さよならベルナーオーバーラント〜グリンデルワルドに分かれを告げて
さよならベルナーオーバーラント
ついにお別れの朝がやってきた。
部屋のカーテンを開けると、
も~こんちくしょー!
というくらい雲ひとつない快晴。
かいせい、おれの思い出をかいせー!
「1日ずれてればよかったのに」
「最後にこんな青空の景色が見れただけでもよかったじゃない」
まあ、そうとも考えれますね。
こどもたちは初日に、
あの吹雪の山を歩いたのが
一番楽しかったって言ってるし。
最後の朝食を食べにレストランに降りてびっくり。
なんじゃこりゃぁ~!。
もうお店の中いっぱい日本人だらけ。
きっときのう団体の日本人ツアー客が着いたんだよ。
ツアー客の大半がご年配の夫婦やグループだ。
そしてみなさん、すげぇー高そうな一眼レフのデジタルカメラをお持ちになってる。
最近の健康志向もあって、
スイスは人気あるんですね。
イースター島でもたくさんの日本人観光客を見たけど、
こうして思い出してみると、
日本人にまったく出会わなかった旅行先って、
以外にもハワイのカウアイ島だったね。
さて朝食もすんで、
部屋に戻り荷造りをする。
今日は、午後1時10分、
チューリッヒ発のフライトでミュンヘンを経由して
ナポリまで飛ぶ。
グリンデルワルドを朝7時35分に出発する電車に乗れば、
途中ベルンでちょこっと観光しても、
飛行機の時間には余裕で間に合うのだ。
こんなに時間を有効に使えるプランが組み立てられるのも、
鉄道網が発達しているうえ、
正確に運行されてるスイスならではのこと。
最後のアイガー
「ご滞在は楽しかったですか?」
チェックアウトの手続きをしながら、
いつもフロントにいたイケメンお兄さんが話かけてくる。
「うん、すっごく楽しかった」
「いっぱい歩いたよ、おれたち。牛やヤギも見た」
家族で楽しい時間をすごしたホテルをあとにするのは、
どの旅行の時もつらいものだ。
お兄さんがドアを開けてくれ、
荷物を引きながら外へ出る。
緑をいっぱい含んだすがすがしい朝の風。
「バイバイ、また来るね」
駅まで歩き電車に乗る前にもう一度振りかえたっら、
わたしたちが泊まっていたグランドレージナの背後に、
朝焼けを浴びて眩しく輝く、
アイガーの北壁が見えていた。