【エアーズロックの絶景夕日】サンセット展望台から眺めるウルルの燃えるような夕焼け

2019年3月7日

夕日に赤く染まるエアーズロック
夕日に赤く染まるエアーズロック

ども、グダイ!オーストラリアでキャンピングカーに乗って2日目、アリススプリングスから長い長い長〜い距離をドライブしてきてようやく到着しました、エアーズロック。さっそく世界の絶景と讃えられるエアーズロックの夕焼けを見に行こうーじゃないか、よっしゃぁ〜。長距離運転の疲れもぶっ飛ぶぜ。

エアーズロック、名称の由来

エアーズロックの夕焼け

恥かしながらエアーズロックの「エアー」は、「空気」に関する意味が込められたものだと思っていた。

風がこの岩にぶつかって鳴る音にちなんでたりすると、なかなかロマンチックだなと。実は全然違っていた。1873年、アボリジニ以外で初めてこの岩山の登頂を行ったイギリス人、ウィリアム・クリスティ・ゴスが、彼の探検隊のスポンサーであり、後の南オーストラリア総督ヘンリー・エアーズ卿に敬意を表して名付けたものらしい。

ところがどっこい最近は「ウルル」が正式名称になっている。どういう事だ?

この名称変更の背景を理解するには、どうやらあまり知られていない「オーストラリアの影の歴史」を知る必要がありそうだ。

オーストラリアの影の歴史

オーストラリア大陸に人類が住み始めたのは、今から約5万年前と言われている。当時、陸続きだったニューギニア島を経由して、東南アジアから渡来、長い年月をかけてオーストラリア全土に生活圏を広げて行った。一方、イギリスの探検家、ジェームズ・クックがシドニー郊外のボタニー湾に上陸、東海岸一帯を「イギリスの植民地」と宣言したのは1770年の事。

アボリジニがオーストラリア大陸に住み始めてからの時間と比較すると「つい最近」の出来事だ。

入植後イギリス人はアボリジニを「王室領不法占拠者」として、追い立て土地を搾取していく。アボリジニが太古の昔より「ウルル」と呼び聖地と崇めてきた土地も例外ではない。

ウルルはエアーズロックと名付けられ、そこに暮らしていた人々は追い出され、新政府の土地として国立公園に指定、観光地化がすすめられたのだ。

夕焼けを眺める子ども達
サンセット展望台へ続く道 / サンセット展望台から望むウルル / 沈みゆく夕陽を浴びて刻々と変化するウルルの表情

聖地奪還

一連の流れの転換点となったのが1967年、アボリジニが国勢調査の対象とされるようになった事。始めてオーストラリア国民として認知されたアボリジニはさらに、1976年、政府によって観光地化されていた、ウルル一帯の土地の返還を求めて裁判を起こす。そして9年間の法廷闘争を経てようやくその聖地を奪還したのだ。その後アボリジニ/アナング族は政府と99年間の借受契約を締結、この場所を政府に貸与することにより収入を得ている。

どんどん赤く染まるウルルの夕焼け
あとわずかで日が沈む、って誰も見ちゃいねー

名称変更

ウルル一帯はその後1987年に世界遺産に登録され、1994年には「文化」で追加登録をされている。これにより「自然」と「文化」で登録された、世界に24ヶ所しかない「複合遺産」となり、それを機に1995年、「エアーズロック-マウント・オルガ国立公園」としていた名称を「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」と改めた。

こうしてようやく名実ともに、元々この土地に暮らしていたアボリジニのグループ、アナング族の手に戻ったウルル。彼らの言い伝えによると、「創造」の時代、祖先や動物が通った道は大陸の中心であるこの岩山で交わり、創造を終えた祖先たちはこの場所に引きこもったと言う。

「ウルル」の意味は「日陰の場所」。西洋人による暗黒の支配の時代を、予告していたのだろうか。

ウルルサンセット

以上のような、過去のいきさつを飲み込んだ上で、ウルルサンセット展望台へ向かう。

ウルルは、周囲の長さ9.4km、高さ約348mという世界最大級の一枚岩。地上に露出している部分はほんの一部に過ぎず、地下に埋まってる部分はナント6000メートルも有ると言う。うひゃぁぁー。

むしろそっちを見てみたいよー。

日照により刻々と色合いが変化するが、特に夕陽を浴びて七色に移ろう時刻が最高の鑑賞タイム。サンセット展望台へ急げ!

サンセット展望台

もし、夕焼け空をバックにしたウルルを見たいなら、サンライズ展望台へ行くのがいい。ただし、逆光でウルルは黒い岩にしか見えないだろう。

サンセット展望台からは、沈み行く夕陽を浴びて刻々と色合いが変化するウルルの表情を、最適な距離から眺める事が出来る。展望台は道路を隔ててツアー客用と、マイカー/レンタカー用に別れている。

駐車場代は無料。我々は最初間違ってツアー客用の方へ入って行ったが、数百人におよぶ日本人がいてびっくりした。セルフ用には我々以外日本人は皆無。絶対数も少ないのでこちらの方がゆったり鑑賞出来るだろう。

とは言っても、子供、特に男の子は夕陽なんてまるで無関心。砂遊びしたりけんかしたり転げ回ったっり。「見ろ見ろ」とうながしても、全く興味ないよー状態だ。

我々は自分で運転して来たからタダなのでいいものの、夕陽鑑賞ツアーに参加すると家族4人で3万円前後する。子供の砂遊び代にしては高過ぎないか?

しだいに日が暮れていく様子
日没直後。赤から茶色に変化するそして徐々に暗くなる

ハエを食べちゃった!

レッドセンターの乾燥地帯には、ハエがたくさんいる。我々が訪れた5月始めでもすごいと思ったが、11月~2月はもっとすさまじいらしい。このハエ君、日本のハエと比べると小ぶりだが、何しろやっかいなのは、人間様の顔めがけて何もそこまでというくらいブンブン集ってくる事。

水分を求めて人の顔に集るらしいのだが、「聞いてないよ!」というくらい迷惑な話だ。夜になるといなくなるのはありがたいが、この夕陽鑑賞タイムにはまだかなりの数が活躍している。

親の説得も無視して、夕陽そっちのけで大声出して騒いでいたカイの口に一匹のハエが飛び込んだ。

「うわぁーペッペッ、ハエ食べちゃったー」

それを見てみんなあはあは大笑い。それ見た事か!私もここぞとばかり「おまえ、親の言う事聞かないでバカ騒ぎしてるからハエ食っちまうんだよ!」と説教をたれる。

ちょうどその時、威厳たっぷりに叱ってるまさにその瞬間、もーこれ以上ないという絶妙のタイミングで、私の口にも別のハエが一匹飛び込んで来た。

そして、あっ!と思った時にはもうスルスルと飲み込んでしまっていた。

入園料

サンセット展望台は国立公園内にあるため、入園料がかかる。

大人1人A25ドル、子供無料。

チケットは国立公園入り口のゲート(高速道路の料金所みたいな所)で買える。3日間有効。エアーズロックリゾートから行くとサンセット展望台は手前、サンライズ展望台は奥にある。

また日没時刻等はホテルのツアーデスク、キャンプ場の受付などで解る。

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