オロンゴ鳥人儀式村
オロンゴの儀式
「ここから海にむかって鳥のように飛んだのです」
説明を聞きながら、崖の下をのぞいて背筋が凍りついた。
ひゃぁぁ~~、
すご、すご、すごい断崖絶壁!
下の海まで400メートルくらいあるだろうか。
じっと見ていると、吸い込まれてしまいそう。
もう距離がありすぎて、波の砕ける音さえ届かない。
オロンゴ鳥人儀式は、現在でいうトライアスロンのような競技だ。
この断崖絶壁を下り、
2km先の島まで泳ぎ、
春先に渡ってくる軍艦鳥が洞窟の中で卵を生むのを待ち、
さらにその卵を割らずにまた海を泳いで、
崖の上まで持って帰る、
という凄まじい内容。
そして
どの部族の戦士(ポフマヌ)がいちばん早いかを競うのだ。
儀式は1年に1回おこなわれ、
優勝者を出した部族の長が、
1年間、島の政治的、宗教的、絶対権限をにぎる
「鳥人/タンガタマヌ」になる。
儀式が行われた断崖 / この場所に卵を持ち帰った / あの島まで2kmもある
鳥人信仰
頭は鳥、身体は人間、という鳥人、タンガタマヌは、大気の創造神マケマケの化身とされる。
タンガタマヌは、強いマナ(霊力)と、超自然の力をもつ、
救いの神として崇拝されていた。
鳥人になるための、過酷なレースがおこなわれていたオロンゴには、
マケマケ神や、鳥人、カヌー、豊饒のシンボル/コマリの岩絵、岩面彫刻が500以上も存在する。
イースター島が文化遺産の宝庫、と言われる由縁だ。
ちなみに、鳥人のレリーフは全部で162個残っており、
このことから鳥人儀式は、
少なくとも162年以上続いていたものと推測されている。
オロンゴ村の入り口にある管理事務所 / 鳥人の岩面彫刻 / 入村手続きをする
儀式村
オロンゴには、石を積み上げて作られた石家が53戸ある。
儀式に参加するポフマヌや、神官、語り部など大会関係者のための「選手村」として利用された。
ポフマヌは儀式の始まる2~3ヶ月まえからここに泊まり込み、訓練をしたという。
また儀式中は400人ちかい人たちが、ここに寝泊まりしていたらしい。
石家は斜面を活用して建てられており、海側の壁は弧の形にカーブしている。
内部が見れる石家があるが、室内は決して広くない。
ラノカウ
オロンゴ鳥人儀式村があるのは、島南西の端、
ラノカウ火山の外輪山の稜線上。
片側の断崖絶壁の下は海、もう片側の断崖絶壁の下は火口。
どっちに転んでも、
こりゃ~大変、
というギリギリの場所。
で、その分、ここからの眺めは、
地球上のものとは思えないほど圧巻で壮大です。
ラノカウ火山のカルデラの直径は1600m、内側の壁の高さは200m、
そして火口湖の水深は150m、
葦がしげる火山湖の水面には、所々青い空が映り、息をのむ美しさだ。
ラノカウのクレーターは、
島の言葉で「天を見る目」といわれている。
また、ここからは360度、視界のすべてが水平線に囲まれている。
絶海の孤島、イースター島で1000年以上、外部の文化と接触のなかった島人にとって、
心理的にいちばん近い陸は月と太陽であり、
イースター島こそが、地球上で唯一の大陸であったに違いない。
天を見る目・ラノカウ火山のクレーター / 遺跡の村を走る / カルデラ湖を見下ろす
それではまたどこかでお会いしましょう!
👍このブログの中でひとつでも「いいな」と思ったことがあればSNSなどでシェアして応援ヨロシクお願いします↓
- 公式ツイッター:https://twitter.com/ynu_j3
- インスタグラム:https://www.instagram.com/bun.suzu
- 公式フェイスブックページ:https://www.facebook.com/それ行け子連れ海外旅行-158331534257834/
それ行け!子連れ海外旅行:https://kidsvacation.net/