サン・レオーネ海岸の移動遊園地
サン・レオーネ海岸
プールでいっぱい遊んで、も~おなかペコペコじゃー。では夕食を食べに行っちゃいましょうかー!ホテルに来る時車で通ったサン・レオーネ海岸のビーチ沿いの通りには、おしゃれなレストランやバールが並んでいた。ぶらぶらビーチを歩きながら、適当なお店を見つけて入ろうということになり、出発!
ゲートを出てしばらく歩く。道の両側に並んでいるやしの並木が、夕日を浴びて黄金色に輝いている。海から吹いてくる風も気持ちいい。さすがにこの時間になると暑さもやわらいで、ずいぶんしのぎやすくなるね。と、前方に何やら楽しそうな遊園地が見えてきたぞ。
遊園地が出現
「あれ~さっき通った時はなかったよね?」
「時間が早くてやってなかっただけじゃない」
さっきあろうがなかろうが、こどもたちにはそんなことはどうでもいい。
予期せぬ突然の遊園地の出現に、もう目がらんらんと輝いちゃって、心ここにあらずだ。
「ね、お願い!お願い!ちょっとでいから遊ばせて」
「アレ~お前ら、お腹は?もう我慢できないんじゃなかったのかー?」
「全然、大丈夫!」
ボールプールでおぼれちゃうぅ~
行き当たりばったりを楽しもう
そんなに言うなら少しくらいいいか、でもママは絶対ダメって言うだろうな、と思いながらママの顔をチラッと見る。
「少しだけならいいよ」
「ほらやっぱりダメだって、、って、え?今なんて言った?」
「だから少しなら遊んでもいいよ」
ええぇ~!何ですってー。いつもなら反対するのに、どういう風の吹きまわしでしょうと尋ねたら、こんな予定も予想もしていない、行き当たりばったりの出来事を楽しみたいんだって。全部計画されたスケジュール通りの旅行はうんざり、ですと。わたし深く反省。
「じゃあちょっとだけだよ」
「やったー!!」
珍しく子供の意見が通って、カイもリュウも、糸が切れた凧みたいにぴゅーっと遊園地へ飛んで行く。さっきまでプールであんなに大騒ぎしてたのに、まったく疲れというものを知らんのか。コラコラとこどもの後を追って走るわたしとママの影が、夕凪の風にさらさら揺れるヤシの並木道に、長く長く伸びていた。