ありがとう!そしてさよならモーゼス〜タンザニア国境で涙のお別れ

2019年1月28日

さよならモーゼス、タンザニア国境で涙のお別れ

💕ジャンボ〜!イルカパパです。

6歳(年長)から12歳(小6)の6人の子どもを連れて、猛獣が闊歩するアフリカのサバンナでのキャンプ旅行10日目。ついにタンザニアでずっといっしょだったモーゼスとのお別れの時がやってました。野生動物を探し求めたこの旅行で、一番価値があったのはあなたと出会えたことでした。国境の町ナマンガで涙のさよなら。

子連れアフリカ旅行のスケジュール

  • 1日目:羽田→
  • 2日目:ドバイ→ナイロビ→ナクル湖
  • 3日目:ナクル湖→ナイバシャ湖→ナイロビ
  • 4日目:ナイロビ→ナマンガ→アルーシャ→ンゴロンゴロ
  • 5日目:ンゴロンゴロ
  • 6日目:ンゴロンゴロ→マサイ族の村→オルドバイ渓谷→セレンゲティ(キャンプ)
  • 7日目:セレンゲティ(キャンプ)
  • 8日目:セレンゲティ(キャンプ)
  • 9日目:セレンゲティ→キブズファーム→マニヤラ湖
  • 10日目:マニヤラ湖→ナマンガ→アンボセリ
  • 11日目:アンボセリ→ナイロビ→ドバイ
  • 12日目:ドバイ→羽田

さよならモーゼス

ゆるやかな起伏を繰り返す直線道路の突き当たりに、赤茶けた土の丘とバラックの建物が密集する町が見えてきた。

ナマンガだ。かって国境貿易で栄えたこの町には今も人口流入が続く。しかし交通や通信手段が飛躍的に発展した現在、単に「国境の町」というだけでは何のアドバンテージもなく、増え続ける人間の食いぶちを確保するだけのビジネス機会はもはやこの町には存在しない。

タンザニアのイミグレーションオフィスの外観
タンザニア側のイミグレーションオフィス

タンザニア・ナマンガに到着すると、国境の壁の手前にあるイミグレーションオフィスの前で、モーゼスは車を止めた。

「すでにケニア側のドライバーが待機している。荷物をケニアの車に積み替えておくから、その間にオフィスへ行って出国手続きをしてこい」

とモーゼスが言う。

こういう時は、

感傷に浸ってるひまがないくらい忙しいほうがいい

イミグレーションオフィスへ入ると、出国の窓口には長い列。入国のほうは誰も並んでいなかった。来るときは入国が混んでいたので、出国するときは並ばなくてもいいぞ、と期待していたのにがっかり。片寄るのは時間帯のせいか?それとも季節要因?

タンザニアのオフィスでは、申請者全員が窓口に行く必要はないので、こどもたちはイスに座らせておいて、わたしがみんなのパスポートを持って出国手続きを済ませた。

モーゼスにお別れを言う子供達

手続きが終わりオフィスを出ると、モーゼスがケニアのガイドと何かしゃべっている。

われわれに気づき、

荷物はもう積み替えてあるから、じゃあ、

と何もなかったように立ち去ろうとする。

わたしだってへんに涙を流しながらしめっぽくお別れするのはいやだ。

さっと握手して軽いノリでお別れしようと思っていた。

ところがこどもたちがモーゼスにさよならの握手を求めると、

モーゼスが泣き崩れるようにカイを抱きしめたのだ

カイと同じ年の息子がいるモーゼスにとって、セレンゲティのあの秘境で生死をともにしたわたしたちには、単にドライバーとゲスト以上の感情が生まれているのだろう。ママもこらえきれなくなって涙腺が崩壊したように泣き始める。

その涙の理由は何だろう?

旅行中モーゼスに親切にしてもらったから?

別れがつらいから?

もう会えないかもしれないから?

きっとそのどれもが正解でどれもが正解じゃない。

地球の果ての国で、

モーゼスという素晴らしい人に会えて、

その生き様や考え方、

仕事ぶりに感動して流す涙なのだ。

お別れのハグ

モーゼス、

わたしたちは知っています、

あなたがどれくらい

アフリカの自然と動物たちを愛しているかを

わたしたちは知っています、

あなたが夜遅くまでホテルのロビーで

同僚のサファリガイドと熱心に情報交換していたことを

わたしたちは知っています、

わたしやママにしかられてしゅんとしているこどもたちを

やさしい笑顔でなぐさめていたことを

運転席のヨコにあったぼろぼろの動物図鑑、

使いふるした双眼鏡、

いつも口ずさんだタンザニアの旅人の歌、

そのすべてがアフリカの大地をわたる風となって、

こどもたちの記憶の中にとどまることだろう。

ありがとう!

そしてさようなら!

いつまでもあなたとあなたの家族が元気で幸せに暮らせますように!

アヒルパパと抱き合うモーゼス

「次はいつ来るんだ?」

「近いうちに、、、きっと」

動き始めた車の窓から、

アフリカの太陽のように明るい笑顔で手を振るモーゼスの姿を、

国境の向こう側に行って見えなくなるまで、

涙ににじんでかすんでしまうまで、

瞳に焼き付けていた。

さよならモーゼス

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