サントリーニ島クルーズ&火山島トレッキングツアー【この星の絶景ベスト10!】
ども!ヤサス!小2、小5の子連れ家族4人で個人手配のギリシャ・サントリーニ島旅行中のイルカパパです。
日本ではまだあまり知られていませんが、サントリーニ島のカルデラ海には火山島があって現在も噴煙をもくもくとあげています。
今回のブログ記事はこの火山島での子連れトレッキングの様子をレポートします。イアやフィラだけでないサントリーニ島の知られざる魅力を紹介しますよ〜、うほ。
サントリーニの火山島ネアカネミ
外輪山に囲まれたサントリーニ島のカルデラ海には、2つの無人島が浮んでいます。ひとつは今でも活動を続ける活火山があるネアカメニ。もうひとつは海中温泉が湧きだすパレアカメニ。
ネアカメニは、サントリーニ島のカルデラ海のほぼ中心に浮ぶ島です。この島には現在も活動を続ける活火山があり、複数の噴火口から煙や硫黄がモクモクと吹き出しています。
島には人や動物が住んでいないだけでなく、草木も生えていない、まるで地獄のような荒涼とした風景が広がっていますよ。
でも、カルデラ海に浮ぶ火山島/ネアカメニから眺めはすごい!フィラの街はまるで雪を頂いた洋上のヒマラヤ山脈のようにも見えるわけさ。
この星の「絶景ベスト10」に入れたい眺めです。
ネアカネミは一番最近では1950年に噴火していて、その時対岸のサントリーニ島の町は壊滅的な被害を受けたらしい、うひゃー。
今日はその火山島/ネアカメニでトレッキングをし、その隣のパレアカメニで海中温泉に浸かる、というお楽しみ盛りだくさんの冒険ツアーに参加するでぇ〜、いぇ〜〜い!
まさにサントリーニ島のハイライトと言える1日だね、うは。
火山島子連れクルージング冒険ツアー体験記
ツアーバス遅れる
イアの風車の裏にある駐車場で待っていると、指定された時間を15分ほど過ぎてツアーのバスがやって来た。
名前を告げてバスに乗り込むと、車内はすでに満員。
うひゃぁ~~。
このバスは何カ所かのポイントで客を拾いながら移動して来て、一番最後に風車の裏側の駐車場にやって来る。だから満員でもしかたないのだ。そのかわり終点までの乗車時間は短い。駐車場から島の裏側をうねうねと下るだけ。2~3分でわたしたちのホテルの真下にあるポートに到着した。
バスから降りると強烈な日差しが容赦なく襲いかかってくる。こんな日差しの下を歩くのか、それも草木のない=日陰のない島を。こりゃーちょっと先が思いやられるぞ、などと考えていたら、海賊船のような外観のクルーズ船がやって来た。
もしかしてあれに乗るの?やったー!
こどもたちは、その思いのほかカッコいい船を見て興奮気味。やがてその海賊船風の客船は、波止場の先端に接岸。数人の男たちが波止場に飛び移り、手際よくもやいを結ぶ。
その様子を見ていたら
「は~~い、おまたせしました、では、この船に乗って下さい!」
と、突然、群衆の中にいたおばちゃんが大声を張り上げた。
ええぇ~~あんた、乗客じゃなかったんかい!まぎらわしいぞ!
いったいどこにツアーの責任者がいるんだろうといぶかしんでいたが、まさか客に紛れ込んだこんな中にいようとは!
これも意表をつくエンターテイメントですかー!?
出港
船に乗り込むと、先端部分はすでにいっぱいだったので、船尾にまわって席を確保する。
ちなみに、船で一番船酔いしやすい部分は先端です。そして最も船酔いしにくい部分が揺れの少ない船尾。
まあ激しく揺れる時はどこにいたって船酔いしますがね。逆に今日みたいに波が穏やかな日は、どこにいても船酔いの心配はありません。
全員が乗船すると船はゆっくり桟橋から離れ、赤茶けた崖の上に雪が積もったような白いイアの街の遠望が広がる。
こうして海から眺めると、あらためてサントリーニってすごい島だと思う。
人が住んでいるのは島の頂上部分だけ。それも目もくらむような崖っぷちに。いったいこの島の街はどうのような発展の仕方をしてきたのだろう?
さてイアのポートを出発して30分くらいで、目指す最初の目的地、ネアカメニの火山島が近づいて来た。
遠くから見ると、ネアカメニは平な島で、トレッキングと言っても別にたいしたことなさそうと鼻で笑っていたのだが、島が近づくにつれどうやらその考えは、メープルシロップをいやっちゅ~ほどかけたパンケーキのように甘いことが判明した、うう。
火山島に到着
島に近づいてみてわかったのだが、この火山島は平坦でもなんでもなく、それどころか恐ろしいくらいの起伏がある。キングコングのアタマほどある巨大な溶岩がごろごろしているのだ、
って見た事あるのぉー??
その間をぬって山頂を目指すのだから、へたな登山よりきついかもしれない。
船が入り江に入ると、ますますその尋常でない様子に息を飲む。島には草木が生えてなく、人工の建造物もない。生き物の姿もまったく見えない。ただ黒く固まった溶岩の間を熱風がひゅーひゅーと吹き抜けていく。
やがて船は入り江に設けられた簡易桟橋に接岸。それから乗客が順番にぞろぞろと降り始めた。
こんな恐ろしげな島なのに、トレッキングが大好きなカイとリュウは、も~いてもたってもいられない様子。
まぁーまぁー、あわてるな、ガイドさんの言う事をよく聞いて、ゆっくり景色を楽しみながら登ろう。
みんな水は持ったね?じゃあ行くぞ、
GO~~!
上陸
火山島に1歩踏み入れて感じたのは、大地が燃えるように熱いということ。
まさか地熱の影響というわけではないだろうが、島の地面から熱気がむんむんと放出されている感じなのだ。
草も木も生えていない灼熱の溶岩大地。照りつける太陽の熱をそのまま吸収し、熱を受け止める緑もなければ大地を冷やす川や池もない。
いずれ温暖化が進行したら地球も、このような姿になってしまうのだろうか?
入島ゲート
簡易桟橋から少し登ったところに入島ゲートがあった。
火山島に入島するためには、ここでお金を払わなければならない。入島料はツアー料金には含まれてなく、大名1人につき2ユーロ、子供は無料。
ゲートの手前に島に関する資料が置いてある。(無料)
ゲートにはワラで作ったパラソルが立っているが、このわずかな日陰がこの島で唯一の日陰というわけだ。
ゲートで入島料を払ったら、その先の広場でツアー客が集合してガイドさんから説明がある。
それによると、ここから頂上まで片道およそ40~50分くらいかかるとのこと。それから絶対コースから踏み出してはいけないと注意点を受ける。
途中5カ所のポイントがあって、それぞれの場所で止まってガイドさんが説明するそうだ。
では、いよいよトレッキングにスタートだぁー!
火山島トレッキングスタート
よし、出発だぁーー!
と、元気よく一歩を踏み出したはいいが、二歩目がなかなか出ない。
あれ~~?
いやぁ~~すさまじい暑さなんです。
島は風がけっこう吹いているし、空気が乾燥しているので、理論的にはそこまで暑くないはずなんですが、でも、ものすごく暑い。
これは精神的なもの?
おそらく島の黒い大地が熱を吸収していて、地面からボイラーのような熱気が、むらむらと放出されているのだと思う。炎で炙られた大きなフライパンの上にいるような感じ。
えらいところに来ちゃったぞ、と登り始めて1歩目で早くも後ろ髪が抜けるくらい引っ張られる深~~い後悔の念にとりつかれていた。
それでもわたしは覚悟を決め、ガイドさんの後について火山島を登り始めた。元気なこどもたちはどんどん先へ行ってしまうが、わたしはわたしのペースでゆっくり登ろう。
登りがきついのは最初の10分だけ
登山道はよく整備されていて、思いのほか歩きやすい。中にはビーチサンダルで登っている人もいるほど。ただし道幅は広くないので、ツアー客は長い長い列になる。その様子が黒い砂山へ続くアリの群れのようだ。
最初はひぃーひぃー言いながら登り始め、こどもたちにもだいぶ遅れをとってしまったが、じょじょに暑さにも慣れてきた。
登りこう配がきついのも最初の10分くらいで、ある程度登ってしまったら、わりとゆるやかになって歩きやすくなる。島は周囲を海に囲まれているので、登るほど景色が素晴らしくなるも気持ちいい。
登山コースの途中には、AからEまでの5カ所のポイントがあり、それぞれの部分でガイドさんが立ち止まって説明をしてくれる。(ガイドは先頭を歩いているので、近くにいないと説明は聞こえない)
クレーター
A~Cのサイトでは1900年代に噴火したクレーターを見学する。
特にサイトCのクレーターはこの島で最大規模のもで、東地中海にある火山の中でも最も若いものらしい。
クレーターのエッジからは硫黄臭が混じった噴煙が立ち上っていて、いかにも火山という感じだ。ただしわれわれが行った時は勢いはちょっと弱かった。
サイトDは島の最高所地点。
19世紀後半の噴火で形成された火山島の頂上部分にあたる。カルデラ海に浮ぶ島の頂上からは海のむこうに白い雪をかぶったようなフィラやイアの町並みが眺められる。雪をいだくヒマラヤのようなその遠望は、およそこの地球上にある絶景の中でも群を抜いてすばらしものだろう。
またサイトDの南側にあるサイトEは、1950年1月の噴火で形成されたビューポイント。ここからももフィラの街がよく見える。
一方、サイトDのクレーターの西側からは、イアの街やティラシア島を俯瞰することができる。イアはサントリーニ島の最北西端の街だが、細く伸びた島の端にイアの街があること、そこから海峡をはさんでティラシア島があること、がよくわかる。
サントリーニ島と火山島の成り立ち
前項でも説明したように、ネアカメニはサントリーニ島のカルデラ海に浮ぶ火山島だ。
紀元前1500頃サントリーニ島が大噴火をおこし、現在のように中央部分が陥没して、三日月型の島になったと考えられている。
その陥没した部分に海水が入りカルデラ海が誕生。カルデラ海を取り囲む外輪山は、最初はほぼ完全なリング状だったが、その後の噴火や地震の影響を受けて、現在では半円形、というか三日月型に近い形状になった。
カルデラ海の外周はおよそ20kmもあるので、ぱっと見た目にはただの海のよう。
そのカルデラ海にネアカメニができたのは、サントリーニ島の大噴火でいったん中央が吹き飛んで何もなくなってから、約1300年後の紀元前197年頃だ。
その後1500年間くらいは活動が小康状態にあったが、16世紀に入ると再び活発に活動をするようになる。特に19世紀中頃から20世紀中頃にかけて、ネアカメニは噴火を繰り返し、流れ出た溶岩で島も徐々に大きくなった。
最後に大規模な噴火があったのが1950年で、そのときは島の集落や街が大きな被害を受けた。島々の形は、ほぼ現在の形となる。
なお現在の島の標高は127m。
今でも活動を続ける火山の噴火口をまじかに見るという体験は、こどもたちにとってもたいへん貴重な体験だ。
そこまで歩いて登るのは普段運動不足のお父さんお母さんには、ちときついかもしれませんが、自分の足でクレーターを昇ること自体、めったいにできない体験です。
頂上で記念写真を撮ったり、火山の活動についてこどもたちと話し合ったり、登り切った充実感でついつい雄弁に、というかおしゃべりになってしまうのだった。
この火山島クルージング&冒険ツアーはおすすめです!
トレッキングのポイント
ネアカメニのトレッキングは、登る高さや距離はそれほどでもないが、強い日差しとすさまじい暑さとの闘いがネガティブなポイント。
一方、ポジティブなポイントは、火山島の頂上付近から眺めるフィラの街の眺め。
白い雪をいただいたヒマラヤ山脈のようで、それが青く輝くエーゲ海に浮んでいるという不思議な光景は、おそらく地球上に存在する絶景の中でもトップクラスだろう。
ネガティブな要因を考慮しても、この景色を見るためだけに、行く価値があると言える。
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火山島トレッキングに必要な持ち物
火山島のエリニア湾の桟橋から頂上までの所要時間は、およそ40分。距離は約1.7km。
帰りは下りのため15分程度。
日陰は全くないので帽子、サングラスは必携。
ただし風が強いため帽子が飛ばされないように注意しよう。それから水分補給はこまめに行うこと。ミネラルウォーターなどの支給はないので、持参する必要がある。
コースの途中にはトイレはない。船の中にはあります。
トレッキング中は荷物は船に置いて行きます。
ツアーの内容・料金・所要時間
ツアー全体の内容は、午前9時半、イアの風車裏の駐車場でピックアップ、10時に港から出港し、ネアカメニ(火山島)~パレアカメニ(海中泉)~ティラシア島でシフードランチ+海水浴、という内容。
全体の所要時間は4時間程度。夏期は1日2回催行される。
料金は大人27ユーロ、子供13.5ユーロ。火山島の入島料は別途必要(大人2ユーロ)だが、ティラシア島のランチは料金に含まれている。
申し込みは各ホテルで。またイアのバスセンターにあるツーリストオフィスでも申し込める。フィラのオールドポートからも同じ内容のツアーが催行されている。
火山島の地図
まとめ
サントリーニ島のカルデラ海に浮かぶ火山島ネアカネミのトレッキングツアーは子連れでも参加できるエキサイティングなツアーです。
いくらサントリーニ島の景観が素晴らしいと言っても観光ばかりじゃ子供は飽きてしまいます。クルーズ船でカルデラ海を航行し火山島に登って噴煙が立ち込める噴火口を眺めるツアーは、子供にとって大きな気分転嫁になりますし、貴重なネイチャー体験でもあります。
また大人にとってもイアやフィラだけではないサントリーニ島の魅力を知る良い機会です。
この記事があなたのギリシャ・サントリーニ島旅行の参考になったならとってもうれしいです。
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それではまたお会いしましょう。良いご旅行を!