パレスチナ自治区子連れ旅行〜ベツレヘムのおみやげショップで十字架グッズを買う

2019年2月24日

起伏に富んだベツレヘムの町

計算が合わない高低差

前述したようにエルサレムは標高800メートルの山の頂に構築された、世界最古の町だ。そのエルサレムが鎮座する山地は、地中海沿岸から直線距離にしておよそ40kmくら内陸に入ったところにあり、南北に横たわったいる。

山頂のエルサレムから見て西側、つまり地中海側は、800mの高低差があるが、反対の東側には、なぜか1200メートルの高低差がある。

ええぇ~~!同じ山なのに東側と西側で高さが違うなんてへんじゃない?

へんですが、これは事実です。

 

死海の海抜

山地の東側にはヨルダン川が流れる谷があり、ヨルダン川は流れ出る川のない閉鎖湖、死海に行き着く。そして死海の海抜はなんとマイナス400メートル。従って死海から流れ出る河川はもはやなく、強い日差しでどんどん水が蒸発するため、世界に類をみない塩分濃度が高い「死」の湖が誕生したのだ。つまり標高800メートル+海抜マイナス400メートルで1200メートルの高低差!

その死海に続く、海抜下の深い谷を左手に見ながら、バスは南北に連なる山地の尾根道を、うねうねとカーブしながら進んで行く。かたやバスの右手には、エルサレム郊外のモダンな住宅街が広がり、抜けるような青空の下、さんさんと降り注ぐ太陽光線を受けて、まぶしいほどの幸せ色に輝いていた。

 

ベツレヘムの街

           ベツレヘムの街 /十字架の避雷針?? / 聖誕教会に続く道

 

次の目的地

グランコートホテルでランチをいただいたあと、バスに乗ってわたしたちが向かっているのは、エルサレムの南10kmのところにある小さな町、ベツレヘム。

イエス・キリストが生まれた町だ。

その町には聖母マリアがイエスを出産した洞窟を覆うように、現在は教会が建っている。毎年クリスマスに世界中から大勢のキリスト教徒や観光客が押し寄せるキリスト教の聖地、聖誕教会だ。

 

イスラエルとパレスチナの国境の壁

    エルサレムの新市街が見える / パレスチナ自治区/ベツレヘムへの検問所。この壁の向こうがベツレヘムだ

 

分離壁

眺めのいい尾根道を走ってきたバスは、やがて、大きなゲートの前で止まった。ゲートの両側には、刑務所のような高くて頑丈そううな壁がずっと続いている。

この壁の向こう側がベツレヘムだ。1995年以降、パレスチナ自治区に属している土地。人口は3万人で、そのうち約3割がキリスト教徒と言う。壁はイスラエル政府が2005年に建設したもので、地元では「分離壁」と呼ばれている。ゲートにはイスラエルによる検問所がある。検問はベツレヘムに入る時より、出る時のほうが厳しい。

さて、ゲートの手前でガイドがバスから降りて、あとでまた合流すると言いいながら手を振る。ゲートの中にはユダヤ教徒であるガイドは入れないらしい。ゲートの中に入ると、今度は、パレスチナ人でキリスト教徒のガイド、マリクがバスに乗ってきた。マリクはまず、簡単にあいさつをする。そして、これからおみやげショップに立ち寄ったあと、聖誕教会へ向かうと説明する。

よろしくお願いしま~~す。

 

ベツレヘムの様子

                奥の壁にかかっているのはパレスチナの国旗

 

パレスチナに入国

ベツレヘムの町は、急な谷底の崖の上に、細長く張り付くように伸びている。町や建物の様子はさっきまでいたエルサレムよりずいぶん古い。道路を走っている車も、いっきょに20年くらい古くなり、と言うか、ほとんどスクラップ状態で走っている。アラビア文字の看板も目につく。

ちょっと壁を越えて中に入っただけで、こんなに雰囲気が変わるなんて!

まるで別の時代別の国に来たような感覚だ。こんな不思議なことってあるんですね。

 

ベツレヘムのおみやげショップに到着

                      おみやげショップの入り口

 

ベツレヘムのおみやげショップ

やがてバスはおみやげショップの前で止まった。通りに面して間口の広い、風格を兼ね備えたお店。中は冷房が効いてて気持ちいい。驚いたことに、商品として売られている十字架の数がものすごいことになっている。人生で今まで見た十字架の数をいっぺんに乗り越える、膨大な量だ。それもいろんなタイプの十字架がある。はたしてこんなにたくさん十字架が売れるのだろうか?

一家に1台のテレビが、1人に1台のテレビになったように、1人に1個の十字架時代をになう、勢いのある国の観光客が来ないと、この店やっていけないぜ、とイエスが生まれた町で余計な心配をするのだった。


*それまでの記録を一発で塗り替えた例(カメレオンパーク/マダガスカル旅行記

*おみやげ物の値段はエルサレム旧市街より安い

*ベツレヘム限定グッズあり

 

ベツレヘムのお土産ショップ

         十字架の栓抜き!! / 木彫りの最後の晩餐 / こんなにたくさんの十字架見た事ない

 

パレスチナ自治区について

パレスチナ自治区は、ヨルダン川西岸地区とエジプトに接するガザ地区からなるパレスチナ人の自治地区です。パレスチナ解放機構が母体となって設立されたパレスチナ自治政府が、行政を行います。ただし将来、イスラエルとパレスチナ解放機構との間で包括的和平条約が結ばれるまでの、暫定自治区・暫定自治政府として扱われています。

自治政府は、1995年の暫定自治拡大合意に基づき、1996年に行われた立法評議会選挙によって正式に発足しました。

自治区の人口は約330万人で、ヨルダン川西岸地区が3分の2、ガザ地区が3分の1となっています。

 

おみやげの写真