【巨大氷河の絶景アイガーグレッチャートレイル】スイス子連れトレッキング(6〜7)
アイガーグレッチャートレイル/コース概要
ユングフラウヨッホへの登山電車がトンネルに入るアイガーグレッチャー駅から、
「小さな峠」の意味のクライデシャイデックを目指す絶景コース。
前半はアイガー氷河が落ち込む谷の稜線上の細い道をすすみ、
後半は一面の花畑の中をすすむ。
前半と後半でガラっと雰囲気が変わるのも面白い。
コースはほぼ一貫して下りなので、
小さなこどもでも楽しめる。
物足りない人は、
逆にクライネシャイデックからアイガーグレッチャーに向って登ってみよう。
アイガー氷河
「ああー空気が美味しい!!」
アイガーグレッチャー駅で電車を降りた人たちはみな、
陽の光をいっぱいに浴びながら思いっきり背伸びをしている。
赤ん坊が母親の胎内から出て、
体中で喜びを表現しているみたいだ。
トップオブヨーロッパの眺めを楽しんだ帰り、
40分も暗いトンネルの中を走ってきたので、
太陽の光と新鮮な空気に餓えていた。
こどもたちも生き返ったような表情をしている。
「お腹は減ってない?」
「まだ大丈夫」「オレも」
よ~し、それなら出発しようか。
ここからクライネシャイデックまで歩いて、
そこでお昼にしよう。
まず駅を出てすぐそこに見える
アイガー氷河のほうへむかって歩き始める。
草もほとんど生えていない、
月世界のような黒いジャリの斜面。
氷河は近くに見えるのだが、
実際は深い谷をはさんでその向こう側にある。
あまりにも巨大なため、
すぐそこにあるように錯覚するのだ。
やっと谷の手前にある5、6mの高さの壁のような尾根にたどり着いた。
息を切らしながらその壁を登る。
壁の向こう側には声さえ届かない深い谷が口を開けていた。
氷河の末端はその谷に落ち込むように伸びている。
それは今までの人生で見たことがない強烈な景色だった。
ああ、自然とはなんと畏るべきアーティストなのか!
トレイルは、その吸い込まれそうな谷の崖っぷちに、
谷と平行に伸びる尾根の稜線上にある。
左手にアイガー氷河、
正面にラウターブルネンの谷。
わたしたちは、
まるで鳥になって
アルプスの山々を羽ばたくように
稜線上のジャリ道のトレイルをすすんだ。
絶景の中に伸びるトレイル。
「アイガーウルトラトレイル」というレースでも使用されるルートだ。
足を滑らせたら谷底まで落ちちゃうぞ~!。
分岐点
大きな岩が転がっている場所まで下ったら、
そこでコースは2手に分かれる。
そのまま尾根づたいにウェンゲンまで下るコースと、
隣の尾根を越えてクライネシャデックを目指すコース。
クライネシャイデックへ向うコースは右。
ここから隣の尾根まで、
テントを張った骨格と骨格の間のたるんだような地形を横断する。
最初は下りだが、
そのうち平になり後半は上りになる。
ここから右に折れて緑の草原野中に伸びるトレイルを進む。
少し進んで振り返ったら、分岐点の岩とアイガー氷河がまだ大きく見えていた。
アイガーグレッチャートレイルのコースマップ
まるで絵本の世界 アイガーグレッチャートレイル後半
![アイガーグレッチャートレイル後半](https://kidsvacation.net/wp-content/uploads/2019/02/swisse4d.jpeg)
分岐点の岩の場所からアイガー氷河を背にして、
なだらかな斜面の緑の草原を進む。
空が広く開放感のあるとても気持ちの良いエリアだ。
足もとには小さな花が咲き、
ふわふわ草の上に寝っろんだら
顔の上を蝶がひらひらと飛んでいった。
![草原を横切る](https://kidsvacation.net/wp-content/uploads/2019/02/swisse5c.jpeg)
草原を横切り正面の岩の尾根を目指す。
![](https://kidsvacation.net/wp-content/uploads/2019/02/item11-19-1.jpeg)
岩の尾根を越えるとびっくりするくらいたくさんの人がいた。
わたしたちとは逆向きに、
クライネシャイデックからここまで歩いて来た人たちだ。
アイガー氷河を一目見たい
との思いでやって来たのだろう。
![アイガーグレッチャートレイル](https://kidsvacation.net/wp-content/uploads/2019/02/item13ay.jpeg)
お花畑をすすむ
尾根を越えた所はちょっとした展望台になっていて、
大勢の人が思い思いに写真を撮っている。
そこから先は、今までとガラっと雰囲気が変わり、
広いお花畑の中を進む
メルヘンチックなコースになる。
トレイルも比較的平坦で広くて歩きやすい。
見上げると、花畑が切れるさらに上空に、
氷河をいただく急峻な峰がそびえ立っている。
その組み合わせはあまりにも意表をついていて、
かえって違和感を覚えるスキがない。
時折
登山電車が、
のんびりと通り過ぎてゆく。
絵本の世界に
まぎれ込んだような穏やかな風景。
遠くにクライネシャイデックの家並みが見えてきた。
![ゴールのクライネシャイデックが見えてきた](https://kidsvacation.net/wp-content/uploads/2019/02/item17-170-2.jpeg)
クライネシャイデックが見えてきたら走り出すリュウ。お腹が減ったかな?
![](https://kidsvacation.net/wp-content/uploads/2019/02/swisse8b.jpeg)
登山電車も風景と一体になり絵になる。
![無事ゴールイン](https://kidsvacation.net/wp-content/uploads/2019/02/swisse4e.jpeg)
トレイルの終点クライネシャイデックに到着
コースデータ
出発地点アイガーグレッチャーの標高は2320m、
ゴールのクライネシャイデックは標高2061m。
高低差259m。
距離2.4km。
所要時間35分。
子連れでも迫力のある氷河を間近に見ながら
本格的なアルペン気分を体験できる
おすすめのトレイル。
景色も素晴らしい。
アイガーグレッチャー駅からクライネシャイデック駅まで、距離3.2km、下り337m、上り93m