アウトストラーダを南へドライブ〜イタリア・シチリアの道路事情と交通用語、サービスエリアの食事
シチリア島のアウトストラーダ
荷物を取りに港へ戻る
予定していたパレルモ市内観光が終わり、そろそろシチリア島南海岸のアグリジェント向けて出発しようか。でもその前に、大事なことを忘れていました。預けていたスーツケースを取りに行かなきゃ。フェリーから下船して、すぐマリッティマ駅にある手荷物預かり所に預けていたのだ。レンタカーで移動してたから荷物のことすっかり忘れてたよ。あぶね~。
ベッリーニ広場からそのまま港の方へ出て、海岸通りをマリッティマ駅がある埠頭へ向かう。駅に着いて「確かこのへん」と車を止めて探すが、見つからない。どうも今朝となんか様子が違うぞ。
「あれ~、ないはずはないんだけど」
「そう言えばこんなとこに床屋なんてあったけ?」
おいおい、どうもおかしいと思ったら、
手荷物預かり所があった場所が、床屋になってる!
なんじゃそりゃ~!
その瞬間「やられた!」と思った。しかしわたしたちの荷物を盗むためにこんな大掛かりなことするだろうか?そーっと床屋のドアーを開けてみた。中では1人の客が、目いっぱいリクライニングさせたイスに仰向けに寝ている。顔にジェラートのような真っ白なクリームを塗られて、どうやらひげ剃りの最中みたいだ。突然ひらめいた。このひげを剃られているお客さん、今朝手荷物預かり所にいて、わたしたちのスーツケースを受け取ったおじさんだ。向こうも目を開けて、わたしたちに気づいたようだ。
ひげ剃りを中断し、イスから起き上がって、部屋の奥からわたしたちの荷物を運んできた。いや、荷物さえ戻ってくればわたしたちはそれでいいんだlけど、ええ~、一体なぜ、預かり所が床屋になってたのー?そのうえ、おじさんが床屋をやってるならまだ理解できても、おじさんが客のほうをやってるのは何故ですかー?
多くの謎を残したまま、わたしたちは文明の十字路・パレルモを後にした。
アウトストラーダ19号線は、荒涼とした砂漠のような景色が続く / シチリア島内陸部を走る
シチリアの道路について
今日の午後は、パレルモからアウトストラーダA19号でエンナへ行き、観光したあとスーパーストラーダSS640号でアグリジェントへ向う計画。
ここでイタリアの道路について簡単で説明しておこう。イタリアの道路には次の3種類がある。
- アウトストラーダ(有料自動車道)
- スーパーストラーダ(幹線国道)
- ストラーダオルディナーレ(一般道)
アウトストラーダは「A」、スーパーストラーダは「SS」、ストラーダオルディナーレは「S」で表示される。
アウトストラーダは、自動車専用の高速道路でシチリア島では有料区間と無料区間がある。日本やアメリカの高速道路と比べると、カーブが急な箇所があるが、総じて走りやすく快適なドライブを楽しめる。また、ガソリンスタンドやレストラン、売店などが併設されたサービスエリアも一定区間ごとにあり便利。地図を見てドライブ計画を立てる時、距離との感覚でかなり正確に到着予定時刻を計算できる。
スーパーストラーダは、場所によってアウトストラーダ並の片側2車線の道路だったり、牛の群れが出没するような田舎道だったりする。後者の場合、距離的には1時間で行けるような場所でも、半日くらいかかるケースがあるので、地図を見ただけで予定をたてるのは避けたほうがいい。
ストラーダオルディナーレは、人間修業の場と心得よう
その日のうちに目的地に到着できればラッキーというくらの大きな気持ちで運転しよう。方向を示す道路標識は、うかつに信用するとヒドイ目にあう。またF1レーサーのようにぶっ飛ばして走るドライバーが多いが「あぶねーなー」なんてくれぐれも思わないように。ここではこれが当たり前なのだ。しかし、シチリア島の素顔に触れるには、なんと言ってもこのストラーダオルディナーレを走るのがもっとも適しているだろう。
サービスエリアの売店。うひゃ~すごい混みっぷり!
覚えておきたいイタリアの交通用語
SENSO UNICO 一方通行
PERICOLO 危険
CURVA PERICOLOSA カーブ注意
DIVIET DI ACCESSO 進入禁止
RALLENTARE スピード落とせ
SOSTA VIETATA 駐車禁止
アウトストラーダを南へ
パレルモを出発してしばらくは左手に海を見ながら走る。空にも海にも光がいっぱいに満ちていて眩しくて、まともに目を開けていることができない。
「そう言えばお昼まだだったね」
「どこかサービスエリアみたいなところによってみようか」
しばらく走ると「IMERESE」という温泉保養地のすぐ先にサービスエリアがあった。レストランはないが、サンドイッチやパニーノ、ピザなどを売っている売店がある。
ここのミラノ風カツレツみたいなやつをはさんだサンドイッチが
「もうやめてちょーだい!」
というくらい美味しかった。
ハム&チーズのパニーノも、日本では高級イタリアンレストランでしか食べれないような食感と味。いやあ、高級イタリアンレストランにパニーノは置いてないでしょう。料金はどれも2ユーロ前後。飲み物は、こどもたちは100%シチリアンオレンジジュース(真っ赤なやつ)。おとなはカプチーノ。
ふらっと寄ったサービスエリアみたいなところでも、こんなに美味しいものがいただけるなんて、シチリアはすごい!
お腹も心もいっぱいになったら、さあ出発しようか。アクセルふかして南へGO!