アウトバック疾走編・南回帰線・UFOの来るキャンプ場
南回帰線を超えて
朝焼けに染まるウルルの大地 / 走っても走っても地平線が見える
オーストラリア子連れキャンピングカー旅行の旅程
この編では、5日目と6日目の夕方までを紹介します。
<1日ー2日目>
- 21:25 成田・新東京国際空港発 カンタス航空06便
- 05:55 ケアンズ国際空港着
- 11:45 ケアンズ国際空港発 カンタス航空1949便
- 13:53 アリススプリングス空港着
- 午後 キャンピングカーを借りる、食材の買い出し、アンザックヒルで夕日鑑賞
- 夕食 ウィンドミルレストラン
アリススプリングスのキャンプサイト泊
<3日目>
- 9:00 キャンプサイト出発
- 昼 エールドゥンダのロードハウスでランチ
- 15:30 エアーズロックリゾートに到着
- 午後 キャンプサイトのプールで遊ぶ
- 夕方 ウルルの夕日鑑賞
夕食 エアーズロックリゾートのゲッコーズカフェ
エアーズロックのキャンプサイト泊
<4日目>
- 午前 ウルル(エアーズロック)登頂
- 昼 カタジュタ(マウントオルガ)風の谷トレッキング
- 午後 キャンプサイトのプール
- 午後 ウルルーカタジュタ・ヘリコプターツアー
- 夕食 キャンプサイトでバーベキュー
エアーズロックのキャンプサイト泊
<5日目>
- 6:00 エアーズロックのキャンプサイト出発
- 朝食 エールドゥンダのロードハウス
- 昼 アリススプリングスデザートパーク
- 午後 南回帰線を超える
- 夕食 キャンプサイトでバーベキュー
UFOの来るキャンプサイト泊
<6日目>
- 朝 キャンプサイト内の散策
- 午前 デビルズマーブル見学、その後ガス欠になる
- 昼食 レナースプリングスのロードハウス
- 夕方 マタランカ温泉キャンプサイト着
- 夕食 キャンプ場のレストラン
マタランカ温泉キャンプサイト泊
<7日目>
- 朝 マタランカ温泉に入浴
- 午前 キャサリン渓谷でカヌーツアー
- 昼食 キャサリン渓谷ビジターセンターのレストラン
- 夕方 カカドゥ国立公園に入園
- 夕食 キャンプサイトでバーベキュー
カカドゥのキャンプサイト泊
<8日目>
- 午前 ノーランジーロック登頂
- 午後 カカドゥキャンプサイトのプール
- 夕方 イエローウォータークルーズツアー
- 夕食 キャンプサイトでバーベキュー
カカドゥのキャンプサイト泊
<9日目>
- 午前 マムカラ湿原見学
- 午後 驚愕のジャンピングクロコダイルクルーズツアー
- 夕方 ダーウィン到着、着後キャンピングカー返却
- 夕食 シーフードオンクレン
カレンベイサービスアパートメンツ泊
<10日目>
- 6:00 ダーウィン空港発 カンタス航空801便
- 8:50 ケアンズ空港着 着後レンタカーを借りる
- 午前 ラグーンプールやマッディプレイグランドで遊ぶ
- 午後 ケアンズセントラルショッピングセンターで買い物
- 夕方 パームコーブ着
- 夕食 アプレビーチバー&グリル
アンサナリゾート&スパ泊
<11日目>
- 8:20 パームコーブ出発 レンタカーでポートダグラスへ
- 終日 ポートダグラス発グレートバリアリーフクルーズツアー(エイジンコートリーフ)
- 夕方 ポートダグラスでショッピング
- 夜 ケアンズナイトズー
アンサナリゾート&スパ泊
<12日目>
- 午前 アンサナリゾートのプール
- 午後 ケアンズ空港でレンタカー返却
- 13:25 ケアンズ国際空港発 カンタス航空69便
- 20:00 成田・新東京国際空港着
アウトバックとは
キャンピングカーの移動中遊ぶ子供達。ロングドライブでも退屈しない / アウトバックの赤い大地を走るキャンピングカー
アウトバックとは、オーストラリア大陸の内陸に広がる、気の遠くなる程広大な砂漠&人口希薄地帯。行けども行けども、町や村はおろか人工の建造物を目にすることはなく、人の気配が全くない、果てしのない荒涼とした大地が続く。
オーストラリアの人口のおよそ90%は沿岸地域に集中しており、旅行で訪れる時もそれらの地域や都市を目的とする人が多いのだが、アウトバックを知らずしてオーストラリアの真の魅力は知り得ないだろう。
エアーズロックで地球のへそを満喫した我々は、これから約2000km、アウトバックを疾走する旅程に入る。
遅れを取り戻す長距離ドライブの日
エアーズロックキャンプ場に予定より1日長く滞在したため、日程の遅れを取り戻さなければならない。今日がその日だ。よ~し、気合い入れていっぱいいっぱい運転するぞー。今日の目標走行距離は1000km、最悪でもテナントクリークか、出来ればこのまま一挙に成田まで走りたい。って、旅そのものが終わっちゃうよ、それじゃー。
夜明け前に出発するぞー!作戦
子連れでホテルに泊まって、朝6時に出発するのはけっこう大変だよね。ぐずる子供を起こして、荷物まとめて、フロントまで運んで、チェックアウトの清算をして、その上トイレや歯磨き、食事まで済まそうとするとかなり早めに起きて準備しなくてはならない。
その点、キャンピングカーでの出発はいたってシンプル。パパだけ起きて、エンジンかけて走り出す。これだけ。清算はチェックインの時に終わってるのでフロントに寄る必要はない。返す鍵もないしぃー。そのまま1~2時間走って、休憩したくなったら子供達起こしてハイ朝食にしよー、という感じだ。この作戦は使えるぞ。
さよならウルル
オーストラリア滞在4日目。朝6時に起きて外に出て背伸びをする。うーん、ちょっと寒いけどひんやりして気持ちいい!最初は「キャンピングカーなんかで寝れるかなー、オレ」と心配だったんだが、毎晩毎晩、も~ごめんなさい!っていうくらい熟睡しちゃってる。
暗がりの中、エンジンをかけるとそこらへんにいたワラビーが驚いてぱっと走り去った。短い滞在だったけど色んな事があったなー。まだ真っ暗でその姿は見えない、暁前の静けさの中で、ひっそりと夜明けを待つウルルに別れを告げ、私達は走り出した。ありがとう、そしてさよならウルル。
エールドゥンダで朝食
ラセッターハイウェイを東にとばす。徐々に空が明るくなり、フロントグラス一杯に広がる朝焼けが美しい。8時前にエールドゥンダに到着。あー腹減った、よーし朝メシにしよーぜ!キャンピングカーにはコーヒーメーカーが付いていないので、あつあつのコーヒーだけ売店で買ってくる。あとはママが作った、オムレツにベーコン、チーズ、サラダ、フルーツジュースにトースト、「これがキャンプの朝食?」と驚くほど豪勢な朝食をいただく。
外の空気はまだひんやりとしていて気持ちいいナー。朝食が終わったらアリススプリングス方面に向かって出発だ。
ティートゥリーのロードハウス。ガソリンスタンドと売店、バー、がある / ティートゥリーのロードハウスの売店
アリススプリングスを追い越して
アウトバック最大の町アリススプリングスには午前11時前に到着。キャンピングカーの運転にも慣れてきたので、フルスピードが出せるようになった(アクセルを踏み切って110~120km)。コールズで食料品、調達して、アリススプリングスデザートパークでお昼を食べて、さらに北を目指して走る。
アリススプリングスを過ぎると、岩がごろごろしてる高原のような景色になった。それが終わると今度は大平原に出る。一体どこまで続くんだ、というくらい走っても走ってもずーっと一直線の道だ。
南回帰線のオブジェ。駐車場以外何もない
あ、南回帰線!
その直線道路を快適にすっ飛ばしていると、突然道の左側にヘンテコなオブジェが現れた。「ああ。南回帰線だぁー」「あ、ホント南回帰線!」
ここで質問。南回帰線って何?
1)ウルトラマンが手を十字に組んで出す光線
そりゃー、すぺしゅむこうせん
2)織田裕二主演の刑事映画
そりゃー、おどるだいそうさせん
3)ああ、夕べ、5対3だった、
そりゃー、きょじんひろしません
4)やめられないとまらない
そりゃー、かっぱえびせん
見渡す限り地平線の大平原に沈む夕陽。感動的だ
正解は(ふりが長いよー)、冬至のときに太陽が真上を通る緯線で緯度は南緯23度26分22秒。ちなみに夏至のときに太陽が真上を通る経線は北回帰線だよ。北半球にあるハワイでは、真上を太陽が通過し影が出来ない現象を「ラハイナヌーン」と呼んでいるよん。そして赤道は北回帰線と南回帰線の中間にある。地球から見て何故太陽が、南回帰線と北回帰線の間を移動するかは、地球の自転軸の傾きによる、なーんてことは、男の子にはとっても興味あることなので、お母さん、ちゃんと勉強して教えてあげようね。
で、話を元に戻すと、ここはオーストラリア大陸を南北に貫くスチュアートハイウェと、東西に横たわる南回帰線が交わる地点なのだ。オブジェの台座には山羊のレリーフが掛かってる。このあたりで太陽が真上を通過する季節には(12月下旬)、夜空に山羊座が登るからだという。我々日本人にとっては、めちゃくちゃ珍しい南回帰線、写真をバシバシ撮って、次の休憩ポイントへ急いでアクセルを踏んだ。
UFOの来るキャンプ場?
危険な草
休憩ポイントのティートゥリーを出発して、1時間くらい走ったら草原のような景色になった。まだ砂漠は続いているのだが、このあたりだけ特別緑が多い。緑と言っても背の高い木ではなくて、草やブッシュのようなやつだ。この草は要注意だぞー。丈の長い芝生のような感じで風にふさふさと気持ち良くなびいているのだが、1本1本が焼き鳥の串のように堅く尖っていて、踏むと足にズブズブつきささる。もー痛いの何のってありゃーしない。イタタッ!
夜の始まりを見た
その草原のような所を抜けると、地平線の果てまで気の遠くなるような直線道路が続く。やがて日没時刻になり西の空が鮮やかな茜色に染まり出す。360度地平線の大平原に沈む夕陽のパノラマショーだ。空気が乾燥しているおかげで、夕陽が地平線に沈み切る瞬間まではっきり見える。そしてその時東の空では夜が始まるのだ。
ちょうど都合いいことに道路が高架になり、その感動的なシーンを少し高い所から眺める事が出来た。ラッキ~~。川があるわでもないし、この道路以外に人工のものは何もないこんな所で、何故高架になったのかは謎だけど。
ウィクリフウェルホリデーパーク
陽が沈んだ後もしばらくは明るいので、何とか暗くなる前にキャンプ場に着いた。ふーぎりぎりセーフ(汗)。今日の宿営地は「ウィクリフウェルホリデーパーク」。アリススプリングスから390km、テナントクリークから130km離れた、大平原の中にポツーンとたたずむ野趣あふれるキャンプ場だ。
なんでも近年、このあたりでUFOの大群がしばしば目撃されてると言う。期待に旨が高鳴りレセプションの前に車を止めたら、いきなり趣味の悪い宇宙人のオブジェが目に入った。あの解剖された宇宙人だ。よく見ると、レセプションの建物にもUFOや宇宙人の絵が描かれている。いやいやそれだけではない、このキャンプ場はとても広いのだが、芝生の中やシャワールームの近く等、そこかしこに宇宙人のオブジェや、UFOの形のゴミ箱が置いてあるのだ。
宇宙人を売り物にしてるキャンプ場というコンセプトかな?と思いきや、牛や巨大なエルビス・プレスリーのオブジェがあったりするのには圧倒される。そして笑える。
砂漠の中での誕生パーティー
今日5月1日はヒロの誕生日。
芝生の上にイスとテーブルを並べてキャンドルに火を灯し、準備が出来たら盛大に始めよう!
ヒロの誕生パーティーだ。ヘイ、ヘーイ。
みんなでハッピーバースデイを合唱して、キャンドルを一気に吹き消す。
それを合図に南十星にむかってクラッカーを引き鳴らせ!パーン☆パーン☆パーン、ヒロ、誕生日おめでとう! が、その時、ママ達が丹念に焼いたハンバーグを、私はおっとうっかり全部引っくり返してしまった。そしてみんなから、遺憾の意を表明された。
宇宙人現る!?
私達が、やれ、ハンバーグ食べたかっただの、やれ、ハンバーグ焼くの大変だっただの話していると、暗闇の中に3つの顔が浮かんで、音もなくすーっとこっち近づいてくるではないか。
ああ、遂に未知との遭遇か?!
でもよーく見るとただの人間でした。な~んだ。手に持ってるランタンのまわりしか明るくないので、闇夜に顔が浮かんでいるように見えたのだった。
彼等はここで3日前からキャンプしているオーストラリア人の4人家族ライトファミリー。お兄ちゃんの名前はジェイクで10歳、弟はリュークで8歳。近くの湖で獲ったエビを私達のパーティーに差し入れしようと持って来てくれたのだった。おおーサンキュー、サンキュー、宇宙人だなんて勘違いしてごめんね。
彼等はゴールドコーストの少し内陸側に住んでると言う。それがなんでこんな所に?と聞いてびっくり。彼等はナントもう半年前から、キャンピングカーの旅行をしているのだ。半年かけて西と南オーストラリアをほぼ制覇、これから東海岸を回って3ヶ月後に家に帰ると言う。なんじゃそりゃー?って言うかそんなのありですか?
じゃあ、何、子供の学校はどうしてますねん?と聞くと通信教育だと答える。それも中学生になったら出来なくなるので、長男が小学生のうちにこんな旅行したかったんだって。う~ん、なんともうらやましい。
「あなた達は何日くらいキャンピングカーで?」と尋ねるので「8日間」と答えるとひどく気の毒そうな顔を一瞬した。
大宴会
そのうちむこうのお母さんも合流してまあまあ、飲めや歌えやの大盛り上がり。アヒルパパが「アホのさかたダンス」なんか始めるに至っては、一同ハラがよじれる程笑い転げて、オシャレなパーティーが一転大宴会と化した夜だった。これじゃーUFOも恥かしくて出て来れんわな。学校に行ってないジェイク、リュークは久しぶりにたくさんの子供と遊べて、大興奮。
ここは砂漠の真ん中で人がいないから、いくら騒いだってノープロブレムなのだ。うるさすぎるくらい元気に走り回る子供達の姿を、満天の天の川に横たわる南十字星がやさしく見守っていた。
料金・住所 など
トイレ、シャワーは大変綺麗で清潔。コインランドリーもある
- キャンプ場/パワーサイトは1泊A30.30ドル
- 住所 Stuart Highway,Wycliffe Well 0861
- 電話 08-8964-1966
キャンプ場にはロバやラクダもいる
*ウィクリフウェルは世界で5番目にUFOの目撃件数が多い場所です。(らしいです。キャンプ場の説明)