【世界中の海に潜ったマリンスポーツのエキスパートが教える】子連れシュノーケリングの楽しみ方、注意点、道具の選び方
アッサラーム!マリンスポーツ歴40年のイルカパパです☆これまでパラオ、タヒチ、カンクン、セイシェル、マダガスカル、モロッコ、イースター島、シチリア島など世界中の海に潜りましたが、モルジブは格別です。今回は6歳と9歳の2人の子連れ、家族4人でモルジブ旅行を楽しんできました。
インド洋の楽園モルジブへ行ったら、是が非とも海の中を覗いてみたいですよね。モルジブの海の中は「水より魚のほうが多いんじゃないか」と燃えるくらい魚影が濃いのが特徴です。スキューバダイビングをしなくても、小さな子どもでも素晴らしい海の宝石を観察できることが子連れモルジブ旅行の最大の魅力だと思います。
この項では、マリンアクティビティの種類、シュノーケリングの魅力、安全な楽しみ方を説明します。
マリンアクティビティの種類
こどもとシュノーケリング、スイキンダイビングを楽しもう!
ところで「シュノーケリング」「スキンダイビング」って何?
まず海中世界をのぞき見るマリンスポーツアクティビティの分類をみる事にしましょう。
スキューバダイビング
酸素ボンベを背負って海中に潜るアクティビティ。
ライセンスが必要。
モルジブでは「チェックダイブ」を受けないと、ファンダイブには参加できない。
また水深25メートル以上潜る場合は、アドバンス以上のライセンスが必要。
チェックダイブ、ファンダイブはいずれも有料。
シュノーケリング
マスク、シュノーケルを装着し、ライフジャケットなどの浮き具を付けて、
水面遊泳しながら海中の景観を楽しむマリンスポーツ。
シュノーケリングポイントまでボートで行く有料ツアーもあるが、自分たちでハウスリーフで泳ぐ限りは無料。
ライフジャケットなどの貸し出しが有料か無料かは、リゾート、ツアーにより異なる。
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スキンダイビング
マスク、シュノーケルを装着するが、浮き具は使わず、
またスキューバなどの水中呼吸器も使わず、
自分の肺の中の酸素だけで海中に潜水して景観などを楽しむマリンスポーツ。
自分たちでハウスリーフに潜るなら無料。
*スキンダイビングという言葉は、時代とともに使われなくなってきています。「スキンダイビングツアー」という言い方もしません。シュノーケリングツアーに参加して、ライフジャケットを使用しないで海に潜ったら言葉の定義上それは「スキンダイビング」ということになりますが、そんなことを意識しながら泳いでいる人は皆無でしょう。楽しければそれでいいので。現在では「スキンダイビング」という言葉の存在や意味を知っている人はほとんどいないと思います。
フリーダイビング
水中呼吸器を使わず、肺の中の息だけで、いかに深く潜れるかを競うスポーツ。
シチリア島子連れ旅行記で話題に取り上げた
映画「グランブルー」はシチリア島で世界フリーダイビング選手権がおこなわれるという設定だ。
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スキンダイビングの楽しみ
スキンダイビングは、シュノーケリングと混同される事が多いが、楽しみかたや安全面で大きな違いがある。
(スキンダイビングも、シュノーケルを使うという点ではシュノーケリングですが、、、)
一番大きな違いはライフジャケットなどの浮き具を付けるかどうか。浮き具に守られてるシュノーケリングは、泳ぎがあまり得意でない人や、小さな子供でも気軽に海中世界を楽しむことができる素晴らしいアクティビティだ。
モルジブに限らず世界中のビーチリゾートで、きれいな珊瑚や魚が見れるポイントに行くノーケリングツアーがおこなわれているので、しゅノーケリングが楽しめるようになると、海外旅行の幅がぐっと広がるだろう。
一方、浮き具を使用しないスキンダイビングは、シュノーケリングほど安全ではない。ある意味、水中で呼吸が確保されるスキューバダイビングより、リスクが大きいかもしれない。
しかし重いタンクや、動作が制約されるライフジャケットを身につけず、自分の体ひとつで海中に潜り、自由に漂う開放感を体感することは言葉で言い表せないほど素晴らしい体験だ。
海と一体と言うか、ちょっとおおげさに言えば
地球と一体になったような、
やすらかな興奮につつまれる。
そしてその感覚こそ、スキンダビングの醍醐味と言えるだろう。
子供が伸びる条件
こどもに何かを教えようとする時、こどもが自分からそれを、
おもしろそうだ、やってみたい、
という気持ちにさせることが大切ではないだろうか。
例えばスキンダイビングなら、まず、親が海を楽しむこと。楽しそうに潜っていれば、こどもも興味を持ってやってみたいという気持ちになる。その時すぐ、じゃあやってみろと言うのではなく、
ダメダメ、そこで見てなさい、
なんてじらすくらいのほうがいい。
そうするとそんな楽しそうなことパパだけでやったらずるいよ~と、いてもたってもいられなくなり、「泳ぎたい!」という目標設定ボタンにスイッチが入るのだ。
我が家ではこうして、
水泳を一切「教えなかった」ことが、
そんなに上手いわけではないが、ある程度上達した理由だと思う。
この原理は水泳だけでなく、ピアノ、バレエ、野球、お絵かき等なんにでも通用するのではないだろうか。
反対に、こどものためだと思ってむきになって教えたものは伸びない。親だけ熱くなっても、肝心の子供がすすんでそれをやりたいと思わなければ、上達しないし、長続きもしないのだ。
まあ、トンビが鷹を生むことなんてめったにないのだから、しょせん自分のこどもだと、おおらかな気持ちで見守ってあげなさいと言うことか。
「すすんで持てば鉄でも軽し、イヤイヤ持てば紙でも重し」
スポーツでも勉強でも、会社経営でも、そして子育てでも、
人を指導する立場にある人は、
ヒトの心理とはこういうものなのだ、といつも肝に命じておきたい。
シュノーケリング・スキンダイビングで危険なもの
体ひとつで海に潜り、地球と対話するスキンダイビングは本当に素晴らしいマリンスポーツだが、たくさんの危険因子をはらんでいることを忘れてはならない。
ここではシュノーケリング、スキンダイビングを楽しむとき気をつけるべき危険因子について説明する。
危険なカレント
ドロップオフの壁がオーバーハングしている場所では、海底へ引き込まれるような流れ
ダウンカレントが
発生していることがあるので注意しよう。
またモルジブではあまり例がないが、長い海岸線の地形では、陸と平行して流れる沿岸流同士がぶつかり、
離岸流/リップカレントが
発生するケースがある。
スキンダイビンあるいはシュノーケリングを楽しんでいる最中に不幸にもこのリップカレントに流されてしまったら、すごい速さで沖に押し出され、最悪の場合、大海原を漂流することになりかねない。
もし遊泳中、リップカレントに乗ってしまたら、
岸と平行に(カレントに対して直角に)すばやく泳ぎだして、流れの外に出ることが重要だ。
いずれにしても、プールで泳ぎがうまくても決して油断しないことが肝心。プールで泳ぐのと海で泳ぐのでは、テレビゲームのサッカーするのと、本物のフィールドでサッカーするくらいの違いがある。海では水泳のスキルのほかに、状況判断能力や、危機回避能力、そして何より強運が求められる。
危険な生物
海の中には危険な生物がたくさんひそんでいる。噛まれたり刺されたりしたら、命の危険にかかわる生物だっている。あらかじめ図鑑などで、どんな生物が住んでいるのか、どんな性質なのか等を調べておこう。
また、リゾートに到着したら、その海の状況等をホテルの人に必ず確認しよう。
ちなみにビヤドゥのハウスリーフで潜るぶんには、危険な生き物はいないと思います。
浮上を阻むモノ
スキンダイビングでもっとも恐ろしいのは、浮上できなくなること。
スキンダイビングは水中で呼吸ができないので、何らかの理由で浮上できなくなると、命の問題に直結する。
浮上できなくなる理由として考えられるのは、水着など体に装着しているものが、海中の岩や珊瑚にひっかかってしまうことや、海中の穴や洞窟、オーバーハングしている壁などにはまってしまうこと等が考えられる。また釣り糸や漁師の網、船などにも注意が必要だ。
さらに水中で呼吸を我慢しすぎて、ブッラクアウト(失神)してしまう危険性もある。
対策としては、
- まず親が最初に潜るポイントに入り、地形や潮の流れ、波等の状況をチェックする
- 海に入る前、こどもに潜るポイントの様子や危険因子についてよく理解させる
- 常にお互いの状態を確認できる範囲で潜る
などがある。
では次にスキンダイビング / シュノーケリング必要な道具と、選び方、使用する際の注意点を見ていこう。
シュノーケリング・スキンダイビングに必要な道具と、選び方
マスク
お父さんお母さんには「水中メガネ」と言ったほうがわかりやすいかもしれない。
一眼タイプと二眼タイプがある。
視界の広さでは一眼タイプ、
気圧の調整や耳抜きのしやすさでは、二眼タイプのほうに歩がある。
また視力が弱い人用に、レンズに度を入れることが可能なタイプもある。
1)選びかたのポイント
ストラップなしでマスクを顔にあて、前髪がマスクの中に入らないようにあげる。それから鼻で息を吸い、ぴったり顔面にフィットするマスクを選ぶこと。顔にフィットするマスクは、潜水中、水がマスク内に入らない、あるいは入りずらい。
2)こども用
我が家の近くには、子供用の水中マスクを取り扱っている店がなかったので、インターネットのオンラインショップで購入した。しかしネットショップでは、実際マスクを手にとって顔にフィットするかどうか試せないという欠点がある。去年3月のタヒチ旅行前、ネットショップで購入したリュウのこども用マスクは、一応4~9歳用だったが、顔にぴったりしなくて、すき間から海水がジャンジャン入って使えなかった。マスクは確かに小さくて子供用だが、形が子供用にできていないような気がする。カイの時も、小2くらいまではすき間から水が入っていたので、こども用マスクが顔にフィットして隙間がなくなるのは、小学校3年生くらいからではないだろうか。
3)ゴーグル
水中マスクがフィットしないときは、ゴーグルで代用する。ゴーグルではスノーケルは使えないが、マスクより水中で動きやすいので、とくにリュウはゴーグルのほうが気に入っているようす。ゴーグルは子供が小さい時から使えて、カイもリュウも1歳前後で使い始めた。そしてそれが今でも使えている。
4)素材
マスクの顔と密着する部分の素材には、主に、シリコン、エラストマー(やわらかいプラスチック)、塩化ビニールがある。料金的にはシリコンが一番高いが、変形しない、子供の肌にやさしい、長持ちする等の点を考えると、シリコンがオススメだと思う。
5)曇り止め
せっかくのスキンダイビング、シュノーケリングでも、レンズが息で曇ってしまっては楽しさもだいなし。潜る前にレンズの曇り止めは、必ずおこなっておこう。方法としては、曇り止めを塗る、ツバをかける、海草でふく、等
6)手入れ
海からあがったらすぐ真水で洗うこと。しっかり手入れしておけば長持ちする。ちなみにわたしのマスクは、15年くらいもっている。
7)荷造り
マスクはシャツや下着でくるんで、スーツケースの真ん中のほうに入れ、上下左右を衣類で囲む。我が家のスーツケースは布製のソフトタイプだが、このやり方で割れたことは一度もない。
シュノーケル
マスクのストラップに取り付け、海面に顔をつけたままで呼吸ができる筒状の道具。
片方を口に加え、もう片方が水面より上に出ていれば呼吸ができる。
これがあれば
水中でも呼吸できると思っている人がいるが、
できません。
水に潜ったり波をかぶれば、シュノーケルの中は水でいっぱいになり、呼吸はできなくなる。
中に水が入ってきたら筒の一方を水面より上にし、中の水を一気に吹き出してカラにすれば、再び呼吸できるようになる。クジラの潮吹きと同じ原理だ。
スノーケルの筒には
長い、短い、太い、細い
の違いがあるが、
長くて太いモノほど、水を吹き出すための肺活量が必要になる。肺活量の小さいこども向けには、細くて短いモノを選ぶようにしよう。
幼稚園児~小学校低学年で、水を一度に全部吹き出す程の肺活量がある子は、あまりいないかもしれない。練習して上手くできない場合は、技術がヘタというより肺活量がまだ足りないだけのことが多いので、その時はシュノーケルなしでシュノーケリングしよう。
シュノーケルはあれば便利だが、絶対なくてはならないものではない。また排出弁付きのスノーケルがあるが、弁に不具合が生じた時の事を考えると、あまり子供用としてはおすすめ出来ない。
フィン
わたしは
こどものフィンの使用には反対です
モルジブではリーフエッジまでは浅いことが多く、そのような場所でフィンの使用に慣れていない子供が、フィンを付けたまま水に入っていくと、珊瑚礁を傷つける可能性が大きい。というか傷つけるのが目に見えている。
ベテランダイバーでも珊瑚すれすれを泳ぐ時は、うっかりフィンで珊瑚を傷つけてしまうことがあるのだ。地球温暖化による海水温の上昇で、モルジブの珊瑚礁は今壊滅的な被害を受けている。
温暖化をくい止めるために、電気や石油の使用を控えることが難かしいのであれば、珊瑚礁を守るためにせめてできること、
フィンを使わない
という簡単な事から実行しましょう。
*ボートツアーで足のつかないようなポイントへ行った時等、珊瑚に触れる可能性がまったくない場所でなら、フィンの使用はOKだと思います
ラッシュガード
モルジブは日差しが強烈なので、ラッシュガードなしに海に入るとやけど状態に日焼けしてタイヘンなことになる。ハワイ程度の日差しなら半そでのラッシュガードでも十分だが、モルジブ級の日差しでは、出来れば長袖のラッシュガードにしよう。
またシュノーケリング/スキンダイビング中は、甲羅干ししてるのと同じなので、膝のウラやふくらはぎの部分が強烈に焼ける。夜なんて痛くて熱くて眠れないくらい。だから腰から下の部分も、スパッツのようなものを履くのががいい。
こども用ラッシュガーは、以前は日本ではなかなか手に入らなくて、ハワイに行った時にサーフショップなどで買っていたが、現在はネットショップなどで安く買えるようになった。
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ダイバーズウォッチ
こども用に買うのはもったないと思うが、いっしょに潜る親は、例えスキンダイビングだけしかしない人でも、持っておいたほうが便利だと思う。
きれいな海の中でシュノーケリングやスキンダイビングをしていると、つい夢中になり時間が立ってしまう事が多い。しかし時計をしていれば、休憩時間などのメドを立てやすくなる。また潜っている時の水深がわかるのも大切なことだ。
スキンダイビングを楽しむワンポイントアドバイス
自分の肺の中の酸素だけで潜るスキンダイビングでは、長く海中に留まるにはいかに酸素の消費量を少なくできるかが、大きなポイントになる。
人間の体の器官で、最も酸素を消費するのは脳だ。
脳は不快感や不安感を感じると大量の酸素を消費し、逆にリラックスした状態では、消費する酸素の量が少ない。つまり心身ともにぽか~んとリラックスした状態で潜れば、脳の酸素消費量も少なくてすみ、結果的に長く海中に潜っていられるのだ。
まあモルジブの美しい海に潜れば、
たいていの人はほっといてもそうなりますから、
心配いりません。
まとめ
モルジブを始め世界には子連れでシュノーケリングを楽しめる素敵なビーチリゾートがたくさんあります。
家族でシュノーケルが楽しめるようになると子連れ海外旅行の幅、奥行きがぐんと広がりますよ。この記事で説明した方法を参考に、あなたも是非海外子連れシュノーケリングを楽しんでください。
それではまたお会いしましょう、素敵なご旅行を!
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