マダガスカル旅行のハイライト!横っ飛びシファカとワオキツネザルに会えるベレンティー自然保護区

2019年3月2日

日本の1.5倍もの広さを誇るマダガスカル島。その南端の町フォールドーファンから、さらに車で3時間も山道を越えてたどりついたベレンティーは、日本から見たらそりゃ~「地の果て」とも言える場所だ。

そんなへんぴな所まで、子供を連れてわざわざやって来た。

いや~ご苦労さん!じゃなくて、なぜ?と質問するところでしょ。

 

ベレンティー保護区

 

ベレンティー保護区

 

ベレンティー保護区には「横っ飛び猿」ベローシファカと、輪っか模様の尾を高く上げて歩くワオキツネザルの、珍獣界2大スターをはじめ(そんな界があるんかい!)、多くの珍しい動物が生息している。世界的に脚光を浴びる野生動物の宝庫であり、マダガスカルツアーのハイライトと言える場所なのだ。

ベレンティー保護区は、1936年、サイザル麻農園主のフランス人アンリ・デ・ホルム氏によって作られたプライベート保護区。現在はその息子のジャン・デ・ホルム氏によって引き継がれている。

設立当初は研究者のみに開放されていた調査フィールドだったが、1980年代になって一般のツーリストにも開放されるようになった。

 

ひなたぼっこをするワオキツネザル

                                   ひなたぼっこをするワオキツネザル / 輪っか模様のしっぽが特徴

 

雨がやんだ

部屋に案内され荷物を整理しているうちに、雨がだんだん小降りになってきた。このぶんだともうすぐやみそうだ。しかし、飛行機と車を乗り継いで、こんな遠い所まではるばるやってきたけど、本当にシファカやワオキツネザルが見れるんだろうか?

どちらも地球上でこの場所にしか生息していない、ものすごく珍しい生き物なわけで、時間をかけてやって来たくらいの代償では見れないような気がする。せいぜい在中、1、2匹でもチラッと姿が見れればラッキーと考えよう。

 

屋根の上にワオキツネザル

      ややっーー!こんなところにいるぞ!屋根の上でひなたぼっこをするワオキツネザル

 

何の音?

完全に雨が上がり、雲の切れ間からお日様がのぞいてきた。屋根の上でポコンドコンと音がするので、大粒の雨水が木の枝からぼたぼた落ちてるのかと思った。

こどもたちが様子を見に外へ出ると

「だーーっ、すげー!」「パパ、早く来て!」いきなり大声で叫ぶ。

何事かと思って部屋の外に飛び出したら、ぬかるんだ地面に足をとられスッテンコロリン、大きなしりもちをついてしまった。あいたたた~~、マダガスカルの大地にわたしのお尻の跡が。っていや今注目するのはそこじゃないでしょ、こどもたちの歓声の正体を確かめなければ。立ち上がって2人が指差すほうを見ると、おお~~なんとわたしたちの泊まっているヴィラの屋根に、ワオキツネザルがいっぱいいるではないかーー。

ええっ~~、何これーー!

1、2匹どころか何もそこまでという大集団、それもわたしたちの部屋の屋根に。うははは、すごすぎるぞベレンティー。

そのうちワオキツネザルたちは、日光にむかって手足をだら~~んと広げるひなたぼっこスタイルになる。テレビや写真で見たあの有名なポーズだ。それを感動しながら見ていると、そのすぐよこを白いふわふぬいぐるみのようなモノがぴょんぴょん飛び跳ねながら通りすぎていく。

え?ベローシファカ?え?こんなに近くで?

びっくりする間もなくあっけにとられているわたしたちの横を、次々とベローシファカが横っ飛びで通りすぎて行く。ありゃ~~、豪華2大スターのいきなりの登場に、涙なみだの大感激!頭がパニックになって、声が枯れるまで興奮するわたしたちだった。

 

ひなたぼっこをするワオキツネザル

 

ベレンティーに住む生き物と保護区の魅力

ベレンティー保護区に生息する生き物は、ベローシファカ、ワオキツネザルの他、アカビタイチャイロキツネザル、、夜行性のシロアシイタチキツネザル、ハイイロネズミキツネザル、レディッシュグレイネズミキツネザル、の6種のキツネザル。さらに83種の野鳥、2種類のカメレオンと、珍しいカエルやホシガメなど26種類のは虫類。

ベレンティーの魅力は世界でここにしかいない珍しい動物たちを、ものすごい至近距離で簡単に見れることだ。

 

横っ飛びで地面を跳ねるベローシファカ

             ぴょんぴょんと横っ飛びで地面を跳ねるベローシファカ

 

シファカの悲劇

ベローシファカは日本のテレビコマーシャルで横っ飛びシーンが放映されて一躍有名になった。しかしもとから地面を横っ飛びしていたわけではなく、森の木から木へ飛び移っていたのが本来の姿だ。人間による森林伐採で森が減退し、仕方なく地面をぴょんぴょん飛びながら移動しているのだ。現在の推定個体数は250頭前後。絶滅危惧種に指定されている。

 

ベローシファカ

 

サファリとツアーについて

モーニングサファリやナイトサファリの他日中も頻繁にガイドといっしょに保護区内を探索するサファリがおこなわれている。これらのサファリはすべてウォーキングサファリで、保護区内ロッジの宿泊者は参加無料。またガイドなしでも保護区内を自由に歩き回れる。

一方、フォールドーファンから日帰りツアーも催行されている。フォールドーファンからの往復交通費、保護区入園料、サファリガイド料、博物館入館料、サイザル麻向上見学料込みで3人以上の家族なら大人78ユーロ、子供20ユーロ、6才未満無料となっている。

 

シファカを追いかける次男

 

気候と広さ

ベレンティー保護区は乾燥地帯にあるため、気温の寒暖の差が激しいのが特徴。4~10月の最低気温は8度前後、一方11~3月の最高気温は40度を越える。

面積は250ヘクタールほど。周囲を取り囲むサイザル麻畑の100分の1に満たない。隣接するマンジャレー川のおかげで、ベレンティー保護区は、乾燥地帯にありながら1年中緑に覆われた砂漠のオアシスのような場所となっている。

 

森へ帰るワオの群れ

           森へ帰るワオの群れ。バイバイ、また明日会おうね♪