ペスケリア市場直結のシーフードレストラン・オステリアアンティカマリーナ

2019年3月14日2020年5月18日

1. 男系飲食店と女系飲食店
2. ペスケリア市場のオステリアアンティカマリーナ
3. メニューはありません
4. アドレス・営業時間

男系飲食店と女系飲食店

東京のオフィス街のランチタイムはちょっとした戦争だ。わたしの勤める会社の周辺にも、たくさんの飲食店があるが、お昼時はどこも満員。出遅れると並ぶ覚悟をしなければならない。最近、おもしろいことに気がついた。お昼時のオフィス街の飲食店は、はっきり「男系」と「女系」に分かれているということ。男系飲食店は男性客ばかりだし、女系レストランはほとんどの客が女性。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厨房の様子

ペスケリア市場のオステリアアンティカマリーナ

カターニア最大の食品市場、ペスケリア市場内にあるレストランと聞いたので、てっきり市場で働くいかつい男たちが、ガツガツめしを食らう「男系」食堂なのかと思っていた。

「アンティカ・マリーナ」は、意外にも、着飾ったカップルや、女性客、家族連れ、ビジネスマンなどでにぎわう「男系」でも「女系」でもない「普通」のレストランだった。

市場の中にあるアンティカマリーナ／ショーケースには新鮮な魚介類が／おみやげ屋の店主がレストランまで案内してくれた

メニューはありません

でもこのレストランの場所はやはり普通じゃない。魚市場のど真ん中に、不自然なほど堂々と存在している。まるでこのレストランのために、魚市場がまわりにできたみたいな感じ。午後1時の開店と同時にお店に入る。が、しかし、店内のテーブルはすべて予約でいっぱい。すさまじく暑いので、冷房の効いている店内席がよかったのだが、しかたない。お店の入り口に設けられた赤いパラソルのテーブル席に案内される。すでに外の席もほぼ満席。ほひゃぁ～、すごい人気だね。

店員さんが注文を聞きにわたしたちのテーブルにやってきた。どうやらメニューはないみたい。聞かれたのは「前菜はおまかせでいいか」「パスタは食べるか」「セコンドは」「ワインは」の4つ。も～なんでもおまかせしますから、美味しいとこ持ってきて下さい。ワインはよく冷えた白でね。

始めてのお店で、おまかせの料理、さあ、どんな食事が運ばれてくるのかドキドキしながら待っていると、まずあったかいフォカッチャとグリッシーニが運ばれてきた。

「うまい！」「すげえ」

こどもたちがいきなりばくばく食らいつく。いや、うまいはわかるけど、すげえって何よ？

次にワインと、こどもたちにはミネラルウォーター。グラスに注いでさあ乾杯、飲もうかと言う時に、小皿に分けられたアンティパストが次々運ばれてきた。ええ～いったい何皿あるのー？新鮮な魚介や野菜を用いた前菜は全部で12皿！しかもこりゃ～まいった！と言うくらい美味しい！市場直結の利点をいかし、あまり手を加えていないというか、食材の持つ魅力を最大限ひき出すような調理法が施されている。

こんなイタリア料理はじめて。あわや脳みそが蒸発しかねない、空前絶後の美味しさに、やれ店内がいいとか、やれ外は暑いとか文句言ってたさっきまでの自分が恥かしいったらありゃしない。

この店で食べるためだけにカターニアへ足を伸ばす価値あり。

わたしなんか日本に帰ってきた今でも、時々あの衝撃の味を思い出しては1人にやにやする日々。今回の旅行中で一番のおすすめの店でした。