アフ・アキビ〜海を見つめるモアイ
アフアキビのモアイは海を向いている
アフ・アキビ
イースター島のほぼ中央付近、なだらかな傾斜がつづく草原の丘に、
7体のモアイ像がたつアフ(祭壇)がある。
アフ・アキビのモアイだ。
ここのモアイ像は、次の3つの点で少しかわっている。
・イースター島の他のモアイはすべて海を背にしてたっているのに、ここのモアイだけ海にむかってたっていること。
・モアイの周辺からは集落跡が発見されているが、ここのモアイのまわりには人が住んでいた形跡がないこと、
・そして、ここのモアイだけ内陸にあること。
ただひとつだけわかっているのは、
春分・秋分の日に、
このモアイがみつめる先の海に陽が沈むということだ。
アフ・アキビの7体のモアイ像は、
イースター島の伝説に登場する7人の使者とも、7人の王子とも言われている。
あるいは、この島に最初にやって来た人たちの、
故郷の方角をむいているのだとする説もある。
島の文字を読める人がいなくなってしまった今となっては、
真相は永遠に謎だ。
ツアーへ出発
午後3時、約束どおりホテルにKさんが迎えに来た。
バスにのりこみツアーへ出発だ。
まず最初にむかったのが、アフ・アキビ。
村を抜けて島の内陸へ入ると、途端に道路状況が悪化する。
アップダウンの激しい細い未舗装の道路、
しかも穴ぼこだらけ。
ちゃんと座ってても体ごとボンボン跳ねる。
しっかりつかまってないとヤバイ状態だ。
これはもう、カウアイ島でワイアレアレクレーターの滝を目指し、
4WD車で走ったとき以上の悪路。
しかし、こどもたちはとっても楽しそう。
みんなの体がはずむたびに、
大声を出して笑いころげていた。
いや、そんなに笑ってたら舌をかむって。
バスの乗りごこちとは反対に、まわりの景色はかなりいい。
島の内陸には木がほとんど生えてなく、
緑を敷きつめたジュータンのような草原が
どこまでも続いている。
島の山々もなだらかな稜線をもち、
草原はその頂上までつながっている。
海を見つめるモアイ
バスは、風になびく草原の駐車場にとまった。
そこから少し登ったところに、アフ・アキビのモアイ像がたっている。
ちょうど午後のこの時間帯は、西に傾きかけた太陽の光が、
モアイの表情に絶妙のコントラストを演出してくれる。
おお、いい写真が撮れそうー。
アフ・アキビのモアイ像は、初期に製作されたものだ。
モアイは年代がくだるにつれだんだん巨大化していくが、
この頃のモアイは、まだそんなに大きくない。
それでも、ある程度の高さのアフにたったモアイは、
ちかくで見上げるとかなりの迫力。
そして、この場所自体が高地であるため、
島の眺めも海の眺めもすごくいい。
彼等はここで、
遠い水平線の彼方の、
何を見つめているのだろうか?