さいうちの、子連れ海外旅行のべストプランです。(子供の年齢があがればベストプランも変ります)

それでもいいからとにかく海外旅行に行きたい!というお父さん、お母さんのために、そのプランで旅行を楽しむには、何に注意すればいいか、ということをお話しましょう。

ここで必要なのは発想の転換です。少し見方や価値感を変えて考えることが求められます。

まず、1日の大半を部屋で過ごすわけですから、部屋にこだわりましょう。海が見渡せる広いバルコニーがある部屋。広い庭園がある宿泊施設。大きなプールがあって、ビーチに面していたら申し分ありません。そしてこどもが寝た後、夫婦でゆったりすごせるリビングルームがあること。

そう、「こんな素敵な部屋なら1歩も外に出たくない!」と思えるような部屋に宿泊するのです。

さらに、こどもに抵抗のない食事を作れるキッチンが付いてることも重要なポイント。キッチンがあれば、こどもの食べやすいものを作ってあげられるだけでなく、時間の制約を受けずに、自分たちのペースで気楽に行動できるのも大きなメリットです。

ハワイやアメリカ本土、オーストラリア、カナダ等には、こんな家族連れのニーズを満たしてくれる、優しいコンドミニアムがたくさんあります。

観光や買い物に出かけなくたって、家族でいっしょに作った料理を、海の見える広いバルコニーで、風に吹かれながらいただく。そんなささいなことさえ、独身時代に経験した観光主体の海外旅行の、何倍もエキサイティングでかけがえのない思い出になることを、こどもの笑顔が気づかせてくれるでしょう。

個人手配とパッケージツアーはどっちが安い?

個人手配のコツ

最近はコンドミニアム滞在のパッケージツアーも増えてきてます。しかしパッケージツアーの場合、1人あたりいくら、という料金設定になっています。それに対して個人手配でコンドミニアムを予約する場合は、1部屋いくら、で予約できます。個人で手配するほうが、選択肢が多いうえ、料金も安くすむケースが多いのです。

個人手配と言うと、ハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありませんよ。

まずあなたが計画している旅行先に強い旅行会社を、いくつかピックアップしてみて下さい。今はインターネットが普及していますから、たくさんの選択肢の中から選ぶことができます。英語に自信があれば海外の旅行会社にコンタクトすることだって可能です。

「オーストラリア 人気 旅行会社」とか「プーケット、安心 現地ツアー」のように検索すればたくさんの候補が見つかります。何社か旅行会社の目星を付けたら、自分たちの希望と予算を告げて、コンドミニアムの見積もりを出してもらいます。数社に見積もりをお願いして、料金や担当者の対応など、一番気に入った会社を選んで下さい。

個人手配で日本語サポートをしてもらう方法

もし英語に不安があれば、ちょっと料金は高くなりますが、海外で日本語のサポートが出来る人を手配してもらうこともできます。一般的なやり方は、空港と宿泊先などの送迎を日本人(あるいは日本語ができる人)に願いする方法です。空港〜ホテルの送迎は、必ずの現地旅行会社がおこないますから、空港到着時に連絡先をゲットしておけば、滞在中万が一トラブルがおこった時でも、現地で日本語でのやりとりができます。

わたしの経験では、こういった現地日本語サポートは、ハワイやオーストラリアなど日本人観光客が多い地域だけでなく、マダガスカルやタンザニア、イースター島でさえ、ちょっとの追加料金を払えば可能になります。

周遊ツアーにはかないません

ただ、どんなケースでも個人手配のほうがパケージツアーより優れているかと言えばそうではありません。例えば、スペイン周遊とか南米周遊旅行などの場合、たくさんの都市や観光地をまわって食事もついててんこ盛りの内容ですが、あれだけの手配/予約を個人でおこなうことは、かなりの重労働です。料金だって個人手配ではまず不可能なくらい安く設定されています。

また日本から添乗員さんが同行するツアーも多いので、赤ちゃん連れ・子連れにはなにかと心強いと言えます。子供が団体行動に適応できるある程度の年齢にならないと難しいかもしれませんが、一度にたくさんの場所を訪れる周遊タイプの旅行を計画されているなら、このようなツアーを利用しない手はないと思います。

こども半額ツアーについて

最近では子連れに人気のハワイやグァム、フィジー、などで、子供料金が半額になるようなツアーも販売されています。家族旅行者にはタイヘンありがたい企画ですが、申し込む前に次のような点に注意して下さい。

  1. そうは言っても大人料金が通常のツアーより高く設定されていないか
  2. 泊まるホテルのランクが低くないか
  3. 現地でのアクティビティ費用が割高になっていないか
  4. サーチャージも含めたトータルの料金はいくらか

季節による旅行代金の違い

季節による料金の違い

旅行代金のうち、航空代金の占めるウェートはとても高いです。その航空運賃には、季節によって大きな違いがあることをご存知でしょうか?例えば子連れに人気のハワイへのケース。1年で一番安い安い時期はおよそ4万円代。一方、一番運賃が高い時期は20万円を越えることもあります。同じ飛行機に、同じ路線で乗っても約5倍もの料金差があるということです。

1人16万円の差は、もし家族4人なら60万円以上の差になります。これだけの差額があれば、家族であと何回かハワイへ行けちゃいますね。

行き先によっても異なりますが、一般的に料金が高い時期は、ゴールデンウィーク、夏休み、秋の連休シーズン、年末年始、です。

逆に旅行代金・航空運賃が安い時期は、

  • 新年が開けて10日くらいたった1月上旬
  • 新学期が始まったばかりの4月上中旬
  • ゴールデンウィークが終わった1、2週間後
  • 12月前半

です。

普通のサラリーマンや学生にとって、そんな時に行けるわけねーじゃん、という時期が料金が一番安いのです。

しかし旅行代金を安くあげるには、何がなんでもこの時期に旅行に行くことです。子連れ海外旅行をプランニングする時、もし出発する時期をある程度自由に決めれるなら、航空運賃の季節による違いを考慮しましょう。

ところで子供が大きくなってくると、この夢のように安い時期に旅行に出かけることは不可能になります。ですからお子さんが小学校に上がるまでは、とにかく人目なんか気にせず、安い時期にせっせと旅行に行くことをおすすめします。

*季節によっ宿泊費用も大きく変動します。欧米からの観光客が多く訪れる地域では、イースターやクリスマスなどの年間イベントが宿泊費に大きな影響を与えます。

またヨーロッパの人気リゾート地では、夏期の宿泊費が非常に高いうえ、予約も取りにくくなっています。

熱帯、亜熱帯地方へ旅行する場合は、雨期、乾期の違いが料金に影響を与えることを意識しましょう。

子連れ海外旅行の行き先、地域ごとの傾向と特色

ガラパゴスクルーズ
ガラパゴスは子連れにおすすめの旅行先だが日本からの飛行時間が長いので難易度は高い

行き先、地域ごとの傾向と特色

最後に子連れ旅行の観点から旅行先の特色を見てみましょう。

ハワイ

赤ちゃんからお年寄りまで、誰でも満足できるオールラウンドなリゾート地。衛生面、治安面で不安が少なく、自然が豊なのに社会資本も充実していることは、旅行者にとって大きな魅力です。ワイキキ以外に目を向けると、子連れ旅行の楽しみ方も、ぐーーっと広がりますよ。

グァム、サイパン

日本からの飛行時間が短く、時差がないことが魅力です。日本語も通じやすく、子連れ旅行を支えるインフラがしっかり整っています。始めての子連れ海外旅行の行き先に最適ですが、逆に行きやすく計画、手配もしやすいので、子供が大きくなって予定がたてにくくなるまでとっておくのもいいと思います。

オーストラリア

ダイナミックな自然や動物とのふれ合いなど、様々なアクティビティーに挑戦できます。食事も美味しく都市遊びも充実。旅行者がストレスを感じにくい国です。子供がある程度の年齢になってからこそ楽しめるでしょう。キャンピングカーでオーストラリア大陸を駆け回った旅は、我が家の子連れ旅行の中でも一番楽しかった旅行のひとつです。

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東南アジア

飛行時間が比較的短く時差も少ないので、子連れにやさしい旅行先です。料金との見合いでホテルのレベルが高いこと、食事が比較的日本人の口に合いやすいことも大きな魅力です。

アメリカ

コンドミニアム&レンタカーで自由な家族旅行ができます。スケールの大きさに感動して下さい。テーマパークや巨大ショッピングモールだけでなく、世界自然遺産が多いことも魅力でしょう。冬はコロラドやユタ州でウィンタースポーツが楽しめます。我が家の一押しはフロリダ!

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ヨーロッパ

夏のホテル料金は腰が抜けるほど高いですが、家族旅行者向けのアパートは各地にあります。歴史や文化、美術を楽しみたい旅行者にはたまらない旅行先です。風景の美しさは、大都市でも田園地帯や田舎の小さな村でも、ため息が漏れるほどです。スイスやオーストリア、北イタリアでのトレッキングは子連れにお勧めです。

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アフリカ

飛行時間が長いことが難点ですが、野生動物や大自然の素晴らしさを体験でき子連れ旅行者に超おすすめです。アフリカベストシーズンの夏休みでも、料金が高くならない(元々高い)ことも魅力です。野生動物の楽園でキャンプをすれば、ご家族にとって一生忘れられない思いでになるでしょう。

ビーチリゾート

衣服が少なくてすみ、洗濯の必要も最小限ですむビーチリゾートは、子連れ旅行者にとって最高の行き先と言えるかもしれません。特にモルジブはきれいな海、たくさんの熱帯魚、完全ストレスフリーな滞在、など魅力度が完成品に近いリゾートです。ただひとつの難点は、モルジブを知ってしまったら、もうどこにも行けなくなることです。

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南米

我が家は南米は、ガラパゴス、ペルー、アマゾン、イースター島などに子連れで行きました。豊かな自然、ため息がもれる古代遺跡など、見どころはつきません。しかしどうしても旅行の内容が子連れに優しい滞在型ではなく、観光中心で尚且つ移動型になってしまいます。おまけに日本からの飛行時間があきれるほど長い。旅行のハードルが高いので子供が小さいうちに行くのは難しいかもしれません。

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