【ウルル(エアーズロック)登頂体験記】園児2名含む6人の子連れで登って来ました
ども、グダイ!オーストラリアでキャンピングカーに乗って3日目、いよいよこの旅行前半のメインイベントエアーズロック・ウルルに子連れで登頂してきまぁ〜す!うははは。天気はいいし子どもたちの体調もバッチリ!待ってろーエアーズロック。
キャンピングカーで登頂口へ
気温が上昇するとウルル登頂は禁止になる。そのため早朝の涼しいうちに登り始めるのが一般的らしい。まあ涼しいうちが楽っちゅー事もあるし。朝7時に起床、もう外は明るい。それに思ったより寒くないぞ。ヒンヤリして気持ちいい感じだ。キャンピングカーは服も荷物も全部積んだまま移動するので、登頂口に着いて気温を確認してから何を着て行くか決めればいい。これは以外な利点だよ。
各自キャンピングカーの中で簡単に朝食を済ませ出発だ。途中、国立公園入り口のゲートを通過するが、昨日買った入園チケットは3日間有効なので、見せるだけでパス。昨日のサンセット展望台も過ぎ、登頂口まであと1kmという所に「ウルルーカタジュタカルチャーセンター」がある。とりあえず子供達をもう一度トイレに行かせようか。あ、私も。
登る人の列
ウルルを1周する道路と合流し、登頂口の駐車場を探しながら走る。もうウルルは近過ぎて、巨大な岩の壁にしか見えない。突然ママが「あ、すごい人!」と言った。見上げるとうわー、確かにものすごい数の人が尾根づたいに列をなしながら登っている。その異様な光景に声が出なかった。
後でわかったのだが、ウルルに登る人の9割近くがツアー客なのだそうだ。大型バスでやって来ていっせいに登り始めるからあんな行列になるんだろう。ツアーと言っても別にかついで登ってくれるわけじゃあないぞ。バスでこの登頂口まで運んできて「いってらっしゃーい」と明るく見送るだけ。料金を調べたら、家族4人で2万円くらいする。レンタカー借りたってそんなにはしないでしょう。駐車場はもちろんタダだ。
登頂開始
子供達には薄手のウィンドブレーカーを着せて、登頂開始。途中暑くなったら脱げるようにナップサックを背負って行く。
水もたっぷり持った。日よけのため帽子もかぶらせた、が風が強過ぎてだめだ。すぐ取ってナップサックに収納。
30mくらい登った所から鎖がある。鎖をつかまりながら登るために、イボ付きの軍手も持って来たんだー。うーんこれ、なかなか使えるぞ。高さで言うと、鎖をつかまりながらだいたい全体の3分の2くらい登るのだ。
ヤバい!
最大斜度48度とガイドブックに書いてある。50mくらい登って下を見たら、駐車場の車が豆粒のように小さい。さえぎるものがないので、吸い込まれるような感覚だ。
「ひえー恐いよー!」
いやいや、怖がってる場合じゃないぞ。大人には何という事なくても、子供は、もしふざけて足を滑らせたりしたら、それこそ下まで転がり落ちちゃう。毎年何人かが命を落としてると言うけど、やばいよ、これ。
「おーい、絶対ふざけるなよ。手を離すよー!」
と叫んだけど風の音にかき消されて届かない。小学生組はもうかなり上の方まで登っちゃってるのだ。
やばい、やばい、絶対あいつら、鎖から手を離してあっちむいてホイとかしてるぞ。それで「ああ、ひっかかったー」とか言ってボーンと押したりするんだ。
私はその先を想像すると全身の血が凍りついたが、もう一度ありったけの声で叫んだ。
「コラー!あっちむいてホイとかするなよー!」
さらにヤバい!
小学生組と私達の間にいたママ達がようやく気付いて、急いで登って小学生組に追い付いたようだ。ふーこれで何とかひと安心かー。
いやー違う。目の前ににいる幼稚園組の2人。これはもっとやばい!足がふらふらしてるのにふざけようとしてる。いい根性してるじゃないかー、立派なお笑い芸人になれるで、って違うだろー。
とりあえず2人を引き離して、リュウのすぐ後に私、タイセイのすぐ後ろにアヒルパパが付いて登る事にした。
もし足を滑らせてもすぐ受け止められるようにだ。いつ転んで落ちてもおかしくない状況、そして落ちたらまずダメだろう、本当にこれは幼稚園児にとって(たぶん小学校低学年にとっても)命がけの登山だ。
ハラハラドキドキ緊張しっぱなしだたので、肉体的な疲れはあまり感じないで済んだ。
さらに登る
鎖が終わった所でとりあえず休憩だ。水が美味しい!ここから上は斜面と平な所が交互に続く。もし落ちても5mくらいなのでさっきまでとくらべるとかなり安全だ。
ドット肩の荷が降りる。それが終わるとコースは大きく左にカーブして白い線に沿って進む事になる。ここまで来るともうほとんど岩の上の部分。登るより前に進む事がメインになる。
この岩の上の部分は波のような形で、登ったり降りたりしながら進む。すぐ登るのに一旦降りるのはなんかもったいないなー。所々穴があって子供達は「お風呂だ、温泉だ」と叫びながらいちいち穴の中に入っていた。
やったー頂上だ!
頂上付近は平で広々として草原ならぬ岩原と言ったところか。なんと言っても景色がすごい!見渡すかぎり360度、地平線の大パノラマ。50km先にウルルよりさらに高いカタジュタが霞んで見える。
まるで雲がもくもくと浮かんでいるようなその眺めはとても幻想的だ。
頂上である事を示す方位盤のまわりで、写真を撮ったり座って景色を眺めたり。強くなった日差しよりも、もっと眩しく輝いてる子供達の笑顔。
その顔を見るために、おとーちゃん達はこんな遠い所までやって来たんだよー。さあ、世界の中心でいちにいのさん、ジャァーンプ!
おしっこ漏れちゃう
ガイドブックにも「水分をこまめに補給しましょう」とある。
たっぷり水を持って来て、重いのでガンガン飲んでたら、あらまートイレに行きたくなっちゃた!
まさか、こんな聖地の上で失礼するわけにもいかないし急いで降りなきゃ!でもあんまり急いで降りたらひざが痛いの何のってたまらない。
後ろ向きで降りたり前向きで降りたり、ポーズを変えながら命からがら転がるように降りて(落ちて?)来た私達だった。そしてぎりぎりセーフ!でした。
ウルル登頂が禁止される時
- 強風時(標高2500フィート地点で、風速25ノット以上)
- 雨が降っている時または、降った後
- 3時間以内に雨、または嵐が予想される時
- 気温が36℃以上の時(予報も含む)
- 雲が頂上より下にある時
- 救助活動が行われている時
- 伝統的な所有者から文化的な理由で要請があった時
聖地ウルル
ウルルはこのあたりに太古の昔から住む、アボリジニ、アナング族の聖地だ。その大切な聖地が観光地化され、名称も一時「エアーズロック」となっていた事にも簡単ではあるが触れた。
アナング族は、聖地ウルルに何人たりとも登って欲しくないと考えているのだ。事実、登山口には数ヶ国の言語で「登らないでください」と記した看板が立ててある。しかし禁止はしていない。それは現在までのいきさつに加え、もし禁止すれば「ウルルの登頂」が目的の観光客が減ってしまうと考えているからだ。
登って欲しくないけど、禁止はしていない。この中途半端さがいけない。難かしい事を考えるのが苦手なイルカファミリー/アヒルファミリーは、登った。しかし登る事をすすめてるわけではない。むしろ幼稚園児にはかなり危険だと思う。
今日も、エアーズロックリゾートの売店では「私はウルルに登らなかった」と書かれた、Tシャツやステッカーが売られている。その一方「登頂証明書」が発行されたり、「私はウルルに登った」というTシャツやステッカーが売られている。あなたはどう思うだろうか?
ウルル(エアーズロック)登頂禁止を正式決定~2018年11月1日(日本経済新聞の記事)
オーストラリア政府と先住民アボリジニーで作る協議会は、2019年10月26日より、ウルル(エアーズロック)への登頂を禁止すると発表しました。
あわせて読もう
この記事があなたの子連れオーストラリア旅行の参考になったならとても嬉しいです。