子ども6人連れアフリカ旅行記〜セレンゲティでゲームサファリ編・チーターのハンティング・シマウマ、キリンその他大勢

2019年1月27日

セレンゲティで子連れサファリ

ジャンボ〜!下は6歳(年長)から上は12歳(小6)の6人の子どもを連れて、猛獣が闊歩するアフリカのサバンナでキャンプ旅行、じつはグランピング。

旅行7日目、大雨でバルーンサファリをあきらめましたが、朝食を食べている間に雨が止んできました。よし、じゃあいっちょう世界遺産セレンゲティでゲームサファリに出かけましょうか。チーターのハンティングシーンがどうしても見たい!

子連れアフリカ旅行のスケジュール

  • 1日目:羽田→
  • 2日目:ドバイ→ナイロビ→ナクル湖
  • 3日目:ナクル湖→ナイバシャ湖→ナイロビ
  • 4日目:ナイロビ→ナマンガ→アルーシャ→ンゴロンゴロ
  • 5日目:ンゴロンゴロ
  • 6日目:ンゴロンゴロ→マサイ族の村→オルドバイ渓谷→セレンゲティ(キャンプ)
  • 7日目:セレンゲティ(キャンプ)
  • 8日目:セレンゲティ(キャンプ)
  • 9日目:セレンゲティ→キブツファーム→マニヤラ湖
  • 10日目:マニヤラ湖→ナマンガ→アンボセリ
  • 11日目:アンボセリ→ナイロビ→ドバイ
  • 12日目:ドバイ→羽田

セレンゲティで子連れゲームサファリに出発

セロネラロッジで子ども達とゆっくり朝食を食べているうちに、だんだん雨があがってきた。するとモーゼスがやってきて10時くらいからサファリに出かけようと言う。モーゼスはわたしたちが朝食を食べている間も、情報収集に余念がなく、セロネラ地区で有用なサファリのネタを仕入れていた。

ベテランのいきに達する人がさらに努力を惜しまず新しい情報を集める。

彼は心の底からこの仕事が好きなんだなと思った

そして何よりこんな素晴らしいガイドに巡り会えて、われわれは本当にラッキーだ。

ロッジを出発してすぐ、見なれないシカと出会う。

「あれはトピだよ」とモーゼス。

それから今度は道の前方をキリンの群れが横断。

うわぁーこれはなかなかスゴイぞ。

うさぎくらいの大きさしかない小型のシカはディクディクと言うらしい。

セレンゲティ子連れサファリの様子

車の前を横断するキリンの列/ディグディグはこんなに小さなシカだ/しとめたカバとライオン

カバを食べるライオンの親子

モーゼスが仕入れた情報によると、カバをしとめたライオンがいるということ。子供ライオンもそのカバを食べてるところが、多くの人に目撃されている。

おそらくこの辺だと向った場所は、川が蛇行して広くなっているところで、そこに何かの死骸がある。しかしもうほとんど肉は残っていない。ライオンも近くにいるが食べようとする様子なない。皮膚の色具合からそれがカバだとわかった。

モーゼスによると昨日の早朝にハンティングしたんじゃないか、その時は子供のライオンも食べていたんだろうとのこと。それにしても、ライオンがカバなんて襲うこともあるんだね~。

キリンの群れ

チーターか?!

じゃあ今度はヒョウを見に行こうと言う。

それもモーゼスがセロネラロッジで仕入れた情報。

今朝はモーゼスだって午前3時前に起きてるんだ

本当に働き者のガイドで感心する。

所々川の水があふれだし、道が川みたいになっている。

もう雨は上がっているので、これ以上水かさが増す心配だけはしなくていいようだ。

「あれチーターじゃない?」

カイが草原の中にぽつんと立っているナニかをさして言う。

ええ~本当?チーターはまだアフリカに来て見ていない「大物」なので、本物ならうれしい発見だ。しかしその「チーター」はかなり遠くにいて、しかも逆光なので、はっきり見えない。ぜんぜん動かないし。

「ウ~ン、木の切り株じゃない?」とわたし。

今はとりあえず、ヒョウのところに急ごう。

セレンゲティでゲームサファリを楽しむ子供達

情報収集

「うひゃ~すごい車!」

ヒョウがいるという木のまわりには、

7、8、9、、いや20台近いサファリカーが集結している。

車が多くて近づけないのここからだとヒョウがいるのかどうかよく見えません。

ヒョウはアフリカでは最も見ることが難かしいと言われる肉食獣だが、われわれはラッキーなことに、

今回の旅行中、

ナクル湖と、ンゴロンゴロ

すでに2回目撃している。

特にンゴロンゴロではほんの1メートルくらいの距離でのウルトラ接近遭遇だ。だからこんな遠いなら頑張らなくてもいいよ、と言おうとしたら、モーゼスは例によって、まわりにいるサファリカーのドライバーたちと情報交換をしている。

そしてうれしそうにニヤっとしながら振り返った。

「チーターがいるらしい」

アフリカ旅行も佳境に入り、もうほとんどの動物は見てしまった。あと、どうしても見たいのはチーターだけ、というわれわれのワガママなリクエストは、モーゼスもじゅうじゅう承知しているのだ。

チーターを見ないまま日本に帰しちゃったら、彼のベテランガイドとしてのプライドが許さないのだろう。なんとしてもチーターを見せてあげたいという気持ちは、われわれが思っている以上に強く持っていたに違いない。

カバの群れ

川にはカバ二の群れ/ヒョウがいる木はあんなに遠い

チーターのハンティング・失敗編

セレンゲティでもこの中央部のセロネラ地区では、だだっ広い草原が広がっているだけではなく、川あり池あり林もある。その複雑な土地に何本もの道がはり巡らされており、モーゼスはたくみにその枝分かれする道路を進んで行く。

で、結局たどり着いたところは、さっきカイがチーターじゃないか、と言った場所だった。ビデオのズームを思いっきりきかせてよく見ると、おお~これは間違いなくチーターですよ!さっきはヒョウの場所へ急いでいたのでわかり辛かったのだが、こうしてサファリカーを停止して見るとよくわかる。

でもちょっと遠いなー、もっとこっちに来ないかなーと思っていたら、

その気持ちが通じたのか、

ずっとかたまって動かなかったチーターが、

ゆっくりこちらに向って歩きはじめたのだ。

うははは、こりゃついてる!

と思ったら、

なんとサファリカーのすぐ横まで来て

その前を横断する。

そして反対側の草むらに入ったと思ったら、急に身をかがめて、

そこからまるでロケットが発射するみたいに

一挙に加速して走り出した。

何か獲物を狩ろうというのだ。

一瞬遅れて別の草むらから大きなシカが飛び出してきた。

レッドバックだ。

チーターはこのレッドバックを襲うため、

じっと身をひそめてチャンスをうかがっていたのだめカンタビーレ。

おおぉ〜、チーターが見れただけじゃなく、こんなハンティングシーンまで目撃できて、すげーよかったゼ。

セレゲティのチーターのハンティング獲物を狙うチーター

でも結局狩りは失敗。レッドバックは右に左にコースをかえながら走るので、チーターも追いきれないみたい。

一直線に走るならチーターは地上最速の動物なんでしょうが、あっちこっちに方向をふられるとトップスピードに入れないようです。ああ、残念。レッドバックだってそりゃ~必死じゃけんね。

ごちそうを逃がしたチーターは、それはそれはがっかりしていた。

世界遺産・セレンゲティ国立公園について

 世界遺産・セレンゲティ国立公園

古代エジプト神話に登場する「知恵の神」トトは、アフリカ中部に生息するクロトキの姿をしているという。そのクロトキが住むセレンゲティは、多くの人が抱くサバンナのイメージに最も近い場所ではないだろうか。

草原を駆け抜けるチーター

夕映えにゆらめくゾウのシルエット

空に突き出るキリンの首

水辺で戯れるカバの群れ

風になびくライオンのたてがみ

そこには雄大な自然と野生のドラマがある。現在セレンゲティに生息している哺乳動物の数は推定300万頭以上。

地球上で最も多くの野生動物が生息するセレンゲティ国立公園は、1981年ユネスコの世界遺産に登録されている。

セレンゲティのコピ

セロネラ付近は岩丘群(コピー)が点在する不思議な景観が見れる/セレンゲティのキリン/ベテランガイドのモーゼスと

名前の由来

セレンゲティとはマサイの言葉で「果てしない平原」という意味。

四国より広い平原があるこの場所は、標高1600メートルの高さにあるというのも驚きだ。高度のため、雲を近くに感じる。そして朝夕はかなり冷え込む。

セレンゲティへはアルーシャからセスナでいっきに飛ぶ行き方もある。

効率を優先するならなかなかいい方法だ。

しかし時間に余裕のある人は、

ぜひ陸路を車ではるばる尋ねて欲しい。

3000メートル級の山々を越えてやって来てこそ、

地球上にふたつとない、この奇跡の大地の素晴らしさを実感できるだろう。

セレンゲティを走るサファリカーセレンゲティで出会う野生動物たち

サファリカーの屋根に座れば気持ちいい風が吹く

セレンゲティの4つのエリア

もともとは隣接するンゴロンゴロを含む、もっと広範囲な地域がセレンゲティだった。ところが、マサイ族の居住を認める地域として、ンゴロンゴロが1959年に分離し、現在に至っている。

北側の境界はそのままケニア国境となっており、その先はマサイマラ自然保護区だ。マサイマラ、セレンゲティ、ンゴロンゴロの境にはフェンスなどないので、動物たちはその間を自由に移動することができる。

広大なセレンゲティは、

  • 南東部、
  • 中央部(セロネラ)
  • 西部(キラウィラ)
  • 北部(ロボ

の4つの地区に分けられる。

南東部にあるンゴロンゴロとの境界から、中央部のセロネラまで車で2~3時間の距離、西部のキラウィラや北部のロボまでだと、5~6時間の距離だ。セレンゲティに宿泊すると言っても、違うエリアには簡単に行けないほど離れている。

動物は季節ごとに異なる地区へ移動しているので、サファリが旅の目的なら、ホテルを選ぶ際、自分が行く時期には動物はどこにいるか、を優先して決めなければ後悔することになるだろう。

セレンゲティで見た木登りひょう

トトのメッセージ

クロトキの姿を借りた知恵の神トト。

その神と同じ名前のロックグループが1982年、深刻な飢餓問題をかかえていたアフリカの救済をたくし、セレンゲティを舞台にした1曲の歌を発表した。その歌は、グラミー賞最優秀アルバム賞を含む6つの賞を独占したアルバム「聖なる剣」に収録され、世界的に大ヒットする。

彼等がその

「AFRICA」

という名の歌にたくしたメッセージは、

25年後の地球に住むわれわれに

どのように届けられたのだろうか?

セレンゲティの雄大な大自然

草原を進むヌーの群れ/ヌーを食べるチーターとおこぼれを待つハゲタカたち/セレンゲティビジターセンターのトレイル

セレンゲティビジターセンターでピクニックランチ

今日のお昼はセレンゲティビジターセンターでピクニックランチをいただく。セレンゲティビジターセンターには、駐車場、トイレ、売店、カフェ、ピクニックテーブルなどが整備されており、ちょっとしたツーリスト憩いの場だ。

セレンゲティビジターセンター

ピクニックテーブルで仲良くランチボックスを食べる子供たち

コピーの間をぬうように作られた楽しそうなトレイルもある。どの施設もこんな大自然の中にあるとは思えないくらい清潔で、お昼時は、たくさの観光客がここでランチボックスを食べていた。

セレンゲティビジターセンターのトレイルを歩く子供達

コピーをうまく利用して作られたトレイル/このカワイイのがたくさんいる!

ランチを食べ終わって、資料館をのぞいたり、子供たちとトレイルを散策していたら、モーゼスがそろそろ出発しようと言う。さっきのヒョウがいた河辺林に戻るらしい。

モーゼスのカンによると、そろそろヒョウが木から降りるかもしれないとのことホントかい。ほんじゃま、車を飛ばしてヒョウのいた林に戻ろう。

ビジターセンターのコピの間に作られたトレイルを散策する子供たち

参考記事:海外子連れトレッキング

セレンゲティのひょうはどうやって木から降りるのか?

「あれ~車がいない」

さっきはあんなにたくさん車がいたのに、

1台しか残っていない

その車の人に聞いてみると、彼らはドイツから来た家族連れで、ヒョウが木から降りるところが見たくて、ずっとねばっているらしい。

木に登ったヒョウセレンゲティのひょうの木からの降り方

われわれもその車のすぐとなりに停車する。ヒョウのいる木の真下だ。見あげるとすぐそこにヒョウがいる。さっきはじっと動かなかったのに、忙しく枝から枝へと移動し始めた。

うひゃ~、

こっちにピョーンと飛び移って来ないだろうね

キンチョーします。

そのうち一番下の枝まで移動して、

さーそこからどうする?

一挙に地面まで飛び下りるのか?

と思いきや、

両手足で木を抱きかかえるようにして、

おしりからずるずる降り始めた

ええぇ~、そんなカッコ悪い降り方ですかぁー?

地面まで降りたら、あら、これは恥かしい姿を見られたとばかり、さっさと草むらの中へ消えて行ったのだった。ってなんじゃそりゃ〜〜!

木の上のヒョウを見上げる子供たち

モーゼスの読み

ヒョウの木の降り方には、

意表をつかれましたが(ヒョウだけに)

「そろそろ木から降りる」

というモーゼスの読みは、ドンピシャだったわけだ。

どうしてあんなに正確にわかったんだ?

と尋ねたら

今から降りるってメールをもらったのさ

と笑いながら答えた。

はっはっは。

チーターのハンティング・成功編

ヌーをハンティングするセレンゲティのチーター

子連れサファリに優しい充実した施設

さてそろそろキャンプサイトのある、ンドゥトゥ湖のほうへ向おう。草原の中にコピーが点在する不思議な光景を見ながら、国立公園の南方を目指す。途中ナアビヒルでちょっとトイレ休憩。

ビジターセンターといい、このナアビヒルといい、こんなきれいな休憩所がサバンナの随所にあるというのは意外だった。ロッジを出発したら1日中サファリというのでは、小さな子連れにはきついが、こんな施設が国立公園内に、適当な距離をおいて完備されているなら、

子連れ家族でも安心してサファリを楽しめるだろう

捕まえたヌーを食べるチーター
しとめたヌーにかぶりつくチーターと、その背後でおこぼれを待つハゲタカ

ヌーを狩るチーター

ナアビヒルを越えると、一気にヌーの数が多くなる。

この季節ヌーが南を目指して移動しているのは本当なんだな。

と、遠くのほうでサファリカーが5、6台たまっているのが見えた。

何かを熱く見つめている

なんだろう?

モーゼスも顔色をかえそっちの方角へ速度をあげた。

「チーターだ!!」

サファリカーがたまっている場所に着いて、先客たちが見ているほうに目をやると、2匹のチーターが大きなヌーをむっしゃむっしゃと食べているではないか!

たった今ハンティングしたばかりらしく、一口かぶりつくごとにぱーっと鮮血が飛び散る。そしてチーターの美しい顔が血に染まってゆく。

おお~、これはすごいシーンに遭遇しちゃったよ。

まさかこんなシーンまで拝めるなんて、本当にツイてるね。

セレンゲティの草原に続くヌーの群れとダチョウ。

ダチョウとヌーの群れ。

セレンゲティの草原を眺める次男

あ~、もうすぐ今年が終る。

今日は楽しみにしていたバルーンサファリが大雨で中止になったけど、ヒョウが木から降りるという珍しい場面や、念願のチーターのハンティングシーンが見れてよかった。

終わりよければすべてよし!いいことがいっぱいあった今年に感謝し、われわれのキャンプサイトに戻ろう。