エジプトについて

2019年2月22日

人類最古の文明が栄えたエジプトは、ナイル川が地中海に注ぐアフリカ大陸北東部に位置する国。面積は日本の2.6倍で、国土の9割以上を荒涼とした砂漠に覆われている。しかし、そこはピラミッドやスフィンクス、ツタンカーメンの秘宝、巨大神殿など、21世紀のわたしたちを驚嘆させるスーパー遺跡群の宝庫となっている。

エジプトについて

エジプトについて

一方、紅海に面した美しいリゾート地ではダイビングやスノーケリングなどのマリンスポーツが堪能できる。また、厳しい山岳地帯を擁するシナイ半島や、心やすらぐオアシスなど、古代遺跡以外にも見所は多い。残念ながら、現在のエジプトでは国民の20%が貧困ライン以下、もう20%が貧困ライン上ぎりぎりの生活をしている。そのような経済状況下では、子どもは必須な働き手であり、子どもの労働が当たり前の光景となっている。ユニセフによると、エジプトの6~14歳児のこどもの270万人が労働に従事していると言う。彼らの労働環境は劣悪な場合が多い。

このことに比べると、日本の学校や家庭がかかえている「問題」なんて、どれほど贅沢な悩みかを知るべきではないだろうか?現在の状態に心から感謝すること、明日への1歩はまずそこから始まる。

エジプト基本情報

 首都 カイロ

■ 面積 100万平方キロメートル(日本の約2.6倍)

 人口:7,257万人(2006年人口調査)

 民族:アラブ人(その他、極めて少数のアルメニア人、ヌビア人、ギリシャ人等)

 言語:アラビア語(公用語)、都市部では英語も通用

■ 宗教:イスラム教、キリスト教(コプト教、人口の約1割)

 政体:共和制

 GDP:1,074億ドル(2006年、世銀)

 1人当たりGNP:1,350ドル(2006年、世銀)

通貨 

*2009年4月現在、1エジプトポンドはおよそ17、8円

通貨単位 : エジプトポンド(LE)
補助単位 : ピアストル(pt)

1エジプトポンド(LE)=100ピアストル(pt)

紙幣 : 100/50/20/10/1LE
     50/25/10/5pt

硬貨 : 50/25/10/5pt

日本円、USドル、ユーロの現金は、空港内や市内、一流ホテル内にある銀行などで両替できる。

またUSドル、ユーロの現金は、大きなレストランや土産物店ではそのまま使用できる。ただしトラベラーズ・チェックの両替には多額の手数料を取られるケースが多いので注意しよう。

両替にはパスポートが必要。帰国後、日本の銀行で、エジプトポンドから日本円に再両替することはできない。

エジプトのピラミッド

住宅街の先にピラミッドが見える / カイロタワー。以前はゲジラタワーと言った / ナイル川の流れよ~~

気候と服装

11月~2月の冬場は、ウールやフリースの衣類、コート等、防寒着が必要。最も気温が低いのは1月。しかし最低気温が5度を下回るのはまれ。また最高気温は真冬でも15度以上になる。夏は最高気温が40度を越えることも珍しくないが、湿度がなく乾燥しているので、日本の夏と比較するとしのぎやすい。

日差しが強いので、サングラス、帽子、日焼け止めが必要。3月~10月までの日中は半袖で過ごせるが、朝、夕は冷え込むことがある。

歩きやすい履き慣れたウォーキング・シューズが理想。

雨はほとんど降らない。

ビザにつて

入国の際にはパスポートとビザが必要。 ビザは下記の方法で取得できる。

■エジプトのカイロ空港で取得する場合

(残存期間6ヶ月+滞在日数が必要)

1) 入国審査へ向かう途中の銀行で、両替する際に一緒にビザ用印紙を購入する。
2) ビザ用印紙、パスポート、入国カードを揃えて入国審査官へ提出。
(航空券がない場合は出国の手段を説明する)

■陸路(イスラエルからバス)でエジプトへ入国する場合

テルアビブにあるエジプト・アラブ共和国大使館(54 Basel St. Tel Aviv. TEL: 546151)で 取得する。
エイラットにあるエジプト領事館 (68 Ha’Efroni St. Elat TEL:76882)でも取得できる。

■日本で取得する場合

・パスポート(残存期間6ヶ月+滞在日数)
・写真(35×45以上のもの)1枚
・予約済みの往復航空券または予約確認書
・ビザ申請料 シングル5,500円 数次7,000円 
・本人の署名がしてある申請書

※詳細は駐日エジプト・アラブ共和国大使館査証部へお問い合わせ下さい。
住所:東京都目黒区青葉台1-5-4 電話:03-3770-8023

大使館のHPはコチラ

時差

日本との時差はマイナス7時間。夏時間採用時(5月1日~9月30日)は-6時間。

電圧

エジプトの電圧は220ボルト。コンセントの形状は差し込む先が丸いコンチネンタル・ヨーロッパ式Cタイプ(丸型2穴)。

日本からのアクセス

エジプト航空が、東京、大阪からカイロへの直行便を運航している。東京発週3便、大阪発、週2便。所要時間は約13時間。

エジプト航空
http://www.egyptair.com.eg/

トルコ航空でイスタンブール経由又は、エミレーツ航空ドバイ経由

イスタンブール~カイロは約2時間15分、ドバイ~カイロは約2時間半。イスタンブール、ドバイへはそれぞれ日本から直行便がある。

ヨーロッパ経由

日本からの直行便があり本数も多いヨーロッパ主要都市からのアクセスもおすすめ。時間に余裕があれば経由地での観光も楽しめる。地理的には東欧からの所要時間が短い。カイロに最も近いヨーロッパの都市、アテネへは日本からの直行便がない。

欧州主要都市からのアクセスは下記を参照して下さい。

Amsterdam (オランダ/アムステルダム) 5時間40分

Athens (ギリシア/アテネ) 2時間15分

Berlin (ドイツ/ベルリン) 4時間45分

Brussels (ベルギー/ブリュッセル) 4時間45分

Budapest (ハンガリー/ブダペスト) 3時間30分

Copenhagen (デンマーク/コペンハーゲン) 5時間

Dusseldorf (デュッセルドルフ) 4時間55分

Frankfurt (ドイツ/フランクフルト) 5時間05分

London (イギリス/ロンドン) 5時間05分

Madrid (スペイン/マドリード) 5時間

Milan (イタリア/ミラノ) 4時間

Rome (イタリア/ローマ) 3時間10分

Stockholm (スウェーデン/ストックホルム) 4時間45分

その他 Nairobi (ケニア/ナイロビ) 4時間、Johannesburg (南アフリカ/ヨハネスブルグ) 7時間05分

詳細は各航空会社へお問い合わせ下さい。

アジア経由

マレーシア航空やシンガポール航空でもカイロへアクセス可能。日本からクアラルンプール、シンガポールへのフライトが多いことが魅力。また経由地や東南アジアのリゾート地と組み合わせることもできる。

個人手配とツアー

個人手配の魅力は、なんと言っても自由度の高さ。リクソールには最低3泊したいとか、遺跡観光と紅海のリゾートでの滞在を組み合わせたいとか、個人の好みで自由にスケジュールが組める。ホテルのグレードや移動手段にこだわれるのも個人手配のいいところ。ただしエジプトを個人手配でまわるのはなかなか大変だ。言葉や習慣の違いの他、公共交通機関があまり発達していない点も、個人手配旅行者にはハードルが高い。まして子連れ旅行者にはなおさらと言える。

さらに、カイロやルクソールなど1カ所に長く滞在するのならまだしも、エジプトの主要観光地を一通り観てまわろうとすると、周遊型移動型の旅行にならざるをえない。そのぶん移動手段やホテルを手配する回数が増えるので、個人への負担も大きい。また同じ内容の旅行であっても、個人手配のほうがツアーよりかなり割高になってしまう傾向があることも否めない。

それらの要素を考慮すると、エジプト旅行、特に子連れ旅行にはパッケージツアーを利用したほうがメリットが大きいと言える。

一般的なパッケージツアーの内容は次の通り。

期間/8日間、旅程/カイロ、ギザ、ルクソール、アスワン、アブシンベル、全食事付き、添乗員同行、料金/16~24万円(料金は旅行の時期やホテルのゲレードによって異なる)

トラブルが起こった時の対応を考えると添乗員が同行するのは心強い。また個人手配で計画しても、訪問地に関してはツアーとあまり変わらない。金額的にも、同じような内容を個人手配で組んでも、ツアーの料金より安くあげることは不可能だ。

ツアーの難点は、シャルムエルシェイクやハルガタでダイビングやスノーケリングを楽しみたくても、遺跡観光と組合わせたものはまずないということ。(カイロ+ビーチリゾートというのはたまにあります)

エジプトのイスラムモスク

カイロ市内にはイスラムモスクが林立する

エジプトの世界遺産

■アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群

アブ・シンベル大神殿・小神殿、フィラエ神殿、カラブシャ神殿などヌビア地方の遺跡群は、アスワン・ハイダムの建設により水没の危機にさらされた。しかし、ユネスコの救済キャンペーンにより、神殿14、聖堂3、墳墓1が救われ、現在に至っている。

■メンフィスとその墓地遺跡 =ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯

ギザの3大ピラミッドやスフィンクスをはじめ、サッカラの階段ピラミッド、ダハシュールの屈折ピラミッド、メンフィス遺跡などの建造物。カイロからも近くエジプト観光のハイライトと言える

■アブ・ミナ

エジプト独自のものでキリスト教の一派であるコプト教の遺跡群。

■古代都市テーベとその墓地遺跡

古代エジプトの都であり「テーベ」と呼ばれたルクソールのナイル川東岸の神殿や、西岸の王墓などの遺跡群。

■シナイ山の聖カトリーヌ修道院

シナイ半島南部にある世界最古の修道院のひとつ。

■イスラム都市カイロ

カイロのイスラム地区やオールドカイロにある7世紀から20世紀に建てられた建造物。

カイロからエジプト国内各地への所要時間(空路)

Abu Simbel(アブシンベル) 2時間20分

Alexandria(アレキサンドリア) 45分

Aswan (アスワン) 1時間15分

Hurghada (ハルガダ) 1時間

Luxor (ルクソール) 1時間

Sharm El Sheikh (シャルム・エル・シェイク) 1時間

カイロからエジプト国内各地への所要時間(陸路)

ルクソール 列車 12時間

アスワン 列車 16時間

アレキサンドリア 列車 3時間以内 車 3時間位

エジプトのイベント

子供ソング国際ナイルフェスティバル 1月

子供シネマ・カイロ国際フェスティバル 3月

エジプト国際マラソン 2月

ハルガダ・フィッシング国際競技会 2月

イスマイリア・キャメル・レース・フェスティバル 2月

アラブ種馬フェスティバル 9月

アブ・シンベル太陽祭 9月

ツタンカーメン墳墓発見フェスティバル 11月

エジプトの古代王朝の時代区分

▪ エジプト初期王朝(紀元前3150年-紀元前2686年)

▪ エジプト古王国(紀元前2986年-紀元前2181年)

▪ エジプト第一中間期(紀元前2181年-紀元前2040年)

▪ エジプト中王国(紀元前2040年-紀元前1663年)

▪ エジプト第二中間期(紀元前1663年-紀元前1570年)

▪ エジプト新王国(紀元前1570年-紀元前1070年)

▪ エジプト第三中間期(紀元前1069年-紀元前525年)

▪ エジプト末期王朝(紀元前525年-紀元前332年)

▪ プトレマイオス朝(紀元前332年-紀元前30年)

ギザのピラミッド

エジプト子連れ旅行記の目次

  1. エジプトについて
  2. ポートサイドに上陸〜露店で帽子を買った時の日本ではあり得ないやり取り
  3. ポートサイドからツアーバスでカイロへ〜そこまでやるかVIP待遇
  4. 千夜一夜物語の都カイロはイスラム圏最大の世界遺産都市
  5. ギザの3大ピラミッド
  6. ラクダに乗ってピラミッドを見るっていかにもエジプトっぽいアクティビティが意外と楽しい
  7. カフラー王のピラミッド内部に潜入
  8. 馬車に乗ってスフィンクスの謎に迫る
  9. オベロイホテルでエジプシャンランチビュッフェ
  10. エジプト考古学博物館とツタンカーメン王の秘宝
  11. カイロのみやげものショップで買ったオベリスクのボールペンとエジプト国外に持ち出されたオベリスク
  12. さよならエジプト〜子ども達がエジプトで印象に残ったことランキング