プナパウ~プカオの石切場
モアイの頭上に置かれた赤褐色の石の帽子のようなものをプカオという。
平たい円柱の真ん中に突起があり、
モアイの帽子ではないか?という説もあるが、
「長く伸ばした髪の毛を結ったまげ」
という説のほうが有力。
イースター島では当時、位の高い人は髪の毛を赤い染料で染めていたと言われている。
そのためプカオの製作には、火山性の赤色凝灰岩が採れるこのプナパウが選ばれたのだ。
それにしてもこれは驚くべきことだ。
「モアイ本体」は島の東南にあるラノララクの石切り場で作られている。
プカオが作られていたプナパウと、ラノララクは
直線距離でも12kmちかく離れているのだ。
トラックもクレーン車もない時代に、
こんな重いものをわざわざ別々の場所で作って、
運んで1つにしたというのは、
想像を絶する労力を要したことだろう。
緑の丘が印象的なプナパウ / バスを降りて少し登る / ウェールズを思わせる風景
プカオとモアイ
プカオが作られるようになったのは1300年代以降のこと。
それ以前に作られたモアイにはプカオは乗っていない。
*アフトンガリキのモアイは、倒壊の恐れがあるため、プカオをおろしている。
現在プカオが頭に乗っているモアイで、
一番見ごたえがあるのは、
アナケナビーチ/アフナウナウのモアイだ。
どうやってプカオをモアイの上に乗せたのか?
もまたイースター島の謎のひとつである。
気持ちのいい景色 / プオカが転がっている / なぜ突然プオカ作りをやめたのだろう?
プナパウの風景に
モアイの製作がある日突然終ったため、プカオの製作も突然終了する。
プナパウでは作られたばかりのプカオや、運ばれる途中のプカオが、
草むらの中に転がっているのをみることができる。
このシーンは、
京都/龍安寺の石庭や、
益田/萬福寺の雪舟庭園と
どこか似ているなと思った。
それは異質なものが違和感なく存在している空間だ。
風が吹きぬける牧歌的な緑の草原に、
点々と赤黒いプカオが並んでいるプナパウの風景は、
イースター島という小宇宙を象徴する場所なのかもしれない。