イタリアで子どもサッカー大会〜プールサイドの昼下がり
ニーナの誤算
ミラノの女子高に通うニーナは、高校3年の女の子。両親と妹の家族4人で、このアグリツーリズモに2週間前から滞在している。授業で習っている日本語をちょいと披露したら、アグリツーリズモの客やスタッフの間で「すごいすごい」と褒められまくり。すっかり人気者になっちゃった。
カルフールから戻ってこどもと遊ぶためにプールに向うと、プールサイドの木陰でおしゃべりしているグループに、「ちょっとこっちへ」と呼ばれたわたし。ニーナの誤算は、まさかシチリアのこんな田舎に、本物の日本人がやって来るなんて思わなかったことだ。
「今からこの娘が日本語をしゃべるから正しいかどうか聞いてみてくれ」
「え?日本語?じゃべれるんですか?」
「さあ、どうしたニーナ、昨日まであんなに日本語をしゃべってたじゃないか」
みんなにせかされついに覚悟を決めたのか、ニーナが恥ずかしそうに口を開く。頬を少し赤く染めて。
「コンニチハ、ワタシノナマエハ ニーナデス」
おお~すごい、上手じゃないか、完璧ですよ。まさかこんなところでイタリアの女子高生から日本語を聞けるなんて思いもしませんでした。まだ半信半疑なスタッフたちは、わたしが持っている日本の雑誌を開いて「これは何?」「これは何?」とくいさがるが、どれも正確に答えるニーナ。簡単なあいさつだけじゃなく文字も読めるんだね。聞けば学校の授業は、普通のイタリア人の先生がおこなっているらしい。単に語学の勉強だけじゃなく、日本の文化や歴史なんかについても触れるというからすごい。
はしの使い方や、おり紙も習うんだって。いや~徹底してます、イタリアの教育。
それとは直接関係ないのだが、最近の世界各地での日本語学習熱はすごい熱い。その動機がびっくり。日本のマンガを原文のまま読みたいからとか。あるいは日本のアニメを原文のまま見たいからだとか。
いやすごいクールですね、日本文化。
こどもサッカー大会
そうしている間にもこどもたちはプールで泳いだり、芝の庭でサッカーしたり、パワー全開で遊んでいる。そのうちニコラのお父さんも加わって、そこらへんにいた男の子たちも加わって、サッカー大会になっちゃった。
がんばれニッポン!がんばれイタリア!まるでこども版ワールドカップだ。
いきいきした瞳、元気な笑い声。ブーゲンビリアの花影で、島を渡る海風に身をまかせながら、太陽の王国がくれたこの素敵な時間に感謝していた。
本物の芝の上でするサッカーは楽しいね!
それシュート!どりゃぁぁ~~、キーパーはニコラのお父さん。