マチュピチュ・ペルー子連れ旅行記(小4、中1) / 計画・準備編〜旅のテクニック・基本情報

2019年3月30日

マチュピチュ・ナスカ・遥かなるチチカカ湖ペルー子連れ旅行記

はじめに

この旅行記は2010年8月に子供2人を連れた家族4人でペルー/マチュピチュを旅行した時の情報と記録を2020年5月に再編集した物です。 長男は13才の中学1年生、次男は10才の小学4年生でした。南米にあるペルーへは日本からの直行便はありません。飛行時間が長く乗り換えも必要です。そして主な観光地は標高の高い場所にあるため、観光にはとても体力を使います。 実は今回の旅行では家族全員が病気でダウンしました(><)。まずわたしが行きの飛行機の機内で腎臓結石になり、それまでの人生で体験したことがないほどの激痛に気を失うほどの体験をしました。クスコでは長男が酸素不足による軽い高山病にかかり、マチュピチュでは次男が現地の強力なウィルスに感染し高熱と下痢嘔吐で寝こみました。そしてチチカカ湖ではママが高山病。 クスコからチチカカ湖へ移動する時に通るラヤ峠の標高はなんと4335メートルもあります。富士山の頂上より高い場所を通るわけです。そして到着したチチカカ湖の標高も3800メートル。これまた富士山より高い場所です。そこに琵琶湖の20倍もの広さを持つ湖があるんですから驚きのあまり言葉も出ません。 またペルーの国土は日本の2倍以上あるうえに主要な観光地は1カ所にまとまっていません。例えばリマから地上絵のあるナスカへはバスで片道7時間もかかる距離です。早朝に出発して夜遅くホテルに戻る毎日、そのうえ標高の高い場所を移動するという過酷で厳しい移動が続くのがペルー旅行です。ですからいくら子連れ旅行といってもあまり子供の年齢が低いうちは難しいかもしれません。 その意味では今回の我が家のように小4と中1というのはそこそこ体力もあり、古代遺跡に対する関心もあり、でもまだぎりぎり子供というペルーを旅行するには最適な年齢だったと思います。 ちなみにペルーの遺跡観光は高齢者にも人気があります。どうしても長い旅程が必要になりますので、、現役で働いている世代にはハードルが高いのも事実でしょう。実際、現地で目にした日本人は大学生のような若者か、引退した高齢者の観光客が圧倒的に多かったと思います。 でも大変体力を使う旅行なので高齢者にはあまりおすすめできません。いつか訪れたい世界遺産ランキングでマチュピチュは上位の常連ですが、仕事を定年退職して老後に訪れるのではなく、なるべく若くて体力のあるうちに出かけられたほうが良いでしょう。年をとってからではよほど健康に自身がある人でないと旅行を満喫することは難しいと思います。

ペルー子連れ旅行の旅程

スケジュール <1日目>
  • 15:55  成田・新東京国際空港発 コンチネンタル航空6便
  • 13:50  ヒューストン国際空港着 着後、入国審査、税関検査など
  • 15:55  ヒューストン国際空港発 コンチネンタル航空590便
  • 22:29  リマ国際空港着 着後送迎車でホテルへ
シェラトンリマ泊 <2日目>
  • 07:00  リマバスセンター発 クルスデルスル社長距離バス
  • 13:30  ナスカ着
  • 午後    ナスカ空港からセスナ機でナスカ地上絵観光フライト
  • 午後    専用車でホテルで移動、チェックイン後ホテルのプールで遊ぶ
  • 夕方    古代ナスカのカンタヨ灌漑遺跡見学
  • 夕食    ホテルのレストランでビュッフェディナー
カンタヨリゾート&スパ泊 <3日目>
  • 午前    ナスカ地上絵見学、マリアライヘ博物館、ミラドール
  • 午後    裏ナスカ・エルテラール遺跡見学、ナスカ陶芸博物館
  • 昼食    ホテルニドデルコンドル
  • 14:40  ナスカバスセンター出発 長距離バスでリマへ
  • 21:15  リマ着 着後ホテルへ
  • シェラトンリマ泊
<4日目>
  • 08:00  リマ空港発 スターペルー航空1181便
  • 09:20  クスコ空港着 着後専用車でホテルへ
  • 午前    クスコ市内観光
  • 昼食    韓国料理店
  • 午後    世界遺産クスコ市街地と近郊4大遺跡観光
  • 夕食    中華レストラン
  • 夜     送迎車でウルバンバへ移動
サンアグスティンウルバンバ泊 <5日目>
  • 06:30  送迎車でホテル発 オリャンタイタンボ駅へ移動
  • 07:45  オリャンタイタンボ駅発 インカレールビスタドーム号でマチュピチュへ
  • 09:53  マチュピチュ駅着
  • 午前    世界遺産マチュピチュ遺跡観光
  • 午後    ワイナピチュ登山
  • 昼食    マチュピチュサンクチュアリーロッジでビュッフェランチ
  • 夕方    マチュピチュのサンセット鑑賞
  • 夕食    ホテルのレストラン
ディエラヴィバマチュピチュ泊 <6日目>
  • 午前    ホテルの部屋でトラベルドクターに診察してもらう
  • 15:20  マチュピチュ駅発 ビスタドーム号でオリャンタイタンボへ移動
  • 17:28  オリャンタイタンボ駅到着 着後送迎車でクスコへ移動
  • 夕食    クスコの日本食レストラン
ホテルミドリ・クスコ泊 <7日目>
  • 06:30  専用車でバスターミナルへ
  • 07:30  長距離観光バス・アンデスエクスプローラー号でプーノへ
  • 終日    ラクチ遺跡、ララヤ峠(標高4335m)、プカラ遺跡などを観光
  • 17:00  プーノバスセンター着 着後タクシーでホテルへ
  • 夕食    ホテルのレストラン
カサアンディーナプライヴェートコレクションプーノ泊 <8日目> 早朝    チチカカ湖半の散歩
  • 朝食    ホテルのレストラン
  • 午前    チチカカ湖クルーズ、ウロス島観光
  • 昼食    プーノ市内のレストラン、食事後送迎車でフリアカ空港へ
  • 17:40  フリアカ空港発 ラン・ペルー航空100便
  • 19:20  リマ国際空港着、空港内で夕食
  • 23:45  リマ国際空港発 591便
  • 機内泊
<9日目>
  • 06:20  ヒューストン国際空港着
  • 10:50  ヒューストン国際空港発 コンチネンタル航空7便
  • 機中泊
<10日目> 14:20  成田・新東京国際空港着 旅行期間:2010年8月23日~2010年9月1日(2020年4月にブログを再編集)

スケジュールの概要

マチュピチュ 今回の旅行では、コンチネンタル航空を利用し成田からアメリカ・ヒューストン経由でペルーの首都リマヘ飛びました。そしてリマで1泊したあと翌朝早朝、定期路線バスでナスカへ向かいます。 ナスカは謎の地上絵がある場所で、わたしも子供の頃から何度もテレビでその謎の解明を試みる番組を見てきました。ですから本当にこの目で地上絵を見たときの感動は言葉では言い表せないほどでした。でもナスカはリマからとっても遠い場所です。パッケージツアーでは、リマやイカの空港から飛行機に乗ってナスカへ飛び、空から地上絵を見学してまたイカ、リマに戻るという旅程が組まれているものがほとんどです。そうすると往復14時間以上かかかる行程を大幅に短縮できるからです。 わたしも最初はそのスケジュールで予定していたんですが、よく考えてみたらそれではナスカの土地を踏まないことがわかりました。つまり空からナスカへ行って空から地上絵を見てまたリマに戻るのでは、1回もナスカの土地は踏まないわけで、テレビで見るのとあまり変わらないんじゃないかと思ったんです。それで急遽予定を組み直しました。やっぱりせっかくナスカへ行く以上、ナスカの地上絵を地上から見てみたい「本当に地上から見たら何が書いてあるのかわからないのか?」という疑問に答えたかったのです。 その希望をかなえるためには、リマから往復14時間のバスに揺られる旅程を経なければなりませんでしたが、その価値は十分すぎるほどあったと思います。 ナスカは気候も快適で、食べ物も美味しくそこで暮らす人々が優しい、素晴らしい町でした。時間があればあと2~3泊ゆっくりしたいと思ったくらいです。この旅行記ではそんな地上絵以外の知られざるナスカの魅了もお伝えできたらと思います。 ナスカ平原と地上絵 さてナスカから夜遅く戻った翌日早朝にはクスコへ移動します。クスコはインカ帝国の首都が置かれた町で当時の繁栄を偲ばせる遺跡をいたるところで目にすることができます。標高がとても高いので歩き回って観光すると、すぐ呼吸が苦しくなってかなりハードですが、町中が世界遺産に登録されている人気の観光スポットです。 そしてクスコから車で1時間半ほど下ったオリャンタイタンボからマチュピチュへ向かう列車の旅が始まります。このインカレールの移動がまた素晴らしく、車窓には氷河をいただくアンデスの山並みや、名前もしらない小さな村が次々と流れ、その風景の中を走り抜けながら列車はマチュピチュを目指します。 世界遺産クスコの旧市街 訪れたい世界遺産ランキングナンバーワンの失われた空中都市マチュピチュでは、ラッキーなこのとその背後にそびえるワイナピチュ遺跡にも登ることができました。そして、、おっと、あんまり詳しく書いていると本文へすすみませんね。ここからは少しはしょりながら説明します。 マチュピチュでは次男のリュウが現地の強力なウィルスに感染して身もだえるほど大変なピンチに遭遇しました。40度を超す高熱と下痢嘔吐で日本でもこんなひどい病気に罹ったことはありません。幸いペルーには「トラベルドクター」という制度があってホテルの部屋にお医者さんが往診してくれるのでとてもありがたかったです。 マチュピチュからいったんクスコに戻ったあと今度はチチカカ湖へ向かいます。途中標高4335メートルのラヤ峠を越え、いくつかの古代遺跡を観光しながら到着したチチカカ湖は、富士山より高い標高3800メートルに広がる琵琶湖の20倍の面積を持つ湖です。

世界で最も高い場所にある定期航路を持つ湖でもあります。そしてチチカカ湖の南側はボリビアです。何よりトトラという水草で作られた「浮き島」に上陸したことは、今回の旅行でも最高に印象的な体験だったと思います。

バスで越えたラヤ峠 いろんなことを体験し長年のあこがれだった遺跡や観光スポットを巡った今回の旅行は、今までの海外旅行の中でもひときわインパクトの強いものでした。そしてそれをさらに強めたのが、今回の旅行がもしかしたら我が家の子連れ海外旅行のラストになってしまうかもしれないということです。 長男のカイは中学1年生です。クラブチームでサッカーをやっているので長い休みがありません。今後サッカーを続けている限りもう海外旅行へ行けるような休みは取れないかもしれません。そしてリュウも中学生になったらおそらくクラブチームでサッカーを続けると思います。もし次に家族全員で海外旅行をするチャンスがあるとしたら、それはカイが中学を卒業しリュウも小学校を卒業する年の春休みです。 そう考えて、本当に今回が最後の家族旅行になるかもしれない、という心づもりで楽しみました。その最後の子連れ海外旅行がペルーで心から良かったと思います。 チチカカ湖で出会った少年 子供の頃から何度もテレビで見てあこがれていたナスカの地上絵、謎の空中都市マチュピチュ、天空の湖チチカカ。そこで出会った、とびっきりの遺跡群、美味しい食べ物、素晴らしい風景、そして何より人々の優しい笑顔。そのどれもが私たち家族にとって宝物のような思い出になりました。

ペルー子連れ旅行ワンポイントアドバイス

子どもの病気と旅行保険

次男のリュウはマチュピチュで40度を越す高熱、激しい腹痛、下痢嘔吐の症状に見舞われました。ホテルの部屋までドクターに往診にきてもらったのですが、「ペルー独特のウィルス」と言われました。特に抵抗力が落ちた人や、こどもが罹りやすい病気とのことです。薬を処方してもらい、発症してから60時間くらいで熱がさがります、といわれましたが、まさに予言のように3日目の朝にけろっと治りました(笑)。 ちなみに発症した時間から逆算すると感染したのはマチュピチュではなく、その前に行ったクスコかオリャンタイタンボではないかと思われます。手を洗わずにパンなどを手から直接食べた、ことが原因だったと思います。 で、何が言いたいかというと、保険には入っておきましょう、ということです。我が家のようにホテルの部屋に往診してもらうとお金がかかります。今回のケースでは1回100~140ドル程度でしたが、おおごと、、例えば、ひどい高山病になってヘリコターで低い場所へ移動する、とか、マチュピチュで転んで足を骨折して歩けなくなった、なんてことになったらいくらお金がかかるかわかりません。 そんな不測の事態に備えるためにも出発前に海外旅行保険に入っておきましょう。保険はクレッジトカード付帯のものでも大丈夫です。ただし内容をよく確認し足りない部分があれば別の保険で補いましょう。

持ち物と服装

  • ペルーの法律では身分証明書の携帯が義務づけられています。盗難など万が一の場合にも備えてパスポートのコピーを持って行きましょう
  • どんなところでも手が洗える除菌タイプのウェットティッシュは病気予防に必携
  • 現地ガイドへのおみやげとしてグリコや森永のお菓子を持っていくと喜ばれます。渡す機会がなかったら自分で食べてもよし!
  • 服装は、どの季節に行ったとしても、1日の中の寒暖の差が激しいのでそれに対応した準備をして下さい
  • その他、思いつくままに、、デジカメのメモリーチップ、(だいぶ余分に)、ティーバック、あられやせんべい(無性に食べたくなるときがあります)、薬、バンドエイド、電機プラグ、携帯やカメラ/ビデオの充電器、トラベルスペイン語、etc
マチュピチュ観光をする子ども達

ドロボウの傾向と対策

犯行は複数人でおこなわれます ひとりがモノを取って逃げ、あとの仲間が通行人を装って邪魔をする。あるいは全員でとり囲みカバンなどをひったくります。 犯人は獲物をずーっと狙ってます 彼らはかなり前からあなたに狙いを定めでチャンスをうかがい、一瞬のスキに犯行に及びます。特にひとり歩きの旅行者や、いかにも観光客然とした態度、服装の人は狙われやすいです。 相手はプロです プロ野球選手、お医者さん、パイロット、サーカスの曲芸師、料理人、どの道でもプロは日々そのワザを磨き素晴らしい職人芸を披露してくれます。程度の差こそあれイチロー級のテクニックとプロ意識を持った「ドロボウ」に狙われたら素人のあなたはひとたまりもありません。 警察もグルの場合があります パスポートと所持金の提示を求め、渡した途端それを持って逃げ出すケースや、クルマに乗せられて、荷物をハギ取られて外に放り出されるケースもあります。パスポートはコピーを持ち歩くこと、「日本大使館かホテルで見せる」と毅然と言うことなどが対策です。 狙われやすい場所 目的地に着いたばかりの、空港、鉄道駅、バスターミナルなど。また人ゴミの市場、誰もいない遺跡の中、早朝や夜間のひとけのない路地など。犯人は犯行に及ぶかなり前から「あなた」に目をつけていることを忘れないで下さい。 犯行から身を守るためにはしっかりした自覚と対策が必要です。深夜、早朝の外出や、ひとけのない場所、治安の悪い地域などを避ける、派手なアクセサリーや高級そうな腕時計など、金目のものは身につけない、などの注意が必要です。 特に子連れの場合は、現地旅行会社のガイドによるアシストをつけてもらうことをお勧めします。多少料金がかかりますが、子供の身の安全ための保険だと思って下さい。
世界遺産クスコの路地

外出時は身軽に

外出するときは、パスポートのコピー、チップ程度の小銭、そしてクレジットカード、を持ち歩きます。これなら万が一盗難にあってもどうということはありません。 クレジットカードは盗難に遭った場合、すぐに連絡すれば、カードの使用を無効にできます。またその間に買い物やキャッシングなどを利用されても、通常はカードの盗難保険でカバーできます。そもそもサインや暗証番号がないと簡単には使えません。ちなみにわたしは、カードのサインは外人にまねできないように漢字にしています。 航空券やパスポートの実物、お金などの貴重品はホテルのセーフティボックスに預けましょう。カメラや時計、おみやげに買った高価なもの、などはクレジットカード付帯の海外旅行保険でカバーされます。そのクレジットカードで購入していなくても大丈夫です。もし強盗に遭ったらむやみに抵抗せず、わたしてしまいましょう。

海外旅行保険でカバーされないもの

現金、パスポート、メモリチップに入っている旅行中撮影した写真のデータ アンデス高原の民芸品市場

これだけは知っておこう、政情・治安用語

平和な日本にいると安全と水はタダ、という観念を持ってしまいますが、世界ではそんなのんきな国は珍しい部類に入ります。戒厳令や外出禁止齢が出されたり、暴動やクーデターがおこったりする国だってあるんです。旅行中、運悪く「戒厳令」が発布され、知らずに出歩いたら、、、恐ろしいヾ(。 ̄□ ̄)ツ 戒厳令が出ると憲法上の人権保障がなくなり、殺傷害、拘束、略奪に対する補償はされません。ですから旅行中と言えどたまには新聞やニュースを見て、こんな事態になっていないか確認しましょう。 スペイン語(ペルーの公用語)での治安用語
  • 夜間が異種禁止令ーーートケ・デ・ケダ/Toque de Queda
  • 戒厳令ーーーエスタード・デ・シティオ/Estada de Sitio
  • ストーーーパーロ/Paro

パスポートをなくしてしまったら

旅行中にパスポートを紛失や焼失、盗難でなくしたら、まず現地の警察署へ届けます。次に在外公館(日本大使館・領事館)でパスポートの失効手続きをおこない、新規パスポートの発給、または「帰国のための渡航書」の発給を申請します。手続きをスムーズにするために、パスポートの顔写真が載っているページと、航空券や日程表のコピーをとり、原本とは別の場所に保管しておきましょう。

パスポート発給に必要な書類

  • 写真(縦45mm×横35mm)2枚
  • 戸籍謄本または抄本(緊急の場合は写しでも可。後日原本を提出します)1通
  • 旅行の日程などが確認できる書類(航空券や旅行会社が作成した日程表)
  • 手数料 10年→1万6000円、5年→1万1000円、帰国のための渡航書→2500円

航空券をなくしたら

警察に届けを出したあと、利用する航空会社に連絡をして、代替航空券を購入します。このとき、紛失した航空券の番号、発行した代理店や場所、発行日がわかるとスムーズです。 帰国後、紛失した航空券を購入した航空会社、旅行代理店で手続きをすれば、後日、紛失した航空券代が払い戻されます。ただし、払い戻し不可の航空券もあります。 eチケット控えの紛失の場合は航空会社カウンターで再発行してもらえます。

生水は飲まない

ラヤ峠のレストラン 日本で水道水を飲む習慣がある人でもペルー旅行中はぜったいに生水を飲んでは行けません。 下痢や嘔吐、肝炎、食中毒の原因になり、時には旅行そのものを途中であきらめなくてはいけない事態になります(すべての人がなるわけではありませんが)。せっかく高いお金を払って、時間を使って、遠い南米まで来たのに、そんなことになったら泣くに泣けませんよ。もうどんだけ神経質ですか!というくらいここは集中して気を使いましょう。生水だけではなく、生野菜のサラダやフルーツ、生の魚介類、グラスに入っている氷も、徹底的に避けたほうがいいです。 ちょっとお腹が痛くなって下痢するくらいならいいですが、そんなもんじゃすみません。我が家では歯を磨くときもうがをするときも、ミネラルウォーターです。

高山病について

高山病について 標高4335mのララヤ峠では歩くだけで息ぐるしくかんじる

ペルー旅行の3大障害

魅力たっぷりのペルー旅行ですが、大きな障害が3つあります。まあ、人生、障害が大きければ大きいほど乗り越えて達成したときの喜びも大きくなりますから、その障害は魅力いっぱいのペルー旅行をさらに楽しくしてくれる「スパイス」、あるいは「トッピング」のようなものだと考えるといいでしょう。 ペルー旅行の3大障害は下記です。
  1. 日本からのフライト時間の長さ
  2. ペルー国内の移動距離の長さ
  3. 高山病のリスク
このうち1と2はどうしようもありません(><) でも3についてはきちんと理解し行動すれば、発症を予防することや、発症したあとの対応でそのリスクを軽減することが可能です。この項では「高山病」について徹底的に説明しますので、しっかり頭に入れておいて下さいね。

高山病発症のメカニズム

高山病とは低酸素状態におかれたときに発症する病気です。高地、高山では平地と比べて酸素濃度が低いため、このような場所へ行くと酸欠状態になり、人によって様々な症状を発症します。一般的に高山病の症状が現れるのは標高1800~2500m以上の高地ですが、マチュピチュの標高は約2300m、クスコは約3400m、チチカカ湖は約3800mとペルーの主要な観光地は高地にあり発症するリスクがあります。

ちなみにチチカカ湖へ行く途中にバスで通過するラ・ラヤ峠の標高は、4355mで富士山の頂上より高い場所でした。

どんな人が発症するの?

男性、女性の性別や成人、老人など年齢による違いはありませんが、子供はかかりやすいという説があります。また子供は症状をうまく説明できないなどの理由で対応が遅くなる可能性があります。

お子さんの症状の変化をよく観察してあげて下さい。

チチカカ湖 チチカカ湖の標高は3800mと富士山の山頂より高地です

どんなときにかかりやすくなるの?

急激に高度を上昇したときです。通常の登山でまさか全速力で山を駆け登る人はいないでしょうが、電車やバスなどの乗り物で身体が高度に順応する以上のスピードで上昇すると、発症のリスクが高まります。特にクスコへは飛行機で到着するケースが大半ですが、飛行機を降りたらいきなり酸素の薄い高地(標高3400m)となるわけです。(飛行中の機内では酸素濃度は一定の水準に保たれています) また高地で息が切れるような激しい運動をしたとき、首を激しく振ったとき(なぜーー????!!)、息が出来ないほど笑いころげたとき、睡眠不足、アルコール、ハードな旅行日程による疲労がたまったとき、激しい怒りを覚えたとき、などに発症のリスクが高くなりますよ。ご注意くだい。

どんな症状なの?

症状の現れ方や程度は人によってまちまちですが、二日酔や風邪のひきはじめに似ていて、頭痛や倦怠感があり食欲がなく、吐き気があり時には嘔吐します。また人によっては、眠気(めまい)や下痢、手足のむくみ、睡眠障害、運動失調などが見られることもあります。

命の危険はないの?

あります。上記の症状は一般的に「山酔い」と呼ばれているもので比較的軽い症状ですが、高地脳浮腫(high-altitude cerebral edema)や 高地肺水腫(high-altitude pulmonary edema )を発症したとき、あるは両方を併発したときはとても危険な状態です。

まっすぐな線上をかかととつまさきを交互に接触させながら歩く縦列歩行テストで運動失調が見られたり、安静時にも息切れがひどくなってきた場合は、すみやかに高度の低い場所へ降りて下さい。

クスコ近郊のサクサイワマン遺跡。標高3700m。 クスコ近郊のサクサイワマン遺跡。標高3700m

予防法は?

高度順応をおこなう

一定の高さの場所で少し留まり身体を高度に順応させる方法。わたしたちは標高3400mのクスコへ飛行機で飛んだ日は、いったん標高2800mのオリャンタイタンボまで下って宿を取りました。

激しい運動はしない

長男のカイはクスコへ着いた日、「だめ!」と制する親の言葉をいつものように聞かず、いつものように走り回って、酸欠でダウンしました。

  • 常に深呼吸する
  • 水分を多めに摂る
  • しっかり睡眠をとる
  • 高所では寝ない
  • からだを締め付ける衣類、服装は避ける
  • ハードな旅行日程を組まない

高山病の症状が見られたら

もし高山病をうたがう症状が見られたらすぐにツアーガイドや、ホテルのスタッフに相談して下さい。通常4つ星以上のホテルでは酸素ボンベを用意してあって、無料で利用できます。また、ツアーの移動に使う車に酸素ボンベを搭載しているケースもあります。軽い症状なら横になって酸素を吸引すれば回復することがほとんどです。くれぐれも「根性で治す」とつまらない意地をはらないで下さい。

ペルー主要観光地のトラベルドクター

ペルーには、ホテルの部屋にお医者さんが往診してくれる「トラベルドクター」の制度があります。

  • マチュピチュ<Medical Assistance Machupicchu:Tel 78262-984-762788>
  • チチカカ湖<Tourist`s Health:Tel 51-51-365909>
  • クスコ<Clinica Pardo: Tel 084-24-0997>

我が家では、クスコのホテルでリュウが、チチカカ湖のホテルでママとリュウが、クスコの観光地でカイが酸素吸引を受けました。またマチュピチュとチチカカ湖のホテルではドクターの往診をお願いしました。治療費は薬代込みで1回100~140ドル程度でした。

クスコのホテルで酸素吸引を受けるリュウ クスコのホテルで酸素吸引を受けるリュウ

高山病で死なない為に

標高の高い場所へ旅行するのですから、高山病を完全に予防することは難しいと思います。しかし早期症状を理解し早めに対応すれば、少なくとも死に至る事態はじゅぶん回避することが可能です。
  1. 高山病の早期症状を知って、その症状の出現が判るようにする
  2. 高山病の疑わしい症状があったら、それ以上高い地点に上がらない
  3. 同じ高度で休んでいても症状が悪くなったら低い地点に下りる
「怪しかったらすぐに低い地点に降りる」というのが鉄則です。団体ツアーなどで周りの人と歩調を合わせようというプレッシャーが一番危険です。

酸素が薄い高地へ行くメリット

酸素の薄い高地にはメリットもあります。その代表的な例は、身体の心肺機能を強化することです。シドニーオリンピックの女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子選手は、コロラド州の標高の高い場所でトレーニングを積みました。うちのこどもたちも、ペルーから帰国してしばらくはサッカーの試合でやたら活躍できました(笑)

ペルーの代表的な観光地の標高

ペルーの代表的な観光地の標高 ララヤ峠 / チチカカ湖 / クスコ / マチュピチュ ララヤ峠の標高はおよそ4335m。ちょっと歩くだけで息が切れます。 チチカカ湖のあるプーノの標高は3800mです。 クスコ近郊のサクサイワマン遺跡です。標高はおよそ3700m。はるか足の下にクスコの町が見えます。ちょっと階段を登るだけで窒息しそうになります(笑) 世界遺産マチュピチュの標高は2300mです。ペルーの主要な観光地ではナスカの500mに次いで低いです。

ペルー子連れ旅行の計画と手配

ペルー子連れ旅行の計画と手配

こだわりたかったポイント

ペルー旅行を計画するにあたってこだわったのは次の3点です。
  1. マチュピチュに宿泊する
  2. ナスカの地上絵を地上から見る
  3. チチカカ湖のウロス島に上陸をする
それぞれについて順をおってご説明しましょう。

ペルー旅行のこだわりその1:マチュピチュに宿泊する

ペルーツアーの多くは、時間の制約のためクスコから日帰りでマチュピチュを訪れるのが一般的です。しかしペルーは日本からとても遠い国です。マチュピチュがどんなに素晴らしい場所でもあってもそうそう何度も行けるものではありません。もしかしたら今回が最初で最後かもしれません。そうであればぜひじっくり観光したいと考えました。 マチュピチュに宿泊すると、大勢の日帰り観光客がいなくなったあとのマチュピチュ遺跡を独占できます。人のいない静かな夕景や、早朝のマチュピチュはどんなに素晴らしいでしょう。今まで訪れた観光地でも、サントリーニ島やイタリアのアマルフィー海岸、シチリア島など、どこも日帰り観光客が帰ったあとの静まりかえった雰囲気こそ本当の魅力を堪能できる時間だと思いました。 またマチュピチュの背後にそびえる「ワイナピチュ」に登りたいというのも今回の旅行の大きな希望のひとつです。ワイナピチュは入山制限をしていて、通常は早朝4時くらいに並ばないと、その日の入山許可をもらえません。そのためにもなんとしてもマチュピチュに宿泊する必要があったのです。 またマチュピチュ村のレストランや土産物店を散策するのも村に宿泊する楽しみのひとつでした。

ペルー旅行のこだわりその2:ナスカの地上絵を地上から見る

ナスカの謎の地上絵は飛行機に乗って上空から見ないと何が描かれているのかわかりません。ですからほとんどのツアーではセスナ機に乗ってナスカの地上絵を観察するスケジュールが組まれています。 ところがやはり時間節約のために、上空から見ると言ってもリマやイカの空港からナスカまで飛んで、そのまま上空から地上絵を見て、1回もナスカの地面を踏むことなくまたリマ、イカの空港まで戻ってくるというツアーがほとんどです。 でもこれでは意味がないと思いませんか?地上から見たら何が描かれているのかわからない、というのならまずそれを確かめてみるべきでしょう。 つまりナスカへ行ってナスカ平原の大地を自分の足で踏んでそこから地上絵を眺めてみる、それで本当に何が描かれているのかわからないかどうか納得してみたかったのです。もちろんセスナに乗って上空からも観察しますよ。そのためにはリマから片道7時間かけてナスカまで移動しなくてはいけませんが、せっかく行くペルー旅行ですからここもこだわりました(^^)/。 そもそもリマから飛行機でナスカまで飛んで地上絵を見たらまたリマへ戻ってくる、というのではテレビで地上絵を見るのとあまり変わらないじゃないんでしょか? ナスカのホテル 雨がほとんど降らないナスカは1年中ベストシーズンです

ペルー旅行のこだわりその3:チチカカ湖に浮ぶウロス島へ上陸する

標高3800mに広がる広大なチチカカ湖には不思議な島が浮かんでいます。それはトトラという葦のような草を編んで作られた人口の浮き島「ウロス島」です。ウロス島は基本的に1つの島を1つの家族が所有し住んでいます。子供が結婚して家族の人数が増えると、島を切り離して(もともと草でできてる島なので簡単に切り離せます)別の場所へ移動するそうです。 その不思議な島に乗った感触はどんなものなのか?そこからチチカカ湖越しに見る6000m級のアンデスの山々の景色はどんなのものなのか?それを確かめたいというのがペルー旅行への3つ目こだわりでした。
アンデス高原に点在するインカの遺跡

その他の小さなこだわり

上記のこだわりに比べたら希望の容量は小さいですが、他にもできればかなえたい小さなこだわりもいくつかありました。
  • インカ帝国の首都が置かれていた世界遺産の町クスコを散策する
  • クスコからマチュピチュへはインカレールで鉄道の旅をする
  • チチカカ湖へはバスで移動しながら標高6000m級のアンデスの景色を楽しむ
その一方で、日程の都合から断念せざるを得ない計画もありました(涙)

没になった企画

・インカ道トレッキング インカ帝国が築いたマチュピチュへ繋がるインカ道をトレッキングする。テントを背負い途中2泊のキャンプを経るトレッキング体験。 ・マチュピチュ・サンクチュアリ・ロッジの「マチュピチュビュー」テラス付きスイートルーム(4人部屋)に宿泊する(部屋に居ながらにして遺跡を見ることができる唯一のホテル) 今回のペルー旅行は、実はもともと、前年の年末に行く計画で予約をしていました。その段階では上記2点の希望はかなっていました。そのときはどうせ遠い南米まで行くならガラパゴス旅行と組み合わせようと企画したのですが、両方の旅程を組み合わせると日程が長くなり過ぎました。それで結局そのときはガラパゴスをとってペルーをあきらめたという経緯があります。 今回の旅行でも上記2点の希望にトライしましたが、すでに予約でいっぱいでした。残念。 ・世界遺産リマ観光 ナスカに1泊するとペルーの首都にして世界遺産の街リマを散策する時間が取れません。かといってリマを観光するためにもう1泊することはこどもたちのスケジュールのために無理でした。 ナスカ地上絵の博物館

手配

以上のよなうなこだわりを持って旅行の計画作り手配に着手しました。 手配の手順はまずわたしのこだわりがかなうパッケージツアーを探すことから始めました。同じ内容のツアーがあればしかも料金が安ければ、手配をする手間が省けて大助かりです。しかしいろいろネットを中心に調べましたが、ナスカに泊まるけどマチュピチュには宿泊しないとか、マチュピチュに宿泊してナスカにも泊まるけどチチカカ湖に行かないとか、わたしの3大こだわりをすべて満たすパッケージツアーは残念ながら探し出すことができませんでした。 ならば、次のステップとして、ペルー旅行に強い、あるいは南米格安旅行をアレンジしてくれる旅行会社に相談し手配してもらうことです。ネットで検索しいくつかの旅行会社に見積もりをお願いしました。わたしのこだわりを伝えそれを最低限クリアした内容で見積もりを出してもらうのです。 そのとき注意しなければならないのが、ホテルのグレードです。旅行代金はどのグレードのホテルに宿泊するかによって大きく異なります。予算に糸目をつけなければいくらでもいいホテルに泊まれますが、家族4人でそこまで贅沢はできません。そこでメリハリをつけることにしました。 わたしが考えたメリハリは、日本からのロングフライトのあと到着するリマと、時間に余裕のあるナスカ、マチュピチュ、チチカカ湖については少し贅沢をしてグレードの高いホテルを希望するということです。どのホテルをいくらで手配できるかは現地旅行会社の腕のみせどころですからわたしとしても結果を見るのが楽しみです。
チチカカ湖にう浮かぶウロス島の女性達
結果的に4社に見積もりをお願いし、ホテル選びのセンス、料金の安さ、からかもめツアーさんにお願いすることにしました。かもめツアーさんに決めたポイントはリマ~ナスカの往復に長距離路線バスを利用するアイディア。これによって専用車で移動するケースに比べてずいぶん料金をおさえることができました。 またマチュピチュへの列車の移動も料金が高くなるクスコからではなくオリャンタイタンボを選んだことも料金を下げることにつながりました。さらにこれには標高の高いクスコに宿泊するよりオリャンタイタンボまで降りて宿泊することで身体を高地に慣らし高山病のリスクを押さえる効果も期待できます。 もうひとつおまけにクスコ~チチカカ湖の移動も長距離ツアーバスを利用して料金を下げています。料金を下げてもこれらの移動の部分であれば旅行のクオリティーを落とすことにはなりません。実にうまいアイディアを提案してくれたのです。 またホテル選びにもキラリと光るセンスが伺えました。リマのシェラトンはまあ無難な選択として、ナスカのホテルがとてもよかったです。 それは日本ではほとんど知られていないと思いますがナスカ郊外にある農園滞在型ホテル、いわゆるアグリツーリズモですね、のカンタヨスパ&リゾートです。子供たちが喜ぶ大型のプールがあって敷地内にはたくさんの動物がいました。またホテルのすぐ隣に古代ナスカの灌漑遺跡があって思わぬ貴重な観光を楽しむことができました。 さらにチチカカ湖では「カサ・アンディーナ・プライヴェート・コレクション」という鼻血がでそうなくらいオシャレなホテルを見つけてくれました。チチカカレイクビューのコネクティングルームが取れた上に料金が安かったので涙がチョチョ切れちゃうくらい嬉しかったです。 こうしてかなりぎりぎリではありますが出発のひと月半ほど前に、予約、手配が完了したのでした。あとは体調を万全に整えて出発を待つだけです。 あわせて読もう

ペルーの世界遺産

見所満載のペルー

アンデスの村々から熱帯雨林が茂るアマゾンのジャングル地帯。日本の3.4倍の面積を持ち地域によってさまざまな顔を見せるペルーは見所が満載です。日本人が訪れたい世界遺産ランキングで常に1位~2位に選ばれるマチュピチュや、誰が何のために書いたのか謎だらけのナスカ地上絵、希少な動植物が生息するアマゾン川流域の自然保護区、そして氷河をいただくアンデス山脈など、魅力的な歴史遺産や変化に富んだ自然に溢れています。 美味しい名物料理を味わい、透き通った音色のフォルクローレに心を癒される、誰でも一度は訪れたい旅行先・ナンバーワンの国です。

気候と地理

南米大陸のほぼ中央に位置するペルー共和国は、エクアドル、ブラジル、チリ、ボリビア、コロンビアと国境を接し、西側は大平洋に面しています。地理上の気候分布では熱帯圏に含まれますが、地域によって様々な地理的影響を受けるため、異なった気候となります。 国土は大きく次の3つの気候エリアに分けられます。
  • 国のおよそ半分を占める熱帯雨林地域(セルバ)
  • アンデス山岳地域(シエラ)
  • 大平洋岸に広がる海岸砂漠地帯(コスタ)

ペルーの世界遺産

・マチュピチュ Historic Sanctuary of Macyu Picchu 複合遺産 1983年登録 ペルー南部、ウルバンバ渓谷のダイナミックな景観の中に姿を現すインカ帝国の遺跡。遺跡内は正門を中心に、インディワタナや太陽の神殿などがある市街地、居住区、段々畑に分かれています。 ・クスコ市街 City of Cusco 文化遺産 1983年登録 インカ帝国の首都として栄えた標高3360mの高山都市。現在は、インカの精巧な石組みの上に16~17世紀にかけて建設されたスペイン植民地時代の建造物を見ることができます。 ・チャビン遺跡 Archaeological Site of Chavin 文化遺産 1985年登録 紀元前1000年ごろに造られたチャビン文化の遺跡。神殿は新神殿と旧神殿からなり、旧神殿の地下回廊にはランソンと呼ばれる高さ約4.5mの石塔の主神体があります。 ・ワスカラン国立公園 Huascaran national Park 自然遺産 1985年登録 ペルー最高峰のワスカラン山(6,768m)をはじめとする6,000m級の山々が連なるブランカ山群があり、氷河が間近に迫る湖が点在して美しい景観をつくりだしています。 ・チャンチャン遺跡地帯 Chan Chan Archaeological Zone 文化遺産 1986年登録 紀元1100年ごろからインカに征服されるまで栄えたチムー文化の都市跡。公開されているチュディ地区は、主神殿、儀式の広場など8つの区画からなっています。 ・マヌー国立公園 Manu National Park 自然遺産 1987年登録 1万5328平方キロメートルという広大なエリアにアマゾンからアンデス山脈を有し、絶滅危惧種の動物も数多く生息します。自然保護のために一般の立ち入りが禁止さているエリアがあります。 ・リマ歴史地区 Historic Centre of Lima 文化遺産 1988、1991年登録 1535年にフランシスコ・ピサロによって築かれ、以来南米の中心として繁栄した現在のペルーの首都です。1546年から100年以上かけて完成したサン・フランシスコ教会をはじめ、見応えのある建造物が立ちます。 ・リオ・アビセオ国立公園 Rio abiseo National Park 複合遺産 1990、1992年登録 この地域特有の湿潤森林の動植物相を保護する目的で1983年に国立公園に指定されました。グラン・ハパテンをはじめ、プレ・インカの遺跡も点在します。 ・ナスカとフマナ平原の地上絵 Lines sand Geoglyphs of Nasca and Pampas de Jumana 文化遺産 1994年登録 パンパと呼ばれる広大なナスカ平原に1500年以上前に描かれた謎の地上絵。サルやハチドリ、コンドルなどは、上空から見ないと何が書かれているのかわかりません。飛行機など存在しない時代にいったいどうやってこれらの絵を描いたのか?また、ミラドールからも見学することができます。 ・アレキパ市の歴史中心部 Historical centre of the City of Arequipa 文化遺産 2000年登録 アレキパの町は、建物が近郊で採れる白い石灰岩から造られているため、別名「白い町」と呼ばれています。スペイン人と先住民の技術が融合した教会や修道院が見どころとなっています。
ナスカのホテル

ペルー旅行に役立つ基本情報

旅のベストシーズン

日本の約3.4倍の面積があり。海岸、山岳地帯、熱帯雨林地帯のあるペルーは、どの地域へ行くかによって観光のベストシーズンも変わります。 リマをはじめとする海岸地帯は11~4月の夏に、クスコ、マチュピチュ、チチカカ湖などの山岳地帯は4~10月の乾期が旅行のベストシーズンです。また、アマゾンの熱帯ジャングルにあるイトキスは7~11月の雨の少ない季節に訪れるのがいいでしょう。

ペルーの代表料理はなに?

日本ではあまり知られていませんが、大平洋に面したペルーは水産大国です。ですから日本人の口にも合う魚介類が豊富です。さらに、アンデスで栽培されるジャガイモ、カボチャ、大粒のトウモロコシなどは原産国ならではの美味しさにだれでも満足するはず。 ペルーの名物料理はなんといってもセビッチェCebiche。新鮮な魚介類とレモン汁、クラントロ(香菜)、タマネギ、野菜、香辛料などを混ぜ合わせたもので、さっぱりとした味は日本人の味覚にぴったりです。肉料理は牛の心臓を串に刺して焼いたアンティクーチョ、牛肉とフライドポテトやトマトを炒めたロモ・サルタードが有名です。
チチカカ湖のホテルの食事

おみやげはどんなものがあるの?

ペルーのおみやげと言えばアルパカ製品と銀製品。柔らかくてしなやかな肌触りのアルパカ製品は温かく、着心地も抜群です。セーターのほかに手袋、靴下、敷物などが売られており、リマをはじめアレキパやクスコ、プーノなどで手に入ります。 銀製品は、細工が施されたイヤリングやネックレスからスプーンなど、多種多様。値段も日本に比べるとずいぶん低価格で買うことができます。 またペルーならではのフォルクローレ楽器(ケーナ、サンポーニャ、チャランゴ、ボンボ)やフォルクローレ音楽のCDなども人気です。 わたしは友達や仕事関係の人に配るために買ったナスカ平原の石ころに地上絵を書いたキーホルダーがウケました。1個1ドルでした。 それからアルパカの織物に刺繍のデザインが入った「インカカレンダー」。これはチチカカ湖のウロス島の民家で売ってもらいました。

ペルーの通貨

ペルーの通貨単位はヌエボ・ソルNuevoSol(略号ns/.。)です(複数の場合は「ソーレス」。)ソルの下にセンティモCentimoがあり、100Centimo=1ns/.。です。ソル紙幣はns/.10、20、50、100、200があり、コインはs/.1、2、5と5、10、20、50Centimoがあります。 ですが、ペルー旅行にはアメリカドルを持って行くことをおススメします。観光地ではほとんどアメリカドルで買い物や食事ができます。もちろん必要であれば、アメリカドルをソルに両替することもできます。 残念ながらペルー国内では日本円は使えません。両替は可能ですが、そもそも流通していないため、交換レートがかなり悪くなります。またトラベラーズチェックもあまり使えません。現金に替えるとき冗談みたいな手数料を取られますのでお勧めしません。 クレジットカードは主要観光地なら大半のホテル、ショップ、レストランで使用できます。 ATMでアメリカドルをキャッシングすることも可能です。キャッシングと言うと怖いイメージを持たれる方もいるでしょうが、翌月に買い物代金と一緒に引き落とされれば、キャッシングの金利は12分の1になりますので、ドルへの両替手数料より安いことがほとんどです。

雨期と乾期

ペルーでは1日の寒暖差が激しい
ペルーは南半球なので北半球の日本とは夏と冬の季節が逆になります。日本の夏にあたる7~8月がペルーでは一番気温が低い「冬」になるわけです。ということは観光しやすいシーズンはいつだろうか、、、という考え方で旅行の時期を決めたらダメです。それは季節による温度差が激しい日本の発想。 ペルーは季節による気温の変動は大きくありません。例えばクスコの平均気温は一番寒い7月が10.6度、一番高い10月が13.7度、と年間を通じてたった3度しか違わないんです。それよりも1日の中での温度差のほうが大きいのです。朝晩は寒くて日中は暑い、あるいは日が陰ると寒くなり、日差しが当たると暑くなる。つまり気温に関しては、季節を選ぶ必要はありません。 一方重視すべきは、雨期と乾期です。 一般的にペルーは11月から4月の中旬くらいまでが雨期、それ以外が乾期です。でもナスカやリマではほとんど雨降らないので、(ナスカでは1200年も雨が降っていませんヾ(。 ̄□ ̄)ツ、だからあの地上絵が残っているのです)、それさえも関係ありません。要するに1年中気温は変化がないので、マチュピチュ/クスコやアマゾンへ行く場合だけ雨期と乾期を気にしましょう、という話しです。 マチュピチュ/クスコは外で観光をするので、できれば晴れたほうがいいですね。でもよく写真などでお目にかかる雨雲がちょろっと立ちこめたマチュピチュはとても神秘的です。あのマチュピチュを見たいなら雨期に行くしかありません。そうはいっても、インカ道トレッキングをしながらマチュピチュを目指すなら乾期のほうがいいでしょう。それに2010年の年初には雨期の雨で増水した川が氾濫し土砂崩れで鉄道が寸断され、マチュピチュが陸の孤島になりました。雨期にはそういうリスクもあります。 一方、日本の事情を考えると、日本発の航空券が安い時期は1月中旬、4月上旬、11月後半~12月前半です。お子さんがいるとこの涙が出るほど安い時期に旅行をするのは厳しいかもしれませんが、もし可能な人がいればこのような背景も考慮されるといいでしょう。ちなみに我が家は8月の後半の航空券が1年で最も高い時期のひとつに出発しました。子供が中学生や小学校高学年になると、もうほとんど選択の余地はありません。これでも行けただけよかったと思います。

ペルーへのフライト

日本からペルーへの直行便はありません。乗換え地は利用する航空会社によって異なります。
  • コンチネンタル航空ーヒューストン、ニューヨーク/ニューアーク
  • デルタ航空ーアトランタ
  • アメリカン航空ーマイアミ、ダラス
  • エア・カナダートロント
このうち、コンチネンタル航空利用でヒューストン乗換えが一番便利です。乗換え地でストップオーバーし観光をするならコンチネンタルーニューヨークやアメリカンーマイアミもいいでしょう。ただし同日着は出来ません。 カナダ経由の場合はアメリカ入国税がかかりません。 シカゴやロサンゼルス経由で行く方法もありますが、同日着が不可なうえ航空会社も異なります。 わたしたちは料金が一番安かったことと、乗換えの便利さからコンチネンタル航空ヒューストン線を利用しました。

ペルーの概要

  • 国名:ペルー共和国
  • 首都:リマ
  • 面積:128万5216平方メートル(日本の約3.4倍)
  • 人口:約2,615万人。首都リマを初め海岸地方に全体の半数以上が集中する
  • 住民:メスティソ52%、インディヘナ32%、ヨーロッパ系12%、その他4%
  • 言語:スペイン語、ケチュア語が公用語。全体的にはスペイン語ですが、山岳地帯のインディヘナはインカ時代からのケチュア語、チチカカ湖周辺の住民はアイマラ後を話します
  • 宗教:国民の95%がローマ・カトリック。宗教の選択は自由。ケチュア族の間では、大地の神パチャママなどを崇拝する土着信仰が今も根付いており、パチャママと聖母マリアを同一視している地域もあります
  • 電圧:220ボルト、60ヘルツ
  • 時差:日本より14時間遅れ(サマータイムは実施していません)
  • ビザ:観光目的で90日以内の滞在ならビザは不要です。ビザなしで入国して90日以上滞在する場合は、現地で1回30日を限度に3回まで滞在期間を延長できます

旅のスペイン語ガイド

<散歩>
  • paseo
  • 私たちと一緒に散歩しませんか。
  • Damos un paseo?
<道>
  • camino
  • 道は川に平行している。
  • El camino va paralelo al río.
<遺跡>
  • ruina
  • 遠くに古代の遺跡が見えるでしょう。
  • Pueden ver a lo lejos las ruinas de la antigüedad.
<門限>
  • toque de queda
  • 門限がありますか。
  • Hay toque de queda?
<牛>
  • vaca
  • 私は1500頭の牛を飼育している。
  • Tengo mil quinientas vacas.
<左側>
  • izquierda
  • あなたの左側にその店が見えます。
  • Verás la tienda a mano izquierda.
<夕日>
  • puesta del Sol
  • なんて綺麗な夕日。
  • Qué bonita puesta de sol.
<風>
  • viento
  • ドアが風で閉まった。
  • La puerta se cerró con el viento.
<子供>
  • niño
  • 子供達は何にでも好奇心を持っている。
  • Los niños sienten curiosidad por todo.
<気温>
  • temperatura
  • 明日の気温はどうだろうか。
  • Qué temperatura hará mañana?
<夕食>
  • cena
  • 夕食の用意が出来ました。
  • La cena está preparada.

ペルー子連れ旅行のスケジュール表

この項の最後にもう地度今回の旅行んスケジュール表を掲載します。や〜〜苦労しました、ほんとに。これから個人手配でペルー旅行を計画されている方の参考になれば嬉しいです。
ペルー子連れ旅行のスケジュール表