【シチリア島のアグリツーリズモでファームステイ】子連れ旅行者のメリットデメリット

2019年3月13日

シチリア島のアグリツーリズモでファームステイ

アグリツーリズモとは

今回シチリア島でわたしたちがファームステイするのは、島の南東部、シラクーサから30kmばかり山の上に登ったビビア村にあるアグリツーリズモ。乾燥した高原状の台地に岩肌とオリーブの木々が点在し、人工の建物はわたしたちの宿以外いっさい見えない。素晴らしい景観と自然環境を誇るアグリツーリズモだ。

アグリツーリズモとは、宿泊施設が併設された農園のこと。トスカーナやウンブリアなど主にイタリア中部の州で、爆発的人気となっている宿泊形態だ。アグリツーリズモでは、郊外の豊かな自然環境に身をおきながら、ゆったり滞在できることが人気の理由。

わたしたちも2003年のイタリア旅行に続き、今回もまたアグリツーリズモでファームステイすることにした。では子連れ旅行者にとってアグリツーリズモ滞在はどんなメリット、デメリットがあるのか?それを今から見ていこう。

我が家がシチリアで滞在したアグリツーリズモ
わたしたちのヴィラ、ミモザ。壁の色がしゃれてるぞ〜

子連れ旅行者にとってのメリット・デメリット

メリット1 広い

アグリツーリズモのほとんどが土地代が安い田舎にある。そのためアグリツーリズモの敷地や客室の面積は、都市部のホテルとは比較にならないほど広い。特に子供が自由に走りまわれる広い敷地があることは、子連れ海外旅行者にとって、ストレスフリーな、とってもありがたいポイントだ。

メリット2 安い

前回のイタリア旅行のときトスカーナでわたしたちが泊まったアグリツーリズモの客室は、2ベッドルーム+リビング/ダイニングで定員は4名、今回シチリアで泊まるアグリツーリズモは、1ベッドルーム+ロフト+リビング/ダイニングで定員はやはり4名。観光地のホテルでは、定員2~3名の部屋が主流なので、わたしたちのような4人家族は2部屋取らなければならないケースがほとんど。1部屋分の料金で済むアグリツーリズモでは、観光地のホテルの半額以下で宿泊できる計算になる。

メリット3 自然がいっぱい

田園に立地するアグリツーリズモは、豊かな自然環境にかこまれている。子供は窓からドゥオーモが見えるより、花や小鳥や昆虫やが見えるほうが喜ぶ。

メリット4 国際交流

アグリツーリズモでは家族連れ宿泊客の比率が高い。滞在中子どもを通じてお付き合いが始まり、お話したり、いっしょに出かけたり、お互いの部屋に呼んで食事を楽しむなど「国際交流」が自然なかたちで生まれる。

メリット5 キッチン

アグリツーリズモでは自炊できるキッチン付きの客室を備えていることが多い。自分たちのペースで食事ができ、毎回レストランで食べるより安くあがるキッチン付き客室は、子連れにとってありがたい存在だ。

メリット6 美味しい

レストランを併設しているアグリツーリズモは多い。自家農園でとれたての野菜を使った料理がいただけるのは、アグリツーリズモのレストランならでは。野菜のみならずチーズやワイン、オリーブオイルまで自家製のこともある。またその土地の郷土料理をいただける機会も多い。食に直結しているアグリツーリズモは本当に「美味しい」のだ。そのうえ安全、安心。

デメリット1 足の悪さ

田舎=交通の便が悪いところに立地していることが多い。レンタカーが必需品になる。

デメリット2 ゴージャスではない

アグリツーリズモでは高級老舗ホテルのような華やかさはない。また手厚いホスピタリティーも期待しにくい。

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子連れ旅行者にとってのアグリツ-リズモの魅力

アグリツーリズモの交通の便の悪さは、レンタカーを借りることで解消。逆にレンタカーを使えば、行動範囲がぐっと広がりあちこちに出没できる。また高級ホテルのようなホスピタリティーは期待できない分、手づくり感覚の心暖まるもてなしで歓迎してもらえる。さらに他のゲストやオーナーとの交流を楽しめるのも大きな魅力。

メリット5の、キッチン付きが我が家にとって大きなポイント。今回、旅行者向けのキッチン付きアパートメントも、アグリツーリズモと平行し探してみた。結果2ベッドルーム、リビング/ダイニング、キッチン付きの物件を数件見つけたのだが、アパートの場合、街中や観光地にあるケースが大半。そのため駐車場がなかったり、プールがなかったり、敷地が狭いケースがほとんどなのであきらめた。

以上からまとめると、アグリツーリズモの魅力は、豊かな自然の中に子どもが自由に走り回れる広い敷地があり、客室が広く、自炊もできレストランで食事もでき、オーナーや他のゲストとの交流を通じて、イタリアの本当の素顔に触れることができる、ということだろう。

客室の写真
ロフトからキッチンを見下ろす/ロフトにある子ども用ベッドルーム/マスターベッドルーム

アグリツーリズモのタイプ

アグリツーリズモは、営んでいる農業の種類と規模によって、いくつかのタイプに分類できる(というかわたしが勝手に分類してみた)。

いずれのタイプにも共通するのは、

  • 広い敷地の割に、客室数が極端に少ないこと(人口密度が薄い)
  • 客室が低層ヴィラということ(良好な景観)

宿泊棟の建物は1戸建てや長屋タイプがあり、貴族の館を改装したのもや、その土地独特の農家風にアレンジされたもの等がある。

営んでいる農業は、ぶどう、ワイン、オリーブ、オリーブオイル、野菜、果物、酪農など。

酪農タイプのアグリツーリズモでは、自家製のチーズやハムがいただける。またワイナリー併設型では、ワインの試飲会や、ワイン飲み放題の食事などがあり、飲んべぇにはこたえられない。

規模別で見ると、自家ブランドのワインやオリーブオイルを生産、輸出しているような大規模農園から、家族経営のごく小さなアグリツーリズモまでさまざま。

大規模農園タイプでは、敷地内にプールや乗馬コース、テニスコート、ハイキングコース、ショップなどがあるケースが多い。

一方小規模タイプでは、ホームステイしているようなアットホームな体験が最大の魅力と言えよう。食事も毎回手作りで、希望すれば手伝いながら料理を教えてもらえる。別れる時がつらく、まさにうるるん滞在記の世界だ。

レンタカーでアグリツーリズモに到着
アグリツーリズモの入り口。駐車場はどこだろう?/このカラフルな建物に違いない/中庭に車を止める

アグリツーリズモのアクティビティ 

オリーブ摘み、ぶどう摘み、ぶどう畑見学、ワイナリー見学、ワイン試飲、陶芸、料理教室、モッツァレラチーズ作り、etc

アグリツーリズモのプール
アグリツーリズモのプールで遊ぶ子供達

            

我が家が手配したシチリア島のアグリツーリズモ

今回わたしたちが宿泊するのは、2004年にオープンしたばかりの新しいアグリツーリズモ「BPRGO DEGLI ULIVI」。50ヘクタールの敷地には栽培用のオリーブが植えられ、緑の芝のガーデンと飛び込み板付きの大きなプールを備えている。そしてプールの向こうには、乾燥した高原がどこまでも続いていて、その対比が息を飲む素晴らしい景観を生み出している。

ヴィラは全部で5棟。わたしたちのヴィラは「ミモザ」という名前で、この夏できたてほやほやの、まっさらな客室だ(我が家がこの部屋初めてのゲストだった!)。部屋はキッチン、リビング/ダインイング、ロフト(子供部屋、シングルベッド2台)、メインベッドルーム(キングサイズベッド1台)、それにバスルーム(シャワーのみ、シャワーヘッドは取り外し可)。収納スペースも充分に有る。

BPRGO DEGLI ULIVは、ものすごい田舎にありながら、周囲に見どころは多い。ユネスコ世界遺産に登録されている、ラグーサ、モディカ、ノート、パラッツォロアクレイディ等の各都市へは、それぞれ車で1時間以内、ビーチは30分、シラクーサ、カターニア、タオルミーナも日帰り圏内という好立地。

手配をお願いしたのは、前回同様、南地中海方面に強いロッティツアーさん。シチリア島でアグリツーリズモを探すのは本当に大変だったが、3000円という超良心的な手数料で手配してくれた。

ロッティツアーのホームページはこちら

BPRGO DEGLI ULIVI のホームページはこちら

BPRGO DEGLI ULIVI の住所:Contrada Bibbia-Palazzolo Acreide Tel.+39 095 539094

我が家が滞在したシチリア島のアグリツーリズモ「BPRGO DEGLI ULIVI」の地図

今年の夏にできたばかりのレストラン
今年の夏にできたばかりのレストラン / アグリツーリズモに続く道を歩くカイ

 

宿泊料と食事代

アパートミモザの宿泊料は1週間で825ユーロ。レストランで食事をする場合は別途追加料金。夕食はフルコースの郷土料理、ビールやワイン飲み放題で大人20ユーロ、子供10ユーロ。朝食は1人4ユーロ。カード使用可。共同洗濯機は無料(洗剤も)だった。乾燥機はないが、空気がものすごく乾燥しているのでほっぽといても驚くほどすぐ乾く。

シチリア島のアグリツーリズモ「BPRGO DEGLI ULIVI」のレストラン
シチリア島のアグリツーリズモ「BPRGO DEGLI ULIVI」のレストラン

          

アグリツーリズモに到着

カルタジローネから何回何回も、そりゃ~ないよっていうくらい道に迷って、ようやくわたしたちが泊まるアグリツーリズモに到着した。これから1週間ここでお世話になるのだ。時計を見ると午後7時前。夏のヨーロッパは日が長いので、まだこの時間でも昼のように明るい。焼け付く日差しでほてった道が、ゲートの中へ続いている。

「あっちが駐車場かな?」

あたりを見回すが、人の気配はしない。夾竹桃の赤い花が、夕日を浴びて風にそよそよと揺れている。とりあえずそろりそろり侵入して、中庭のようなところに出た。

「あ、誰かいる」

カイが庭の隅で作業している老人を見つけた。

「ああよかった、あの人に聞いてみよう」

アグリツーリズモのオーナーガッロさん
このアグリツーリズモのオーナーのガッロさん

                

わたしが車を降りると、向こうもちらに気づいて「イルカファミリー?」と尋ねながら近寄ってくるではないか。今日、日本から子連れ家族のゲストがやってくるというので、楽しみしてたらしい。おお~うれしいね。わたしたちも、シチリア島でのファームステイを楽しみにしてたんですよ。老人はこの農園のオーナー、ガッロさん。ここより規模は小さいが、トスカーナにも農園とアグリツーリズモを持っているんだって。

握手しながらお互い自己紹介して、これから1週間よろしくお願いしま~す!こどもたちもいい子であいさつが出来たね。

レストランのテラス席
オープンしたばかりのオシャレなレストラン / 夜はテラス席が抜群に気持ちいい / 自家製ワインが飲み放題

  

我が家の客室はミモザ

わたしたちのヴィラは、ピンクの壁が可愛いらしいアパートミモザ。今年の夏に完成したばかりのピカピカの新築だ。ガッロさん自ら鍵を開け、部屋の中を案内してくれる。おおーすごくきれい!これってここに泊まるのわたしたちが最初のゲスト?いいんですかー。

内装はシチリアの伝統的な農家風にアレンジしてあるとのこと。シンプルだが、温もりのある印象に仕上がっている。こどもたちは自分達の寝室になる屋根裏部屋を見て大興奮。世界で一番気に入った!って大騒ぎ。その、こどもたちが喜ぶ様子を見てガッロさんもうれしそう。わからないことがあったら、何でも自分か世話係のバレンティーノに聞いてくれだって。

なんと言ってもここは英語が通じるのがありがたい。前回泊まったトスカーナのアグリツーリズモでは、英語が通じないので本当に苦労した。またあの苦労をしなきゃ、と覚悟してただけに何だか肩の荷が降りた気分です。

レストランのテラス席で食事をする子ども達

出来たてほやほやの新しいレストラン

このアグリツーリズモにはレストランはないっていう話だったのだが、今夏にオープンしたらしい。

今日はずっと運転してきて疲れたし、お腹もぺこぺこなので、そのオープンしたばかりって言うレストランで夕食にしよーか。いぇーい。

シチリア島南部の伝統料理の写真
テーブルに運ばれてきたシチリア島南部の伝統料理

               

星降るテラスで素敵なディナー

食事が始まるのが8時からというので、車から荷物を降ろし、整理をする。こどもたちはその間プールでひと泳ぎ。荷物の整理が終わったわたしとママは部屋の前のテラスに座って夕涼み。

「思ってたよりずっといい所だね、オーナーもやさしそうな人だし」

「なんだか楽しい滞在になりそう」

8時近くなってようやく陽が沈み始めた。

乾燥した大地をわたる風が、オリーブの葉をさらさらさする。サンダルに履き替えた足でジャリが敷きつめられた小道を歩き、夕映えに浮かぶ灯りがともったばかりのレストランへ向った。

ディナーの様子
満天の星空の下のテラス席 / 美味しい食事に会話も弾む / 各国からのゲストとこんにちは