スイス子連れトレッキング(2)間違ったコースに迷い込んで一体どうなる?バッハアルプゼー湖~レーティ山

2019年2月3日

バッハアルプゼー湖~レーティ山、コース概要

さっきまでいたバッハアルプゼーのふたつの湖があんなに小さく見える。もうこんなに来たのか~

 

バッハアルプゼー~レーティ山 / コース概要

バッハアルプゼーからレーティ山の小屋を目指すコース。

晴れていれば正面にアイガー、左手にシュレックホルンや、

ベルーナーオーバーラントの最高峰フィンスターアールホルンなどの頂きが見える、

グリンデルワルド屈指の絶景コース。

 

道幅は狭くかなりの急斜面もあるが、

最後のレーティ山の稜線を登るところ以外は、

路面はおおむねしっかりしていて歩きやすい。

 

コースはほとんどの行程が登り。

フィルストブスアルプの行程で考えると、

レーティ山小屋はほぼ中間地点。

 

バッハアルプゼー湖からさらに先へすすむ

 

さらに進むという決断

 

さて、目的の湖も見たし、これからどうしようか。

今来た道を戻ってゴンドラで村に帰るか、

さらに先へ進むか。

 

「さらに進むとどうなるの?」とママ。

 

「ここからあの山を越えて3時間くらい歩けば

ブスアルプに着くはず。

そこからバスで村に帰れるらしい」

 

「じゃあさっさと出発しようよ」

 

いやいや聞くまでもなかった。

我が家のポリシーとして、

同じ道を帰るなんて選択は有り得ないのでした。

 

たとえ吹雪でもね。

 

バッハアルプゼーにはふたつの湖がある。

それらをつなぐ小川に架かる橋を渡ってスタートだ。

 

しかし

これが間違ったコース

だということに、

 

この時はまだ誰も気づいていなかった。

 

レーティ山を目指すトレッキング

             スタート地点の橋最初は湖に沿って歩く湖が終ると登り坂がはじまる

 

ファウルホルンはどっち?

 

わたしたちは最初から「レーティ山」を目指していたわけではない。

というかそんな山、正直知りませんでした。

 

てっきりブスアルプへ行く道は、

バッハアルプゼーから標高2681mの

ファウルホルンを越えて進むルート

ただひとつひとつしかない

と思っていたのだ。

 

だってこんなすごい高い山の中に、

いくつもコースがあるなんて

思わないでしょ?

 

上り坂

 

だから、バッハアルプゼーを出発して

ひたすら登っている間中ずーっと、

ファウルホルンに登っているのだと信じて疑わなかった。

 

それどころか日本に帰ってきてからも

「おれたちはファウルホルンに登った」

と自己満足していた。

 

ところが、

この旅行記を書くにあたっていろいろ調べていたら、

ひょんなことからあれはファウルホルンではなくて

レーティ山だったとわかったのだ。

 

 

ファウルホルンへのルートは、

バッハアルプゼーの上の湖の右手からまわって行く。

比較的道幅も広く歩きやすそうなコース

 

それに対しわたしたちが進んだレーティ山越えのコースは、

下の湖をまわって行くコース。

 

もうスタート時からぜんぜん違ってんじゃん!

 

まあ結果的には、

ちゃんと最終目的地であるブスアルプに着いたんだからよしとしましょう。

 

そうそうこのファウルホルンと信じて疑わなかったレーティ山ルートには、

スイスでは珍しく

標識がない。

 

それも間違ったルートを歩いた

原因のひとつだと思う。

 

レーティ山目指して登る子供達

 

どんどん登る

 

湖の端まで歩いたら、

そこから長い長い登り坂が始まる。

 

特に前半は、フィルストからバッハアルプゼーまでのコースとは

比べ物にならないほど急な斜面だ

 

道幅も狭いし、左側はガスでよく見えないが、

かなり下のほうまで断崖になっているよう。

 

いや、よく見えたら足がすくむだろう。

 

幼稚園児のリュウの身長より大きい岩が、

所々横たわっている。

こどもたちはそれを乗り越えてどんどん登って行く。

 

一番登り切ったと思われる場所で振り返ったら、

さっきまでいたバッハアルプゼーのふたつの湖が、

はるか遠くの下のほうに見える。

 

おお~、もうこんなに来たのか。

 

その神秘的な景色に見入っていると、

みるみるガスが立ち込めてきて

 

あっと言う間に何も見えなくなった。

 

そしてまた

雪が強くなってきた。

 

間違ったコースをすすむ私たち家族

 

共同作業

 

雪が降って困るのは、

積もった雪でコースがわからなくなることだ。

 

一体どっちへ進んだらいいのか見当がつかない。

岩に赤と白のペンキでコースを示す道しるべが書かれているのだが、

それも積もった雪で見えない。

 

ガスもひどい。

う~ん、困った。

 

こどもたちと積もった雪を振り払いながら

コースを確認して進む。

 

家族の共同作業だ。

 

ありがたいことに寒さは感じない。

ずーっと登ってきたから体が暖まっているのだ。

 

レーティ山の頂上が見えてきた

 

こうして、みんなで手分けしながら登って行くと、

やがてガスと吹雪で視界がかすむ中に、

1軒の山小屋が見えてきた。

 

レーティ山の小屋だ。

(この時点ではファウルホルンの山小屋だと思っていた)

 

やれやれ助かった、

どりあえずあそこに避難しよう。

 

間違ったコースとは知らず懸命に登る

               レーティ山のの尾根の稜線を登る、間違ったコースとは知らないで、、

 

コース概要

 

出発地点バッハアルプゼーの標高は2271m、

ゴールのレーティ山は標高2553m。

高低差282m。

 

フィルストとの高低差は386m。

所要時間約50分。

 

フィルスト~バッハアルプゼー~レーティ山~ブスアルプと歩く場合、

レーティ山小屋がほぼ中間地点になる。

そして最高所。

ここからブスアルプまでは下りが続く。

 

山小屋に避難する

             あの先が頂上かな?おお!山小屋が見えてきたーとりあえずこの中に入ろう