マチュピチュ駅とハイラムビンガムロード

2019年4月7日

マチュピチュ駅

マチュピチュ駅に到着した列車とホームの写真

ペルー子連れ旅行(長男中1、次男小4)滞在5日目。早朝ウルバンバのホテルをチェクアウトしオリャンタイタンボ駅からビスタドーム号に乗車してついにマチュピチュ駅に到着しました。この編では、マチュピチュ駅と駅周辺の様子、マチュピチュ村から遺跡へ登るシャトルバスとハイラムビンガムロードについて紹介します。

マチュピチュ・ペルー子連れ旅行記の旅程

<1日目>

  • 15:55  成田・新東京国際空港発 コンチネンタル航空6便
  • 13:50  ヒューストン国際空港着 着後、入国審査、税関検査など
  • 15:55  ヒューストン国際空港発 コンチネンタル航空590便
  • 22:29  リマ国際空港着 着後送迎車でホテルへ

シェラトンリマ泊

<2日目>

  • 07:00  リマバスセンター発 クルスデルスル社長距離バス
  • 13:30  ナスカ着
  • 午後    ナスカ空港からセスナ機でナスカ地上絵観光フライト
  • 午後    専用車でホテルで移動、チェックイン後ホテルのプールで遊ぶ
  • 夕方    古代ナスカのカンタヨ灌漑遺跡見学
  • 夕食    ホテルのレストランでビュッフェディナー

カンタヨリゾート&スパ泊

<3日目>

  • 午前    ナスカ地上絵見学、マリアライヘ博物館、ミラドール
  • 午後    裏ナスカ・エルテラール遺跡見学、ナスカ陶芸博物館
  • 昼食    ホテルニドデルコンドル
  • 14:40  ナスカバスセンター出発 長距離バスでリマへ
  • 21:15  リマ着 着後ホテルへ
  • シェラトンリマ泊

<4日目>

  • 08:00  リマ空港発 スターペルー航空1181便
  • 09:20  クスコ空港着 着後専用車でホテルへ
  • 午前    クスコ市内観光
  • 昼食    韓国料理店
  • 午後    世界遺産クスコ市街地と近郊4大遺跡観光
  • 夕食    中華レストラン
  • 夜     送迎車でウルバンバへ移動

サンアグスティンウルバンバ泊

<5日目>

  • 06:30  送迎車でホテル発 オリャンタイタンボ駅へ移動
  • 07:45  オリャンタイタンボ駅発 インカレールビスタドーム号でマチュピチュへ
  • 09:53  マチュピチュ駅着
  • 午前    世界遺産マチュピチュ遺跡観光
  • 午後    ワイナピチュ登山
  • 昼食    マチュピチュサンクチュアリーロッジでビュッフェランチ
  • 夕方    マチュピチュのサンセット鑑賞
  • 夕食    ホテルのレストラン

ディエラヴィバマチュピチュ泊

<6日目>

  • 午前    ホテルの部屋でトラベルドクターに診察してもらう
  • 15:20  マチュピチュ駅発 ビスタドーム号でオリャンタイタンボへ移動
  • 17:28  オリャンタイタンボ駅到着 着後送迎車でクスコへ移動
  • 夕食    クスコの日本食レストラン

ホテルミドリ・クスコ泊

<7日目>

  • 06:30  専用車でバスターミナルへ
  • 07:30  長距離観光バス・アンデスエクスプローラー号でプーノへ
  • 終日    ラクチ遺跡、ララヤ峠(標高4335m)、プカラ遺跡などを観光
  • 17:00  プーノバスセンター着 着後タクシーでホテルへ
  • 夕食    ホテルのレストラン

カサアンディーナプライヴェートコレクションプーノ泊

<8日目>

早朝    チチカカ湖半の散歩

  • 朝食    ホテルのレストラン
  • 午前    チチカカ湖クルーズ、ウロス島観光
  • 昼食    プーノ市内のレストラン、食事後送迎車でフリアカ空港へ
  • 17:40  フリアカ空港発 ラン・ペルー航空100便
  • 19:20  リマ国際空港着、空港内で夕食
  • 23:45  リマ国際空港発 591便
  • 機内泊

<9日目>

  • 06:20  ヒューストン国際空港着
  • 10:50  ヒューストン国際空港発 コンチネンタル航空7便
  • 機中泊

<10日目>

14:20  成田・新東京国際空港着

マチュピチュ駅に到着

マチュピチュ駅に到着し列車から荷物を運ぶ長男

マチュピチュ村を作った日本人

ウルバンバ川とアグアスカリエンテス川が合流するマチュピチュ村はつい最近まで「アグアスカリエンテス」と呼ばれていました。アグアスカリエンテスとは「熱い水」つまりお湯という意味です。実際マチュピチュ村には天然の温泉が湧き出していて屋外プールのような「日帰り露天風呂」もあります。

実はこの温泉を発見したのは日本人の野内予吉(のうちよきち)という人です。野内さんは1895年に福島県で生まれ21歳のときペルーに渡り、マチュピチュ観光の拠点となる現在のマチュピチュ村を開拓しました。そしてハイラムビンガムがマチュピチュを発見した12年後に、野内さんがマチュピチュ温泉を発見したわけです。素晴らしい連携プレーですね。

お2人に面識があったかどうかは知りませんが(。とにかく21世紀の現在でも道路がない険しい秘境のような場所に、今からおよそ100年前に村を作るというのはとても困難な作業だったと思います。世界中から観光客が訪れるマチュピチュ村を作ったのが日本人だったというのはちょっと嬉しですね。

行き止まりの駅

オリャンタイタンボからおよそ2時間の列車の旅でマチュピチュ駅に到着しました。ちなみにアグアスカリエンテスという町はメキシコにもあるということと、観光客に無用な混乱を招くことから現在は「マチュピチュ村」「マチュピチュ駅」に統一されています。マチュピチュ駅はアグアスカリエンテス川の南岸のすぐ手前にあり線路が行き止まりになってるスタイルの駅です。日本では長崎駅や函館駅のような感じですね。あっ、阪急梅田駅や井の頭線吉祥寺駅も行き止まりの駅です。

海外では、とくにヨーロッパではパリでもロンドンでもこのスタイルの駅は珍しくありません。マチュピチュ駅に少し「欧州の雰囲気」が漂っているのはそのせいかもしれませんね。マチュピチュ駅の手前で分岐してさらに先へ進む線路がありますが、アグアスカリエンテス川を渡った先の商店街の中にかってのアグアスカリエンテス駅がありました。

マチュピチュのガイドさんと合流

列車を降りてホームの先頭まで行きそこから建物の外に出ます。カイは文句ひとつ言わず全員の荷物をせっせと運んでくれます。こんなときだけ、男の子でよかったな~~と思いますね(笑)

マチュピチュ駅の外

マピチュチュ駅で現地のガイドさんと合流することになっているのですが、建物を出てもそんな人は見当たりません。もう少し先の、あの赤い屋根の門のところまで行ってみましょう。

マチュピチュのガイドさん

赤い屋根の門がマチュピチュ駅のゲートになっているようで、その外に出迎えの人が大勢待機していました。他の乗客の後についてゲートの外に出たわたしたちも「自分たちのガイドさんはどこだろう」ときょろきょろあたりを見回します。すると「こんにちは、イルカさんですね」とオレンジ色のシャツを着て首から携帯電話をぶら下げた女性のガイドさんが声をかけてくれました。子連れ旅行者は、そうは言ってもマチュピチュではまだ珍しのですぐにわかったのでしょう。

駅前の商店街

「ではご案内しますのでわたしについて来て下さい」

名前を忘れてしまったのですがマチュピチュ駅に向かえにきてくれたオレンジ色のシャツを着たガイドさんの後をついて歩き始めました。荷物は男性スタッフがホテルまで運んでくれるそうです。

歩き始めると駅の前にはマチュピチュみやげやペルーの民芸品を売っているお店がずらーーと軒を連ねていました。そのお店の間をくぐり抜けながら細い路地を進んで行きます。

駅前商店街を抜けて橋を渡る

やがて視界が開け橋のたもとに出ました。アグアスカリエンテス川にかかる歩行者専用の橋です。

進行方向に向かって右手の上流方面に日帰り露天温泉があります。

マチュピチュ村

橋を渡りながら今度は左手の下流のほうを見るとマチュピチュ駅の手前で分岐した線路が伸びているのが見えます。それから写真では分かりづらいかもしれませんが川の対岸の道路にバスが並んで停車しているのが見えます。これからあのバスに乗って、いよいよマチュピチュ遺跡に向かいます。

何かのレースに参加されてらっしゃるのでしょうか?と思うほど飛ばすハイラムビンガムロード

ハイラムビンガムロード

ワイナピチュから見下ろすハイラムビンガムロード。急峻な山肌にくねくね道が刻まれているのがわかる

ハイラムビンガム

1911年7月24日、マチュピチュを発見したハイラムビンガム3世は、名門ハーバード大学出身の秀才であり、考古学者、軍人、政治家、企業経営者、そして探検家といういくつもの顔を持つ希有な人物です。大ヒット映画「インディアナジョーンズ」のモデルともされています。ビンガムは1875年11月19日、意外にもホノルル生まれ、そして1956年6月6日ワシントンDCの自宅で永眠しました。この原稿を書いている2015年6月6日は、偶然にもビンガムの命日です。

ハイラム・ビンガムの名前は、クスコとマチュピチュ村間を走る豪華列車「ハイラムビンガム号」と、マチュピチュ村と遺跡をつなぐ急斜面のくねくね坂道「ハイラムインガムロード」に残されています。

ハイラムビンガムロードは、ウルバンバ川下流にある橋の左岸からマチュピチュ遺跡の入り口まで続く未舗装のダート道で、高低差およそ400m、13のヘアピンカーブが連なる、日光いろは坂のような坂道です。1945年に、マチュピチュの発見者ハイラム・ビンガムの名を冠する道路として完成しました。

マチュピチュ遺跡への行き方

マチュピチュ村からマチュピチュ遺跡へ行く方法はバスと徒歩の2通りです。

シャトルバス

マチュピチュ駅から露店が並ぶ細い路地の先にあるアグアスカリエンテス橋右岸のたもとに遺跡行きシャトルバスの発着場とチケット売り場があります。バスの料金は往復18ドル、所要時間は片道およそ30分です。

ツアー参加の場合はわたしたちのようにマチュピチュ駅で送迎スタフと合流し、現地ツアー会社事務所で説明を聞いてからバス乗り場へ移動します。

徒歩

ハイラムビンガムロードに併設されている歩行者専用のハイラムビンガム階段を登ってマチュピチュ遺跡へ行く事ができます。所要時間は村から階段の登り口までおよそ30分、階段登り口から遺跡入り口までおよそ1時間半です。料金は無料ですが、クスコから日帰りで訪れる観光客には時間的に厳しいと思います。

ツアー会社のオフィス兼カフェ

遺跡のトイレは有料だから

マチュピチュ駅でお迎えのスタッフと合流したわたしたちは、後についてカフェに入りました。このカフェはどうやらツアー会社の窓口も兼ねているようで、説明を聞くとき無料で飲み物のオーダーができます。

ここでこれから一緒にマチュピチュをまわるガイドさんのあいさつと説明があり、そのあと今日と明日2日分のシャトルバスの往復チケットと、2日分のマチュピチュ遺跡入場チケットを受け取りました。それから遺跡をわまるとき説明を聞く為のレシーバーも手渡されました。ガイドさんの説明によると上(遺跡)のトイレは有料なので、このカフェで済ませた方が良いとのこと。

そしてトイレが済んだらツアー参加者全員でシャトルバス乗り場へ移動します。

マチュピチュ遺跡へ向かうシャトルバス乗り場

シャトルバスでハイラムビンガロードを登る

マチュピチュ遺跡へ向かうシャトルバス乗り場は、アグアスカリエンテス川沿いの右岸にあります。わたしたちが説明を聞いたカフェ兼ツアー会社の窓口から川沿いに歩いてほんの数十秒の距離でした。

シャトルバスの車内

バスに乗って出発を待ちます。バスは列車の到着に合わせて出発するようですが、どうやら満員になったら出る、という感じみたいです。

動き出したバス

マチュピチュ村を出発したバスは、アグアスカリエンテス川沿いに走り、やがてウルバンバ川との合流地点が見えてきます。さらに川沿いに下ると建物はなくなり、木々がジャングルのようにうっそうと繁るようになってきます。そしてしばらく走るとウルバンバ川に架かる吊り橋が見えてきます。

その橋を渡ったところがハイラムビンガムロードの入り口です。ここからヘアピンカーブが連続する未舗装のダート道をくねくねと登って行くのです。日本のバスと違って「何かのレースに参加されてらっしゃるのでしょうか?」と思うほど、狭いくねくねのダート道をすっ飛ばして登ります。谷側をのぞくともうあんなに川が小さく見え「これは転落したらえらいことだぞ」と緊張するのでした。

ハイラムビンガムロードの終点

そんなスリリングな坂道を登ることおよそ30分、わたしたちを乗せたシャトルバスは、ハイラムビンガムロードの終点にある、マチュピチュサンクチュアリーロッジの前に到着しました。

ここでバスを降りて、いよいよマチュピチュ遺跡へ入場します。