砂漠の真ん中でガス欠になちゃった!

2019年3月8日

どもども、グダイ、幼稚園児から小学生までの子供6人連れでオーストラリア大陸をキャンピングカーで縦断中のイルカパパです。

いや〜〜やらかしちまいました!

オーストラリア大陸のど真ん中、地平線の彼方まで砂漠が続く大平原の真っ只中でガス欠しちゃいました、あちゃー😣

今日はその時の様子を紹介したいと思います。

これを読んでいるあなたはこんなヘマはしないと思うけど、もしもの時に参考にしてね、ピース!

原因

ガス欠になって停止するキャンピングカー
地平線が見渡せる大平原の真ん中でガス欠になってしまった

ビジネスにおいてもプライヴェートにおいても、深刻な問題が発生する背景には、必ずいくつかの原因が存在する。

原因には、あらかじめ対応可能なものと、全く予期出来ぬものとがあるが、対応可能な原因の芽をしっかり摘み取っておけば、例え予期せぬハプニングが起こったとしても、大事には至らないものなのだ。

テナントクリーク

ちょっと写真を撮るために立ち寄ったデビルズマーブル。5、6分で済むはずが2時間もいてしまった。これは大変だ。急いで遅れを取り戻さなくっちゃ。デビルズマーブルを出発して100km程北上するとテナントクリークという町に着いた。砂漠の中にガソリンスタンドと小さな売店がポツンとあるだけのロードハウスとは違い、ここは一応ちゃんとした町だ。町なのでスーパーやリカーショップ、ガソリンスタンドも何件かあり、じっくり買い物をするには良いかも知れない。

しかし急ぐ時には離ればなれになっているそれらの場所を探して回らなければならないので時間のロスになる。スーパーは道路の反対側にあったのでUターンするが、駐車場が一杯だった。やっと探したリカーショップは休み。しょうがないからガソリンだけ入れて先を急ごう。

ディーゼル用給油ポンプは1台しかない

この辺りのガソリンスタンドでは、ディーゼル用の給油機は1個だけ。我々のように2台で走ってる場合、1台が給油し終わるのを待ってもう1台が給油する事になる。つまり2台分の時間が必要なわけで、遅れを取り戻すはずが益々遅れてしまってる我々にとって、これは痛い。

私のキャンピングカーのガソリンメーターはよく見るとまだ半分と少し残ってるではないか。次の町は約400km先のエリオット。「行ける」私はそう確信し、アヒルパパが給油し終わるのを待って、車を発信させた。「あれー?イルカさん、入れないんっすかー?」と尋ねるアヒルパパに「うん、こっちのはまだ半分以上あるから大丈夫」と私は自信たっぷりに答えていた。

異変

テナントクリークの町はずれには、皮肉なくらいたくさんのガソリンスタンドがあった。それはこの先いかにガソリンスタンドがないか、の裏返しでもある。「物事は、必要ない時にあふれていて、必要な時に姿を消す」。つまり物事があふれている時こそ、それをゲットすべき時なのだ。

テナントクリークを出発して100km程走った頃、私は最初の「異変」に気付た。「ありゃ、ガソリンさっきまで半分以上あったのに、いつの間にか4分の1を切ってるぞ」何かの間違いでは?と考えアクセルの踏み方を変えてしばらく走ってみたが、メーターは戻って来ない。それどころか心なしさっきよりまた減ってるような気がする。

ママに「エリオットまであと何キロくらい?」と聞く。「うーんとあと300kmくらいかな、どうして?」「いや、別に何でもない」いたずらに心配掛けるのはよそう、まだガス欠になることが決まったわけじゃない、悪い情報はなるべく隠しておくに限る

エンジンが停止

それからさらに100kmくらい走った所で、ガソリンメーターはいよいよゼロに近づいた。いや、見方によってはもーほとんどゼロだ。

「あれ~。でもこの減り方は尋常じゃないよ、きっと戒めのために急に減るように出来てて、針がゼロ以下になってもなーんちゃってって感じで、まだかなり走れるんだ」。

そんな都合のいい解釈をあざ笑うかのように、赤い警告ランプが点灯して突然ガクッとエンジンが停止した。

私は余力で路肩に車を寄せて止まるのが精一杯だった。

熱いぜ、アヒルパパ!

ここで状況をもう一度整理しておこう。ガス欠でエンジンが停止した場所は、南のテナントクリークからも、北のエリオットからも200kmくらい離れた、何もそこまでと言うくらい見事なポテンヒットのような場所だ。テナントクリークからここまで、民家はおろか人工の建物がひとつもない荒野を走って来た。地球上の大陸では南極を除けば、最も孤独な場所のひとつに違いない。

車から降りてきたアヒルパパに事情を説明すると突然ホースを出して来て口にくわえ、自分の車のタンクからガソリンを吸い始めた。ガソリンを口で吸って私の車のタンクに移す作戦らしい。あまりの事にあっけにとられてしまったが、あわてて止めに入る。「やめてください、それじゃーアヒルパパが体悪くしちゃう」その果敢な行動力にただただ感動するのみ。その気持ちだけでもー一杯ですよ!

孤独な留守番

ガス欠になった場所のまわりの景色
まわりはこんな景色。遠くで渦巻いている風の音が聞こえる

結局、私が1人見張り番でここに残り、アヒルファミリーの車でみんながエリオットまで行きガソリンとポリタンクを手に入れて戻って来る事になった。

もしかしたらエリオットまで行かなくても、途中にロードハウスがあるかもしれない。

私のキャンピングカーの冷蔵庫にはたっぷり水分も食料もある。待ってる間、アヒルパパがアリススプリングスデザートパークで感銘していた奇妙なトカゲ「THORNY DEVILS」を探していよう。

皆が行ってしまった後、THORNY DEVILSを探して、私はかなり車から離れ砂漠の奥まで来てしまった。しかし生き物は何も見当たらない。焦げ付くようなするどい日差しと、遠くで吹いてる風の音。鳥さえいない。

私1人がこの時間が止まった幻のような世界で生きている。

もし今毒蛇かサソリに刺され倒れたら、誰も私を発見出来ないだろう。そう考えたら急に恐ろしくなって道路の方目指して走り出した。

ちょうどその時、アヒルファミリーの車が戻ってくるのが見えた。まだ出発してから1時間も経ってないぞ。一体何があったんだろう。

ママの話によると、ここから30kmくらい行った所にロードハウスがあったとの事。しかしそこにはポリタンクがないので、結局200km先のエリオットまで行くしかないらしい。

行って帰ったらもう暗くなってしまうので、私を一緒に乗せて行くために引き返してきたと言うのだ。なーんだ、がっくりしながらアヒルファミリーの車に乗り込む私。でも気をとりなおし「みんなありがとう、じゃあ元気出して行こう―か!」と精一杯明るく言う。

アヒルパパがエンジンをかけ発進しようとしたその時、大人も子供も声を揃えて笑いながら私に向かって叫んだ。

「ウッソー!」

話がややこしくなって申し訳ないが、実は30km程行ったところにあったロードハウスで、借りたポリタンクにガソリンを入れて戻って来たのだった。私を懲らしめるためにみんなで芝居を打ったっちゅーわけだ。

ん~まんまと騙された。でもこういうどんでん返しなら歓迎ですよー。一時はホント、エリオットまで行って帰って来るって覚悟を決めたから、なんか得した気分。

何はともあれよかったよかった、じゃあお腹もすいたし、その30km先にあるレナースプリングスのロードハウスでお昼にしましょう!

えっ?もちろん私のおごりだって?

ポリタンクで給油する
人工の建物はひとつもない / テナントクリークの町 / ガソリンを注ぐアヒルパパと私

メーターについて

今回こんな事があったので、この後いろんなガソリンの入れ方をしてみた。結果、わかったのはどうやらこのキャンピングカーのガソリンメーターは、

満タンから最初の4分の1で既に半分なくなっている

という事だ、あひゃぁ〜!

そして半分の所ではもう3分の2がなくなっており、4分の1では、実は6分の5なくなっていると言う事だ。ひぇ~、どうりで、半分過ぎたらガソリンの減り方がえらく速いわけだねー、みなさんも是非注意して下さい。

というより、もっとこまめに給油しよーYO!

砂漠のレナースプリングスで食べた人格が崩壊するほど美味しいローストチキンの件

ガス欠になった時お世話になったレナースプリングスは、やはり荒野の中にぽつんとたたずむ1件屋のロードハウスだ。

ガソリンスタンドの他にレストランと売店があり、売店では何故か帽子をたくさん売っている。キャンプ場とドミトリーのような簡易宿泊施設もある。ここは砂漠と熱帯雨林の境界線として、けっこう有名な場所だった。

レナースプリングスのロードハウス

レナースプリングス
荒野にポツンとたたずむレナースプリングスのロードハウス / 売店には帽子がたくさん / 速度無制限の標識

ここでお昼に食べたローストチキンが、それはそれはも~、コンチクショー!っていうくらい美味しかった。何故「コンチクショー」だって?それは、どんなにまた食べたくなる程美味しくても、ここには簡単には来れないからだ。一番近い空港のあるアリススプリングスから700km以上も離れてる。ちなみに問題のローストチキンは10本15ドル。

こんなに美味くてこの値段!コンチクショー!って騒がずにはいられないでしょう?

エリオット

人格が崩壊するほど美味しいローストチキンを食べたレナースプリングスを出発すると、砂漠だったり、緑の森だったりが交互に現れ、やがて徐々に砂漠が姿を消して行く。

砂漠との境界線と言っても、突然砂漠から熱帯雨林になるワケではないようだ。やがて砂漠は探しても見当たらなくなり、目にしみる程美しい緑の草原や森がどこまでも広がる景色になる。

特にエリオットを過ぎて20kmくらい走った場所ではまたあの謎の高架道路になり、高い所から、360度見渡す限り緑の森の海が地平線の彼方まで続く大パノラマを拝める。

もー生きててよかったー!ちゅうくらい感動的な景色だ。

Dunmarra

行方不明の少年の話が本になってるDunmarraを過ぎ、ひたすら北を目指す。この辺りのロードハウスはたいていコーヒーが無料になっているようだ。森の中を一直線に進むスチュアートハイウェイ。車の通過に驚いて道路の脇から飛び立つ鳥の群れがフロントガラスにぶつかりそうで、ちょっとしたスリルだ。

空がだんだん夕映えに染まり始める。いかん。急がなくては。暗くなってからの運転はとても危険なのだ。しかし目一杯アクセル踏んでも110~20kmしか出ないのよねー。

そうだ、エアコン切っちゃえ、これであと10kmはスピードが上がります。

そして真っ暗になるほんの少し前になんとかマタランカに到着。ふーやれやれ、しかし本当の試練はこれから始まるのだったがそれは次回のお話。

ガス欠になったのまとめ

キャンピングカーによってはガソリン残量を示すメーターの仕組みが日本車とは違うことがあるので、借りるときに確認しましょう。

でも、そもそも余裕を持ってスケジュールを立てること、こまめに給油すること、につきますね。

それからレナースプリングスのローストチキンはものすごく美味しい!もしこのルートでキャンピングカー旅行をする人がいたらぜひ試してみてね。

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この記事があなたの子連れオーストラリアキャンピングカー旅行の参考になったならとても嬉しいです。

それではまたお会いしましょう、良いご旅行を!

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