予約が違う!
博物館から戻ってきて、レストランで昼食タイム♪
これがベレンティーでいただく最後の食事だ。
メニューはチーズのキッシュ、イカのガーリック炒め、セブ牛のステーキ。
最後の最後までコンチクショ~というくらいシアワセな料理でした。
サファリでお世話になったジョンと / ボクたちまた来いよ、美味しいものたくさん作ってあげるから
さよならベレンティー
食事が終わって出発は午後1時半だという。ママはレストランのむかいにある小さなギフトショップをのぞきに行った。
ベレンティーでは、世界でここにしか生息していないベローシファカ、ワオキツネザル、という珍しいレムールをたくさん見る事ができた。それも触れるくらいの至近距離で。そればかりか、部屋の屋根にはいるは、テラスのまわりにはいるは、カフェテリアで食事中もいっぱいくるは、で、も~見飽きちゃうくらいたくさん見れたね。
日本からとっても遠い遠い国マダガスカル、そのさらに最南端からさらにさらに車で3時間も山道を越えて行かなければたどり着けないベレンティー。もしキツネザルたちをぜんぜん見れなかったらどうしよーと心配していたが、とんだ取り越し苦労でした。こんなに素晴らしい所だと知っていたらあと1泊すればよかったな~、なんて思っていたら、旅立ちのバスがやってきた。
「さようなら」「ありがとう」
「ボクたち、また来いよ!」
こどもたちはレストランのスタッフや、ガイドのジョンとお別れをしてバスの乗る。窓の外を見るとシファカがなごりを惜しむように木につかまって、わたしたちを見送っていた。
お別れを言うベローシファカ
予約が違う!
さて、今日は12月25日、クリスマスだ。わたしたちのスケジュールは、これからフォールドーファンへ向かい、夕方の飛行機で首都のアンタナナリブへ帰る。今夜はひさしぶりに文明的なホテルでくつろげるのだ。
およそ3時間半でバスはフォールドーファンに到着。つい昨日ここを出発したばかりなのに、もうずいぶん昔のことのように思える。そのまま空港へ向かうのかと思ったら、バスは空港とは反対の町のほうへ曲がって行く。そして昨日お昼を食べたホテル・ル・ドーファンの前で止まった。
マミーが到着しました、と言いながらバスを降りるので、ああ、飛行機の出発までここで時間をつぶすんだな、と勝手に思いながらわたしたちもバスを降りる。でも、へんだぞ、ホテルのスタッフがぞろぞろ集まってきてわたしたちの荷物をバスから降ろし始めている。そしてレセプションのほうへ運んで行くではないか。
バスを乗り換えるのかな?
それにしては様子がおかしい、そう思ってマミーにここで何をするのか聞いてみる。
「え?今夜はこのホテルに泊まるんですよ」と当たり前のように答える。
なんだって、そんなはずはないよ。今日はこれからは夕方の飛行機でアンタナナリブへ飛んで、タナ最高級ホテル、カールトンでゆっくりくつろぐはずでしょ。そして明日はペリネへ向かう。
「それは違うよ、マミー」
とわたしが言う。まじめなマミーは、ぱっと顔から血の気が失せて真っ青になる。それからあわててスケジュール表を取り出して確認する。
「いや、違いません、今夜はここに泊まる事になっています」ホッとしたように言う。
「またまた~~悪い冗談はよしてよ」
マミーからスケジュール表をもらって確認する。げっ、でもホントだ、このスケジュール表では今夜はここに泊まって明日タナに移動するようになっている。一体どうなっているんだ?でも今夜タナに戻らないと、ペリネにはあさって日帰りで行くしかなくなる。それだとナイトサファリができないからアイアイが見れないじゃないか。アイアイを探すことが今回の旅行の一番の目的なのだ。
そうだ、マックスサファリの松崎さんがフォールドーファンにいるはずだ。急いで携帯を取り出し電話しようとする、が、携帯番号聞くの忘れてましたーー。ぜんぜんだめじゃん。ああ、タナの空港で松崎さんと会ったとき聞いておけば、と悔しがるが今さらどうすることもできない。それかせめて昨日、マミーにクリスマスにはタナで彼女に会えるね、なんて話しておけば認識の違いに気づいて調整できたかもしれない。
ワラをもすがる気持ちで東京のマックスサファリのオフィスにもかけてみるが誰も出ません。こうしている間にもタナへ飛ぶ飛行機の出発時刻がせまってくる。おおー待ってくれプリーズ!
結局どうすることもできないまま部屋に案内されそこで途方に暮れるわたしたちだった。黄昏の柔らかい光線が西の窓から室内に差し込み、不安な気持ちをいっそうかきたてる。
ああ~~これからいったいどうなるんだろう???