あまりの衝撃的なテイストに心も脳みそも一撃で破壊されたホテル・ル・ドーファンのカニカレー
「おお~、快適じゃん☆」
車が走りだしてまず感じたのは道路の状態がいいこと。穴ぼこだらけのモロンダバでは、もう~前に後ろに右に左にぼっこんぼっこん揺れるので、車に乗っているのがすごく大変だった。ちょっとの距離を進むのにも恐ろしく時間がかかるし。
それにくらべてここの道路はとてもなめらかで、車も普通にスピードを出して走れる。
座礁した船
空港を出て少し進むと道の両側に露店が並ぶマーケットにさしかかった。人が溢れるほどたくさんいて、露店では色とりどりの品が並べられている。マーケットが終わる道の突き当たりに、目の醒めるような青い海原が見えてきた。ドーファン湾だ。湾は弓なりに大きくカーブしてずーっと向こうまで続いている。
おや、アレはなんだ?
よく見るとコバルトブルーの海の中に、赤茶けた貨物船が横たわっている。座礁した船のようだ。そのアンバランスな眺めに思わず息をのむ。湾を見下ろすように海岸線と平行に走るマレシャルフォック大通りは、フォールドーファンのメインストリート。通りには銀行、旅行会社、ホテル、みやげ物ショップ、両替所が並んでいる。わたしたちを乗せた車は大通りを200mほど走ったところで右折し、大きな住宅が建ち並ぶ静かな通りに入った。そして少し走ったところで停車。
「到着しました。ここでお昼にしますので車から降りて下さい」とマミーが振り返って言う。
ああ、ここでお昼にするんだ。今回の旅行は、現地旅行会社のマミーが同行してくれるので、もう大船に乗った気分でぜ~んぶおまかせ状態。今日のお昼もどこかで食べるんだろうくらいにしか考えていなかった。これをきっかけにこのあとのスケジュールを再チェックしおけばよかったと、煮えたぎる油の中で踊る天かすのように、腹をよじって後悔することになるのだが、この時のわたしたちは、まだそれを知るよしもなかった。
ホテル・ル・ドーファンでランチ
今日のお昼をいただくホテル・ル・ドーファンは、これから行くベレンティーロッジと同系列。料金で見る限りフォールドーファンで最高級のホテルだ。車を降りてフロントロビーから中庭に面したコリドーを横切りレストランに入る。
お昼はいくつかのコースメニューの中から選ぶらしい。ギャルソンが一生懸命説明してくれるが、フランス語なまりがきつすぎて、何回聞き直してもよくわからない。ま、食べるものならどれも同じだろうと適当にオーダーしたら、いきなり生ガキの盛り合わせが4人前も出てきた。うひゃぁ~~!カキ大好きなママはもう目が点になっているぞ。
わたしに出てきたカニのカレーは、これはいやがらせですか?スィブブレと思うくらい強烈な美味しさ。カニ肉と細切れのジンジャーがどっさり入ったカレー。こんな味、今まで経験したことがありません!
さらにデザートに出てきたショコラムースも、う~ん、いけない、いけません、ここまでくるとこれはもうテロなのか?と思ってしまう。あまりの衝撃的なテイストに心も脳みそも一撃で破壊されました。
フォールドーファンは漁師町なのでシーフードが美味しいとは小耳にはさんでいたけど、まさかこれほどとは!舌もお腹も大満足の状態で再び車に乗り込んだ。
さあ、いよいよお待ちかね、野生動物の楽園、ベレンティーへ向かって出発だ!