【ヨーロッパレンタカー旅行】ランダバウトの仕組みとミラクル攻略法
ランダバウトって何?
ランダバウトとは「サークル状交差点」のこと。
「サークル」って言っても「テニスサークル」とか「ウルトラセブン研究サークル」とかのサークルじゃないよ、あひゃ。円形、環状、のサークル。
イギリスで発案されヨーロッパ全土のほか、オーストラリアやアメリカにも普及しています。
ほとんどのケースで信号はありません。ヨーロッパではむしろ日本式の信号機がある十字型交差点のほうが珍しい。特に都市部以外では大半の交差点がランダバウトと言ってもいいくらいじゃー。
都市部でもパリの中心、有名な凱旋門がある交差点「シャルルドゴールエトワール」は巨大なランダバウトです。
「ランダバウト」は英語で書くと「round about」。
「d」と「a」は続けて発音するので「ランド アバウト」ではなく「ランダバウト」が正解、って発音の問題じゃないからー!
ランダバウト通過時の注意点
ヨーロッパをレンタカーでドライブして、ランダバウトを避けて通ることは不可能!そこらじゅうにあるから。日本ではまだほとんどの人が見たことのない謎の交差点、ってそれほど怪しいもんじゃないー!
ドライブに出発する前にルールをマスターしておかないと脂汗をかきますぞ。
ランダバウトの注意点
- 反時計回りで走行する(イギリスやオーストラリアなど左側走行の国では時計回り)
- 優先権を守り侵入(中を回っている車が優先)
- ラウンドバウト内では停止しない
もし出口を見つけられなかったら
自分の行きたい方向に出れなかった場合は落ち着いてもう一周しましょう。それでもわからない場合は、とりあえず一旦ランダバウトの外に出ましょう。外に出るとき道路標識を見て、自分がどの方面へ出たか覚ええておくことがとってもとっても、100円のガムを買って1万円札を出した後おつりをもらい忘れないくらいとっても、重要です。
外に出たら近くのお店の駐車場や路肩など安全な場所に車を止め、地図で行き先を再確認します。そして自分が出た道路と目的地へ続く正しい道路を照合し、再進入して脱出するルートを明確にするのです。
地図を見て自分が出た道路がどれかわからなかったら、正しいルートへ復活する出口もわかりません。もし出るとき方面を見落としていたなら、出口を確認するためにもう一度同じ作業を行いましょう。
くれぐれもランダバウトの中で車を停止することは避けるよーに!
参考記事↓
ランダバウトへの入り方
ランダバウトの中にいる車は反時計回りにサークルを回っています。あなたがランダバウトにさしかかったときサークルの中を走っている車がいたらランダバウトの手間で停止して待ちます。
ただし中を走っている車があなたが待機している路線から出るケースでは進入しても大丈夫。出る車はあなたの左側の車線を走るし、あなたは右回りにサークルへ入るので出る車と衝突しないのです。って文章で書くと難しく感じるけど、慣れてきたらなんでもありません。「あ、ここで出るの?じゃあ入っちゃうよ」みたいなタイミングの駆け引きは必要ですが。
難しいのはランダバウトからの出方
入るのはさほどでもないが出るのが難しい、、まるでホテルカリフォルニアみたいですね。
ランダバウトの何がやっかいなのか?
ここで日本の田舎道を想像してみてください。細い道を進んでいくと十字路にささかかります。十字路ですからその交差点の先には右折する道と直進する道、そして左折する道が見えています。
ではその十字路で左折してみて下さい。
どうですか?何か障害がありすか?
もしその交差点に信号機があれば、信号の指示に従って走行します。信号機のない交差点なら他の車の走行状況に注意しながら進みます。
どうでしょう?見渡しの良い交差点を左折するのに、別段問題になるようなことはないですよね?
では、もし十字路の先にある左折レーンが何かの理由で全く見えないとしたら?左折レーンだけでなく右折も直進も、全く見えないとしたらどうでしょう?
進むべき道が見えないのは不安ですし、そんなところに入って行きたくないですよね?
この「先の道路が見えない」とうのが、ランダバウトをやっかないものにしている正体のひとつなんです。
日本で普段走行している十字路交差点では、右折するにしても直進、あるいは左折するにしても、交差点にさしかかった時点で、一眼で全体が見渡せますよね。右折も直進も左折もぱーっと見たらすべて見える。つまり十字交差点に入る手前ですべての出口が見えるわけです。直進しよう、と決めていれば間違える要素はゼロです。
ところがヨーロッパのランダバウトはこれから説明する理由によって、進入する時点では先が見えないことが多いのです。
先が見えない理由その1:大きいこと
地図上ではランダバウトを直進、つまりまっすぐ進むだけだから簡単でしょう、と思うのですが、実際に現地で遭遇すると十字路交差点とはかなり様子が違うことがわかります。
実物のランダバウトはとにかく大きい。田舎でまわりに何もないようなところを走る細い道の先にあるランダバウトでも、パッと見て右折する出口や直進する出口は見えません。それにランダバウトの中心には植栽が施されていたり何か記念碑みたいなのが建っていたりして、余計に視界が遮られています。
さらにランダバウトの中に大型トラックやバスがいて視界を遮っていることもある。
一目で全体を確認できないほどの大きさが、ランダバウトからの脱出を困難なものにしてるというわけさー。
上の写真のように上空から全体を俯瞰すれば入り口、出口が簡単にわかるけど、実際車に乗って走行すると、大きすぎて全体が把握できないのよー。サークル中央に建つ戦勝記念塔もドライバーの視界を遮る。よく見ると台座部分なんか相当デカイね、やばいよも〜〜。
ちなみにこの塔の高さは70mもあるぞ。ヴィム・ヴェンダース監督の映画「ベルリン天使の詩」に登場し有名じゃ!
先が見えない理由その2:角度が不正確
それからランダバウトから出て行く道路は、日本の十字路のように右折は90度、直進は180 度、左折は270度、と必ずしもきっちりしていない。
60度とか120度に右折する出口があったり、150度とか230度くらいに直進する出口がある場合もあります。ランダバウトに入ってサークル状に回りながら進むと、それだけで方向感覚が狂いがちですが、そのうえ正確に90度とか180度ではない場所に出口があると、もう何が何だかわからなくなります。
上の写真もポーランドのランダバウト。右手前方に直進する道路が見えているけど、木々が茂っているところにも「直進」する道路がある。さらに写真ではわかりにくいけど、ランダバウトに入ってすぐ右に出る道路もその先で前方に「直進」している。も〜わけがわからん状態。
先が見えない理由その3:道路がまっすぐではない
おまけにランダバウトから出て行く道路がまっすぐとは限りません。
斜めに出て行ったり、くねくね曲がりながら出て行くケースもあります。このひねくれ者め!
斜めにくねくね曲がりながら出て行く道路が、進入道路に対して90度や180度じゃない角度で出て行ったら、もう正しい出口を見つけるのはほぼ無理ですわ。
しかもあなたは運転をしながら出口を探さなくてはならない。
先が見えない理由その4:斜度がある
さらにさらにやっかいなのは、ランダバウトが坂になっているケース。進入する道路が下側だったら、サークルの向こう側の坂の上がどうなっているかなんて見当もつきません。それまでとがらっと風景が変わっていたりもします。
そこへもってきてこれまでの1から3の理由が重なっていたらもう完全にお手上げ。さっさとあきらめてとにかくそのランダバウトからいったん出ましょう。いったん出て、車を止めて地図なりナビなりを見直して再チャレンジするのが賢明です。
危険:ランダバウト内で車を停止するのは大変危険。ヨーロッパのドライバーはまさかランダバウト内で止まる車がいるなんて夢にも思ってないから、追突事故になる危険があります。
先が見えない理由:まとめ
以上のようにランダバウトでは十字路交差点と違って、進みたい方角が見渡せません。従って方向感間に頼って出ようとするとミスを犯します。
地名に頼れないない理由その1:ノーマークの地名
では出口に掲げられている道路標識を見て走行すればいいじゃないか、と思ったあなた。
甘い!!
確かにランダバウトの出口には「〜〜方面」という道路案内があります。そこにあなたが目指している地名があればラッキー。近隣の大きな都市とか有名観光地ならたいていランダバウトの出口に標識があるので安心してもいいでしょう。
ところが問題はあなたの目指す町の名前が標識になく、「ノーマーク」の町名が表示されているケース。例えば広島市を目指して走っているドライバーが国道2号線に合流するとき、左は尾道、右は福山、という道路案内を見て、もし尾道や福山をマークしていなかったら、広島市方面へ正確に曲がれるでしょうか?
道路案内にどこの町が表示されているかは、行って見なければわかりません。比較的大きなを町なら必ず出てるだろうと予想しても、「大きな町はみんな知ってるからあえて小さな町の名前を表示する」というような意地悪?なケースもあります。
そもそもヨーロッパにはとんでもなく読むのが難しい町や村がホイホイあって、も〜何もそこまでというくらいあって、それをいくつも頭の中に記憶しておくことは記憶力世界チャンピオンでもない限り不可能と言えるでしょう。
地名に頼れないない理由その2:音にして読めない地名
私が最近ドライブしたスロヴァキアでは、Liptovskymikulas方面出口、Spisskapodhradie方面出口、Chminianskejakubovany方面出口、なんていう標識が次々とありました。ランダバウトの中をぐるぐる走りながら出口を探している時です。
これを見てもどこを出たらいいのか、ぜんぜんわかりません。発音しにくい地名は記憶するのも難しいのです。仮にこのうちのどれかが当面の目的地で私が事前にマークしていたとしても、果たして運転しながらそれを見つけて瞬時にハンドルを切れるか。
地名に頼れないない理由その3:似たような地名
これからの次のアルファベットを覚えて下さい。
Llanfihangel Llanhamlach Llanfrynach Llanfrechfa Llangyndeyrn Llandissilio
ではもうこのアルファベットは見ないで次の質問に答えて下さい。
Q.アルファベットの中に
「Llanfrechfa」
という綴りはありましたか?
あったと思うならそれは何番目ですか?
実は先ほどのアルファベットは全部イギリスに実在する町の名前です。イギリス西部のウェールズ地方にはこんな名前の町や村がたくさんあって、ランダバウトの道路標識はもうこの不思議な名前が踊りまくるお祭り状態です。
イギリスは日本と同じ左側走行、右ハンドル車、おまけに英語表示だからって安心できませんね。こんなのがランダバウトの出口に表示されていたら、運転しながらパッと見て「あ、ここだ」と判断するのは不可能だワ。いや運転していなくても判断するのは至難の技。
ランダバウトに酷くいたぶられた私の残念な経験
私はランダバウトの中をぐるぐる何周もさまよったあげく、
入ってきた道へ出て行ってしまった経験があります
つまり今まで走ってきた道を後戻りしたわけです。30分走って「あれ、元の場所に戻ってるぞ」とやっと気づいたわけです。
さらにランダバウトには出入り口がたくさんあるタイプや、ランダバウトが連続しているタイプ、いくつかの道路が立体交差しているタイプなどやっかいなボスキャラみたいなのが存在しています。
攻略法は?
- 助手席に座っている人がしっかりナビゲートする
- 1人旅なら事前にしっかりルートを頭に入れおく
- ランダバウト内ではナビを拡大して慎重に走行する
- 間違って時間をロスすることを想定してゆとりを持ったドライブプランを作る
ことです。
イタリアのランダバウト
ひとつ朗報をあげるならイタリアのランダバウトは比較的易しいぞ。
それは「Roma」とか「Napori」かイタリアの地名は日本人に「音」として認識しやすいから。音読みしやすい地名なら覚えることも難しくないですし、ランダバウト内でその地名を見てもわりと簡単に判断できます。
グッドラック!
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それではまたお会いしましょう、良いご旅行を!
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