スイス子連れトレッキング(8)お花畑をのんびり下るクライシャイデック〜ウェンゲンアルプトレイル
クライシャイデックーウェンゲンアルプトレイルコース概要
クライネシャイデックからラウターブルネン側(西側)の谷に向うコース。
線路に沿って下るルートが一般的だが、
わたしたちはクライネシャイデックの南西に広がる斜面を横切り、
アイガーグレッチャーから続く稜線上を下るルートを歩いた。
前半は広い草原の中をゆるやかに下るメルヘンチックな道、
中盤は尾根の稜線を下る眺めのいい道、
そして後半は森の中をすすむ道と
1度で3つの異なるタイプ
のトレッキングが楽しめる。
ただし、最後はちょっときつい上り坂になる。
スタート
電車の線路を横切り、
広い草原に伸びる1本道をすすむ。
道はゆるやにカーブしていて、
すすむごとに異なる景色と対面できる。
左手にユングフラウヨッホへ登る赤い電車、
右手にラウターブルネン下る黄色い電車が
ゆっくりと遠ざかり、
振り返るとクライネシャイデックの町が見えていた。
スタート時刻は午後1時25分。
牛の落とし物
草原に伸びるコースの道幅は約30cm。
平均台の上なら落っこちるかもしれないが、
こんな平坦で歩きやすい道ならコースをはずれることもない。
なのに前を行くこどもたちは
やたらぴょんぴょん跳ねて
道から飛び出している。
ひとつは所々にある水たまりを避けて、
もうひとつは所々にある
牛の落とし物(大)を避けて。
沢
いくつめかのカーブを曲がったとき、
沢にかかる橋があった。
「靴を脱いで水に入ってもいい?」
とリュウが聞いてくる。
「いや、いくらなんでも冷たいだろう。氷河が溶けた水だよ」
時間を気にしないハイキングなら、
好きなだけ遊ばせてあげれるのに、
と反省しながらさらにすすむ。
不思議なオブジェ
スタートした時遠くに見えていたユングフラウの岩壁に近づくと、
コースは一転して上りになる。
それもなかなかの急斜面だ。
上に行くほどガレ岩が増えてきて、
足をとられて歩きずらい。
やっとの思いで登り切ったら、
見晴しのいい場所に
ガレ岩を集めて作った不思議なオブジェがあった。
何ですかーこれ、
宇宙と交信
でもするんですかぁ?!
距離的にはここらへんがちょうど中間地点。
眺めもいいしちょっと休憩していこう。
下り
コースはここから尾根沿いに下っていく。
実はこの尾根はアイガーグレッチャーから続いている稜線で、
わたしたちは一旦クライネシャイデックへ寄ったが、
そのまま下ってここに来ることもできる(と、この時知った)。
で、この下りは要注意だ。
さっきの不思議なオブジェを形成していたガレ石が、
ざくざく埋まっているのだ。
上りならずるずる足をとられるだけで済みますが、
下りだと滑って大けがしいかねない。
「注意して降りろよ、まだ旅行は長いんだから」
と言い終らないうちに、
もうこどもたちはあっと言う間に
走り去り姿が見えなくなった。
人の話は最後まで聞けー!
特に親の話しは!
森林コース
ガレ石の尾根を下っていると、
そのうち木が目立ってきた。
どうやら森林限界まで降りてきたようだ。
木々の中を歩くと見通しが悪くなり、
木だけにツリ~。
やがて本格的な森になり、
道はその針葉樹の森の中をくねくねすすむ。
やっと森を抜けたところでコースが2つに別れていた。
ひとつはそのままウェンゲンまで下るコース。
もうひとつはそれまでと一転、どんどん登るコース。
この登るコースがわたしたちの目指す
ウェンゲルンアルプ行きだ。
ゴールはもうすぐ / あ〜〜この水ちょーうめー
ウェンゲルンアルプに到着
道が上り始める所にリフト乗場があった。
冬なら、今わたしたちが歩いて来たコースをスキーで一気に滑り、
ここからまたリフトに乗って上まで戻れる。
今度は家族でスキーしに来たいな~、
なんて思いながら、
つづら折りに登ってゆく坂道を歩き始めた。
そしてスタートして1時間15分、
午後2時40分にわたしたちは、
ゴールのウェンゲルンアルプ駅に到着した。
電車の時間は2時57分。
駅舎の中に待ち合い室があるので、そこで休んでよう。
コースデータ
出発地点クライネシャイデックの標高2061m、
ゴールのウェンゲルンアルプの標高1874m。
標高差187m。
所要時間1時間15分。
線路沿いにウェンゲルンアルプまで下るコースもあり、
その場合の所要時間は45分。