アテネ駅からメテオラへギリシャ国鉄子連れ乗車体験
カリメ〜ラ!小2、小5の子連れ家族4人でギリシャ旅行中のイルカパパです。旅は人生そのもの、ピンチもトラブルも旅を楽しませてくれるエンターテイメントだ!あっはっは。
今日はギリシャ国鉄アテネ駅から列車でメテオラ(カラバンカ駅)までの移動の様子を紹介します。
アテネ駅、ラリッサ駅、ってどっちだ?!
国鉄アテネ駅はアテネの中心シンタグマ広場から北西約2.7kmのところにあるギリシャ国鉄の駅です。
2.7kmだから荷物が少なければ歩けないこともない。徒歩だとグーグルマップで所用時間38分と表示される。
地下鉄で行く場合はシンタグマ広場駅から2号線で4駅。
ところでアテネ駅は日本のガイドブックなどでは「アテネ中央駅」と紹介されることもある。
ま、確かに中央駅ではあるけど、「中央」というのをイメージして行くとあまりの小ささにびっくりするでしょう、うほほ。
東京で例えたら郊外の急行が止まらない駅くらいかな。駅周辺には大型スーパーとか家電量販店、それから数軒のカフェ、レストラン、ホテルがあります。
ところで地下鉄の駅名は「ラリッサ」です。かつては「国鉄ラリッサ」駅だったので、2000年に地下鉄が開通した時そのまま「ラリッサ」を名乗った。なので国鉄アテネ駅は現在も「ラリッサ駅」と呼ばれることが多いのだけど、アテネから北へ300kmほど離れたところに
本物のラリッサ駅がある
のでチケットを買う時は間違えないように注意しよう。
国鉄アテネ駅の情報
- 住所:ギリシャ 〒104 44 アテネ
- ギリシャ国鉄公式サイト:http://www.trainose.gr/en/
アテネ駅の地図
あまりいないと思うけどシンタグマ広場から徒歩でいく人のためのルートマップ
アテネからメテオラへの行き方
いよいよ今日はギリシャ旅行最終日。
いろいろ考えた末、世界遺産メテオラに行くことにした。
メテオラは数百メートルもある岩山の頂上に修道院が建つ、世にも不思議な光景が広がる場所だ。
こどもたちとその岩山をトレッキングするのが目的であり楽しみ。
メテオラへは1泊2日程度のバスツアーで訪れるのが一般的だ。途中同じく世界遺産のデルフィに立ち寄ったりする。
しかし明日のフライトで日本へ帰るわたしたちには、今から1泊2日のツアーに参加するのは無理。
今日1日限りの日帰り旅行しか出来ない。
それならドライバー付きの車をチャーターして行こうと、マリソルツアーさんに相談した。すると、車で行くより国鉄を利用するほうが料金的にも安いし、時間もたっぷりあります、とアドバイスされた。
車を使ったプライヴェートツアーを手配すれば利益になるのに、何の得にもならない国鉄をすすめるなんて、なんて良心的な旅行会社だろう。
それでありがたくそのアドバイスに従い、国鉄を利用してメテオラに日帰り旅行をすることになったのだ。
アテネからメテオラへは路線バスで行く方法もあるが、途中トリカラで乗り換えが必要。1日8本。トリカラまでの所要時間は4時間30分。トリカラからカランバカまでは30分。
鉄道で行く場合、アテネ駅からメテオラ観光の起点となるカラバンカ駅までの所要時間はおよそ4時間半。
レンタカー利用の場合、アテネ駅前からカラバンカ駅前までの距離は350km、所要時間はおよそ4時間。
我が家はギリシャ国鉄で行くことにした
アテネからメテオラ観光の基点となるカランバカ駅まで、1日2本(8時21分発と15時53分発)の列車が運行している。
カランバカまでの所要時間は4時間30分。
列車には1等車と2等車がある。食堂車も付いている。トイレもある。
水は車内のカフェテリアで500mlのボトルが0.5ユーロ。その他ポテトチップス、サンドイッチ、クッキーをなども売っているぞ、ウヒョー。
列車の運行スケジュールは、8時21分アテネ発の列車に乗って、カランバカ到着が13時03分。帰りは17時36分発でアテネに戻ってくるのが22時08分。覚悟していたほど過酷なスケジュールじゃない。それに現地で4時間あれば観光タクシーをチャーターして十分回れる。
でもわがままなわたしたちは、できれば観光タクシーを利用するのではなく自分たちの足で歩きたいと思った。
で、歩くとなるとこの4時間というのはけっこうぎりぎりなんですよ。
まあ、それはあとでお話するとして、今朝は7時半にエレクトラパレスホテルを出発。国鉄アテネ駅がある地下鉄ラリッサ駅までライン2でシンタグマから4駅だ。
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チケットを買う
「なんだか思ったよりしょぼいね」
ヨーロッパの鉄道駅は、ミラノ駅やローマ/テルミナ駅、ロンドン/ビクトリア駅のように映画のシーンに搭乗するよな風格がある立派なものが多い。ところがこのアテネ国鉄駅は駅舎を見る限り、東京で言えば郊外の快速が止まらない駅のような規模。まあ、駅に住むわけじゃないから別にいいんだけど。
それはそうとチケットを買わなくちゃ。
アテネ市内のシンタグマ広場近くにも国鉄のチケット売り場があるのだが、うっかり買い忘れたので、メテオラに行く当日の今日、駅で直接買うことになった。
チケット売り場にはかなりの人が並んでいて、もしかしたら満席じゃないかとちょっと心配したけど、問題なくチケットをゲット。
チケット料金は往復チケット1等大人25.80ユーロ、子供12.9ユーロ、合計77.5ユーロ。(2等だと4人分で52.5ユーロ)。
チケット売り場では英語が通じる。ただし、行きは座席が確保できたが帰りは現地でないと座席指定チケットが発行できないと言う。
それなら向こうに着いて買えばいいね、とその時はたいして気に止めなかったが、これがのちのち
大変なことになろうとは
この時のわれわれは知るよしもなかった。
鉄道チケットはネットでも購入できます
発車間際の間一髪
ジリリリ~~ンと発車のベルがホームに響き渡る。
「ママー早く!早く!」
ドアから乗り出してこどもたちが叫ぶ。
ホームの売店で買ったコーヒーを片手に発車ぎりぎりで列車に飛び乗ったママ。
口から心臓が飛び出すんじゃないかと言うほどハーハー息を切らしている。
発車間際にコーヒーなんて買ってたらいけませんよ。8時21分発って言ったっていいかげんなんだから2~3分早く出発しちゃうかもしれないじゃないかー。
「だって、レジの人がのんびりおしゃべりしながらやってるんだもん。こんなに時間がかかるなんて思わなかったよ」
そう言えば前にもこんな間一髪なことがあったなー、というか、我が家の旅行はいつも危機一髪だね、あっはっはっは。
「も~座席で景色を眺めなららゆっくり美味しいコーヒーでも飲もうと思って買ったのに、、、疲れちゃったよー」
「コーヒーの替わりにちょっとしたスリルを買ったと思えばいいんじゃない」
私たちの指定席に誰か座っている
一難去ってまた一難、ってことはよくあるね。
笑いながら客車に戻ってわたしたちの席にところまで行くと、んん?。誰か人が座っているぞ。
いや、そこわたしたちの席なんですけど。
私たちの座席を占領していたのは、中学生くらいの可愛い女の子と、おそらくその妹、こちらは小学生だろう、とそのおばあさん。
中学生のおねえちゃんが通路でとまどっているわたしたちに
「ちょっとあなたたちチケットを見せて」
というので「はい」と見せると勝ち誇ったように
「あ~ら、これはこの車両じゃないわ。もっと前のほうの車両よ」と言う。
この列車には1等車はここしかない。前のほうも後ろの方もあとはすべて2等車なのだ。それにどう見てもわたしたちのチケット番号はこの座席を示している。
でも、この女の子、小さな妹を連れて、それからあまり頼りになりそうもないおそらく英語がしゃべれないおばあさんも連れて、列車に乗ってどこか遠くに行くのだろう。
妹とおばあさんの面倒をみながら、自分がしっかり責任をもって旅をしなければいけないと気負ってるに違いない。その緊張からくる間違いなら、わたしとしてもとがめたくない。
責任をまかされて不安と闘いながらもけなげにがんばってる、この女の子の面子をつぶすのは気の毒だ。
なのでここは抵抗せず「ああ、そうでしたか、どうもすみません」と言ってその場を離れた。
客車と客車の間の通路に出てどうしようか考えているとママが「どうするの?」と聞いてくる。
わたしの推測と考えを説明すると、じゃあ、わたしたちがあの子たちの席(2等車の)に行って座ればいいじゃない、と言う。
それはそれでお金を払ってるのにもったいない気がしたが、まあ仕方ないか。でも困ったことにこの列車、超満員で立っている人までいる。念のため、人をかきわけその前の方の車両へ行ってみたが、わたしたちのチケットに該当する座席はなかった。
「どうしよう」
「こまったね」
立ちすくんで悩んでいたら、そこに車掌さんが検札にあらわれた。
「どうしました?」
事情を説明するとその車掌さんはにこにこ笑いながらその子たちの席へ行ってきちんと説明し立ち退かせてくれた。
いやいや立ち退かせるのがわたしたちの趣旨ではなかったのだけど。
立ち去る時、その女の子はひどく申し訳なさそうにあやまっていたが、わたしもなんだか気の毒なことをしてしまった気持ち。せめて笑顔で「気にしなくていいんですよ」と優しく伝えた。
「だからはじめから1等車なんかにしなきゃよかったのに」とママ。
だってこんなことになるなんて思ってなかったし、ゆったり列車の旅がしたかったから。
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運転室を見学しちゃった
さて最初満員だった列車も、駅に着く度に人が降りて少なくなり、途中からもーがらがら、1等車の車両はわたしたちだけのプライヴェート車両になってしまった。
こうなったらもうCちか42とか関係ないネ、うはは。
アテネを出発してしばらく走るとやがて遠くにオリーブ畑が続く田園地帯になり、乾いた日差しが降り注ぐ大地を列車は一直線に進む。
こどもたちとお話したりしりとりをしていたら、カイとリュウがちょっとトイレといって席を立った。そのほんの数秒後にさっきの車掌さんがやって来て、わたしに着いて来いと言う。
なんだろうと思って後を着いて行くと、どんどん前の車両へ歩いていくではないか。とうとう一番前の車両まで行って突き当たりの「スタッフオンリー」の扉を開けて中に入れと言う。
その中はボイラー室みたいでものすごく暑い。そのうえ花火が耳元で爆発したようなすさまじい音が炸裂しいている。これは電車ではなくディーゼルで動く列車なのか。詳しくはわかりませんがおそらくこの轟音を発しているものがディーゼルエンジンなのだろう。
そのよこをおそるおそる通ってさらに前方へ進むとまた扉があった。
車掌さんは何のためらいもなく扉を開けて中に入る。わたしもここに取り残されたら大変とあわてて中に入る。
そこは運転室だった。
ひゃぁ~~!これはすごい。
とうかこんなことならこどもたちも連れてくればよかったよー。ちょうどトイレに行ってるときなんて、なんてタイミングが悪いんだ。
2人の運転手さんは窓にむかった前方の席に座っている。
服装がこりゃまたラフで、ちょっと釣りにでも行きますか~、という出で立ち。日本だったら鉄道マンは制服着て帽子かぶって白い手袋してるでしょ。たぶん。
車掌さんの説明では今はこの線は単線だが、複線にするための工事をしている最中らしい。ところどころその工事現場も見える。
最前方の運転席から見る風景は、まさに電車でGO!の世界。それもギリシャ版だ。う~~んこんな「世界の車窓から」も悪くないですね。
しばらくその運転室からの風景を堪能させてもらい、お礼を言って席に戻る。
「パパどこに行ってたのー」と聞くこどもたちに事情を話すと、地団駄を踏んで悔しがっていました。
ここまでのまとめ
アテネからメテオラへは、バス、ツアー、鉄道、レンタカーなどで行くことが出来ます。メテオラはカラバンカ駅から離れているので、現地での行動を考えるとツアーかレンタカーで行くのがいいと思います。
我が家の場合は、日帰りなのでレンタカーは体力的にきついと思いました。ツアーは4人分だと料金が高くなるのでこれも見送り。結局、アテネ駅からギリシャ国鉄で行くことにしました。
それから発車間際ぎりぎりにホームの売店でコーヒーを買って
駆け込み乗車してしまったママだけど
車内のカフェテリアでもコーヒー買えました、うう。
さらに列車に乗ったら座席占有事件などもありましたが、アテネを出発した時は超満員だった列車も駅に止まるごとに乗客が降りていってそのうち私たちだけの専用列車になりました。
あのままでも何てことなかったね。
アテネからメテオラまで国鉄の列車で移動することを選んだ私たち。行きは順調にカラバンカ駅に到着しましたが、帰りは、、、思うよには行きませんでした、あちゃー。それはまたメテオラからアテネに帰るときの記事で紹介しますね。
カランバカに到着したものの帰りの切符が買えないなんて!
旅行のスケジュールが全て計画通り進んだらそれはそれでいいですが、計画通りにいかないことが多いのもまた海外旅行です。
想定外のトラブルに遭遇した時どう考えどう行動するかで旅の楽しさや感動も違ってきます。せっかく高いお金と貴重な時間を使って旅行に来ているのだから、どんなことがあっても楽しまなきゃ損って私は考えてます、ふは。
さて、カランバカ駅到着後も思わぬトラブルに遭遇しました。
メテオラ・カランバカ駅に到着
「うわーなんだ、あれ」
こどもたちが窓の外を見て驚きの声をあげる。
アテネを出発しておよそ4時間半、左に大きく旋回する車窓の先に奇妙な岩山のかたまりが見えてきた。
メテオラの奇岩群だ、うほ〜。
バルカン半島の中央に広がる広大なテッサリア平原の北限。そこからピンド山脈がはじまるまさにその境界線に、世界遺産の奇観が待ち構えていた。
列車はその岩山に吸い込まれるように緑の平野を滑り、ほどなくカランバカ駅に到着する。
途中でたくさんの人が降りたので、この終点まで乗ってる乗客はほんのわずか。がらーんとしたホームに木陰を通った夏の太陽の光が、まるで海の底のようにゆらゆらと差し込んでいた。
カランバカはメテオラ観光の基点となる駅。
ただし人口1万2000人の小さな村なので、駅もひっそりとしている。
「まず帰りの座席を指定しなくちゃ」
アテネの駅で列車のチケットを買った時、帰りの分はアテネでは発券できないので、現地で直接買うように言われていた。列車がこんながらがら状態なので、帰りも満席ということはないにしても、あとでばたばたとするよりも、今買っておいたほうがいいだろう。
それで、改札を出たところにあるチケット売り場で、17時36分発アテネ行きの座席を4人分お願いする。
帰りのチケットが満席で買えない!
「すみません、え~と、今日の17時36分発のアテネ行きの座席指定を4人分お願いします」
するとカウンターのむこうから驚くべき返事が返ってきた。
「帰りの列車は満席です」
「は、今何とおっしゃいましたか?」
あまりに意表をついた答えだったので思わず聞き違えたと思ってもう一度尋ねる。
「ですから、17時36分のアテネ行きは満席です」
。。。。想定外のことが起こると人間のアタマは拒否反応を示すようだ。すぐにはその緊急事態を受け入れられない。
「はっはっっは、ギリシャの方って大胆なジョークをおっしゃる。今アテネから乗ってきた列車だってがらがらだったじゃないですかー」
「でも17時の列車は満席なんです」
オウノウォ~~、何と言うことだ!!
じゃあ、なに、おれたち帰りは満員電車に4時間30分も揺られて立ったままアテネに戻らなくちゃならないということ?
しかもわたしたちはこれからメテオラの岩山を歩いて観光する予定。それも通常1泊2日の山道を、17時36分の列車に間に合うため、4時間程で走ってまわろうとしているのだ。
山道を4時間走ってそのあと満員電車に4時間半立って乗る。
う~~ん、世の中には己を鍛えるためにいろんなタイプの修行があるというが、
これはかなり
素敵な部類に入る
修行だろう。
でもないものは仕方ない。
そのあとどんな試練があるかなんて知らなかったら目の前のことに全力を尽くせる。今はとりあえず帰りの列車のことは忘れて、あの岩山を4時間で完走して無事ここに帰ってくることだけを考えよう。
決勝戦よりまず目の前の準決勝に勝つこと、の心境だね。
覚悟を決めて日陰の駅から日の当たる通りへ一歩踏み出す。
悲壮な決意を胸にしたわたしたちをあざ笑うように、メテオラの巨大な岩山が目の前にそびえ立っていた。
カランバカ駅の地図
終わりに
メテオラ観光の拠点となるギリシャ国鉄カラバンカ駅から、最高所にあるメガロメテオロン修道院までの距離はおよそ6.7km、徒歩の場合の所要時間は1時間半です。タクシーだと10分弱。
私たちは日帰りで時間が制約されていたため行きはタクシー、帰りは徒歩でした。
その様子は次回のブログで紹介します。
この記事があなたの子連れギリシャ旅行の参考になったならとても嬉しいです。
それではまたお会いしましょう、良いご旅行を!
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