ミッションは野生のカメレオン探し〜マングローブの入江でカヌーサファリ
カヌーサファリ
ベタニア漁村に別れを告げ、われわれは再びジョーの漕ぐピローグに乗った。まっすぐモロンダバへ帰るのかと思ったら、これからマングローブの入り江を巡ってくれると言う。おお、うれしいね。
「カメレオンは見れるかな?」
いや別に、ひとりごとじゃなくて、リクエストに近いかたちで問いかけると
「ああ、たぶん見れると思いますよ」とジョーはこともなげに答える。ええ~~本当ですかー!カヌーで水の上からちょろっとカメレオンを見つけるなんて、すごくない?って言うか本当にそんなことできるのだろうか?
期待と不安で胸がドキドキ。オールの水を切る音がちゃぷちゃぷと時を刻む。
マングローブの入り江をピローグですすむ
水面を渡る夕方の風が、マングローブの葉をさらさらと揺らし、緑の香りが大気に拡散する。そのむせるほど新鮮な空気を胸に吸い込みながら、その時を待った。
でも、冷静になって考えたら、カメレオンって保護色だから、簡単に見つかるもんじゃないよね。まあ、見れなくても今日着いたばっかりだから、まだまだ旅行始まったばかりだから、これからいくらでもチャンスはあるから、と落胆防止モードに気持ちをシフトしかけたとき、ジョーがピローグを岸に近づけた。
ほら、ここにいるよ、わかるかな?カメレオン
「あそこにいる、見える?」
は?えっ?今何つった?もう見つけちゃったの?カメレオン、なんて素早い仕事っぷりだよ。
「あ、いた!」
カイがうれしそうにマングローブの葉を指差して歓声をあげる。ジョーはさらに岸に近づき、カメレオンが捕まっている枝を、こちらにぐーっとたぐりよせてくれた。おおーーこれならばっちり見えるぞ!!すごい、本物のカメレオンだ。なんてきれい色をしてるんだろう。マングローブの葉より鮮やかなミントグリーンだ。しかし、東京から飛行機に乗って、今朝マダガスカルに着いたばかりですよ。それなのに、もう、こんなステキなマングローブの入り江で、カヌーサファリしながら、野生のカメレオンが見れるなんて、ワハハハ、すげぇ~~!。
こうして初日から念願の野生カメレオンが見れて、大満足のわたしたちだった。
たくさんの野鳥も見ることができる