地球上にこんな楽しい場所があるなんて!キツネザルに餌付けが出来るバコナ保護区ウォーキングサファリ

2019年3月4日

バコナ保護区ウォーキングサファリ

バコナ保護区ウォーキングサファリ

カヌーが船着き場に到着して、ああこれで終わりか、すごく楽しかった、と思いきや、ここからは徒歩で島の森を散策すると言う。

ええ~~!まだあるのーー!

カヌーで水上からいろんなキツネザルが見れただけでも大満足だったのに、今度はウォーキングサファリですかー。なんかすごく得した気分。

 

 

目を丸くしてびっくりしているわたしたちを、フィーデル笑いながら見て、あっちへ行きますよと森のほうを指差す。船着き場から森のほうへ小道が続いていた。

フィーデルのあとをついて森へ入って行く。薄暗い森の中に鳥や虫やいろんな動物たちの鳴き声が響いている。湖に浮かぶ小島にこんなうっそうと繁る深い森があるなんて、ちょっと驚きだ。

 

シロクロエリマキキツネザル

                   シロクロエリマキキツネザル

 

歩いて進むに連れ、何者か、それは虫や鳥より大きい生き物、が、木々の枝をつたってわたしたちのあとをついてきている気配に気づいた。

立ち止まって見上げると、黒っぽい動物たちが枝から枝へ飛び回っている。

ええーー、何だあれ?

 

ハイイロジェントルキツネザル

                  ハイイロジェントルキツネザル

 

その時フェーデルが袋からエサのバナナを取り出す。すると、まるで土砂崩れのような勢いで、その黒い生き物が一斉に枝や幹を伝って飛び移ってきた。

わぁーー!きゃ~~!

ママもこどもたちも悲鳴とも歓声ともつかな金切り声をあげる。その叫び声に驚いて、クモの子を散らすようにいったんぱーっといなくなる。しばらくして何も危険なことはないと確認するとまたぱらぱら木の上から降りてくる。その黒い生物の正体はブラウンキツンザルだった。

 

ブラウンキツネザルに餌をあげる長男

 

フェーデルはこどもたちにもエサを手渡す。え、おれたちもエサやっていいの?とお年玉をもらった子供のように喜んだのもつかの間、たくさんのブラウンキツネザルたちが、今度はこどもの頭や肩や腕の上めがけて飛び乗ってきた。

うひゃぁ~~!たまらずカイもリュウも声をあげる。

こどもだと思ってナメているのか、そのうちすごい数のサルたちに囲まれて、こどもたちの姿が見えなくなる

「おーい、どこだー!?」

「パパ~ここだよ~~」

「大丈夫かーー?」

「あははは、ここすげぇ~~!」

「こんなことあり得ない!こんな楽しい場所が地球上にあるなんて!」

 

あとをついてくるブラウンキツネザル

 

サルは次から次へとやってくる。いつまでもここにいたいがこれじゃあキリがありません。フィーデルがそろそろ橋を渡って向こう側へ行ってみようと言う。カイもリュウもサルたちにバイバイしてフェーデルのあとを歩きだす。が、何匹かのブラウンキツネザルがついてくるではないか。こどもたちが立ち止まって振り返る度に、サルも立ち止まってこどもたちの顔を見上げる。

「おおー、こいつかわいい!、オレの子分にしたい」とカイ

「ねえ、この、オレになついているやつ日本に連れて帰りたい」とリュウ

「だめに決まってるだろう!」とママ。

橋を渡る手前でリュウの子分はついてくるのをあきらめたが、カイの子分は橋の手すりに登ってずっとついてくる。ああ、そんなとこ渡って落っこちるなよ。でもとうとう途中で追うのをあきらめ寂しそうな目で見つめている。

「元気でな」とお別れを言って橋を渡り、もう一度振り返ってバイバイをした。

 

 

橋を渡った先には別の島があって、こっちの島は森がうっそうとしげっているというより、丈の長い草や林のような木々が生えている。

フェーデルが向こうの茂みを指差してちょっと静かに見ててごらんと言う。言われるままにその場でじっとして立っていると、向こうの茂みから、何か白い生き物がぴょんぴょん跳ねながらこっちへやってきた。

え、何?

 

カンムリシファカが近づいてくる

 

横っ跳びしてるその姿はベレンティーで見たベローシファカそっくり。でも体がひとまわりもふたわまりも大きいぞ。顔もちょっと間の抜けた感じで、言い方をかえれば愛嬌ある顔をしている。

 

カンムリシファカに餌をあげるこども達

 

「これはカンムリシファカです」とフィーデルが説明する。

シファカというからにはやっぱりあのベローシファカと親戚のような関係なんだろう。だから横っ飛びの姿もそっくりなんだ。ベローシファカより人に慣れているためぴょんぴょん飛んでこっちにやってきては、こどもたちから手渡しエサをもらう。そのしぐさがこれまた窒息しそうなくらい可愛い。見慣れてくると人間のこどものようにも見える。カイもリュウも弟ができたみたいと大喜びだ。

ジャンプのスピードはベローシファカほど速くない。むしろその横っ飛びに何か意味があるの?と問いかけたくなるほどスローテンポ。それがまた可愛い。

 

                     バイバ~イ!

 

さんざんいっしょに遊んで、お別れして、また橋のほうへ戻る。それからシロクロエリマキキツネザルや、ハイイロジェントルキツネザルにも手渡しでエサをあげて、もうやめてくれ、と言うかやめないでくれプリーズと言うくらい大満足のわたしたちだった。

うっそうと繁る森の中を歩いて動物と出会う。手渡しでエサをあげたり、頭やアゴや手をさわったりもできる。それが世界でマダガスカルにしか住んでいない珍しい動物なのだからたまりません。

子連れ旅行者にお勧めの場所です!