アンタナナリボの病院でカイが注射される

2019年3月5日

アンタナナリブの病院

アンタナナリボの病院

車は坂の多いアンタナナリブの町を、登ったり下ったりしながらうねうねと走る。町の南西にあるホテルから、独立大通りを横切ってさらに進んでいるので、われわれが向かっている病院は、おそらく町の東側にあるのだろう。浅川さんの話しでは、その病院はアンタナリブで1、2の大きさを誇る病院で、設備もしっかり整っているとのこと。ヒラマさんという日本人の看護士さんが働いているのだが、浅川さんがさっき電話したところ、今日はもう帰宅しているらしい。

独立広場の前を通りかかると、広場はおびただしい数の装飾物で飾られ、大勢の人が出ている。

「明日の大晦日はたくさんの人が町に出て祝うんです。花火も上がって盛り上がりますよ」

へぇーー、それは見たかったな~~。でもわたしたちは明日の早朝の便で出発するのだ。残念。

独立広場を過ぎ、さらに10分くらい走ったところで病院に到着。救急車両の入り口のようなところから建物の中に入る。

病院でドクターのフランス語を通訳してくれる浅川さん

            病院でドクターのフランス語を通訳してくれる浅川さん

すぐドクターの部屋に通されて診察が始まった。高熱でぐったりしている日本人のこどもを今から連れて行く、と浅川さんが事前に連絡しておいてくれたのだ。ドクターはフランス語で話すが、それを浅川社長が日本語に訳してくれるのですごく助かる。

今までの旅程と病気の経緯を伝え、イランジャで処方された薬と、イランジャのドクターが書いてくれたメモを見せる。しばらく話しを聞いてカイのことをちらちら見ながらカルテを書いていたドクターは、ほんじゃあっちの部屋へ移りましょうと言う。

ドクターの部屋から出て、廊下の反対側にある手術室のようなところに入った。カイは何をされるのか不安で、今にも泣きそうな顔をしておびえている。ははは、大丈夫だよ、ここで手術なんてしないから。たぶん。

ドクターはカイの熱と脈を測り、それから触診をおこなう。そして心配ないというようなことを浅川さんに告げる。おそらく食あたりと日射病が併発しているのでしょう、とのこと。

それを聞いてわたしもママも安心。ほーーっと肩の荷が降りた感じ。

アレルギーについて聞かれ、それから注射をしますとドクター。もう注射でも何でもばんばん打って下さい。カイは注射と聞いて、あ、手術じゃないのか、と一瞬ゆるんだ表情を見せたが、その注射は痛いのかなーとすぐ不安な顔色になる。

ベッドの上で小さく丸まり、かたくなっているカイを見て看護婦さんがけらけら笑う。痛くないから心配しないで、と言うようなことを言いながらきらりと針が光る注射器をもって、さりげなくカイに近寄る。それからぶつっと腕に刺しシリンダーをゆっくり押し込む。

「はい、おわりました」

看護士さんが針を抜くと、カイはえ、もう終わったの?ぜんぜん痛くなかったよ、と安堵の表情。

それから薬が処方され、ドクターにお礼を言って診察室をあとにした。

薬は病院から車で10分くらい走った町中の薬局で購入。もっと近くにも薬局があるらしいが、今日は日曜日でお休みらしい。

ちなみに料金は診察代と薬代を含めて1万アリアリ(日本円で600円くらい)だった。ええ~~そんなに安いんですかーー。