オロンゴ鳥人儀式村

2019年2月1日

オロンゴ鳥人儀式村

オロンゴの儀式

「ここから海にむかって鳥のように飛んだのです」

説明を聞きながら、崖の下をのぞいて背筋が凍りついた。

ひゃぁぁ~~、

すご、すご、すごい断崖絶壁!

下の海まで400メートルくらいあるだろうか。

じっと見ていると、吸い込まれてしまいそう。

もう距離がありすぎて、波の砕ける音さえ届かない

オロンゴ鳥人儀式は、現在でいうトライアスロンのような競技だ。

この断崖絶壁を下り、

2km先の島まで泳ぎ、

春先に渡ってくる軍艦鳥が洞窟の中で卵を生むのを待ち、

さらにその卵を割らずにまた海を泳いで、

崖の上まで持って帰る、

という凄まじい内容。

そして

どの部族の戦士(ポフマヌ)がいちばん早いかを競うのだ。

儀式は1年に1回おこなわれ、

優勝者を出した部族の長が、

1年間、島の政治的、宗教的、絶対権限をにぎる

「鳥人/タンガタマヌ」になる。

オロンゴ村の景色 断崖の下に見える島 

            儀式が行われた断崖 / この場所に卵を持ち帰った / あの島まで2kmもある

鳥人信仰

頭は鳥、身体は人間、という鳥人、タンガタマヌは、大気の創造神マケマケの化身とされる。

タンガタマヌは、強いマナ(霊力)と、超自然の力をもつ

救いの神として崇拝されていた。

鳥人になるための、過酷なレースがおこなわれていたオロンゴには、

マケマケ神や、鳥人、カヌー、豊饒のシンボル/コマリの岩絵、岩面彫刻が500以上も存在する。

イースター島が文化遺産の宝庫、と言われる由縁だ。

ちなみに、鳥人のレリーフは全部で162個残っており、

このことから鳥人儀式は、

少なくとも162年以上続いていたものと推測されている。

オロンゴの公園管理事務所 鳥人の彫刻 

          オロンゴ村の入り口にある管理事務所 / 鳥人の岩面彫刻 / 入村手続きをする

儀式村

オロンゴには、石を積み上げて作られた石家が53戸ある。

儀式に参加するポフマヌや、神官、語り部など大会関係者のための「選手村」として利用された。

ポフマヌは儀式の始まる2~3ヶ月まえからここに泊まり込み、訓練をしたという。

また儀式中は400人ちかい人たちが、ここに寝泊まりしていたらしい。

石家は斜面を活用して建てられており、海側の壁は弧の形にカーブしている。

内部が見れる石家があるが、室内は決して広くない。

オロンゴ鳥人儀式村を観光する

ラノカウ

オロンゴ鳥人儀式村があるのは、島南西の端、

ラノカウ火山の外輪山の稜線上。

片側の断崖絶壁の下は海、もう片側の断崖絶壁の下は火口。

どっちに転んでも、

こりゃ~大変

というギリギリの場所。

で、その分、ここからの眺めは、

地球上のものとは思えないほど圧巻で壮大です

ラノカウ火山のカルデラの直径は1600m、内側の壁の高さは200m、

そして火口湖の水深は150m、

葦がしげる火山湖の水面には、所々青い空が映り、息をのむ美しさだ。

ラノカウのクレーターは、

島の言葉で「天を見る目」といわれている。

また、ここからは360度、視界のすべてが水平線に囲まれている。

絶海の孤島、イースター島で1000年以上、外部の文化と接触のなかった島人にとって、

心理的にいちばん近い陸は月と太陽であり、

イースター島こそが、地球上で唯一の大陸であったに違いない。

ラノカウのカルデラ オロンゴ村遺跡を走る子供達 

          天を見る目・ラノカウ火山のクレーター / 遺跡の村を走る / カルデラ湖を見下ろす