【メテオラ子連れトレッキング体験記】交通手段・時間・日帰り観光・回り方
ども、カリメラ、小2、小5の子連れ家族4人でギリシャ・メテオラ旅行中のイルカパパです。
カラバンカのレストランメテオラでお昼を食べてエネルギー補給した我が家。いよいよギリシャ旅行最後のビッグイベント「メテオラ子連れハイキング」に出かけます。
帰りの列車の時間を考えて、一番奥の修道院までタクシーで行き、そこからメテオラをハイキングしながらカラバンカ駅まで戻ってくるというプランです。
それでは最後までお楽しみください。
世界遺産メテオラはまるで天空の城ラピュタ
まじか?
私の目の錯覚でなければ、ロッククライミングでしか登れないような急峻な岩山の頂上に、建物が乗っているように見えるぞ。
もしこの光景が現実なら、いったい誰がどうやって、こんなアブナイい場所に、建物を建てたのだろう?
まるで無重力で空中浮遊した天空の城ラピュタかセロのマジックのようだ。
ロサンゼルス生まれの日系アメリカ人、セロはマジック界に革命をおこした驚愕のイリュージョニスト。12歳で「マジックの殿堂」と称されるハリウッドのマジックキャッスル・ジュニアメンバーに抜粋されている。ハンバーガーの写真付きメニューから本物のハンバーガーを取り出して食べたり、テレビ映像の中の人物からバンダナを奪ってサインをして映像の中に返すなど、彼の繰り出すマジックは、とてもこの世の出来事とは思えない
思いっ切り話しがそましれた(汗)
メテオラとは「宙につりあげられた」という意味。
ピンドス山脈から流れ出るピニオス川によってカルスト大地が浸食され、20mから高いものでは600mもある不思議な岩の塔ができあがった。その数は60あまり。
その奇岩群の頂上に、バルカン半島に侵攻してきた異教徒からの迫害を免れるため、修道院が建てられたのが始まりとされる。
これらの修道院はギリシャ正教の聖地として代々の国王の保護を受け発展し、全盛期とされる15~16世紀には24もの修道院が岩の塔の上に建っていた。しかし、18世紀以降衰微し、今日ではメガロ・メテオロンほか4つの修道院に数十人の修道士、修道尼が住んでいるにすぎない。
20世紀になるまでは、岩山に登る階段もなかったというから、まさに地上と隔絶された世界だ。
ちなみに修道院とは、イエス・キリストの精神に倣って、修道士が祈りと労働の共同生活を営むための施設。男女別になっており、修道士、修道女は生涯独身を守る
メテオラは、その文化的価値と、すばらしい自然環境の両方が評価され、1988年に世界遺産の複合遺産(文化、自然の両方の価値がある遺産)として登録されている。
メテオラへの行き方
ツアー
メテオラへはアテネから鉄道や専用バスを利用したツアーが催行されている。
料金は鉄道利用ツアーで1人120ユーロ、専用バスツアーで250ユーロ、が目安。(子供割引きあり)
専用バスツアーの場合、往路にデルフィなどの観光地に立ち寄り、メテオラに1泊する。
メテオラへの行き方の中でいちばん費用が高いが、手配の手間や移動の心配がいらないので楽チン。ただし子連れの場合(特に小学校低学年以下)、バスツアーの長時間団体行動はハードルが高い。
一方、鉄道利用ツアーは日帰りが一般的。
鉄道
個人手配で訪れる場合は国鉄利用が便利。メテオラ観光の基点となるカランバカまで、アテネから毎日2本の直通列車が運行している(2020年5月現在は直通列車は午前8:20の1本のみ)。
アテネ~カランバカ間の所要時間は4時間半。午前8時20分の列車で出発し、17時36分の列車で戻れば我が家のように日帰りも可能。その場合メテオラでの滞在時間はおよそ4時間半。
鉄道料金はアテネ〜メテオラ往復で30〜40ユーロ程度(割引きやクラスによって異なります)
鉄道のメリットはツアーやバスより料金が安いうえ、日帰りが可能なので、宿泊費もかからない点。
デメリットは遅延がよくあるということ。それから欧州の他の国と比べると鉄道の移動に旅情を感じにくこと。
バス
アテネからトリカラ経由で路線バスも運行している。1日8本。アテネ~トリカラの所要時間はおよそ5時間。またトリカラ~カランバカは約30分。
アテネ〜カラバンカの往復運賃は65ユーロ前後。鉄道より高いうえ時間もかかるのでバスを選択する合理的な理由はありません。
レンタカー
人数が多ければレンタカーで行く方法もいいかもしれない。
アテネ・シンタグマ広場からカラバンカ駅までの距離はおよそ353km、所用時間は約4時間。
レンタカーの場合、メテオラ観光も車で行えるので効率的だ。
カラバンカ駅から最高所にあるメガロメテオロン修道院までの距離はおよそ6.7km。徒歩で行かない限り現地での移動にもタクシー代やバス代がかかるので、レンタカーで回ればその分の費用も削れる
ただしレンタカーの場合アテナからの日帰りはきつい。その場合現地で宿泊するホテル代が必要になる。
アテネ・メテオラドライブルートマップ
参考記事・広告じゃないよ〜
メテオラ観光
日帰り観光するために最も効率的な回り方
- カラバンカ駅からタクシーでアギオスステファノス修道院
- アギオスステファノス修道院から徒歩でアギアトリアダ修道院
- アギアトリアダ修道院からタクシーでメガロメテオラ修道院
- メガロメテオラ修道院から徒歩でヴァルラーム修道院
- ヴァルラーム修道院から徒歩でルサヌー修道院
- ルサヌー修道院から徒歩でアギオスニコラオス修道院
- アギオスニコラオス修道院から徒歩でカストラキ村を通過してカラバンカ駅
このモデルプランのケースは2カ所の修道院の内部見学込みで所用時間は3時間強。
またはカラバンカ駅から徒歩でアギアトリアダ修道院、アギオスステファノス修道院を巡り、アギオスステファノス修道院からタクシーでメガロメテオラ修道院(以下は4番以降と同じ)とまわる方法もある。その場合の所要時間は4時間弱。
修道院前に客待ちのタクシーがいない場合は、近くの売店で呼んでもらおう。ただしルサヌー、ニコラオス修道院前には客待ちタクシーも売店もないため、モデルプランの「逆回り」は難しい。
何れにしてもアテネから列車で13時過ぎにカラバンカに到着し、17時半の列車までの4時間半の時間内で観光&ハイキングが可能だ。
カラバンカからメテオラへの交通移動手段
観光タクシー
カランバカ~メテオラの往復+おもな修道院をまわって料金はおよそ70~80ユーロ。所要時間は2時間〜半日程度。タクシーはカランバカの駅前とタウンホール広場で客待ちをしている。(料金と時間は交渉次第)
路線バス
カランバカからメガロ・メテオロン修道院行きの路線バスもある。カランバカタウンホール広場発着で、1日2〜4本。所要時間15分、料金は大人1.1ユーロ。
タクシー
カランバカ駅からメガロ・メテオロン修道院へタクシーで行く場合、料金はおよそ6〜10ユーロ。所要時間は10分弱。カラバンカ駅からアギオスステファノス修道院へも同様。タクシーを利用する場合は、いくつかの写真撮影スポットで止まってもうらうように交渉しよう。
徒歩
徒歩でまわる場合は、カランバカの北西ビザンティン教会付近からアギア・トリアダ修道院方面へのトレッキングコースを利用しよう(トレイルの長さはおよそ3km)。その後アギオスステファノス修道院に行きメガロ・メテオロン修道院までタクシー利用。
メガロ・メテオロン修道院からヴァルラーム、ルサヌー、ニコラオスの3つの修道院を徒歩で回ってカストラキ村を経由してカラバンカへ戻る。メガロ・メテオロン修道院からカラバンカ駅までの距離はおよそ6.5km。
全ての行程をカラバンカから徒歩で回れば観光料金がタダにできるぞ(修道院への入場料は必要)。カラバンカからメテオラの主な修道院と展望台を1筆書きでぐるっと巡るとだいたい13km。帰りの列車が出るまでの4時間半で展望台などで休憩しても回れる距離だ。
*我が家の場合は事前情報がなかったので行きはタクシー利用、帰り徒歩でした。詳しくはこのあとのメテオラ子連れハイキングで紹介します。
宿泊
カランバカのホテルは、町の入り口、駅前、セントラル広場~タウンホール周辺に集まっている。
1泊2日のバスツアーで訪れる場合、カランバカにある3つ星~4つ星クラスのホテルに泊まるのが一般的。
隣のカストラキ村にも宿泊施設がある。こちらはファミリーロッジやキャンプサイトが多く料金もカラバンカ駅前より安い。
カランバカ駅からカストラキ村までおよそ1.5km。
カストラキ村からメテオラの入り口にあるアギオス・ニコラオス修道院のふもとまでおよそ1km。
メテオラの修道院
修道院見学の注意点
世界遺産メテオラにある修道院は6カ所。見学の閉館時間は意外と早いので、あらかじめチェックしておこう。冬期は特に早くなる。
館内を見学する場合、服装に注意すること。半ズボン、タンクトップ、ミニスカート等、肌の露出度の高い格好は厳禁だ。女性はズボンもだめ。ただし修道院の入り口でロングの巻きスカートを貸してくれる。
どの修道院にも駐車場があり、屋台や土産物屋が並んでいる。ミネラルウォーター等のドリンク類はカランバカから持参したほうが安い。
見学時間、休館日は修道院ごとに異なるうえ、同じ修道院でも夏季、冬季でも異なる。
アギア・トリアダ修道院
565mの垂直な岩山の上に建つ修道院。メテオラを代表する風景として絵ハガキなどでもよくお目にかかる。カランバカ~メテオラのトレッキングコースの北側にあり、館内に入るには130段の階段を登らなければならない。
修道僧ドメティウスによって15世紀に建造された。 当時の生活を最も忠実に守っている僧院。
また映画007シリーズ「For Your Eyes Only」では、敵役のギリシア人富豪クリスタトス氏のアジトとして登場した。
アギオス・ステファノス修道院
カランバカ村にむかってせり出した、テラスのような高さ575mの岩山の上にある女子修道院。
ここから眺めるカランバカ村は絶景。アギア・トリアダ修道院からおよそ2km。
メガロ・メテオロン修道院
メテオラ出身の修道士アサナティオスによって14世紀に建てられた、メテオラ最大規模の修道院。カランバカから見ると一番奥の613mの岩山の上に鎮座する。
館内には博物館や展望台、売店などがある。カランバカから路線バスの便もある。時計周りにメテオラを観光する場合、ここまでバスかタクシーでやって来て徒歩で回るのがおすすめ。
ヴァルラーム修道院
1541年に建立された修道院。メガロメテオラ修道院とは深い谷を挟んで隣にある。
修道院内にあるフランゴス・カテラノスによって描かれたフレスコ画は見逃せない。また頂上広場からの景色も必見。
ルサヌー修道院
救世主変容を記念して1545年に建立された修道院。聖女ヴァルヴァラにも捧げられており1950年以降は女子修道院となっており。切り立った石柱の上に3層建で築かれた外見は岩と一体の建物に見える。
近くから見るより、上方から周囲の岩山と対比しながら見る方がより「宙づり感」が増す。
アギオス・ニコラオス修道院
一番カストラキ村に近い所に作られた修道院。クレタ島出身の画家テオファニスによる壁画がある。
カストラキ村の入り口までまずか200mで、村にはホテルやレストランがたくさんある。
メテオラ子連れハイキング
ランチが終わったら、いよいよトレッキング・ハイキングに出発だ。
メテオラの魅力は、奇岩がそびえる不思議な光景の中に、歴史的建築物と美しい自然が共存しているところにある。
それらをたっぷり堪能するには、自分たちの足で歩くのが最適。
まずはタクシーでスタート地点であるメガロ・メテオロン修道院まで行き、そこから奇岩が林立する山中を親子で子連れハイキングするという計画。
タウンホール広場からタクシーに乗り込み、カランバカを抜け、カストラキ村を通り越し、メテオラに突入するぞ〜。
メガロ・メテオロン修道院はおよそ613mの岩山の頂上にあるので、タクシーは一気に600m以上の高低差を登ることになる。
まるで小型飛行機で上昇するように、景色が下に流れてゆく。
みるみる空が近づいて来たと思ったら、カランバカを出発しておよそ10分でメガロ・メテオロン修道院に到着した。料金は6ユーロだった。
メガロ・メテオロン修道院の駐車場には大型バスが何台も止まり、たくさんの屋台や露店が並んでいた。
土ぼこりが舞うその人ゴミの向こうに、蜃気楼のようにメガロ・メテオロン修道院が浮かび上がっている。
おお~~!。さすがメテオラ最大規模の修道院だ。
駐車場から一段下った岩山のテラスのような場所に降りてみる。
ここから崖下まで500m以上ある。縁に近づくと谷底に身体も心も吸い込まれるようだ。
岩が垂直に落ち込む谷底のむこうには、別の岩山があって、その上にも修道院が建っている。
「向こうのは何ていうの?」
「あれはたぶんヴァルラーム修道院だろう」
谷を飛び越えるように1本のケーブルが渡してあり、それが風にゆらゆら揺れている。荷物を吊るして運ぶためのものだろうけど、
あんなとこで綱渡りしろって言われたらやだなぁ~~、
って誰も言わねーよそんなこと!!
タクシーで登ってきた道に戻って少し下り、今度はヴァルラーム修道院の駐車場を過ぎたところから脇のトレイルに入る。
「ちょっとどこへ行くの?」
ママが怪訝そうに呼び止める。
「えっ?このトレイルを行ったらあそこに見えているルサヌー修道院に着きそうじゃない?それに近道っぽいし」
でもママは「そんなアブナそうなとこ歩きたくない」と言って拒否。リュウといっしょにそのまま道路を大回りして行くと言う。
じゃあ、ルサヌーの駐車場あたりで会おう。
それでわたしとカイは近道っぽく見えるそのトレイルに分け入ったのだが、歩き初めて数分で、この選択は間違いだったことに気付いた。
道路から見下ろした時は、簡単に歩けそうな感じだったのに、いざ歩いてみると思ったよりアップダウンが激しい。
それに米粒のように小さく見えていた石が、近づくと5階建てのビルくらいの高さがあったりする。
ひえぇ~~、こりゃちょっと越えて行くだけでも大変だ。
しかしすでに道路からかなり下ってきているので、今さら引き返すなんて考えられない。
下って来た道を引き返すというのは、登らなければならないからだ。
山にはこんな戒めの格言がある。
人は下り(楽な道)で遭難する
まあわたしたちは遭難はしなかったけれど、大変な目には遭った。歩いてきたトレイルはやがてなくなり、薮の中を進むはめに。
しかもいよいよ向こう岸と思ったら、ルサヌー修道院がある岩山との間に深い亀裂があって、これを渡るのがまた一苦労。やっとルサヌー修道院のふもとに到着した時には、道路を大回りしてたママとリュウが待ちくたびれていた。
「パパとカイ、遅いよ~」
「ごめん、ごめん、こんなに大変だとは思わなかったよ」
「急がばまわれってまさにこのことだね」
いや~でもアドベンチャー気分を満喫できたのでそれはよかったかな。
息を切らしたどり着いたルサヌー修道院の駐車場から見上げる風景はすばらしかった。谷の反対側の岩山の上にはヴァルラーム修道院が見えている。
ここから見上げると本当に2つとも修道院が宙につり上げられたかのようだね。まさに天空の城ラピュタの世界だ。
それから深い緑に覆われたメテオラの山道をみんなで下って行く。
こどもたちが小さかったころは、ハイキングの途中、家族で口ずさむ歌の筆頭は「さんぽ」だった。(アニメ映画「となりのトトロ」オープニングテーマ曲/作詞:中川李枝子、作曲・編曲:久石譲)
それが今は「GReeeeN」に変わった。まあこどもがそれだけ成長しているってことで、親はその分年をとってるんだね。
みんなで歌を口ずさみ、緑のシャワーを浴びながら新鮮な空気を胸いっぱい吸い込んで、まぶしいほどの木々のトンネルを歩いて下る。
うひゃぁ~~、正面に見えるソフィカ山の景観もすごいぞ。
抜けるように青い空をバックに、何百メートルもある巨大な霜柱が地面に突き刺さっているようだ。
少し歩くと岩山と岩山の間が広く開けた開放感のある場所に出た。
メテオラというのは、その景色が現実離れしている上に、修道士たちの厳しい修行のイメージと重なって、異次元空間のような雰囲気が漂っている。
その意味で、ここはまさに幻想的なメテオラと、現実世界を隔てる「門」のよな場所ではないだろうか。
そしてその門の向こうの現実の世界には、陽光を浴びてカストラキ村が見えてる。
さらに下って、アギオス・ニコラオス修道院を右手に見上げて通り過ぎると、やがてカストラキ村の入り口に到着する。
ついにここまで戻ってきたか~~。
カストラキ村に戻って一番最初に目に入る建物は、観光客向けのロッジ。中庭のプールではこどもたちが楽しそうに遊んでいる。
さっきまで、森の中からひょこっと中世の騎士が飛び出してきそうな雰囲気だったのに、幻想の世界から現実の世界に一気に引き戻された気持ちだ。
でも現実の世界に戻って来たのなら、それはそれでアタマのほうも現実的に切り替えよう。
いっぱい歩いたからノドが乾いたし。
さあ、ではみんなで冷たいアイスクリームでも食べようか!
「いえぇ~い!」
「やったーー!」
額の汗を拭おうともせずお店に駆け込むこどもたちを、テラスでくつろぐおじいさんがニコニコしながら見ていた。
カストラキ村を出ると、遠くにカランバカが見えて来た。
「ええ~まだあんなに歩くのかー」
へたに先が見通せるだけにつらいこともある。ここからゴールのカランバカ駅まで1.5kmくらいだろうか。ずっと下りなので膝が笑ったような感覚になってる。アスファルトからの日差しの照り返しもけっこうきつい。それにさっきアイスを食べて水も飲んだのに、もうノドがカラカラだ。
でも、がんばれ~、ゴールまであとちょっとだぞ。
そしてメガロ・メテオロン修道院を出発して2時間半、ついについにわたしたちはカランバカに戻ってきた。
やったねー、この爽快な疲労感がなんとも言えません。
時計を見ると時刻は午後4時半。
列車の時間まではまだ50分近くある。余裕だ。いや、けっこう大変だったけど。
こうして我が家のメテオラハイキングは無事終了したのだった。
新鮮な空気を吸いながら、世にも不思議な景観の中を家族で歩いた時間。
それは日本に帰っても、いつかキミたちが大人になっても、ずっとずっと胸の奥で輝き続けるだろう。
メテオラの山中は、今まで訪れた中でも最も子連れにおすすめのトレッキング・ハイキングコースだ。
我が家がハイキングしたルート
アテネへ帰る車中の出来事
メテオラトレッキングを終えて、アテネへ帰る列車の時刻までには余裕を持ってカラバンカ駅に戻ってきた私たち。
帰りの列車は満席で指定席が取れていません。さて本当にアテネまで4時間半、ラッシュアワーのような満員電車でにぎゅーぎゅー詰めになってしまうのでしょうか。
ま、先のことは心配しても仕方ない。なるようにしかなりませんからね、と考えてホームへ向かいます。
満席って言われてたのにガラガラってどーゆーこと?
カランバカ駅のホームでは、すでにアテネ行きの列車が待機していた。
席が取れなかったわたしたちは、アテネまでの4時間半、立ったまま帰らなくてはならない。
しかも猛暑のメテオラ山中を駆け回ってきた後に。
これは、えれぇ~修行だ。
ドアが開いているので、恐る恐る中に入って客車をのぞいてみる。
あれ~~!
ぜんぜんガラガラじゃないか。俺たちのほか誰もいない。満席だって言われてたのに。
集団キャンセルでも発生したのか?それとも出発時間が近くなったらいっせいに団体で乗ってくるのか?
まあ何はともあれ、とりあえずそのへんの席に適当に座っていよう。来たときと同じ列車なので、来た時と同じ番号の、4人で向かい合わせの座席に腰掛ける。
「このまま誰も乗って来なかったらラッキーだね」
そんなことを話しながら時計を見るとすでに17時半を過ぎていた。発車まであと2~3分だ。本当に誰も乗って来なかったらラッキーだけど、、そう思った瞬間、ホームに人の気配がして、4人の乗客が乗り込んで来た。うっ、このあとさらに団体客が続くのか、と緊張が走る。その時また人の気配。うわ、来た!
すかさず足音がするほうを見ると車掌さんだった。車掌さんがホームを歩いている。そら、車掌さんだってホームくらい歩くわな。
そしてお~っとここで時間だ。結局わたしたちと4人の乗客だけで列車は動き始めた。
「やったー、ラッキ~」
「ぜんぜん満席じゃないじゃん」
「はっはっは」
「あの駅員さん、脅かすなよなー」
盛り上がるわたしたち。
しかし、ばかみたいに喜んだのもつかの間、次の駅でどっと人が乗り込んできちゃった。
「やっぱりそんな都合の良い話しはないよね」
いつわたしたちの席に人が来てもすぐ替われるよう、荷物の準備を始める。そのうち列車がまた動き始めた。あれ?、誰もこの席には乗って来ないよ。
車内を見渡すと、半分くらいの座席が開いている。
なんだ、まだ立たなくていいんじゃん。
がっかりしたり喜んだり、気持ちがジェットコースターのようにアップダウンする。
故障が見つかり列車が急停車
その次の駅でもそのまた次の駅でもどやどやと人が乗り来んで来たが、なぜかわたしたちの席には誰も来ない。
ドッジボールで最後まで生き残ったヒーローのような心境だね。
いやそんないいもんじゃないでしょ、たまたまだよ、これは。
「オレ、ドッジボール、学年で一番強いよ」ドッジボールという単語にカイがくいついてくる。
「おれだって学年で一番だよ」リュウもムキになって言う。
「パパだって小学生の時は最強だったよ」わたしも大人げなくかみつく。
「今はそんなどうでもいい話ししないで」
とママが吠える。
気づくとわたしたちが乗っている車両は満席になっていた。次の駅で誰かが乗ってきたらほぼ確実にこの席を明け渡さなければならないだろう。
時計を見るとカランバカを発って2時間が経過している。ということはアテネまで残り2時間ちょっと。まあ、半分近くはなんだかんだ言って座れたわけだ、そう考えたら例え次の駅で誰かが乗ってきたって気が楽だね。
と思っていたら、列車が急停車した。そして、今度は反対向きに猛スピードで、つまりバック走を始めたのだ。
いったいどうなってるんだ!
しばらく背走して、さっき停車していた駅まで戻ってそこで止まる。車内がにわかにざわめく。故障かな?それとも列車の待ち合わせかな?
我が家が取った対処法
じっと待っていると、車内放送があった。
ふむふむ、ってまったくわからん(汗)
だってギリシャ語ですもの。でもその放送が流れた途端、大勢の人が荷物を持ってホームに降り始める。
ええーこの列車だめなの?
不安の絶頂のわたしたち。その時ななめ前に座っていた女性が、親切にも英語で事情を説明してくれた。
それによると列車に故障が見つかったのでこの駅で修理するとのこと。時間はどれくらいかかるかわからない、あとから来る列車のほうが早くアテネに着くらしい、とのことだった。
それでほとんどの乗客が列車から降りたのかー。
でもおかげでこの列車はまたガラガラになった。これなら多分アテネまでこのまま座って帰れるだろう。こどもたちは歩き疲れたからか、さっきからぐーぐー寝ている。列車を乗り換えたら座れる保障はないし、起こすのもかわいそうだ。それにあとから来ると言う列車はどうやら特急ではないらしい。へたに乗換えたってそっちが先にアテネに着くとは限らないのでは。せっかく座れなかった列車に座れるんだからこっちに残っていようか。
結局1時間くらい待って列車は動き始めた。案の定、その先数カ所の駅に止まったが誰も乗ってこない。つまりずっとガラガラ状態。どの駅でもこの列車の故障がアナウンスされていて別の列車で行けと放送しているのだろう、だからこの列車を待っている乗客はどこの駅にもいないのだ。
おかげで4時間半立ってるところが、ゆっくり、こどもたちはガーガー寝て帰れました。
まったく旅では何が幸運をもたらすかなんてわからない。
想定外のことが起こったからと言って、怒ったり批判したりしてはいけません。起こった出来事をありがたく受け入れることが大切なのだ。
それは子育てでも人生でも同じでしょ。
こうして午後11時10分、定刻より1時間遅れで列車はアテネ/ラリッサ駅に到着した。
本当にお疲れさまでした!!
メテオラトレッキングのまとめ
アテネからメテオラへは鉄道で行くのが一番安い方法です。鉄道ならアテネから日帰りも可能。ただし遅延することが多いので、もし行きの列車が遅延すると日帰りの場合、メテオラ での滞在時間が短くなってしまいます。
我が家の場合は幸い?帰りの列車が遅延しただけだったので、ホテル帰着が深夜になった「程度」のダメージですみました、うひゃー。
メテオラは歴史的建造物が評価され世界遺産に認定されていますが、その自然景観も特筆するものがあります。実際メテオラは「文化」と「自然」の両方で世界遺産に認定されています。
ですから子連れで訪れるなら、是非ハイキング・トレッキングも予定に入れて欲しいと思います。
わたしが今回の記事で紹介したモデルプランは、メテオラの6つの修道院と、素晴らしい眺望の展望台を全てわまり、しかも景色の素晴らしいところをハイキングする、なおかつ日帰りできる、という内容なので参考にしてみてください。
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それではまたお会いしましょう、良いご旅行を!
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