経済の仕組みは子供時代に遊んだボードゲーム・モノポリーで学びました〜フランクフルトへすすめ

2019年2月21日

モノポリーは米国東海岸にあるカジノの町、アトランティックシティーに実在する通りの名前を使い、

不動産の売買や開発を通じて利益をあげていくゲームだ。

毎年、世界選手権が開催されるほど絶大な人気をはくしており、

1935年に発売されて以降、累積プレーヤー人口が最も多い世界ナンバーワンボードゲームである。

日本モノポリー協会

ロイヤルモノポリー

アトランティックシティーの通りの名を、世界の都市名に置き替えてバージョンアップしたのが、「ロイヤルモノポリー」だ。(すでに絶版となっておりお店で買うことはできません)

わたしは小学校5年生~中学2年生の時期に、友達や家族とこのゲームを何千回やったかわからない。

大学を卒業し、国内外の証券会社や投資銀行、投資顧問会社を転職し、なんとかこれまでやってこれたのも、こどもの頃にこのゲームを通じて、不動産や株の売買、経済の仕組みを曲がりなりにも肌で体験してきたからだと思っている。

家族や友達と楽しく遊びながら、投資やお金について学ぶことができるモノポリーは、ぜひ家庭に1つ揃えておきたいボードゲームだ。

フランクフルト空港のパスポートコントロール

             フランクフルト空港に到着 / ここでパスポートコントロールがある

それはさておき、このロイヤルモノポリーにはバンクーバーとかロンドン、マイアミなど世界の都市が登場する。

こども心に「へぇ~世界にはいろんな名前の都市があるんだな」と思っていた。

中でも初めて「フランクフルト」という地名を見た時、まさかそんなソーセージみたいなまちが本当にあるとは思わなかった。(そうするとバンクーバーはハンバーガーではないかと思えたりした、笑)

ちなみにソーセージの本場ドイツでは、ソーセージに地方ごとに多種多様な形態があり、その地名を冠して呼ぶことが多い。太くて大きなソーセージは、フランクフルト名産のヴルスト(ソーセージ)なので、フランクフルターヴルスト(フランクフルト風ソーセージ)と呼ばれている。

                       乗換えフロアーの様子

フランクフルト国際空港

欧州中央銀行の本部が置かれ、大陸の金融の中心都市として発展を続けるフランクフルト・アムマイン市。フランクフルト国際空港はその市街地の南、わずか12kmのところにある。

空港にはドイツ国鉄が乗り入れており、フランクフルト市内はもちろん、デュッセルドルフや、ケルン、シュツッツガルトなどドイツ国内主要都市、さらにはストラスブールやバーゼルと行ったフランス、スイスの都市へも空港から列車で直接アクセスすることができる。

Airport Councilの調査によると、2007年3月~2008年2月の1年間にフランクフルト国際空港を利用した旅客数は、およそ4747万人。これは旅客数ランキングにおいて世界第4位の規模だ(国内旅客の多いアトランタ空港や東京/羽田空港はこのランキングの対象外)。ただしこの空港を利用する人の約8割が乗り換え客フランクフルトが地理的に、西欧と東欧、北欧と南欧を結ぶ中間地点にあるため、乗換えの需要が大きい。またアフリカや中近東、アジア、アメリカ方面と欧州各都市をつなぐ役割もになっており、ルフトハンザ航空が、フランクフルト空港をハブ空港として活用している。

コンコースは全部で5つ。そのちA、B、Cがターミナル1に、E、Fがターミナル2にある。ちなみにルフトハンザ航空はターミナル1/コンコースBを使用してい今まで他の項でもさんざん触れてきたが、ヨーロッパまでの航空券を購入する時、一番気をつけなくてはならないことは、航空会社と空港の関係を知ることだ。

例えばフランクフルト空港はルフトハンザ航空のハブなので、ルフトハンザと同じスターアライアンスグループの航空会社を利用しないとひどい目にあう。JAL(スターアライアンスではなく、ワンワールドという別の航空会社グループ)でフランクフルトに行き、そこからルフトハンザに乗り換えて、ギリシャやイタリアへ向かうのはNGなのだ。同じようにチューリッヒ空港や、ウィーン空港、ブリュッセル空港、ストックホルム空港、ミュンヘン空港へもJALで行ってはいけません。(これらはすべてスターアライアンスの拠点空港)

全日空はルフトハンザと同じスターアライアンスのメンバーなので、フランクフルト空港では同じターミナルを利用し、スムーズに乗り継ぎできるように、乗り継ぎ便のフライトスケジュールまで調整してある。ちなみに全日空でパリ/シャルルドゴール空港へ行き、エールフランスに乗り継いでスペインやイタリアへ行くのもNG(どえらい目に会う)デス。

小6の転校

わたしは小学校6年生の時、父親の仕事の都合で東京から島根県の小学校に転校した。当時東京と島根ではまるで外国、というくらい大きな違いがあった。高度経済成長下の東京ではどんどん人が集まってくる。人口構成も年齢が若いほど多くなる典型的なピラミッド型だったので、小学校でも1年生はなんと18クラスまであった。

一方わたしが転校した先の島根県と山口県と広島県の県境にある、いわば日本のチベットみたいな秘境の村では、すでに過疎と高齢化が進行しており、年齢が低いほど人口が少ないいわゆる逆ピラミッド型の人口構成になっていた、だから一番下の1年生は全学年に3人しかいない状態。

フランクフルト空港のラウンジ

                    フランクフルト空港のラウンジ

1学年18クラスあるマンモス校から、1学年3人しかいない過疎の村の小学校への転校。さらに転校する前は友達と地下鉄に乗って渋谷へ遊びに行っていたような生活(プラネタリウムや渋谷児童館へよく行ってました)から、自宅の半径4km以内に家が1件もない生活への急転換は、とまどうことだらけ。

その転校先の小学校で仲良く話しかけてくれ、親友になったのがヒロくんだ。わたしがその村にいた期間はわずか2年半だったが、ヒロくんや学校の友達とは何回モノポリーをやったかわからない。これからそのヒロくんと、ロイヤルモノポリーに登場するフランクフルトで会う

ヒロくんは現在会社の仕事でフランクフルトに赴任しており、今日わたしたちに会いにわざわざ時間をさいてやって来てくれるのだ。

フランクフルト空港ラウンジの食事

再会

ラウンジに姿を表したヒロくん、やーやーひさしぶりだね。2006年4月にこちらに赴任したということは、ドイツのワールカップではたくさんのサッカー選手を見たでしょう。

「うんうん、たくさん見たで~」

サッカー大好きなカイとリュウは身を乗り出して話しに割り込んでくる。さらにヒロくんはブンデスリーグの年間パスを持っていて、いつでも試合が見れると言う。いいな~、いいな~、ついこの間行われた欧州チャンピオンズリーグももちろん観た。まさかヒロくんがこんなにサッカー好きだったとはしらなかったよ!

またいつでも遊びに来いな、今度は乗り換えじゃなくてちゃんとフルンクフルトで降りるんだよ、そしたらサッカーの試合に連れてっちゃる。

ほんと~やったーー!1

楽しい時間はあっと言う間にすぎ、ヒロくんとのお別れの時間がやってきた。となりの村へ出るにも大変な山奥の小学校に通ってた2人が、今こうしてフランクフルト国際空港のラウンジで笑いながら話している。

「あの頃のおれたちが知ったらびっくりするよな」

「はっはっはっ、あのモノポリーにあったフランクフルトだよ!」

わたしとヒロくんが出会ったのが小学校6年生の時、カイはもうすぐその年齢になる。まったく人生ってどこでどうなるか、何が災いして何が幸いするかなんて本当にわからないね。だから面白いんだし、今という瞬間を大切にして、何がおこっても感謝しなくちゃいけないんだ。

「じゃあ、そろそろ仕事に戻らなくちゃ」

「そうか、今日は会えてよかったよ、ありがとう」

「また会おう!元気でな!」

わたしたちが少年の頃、ゲームでしかその名前を知らなかったフランクフルト。

手を振るヒロくんの瞳には、12歳の少年の姿がだぶって見えた。