ハッピーニューイヤーサファリ!広大なサバンナで見つけた小さなフンコロガシ

2019年1月28日

セレンゲティでの新年サファリで見つけたチーターの親子

キャンプサイトのすぐ近くでチーターの親子を発見、って私たちが寝泊まりしているこんな近くにですかー!

ジャンボ〜!6歳(年長)から12歳(小6)の6人の子どもを連れて、猛獣が闊歩するアフリカのサバンナでキャンプ旅行。

旅行8日目、1月1日。元日 新年 お正月。朝食が終わったらいつものようにサファリカーに乗り込んでゲームサファリに出発します。こたつに入ってみかん食べながらお笑い番組を見る正月とは、まったく異質の過ごし方に少しとまどいつつ。

子連れアフリカ旅行のスケジュール

  • 1日目:羽田→
  • 2日目:ドバイ→ナイロビ→ナクル湖
  • 3日目:ナクル湖→ナイバシャ湖→ナイロビ
  • 4日目:ナイロビ→ナマンガ→アルーシャ→ンゴロンゴロ
  • 5日目:ンゴロンゴロ
  • 6日目:ンゴロンゴロ→マサイ族の村→オルドバイ渓谷→セレンゲティ(キャンプ)
  • 7日目:セレンゲティ(キャンプ)
  • 8日目:セレンゲティ(キャンプ)
  • 9日目:セレンゲティ→キブツファーム→マニヤラ湖
  • 10日目:マニヤラ湖→ナマンガ→アンボセリ
  • 11日目:アンボセリ→ナイロビ→ドバイ
  • 12日目:ドバイ→羽田

チーターの親子

では、今年最初のサファリに出発しましょうか。昨日の雨がウソのように上がって、正月から快晴

んん、サファリに出発していきなりチーターの親子発見!

おおラッキ~!っていうか、

おれたちが寝てるすぐ裏にこんなやつらがいたのかー、

あぶねーよ!

しばらくチーターの親子はサファリカーのまわりでうろうろしていたが、そのうち草むらに消えて行った。

新年最初に見るフラミンゴ

キャンプサイトのすぐ前にこんな大きな湖があった

ンドゥドゥ湖

それからンドゥドゥ湖に出てフラミンゴを見る。

湖畔ではヌーやシマウマが駈けている。

毎年4月には、この湖は凄まじい数のヌーで埋め尽くされるそうだ

水飲み場のある湖は、マサイマラへ戻って行くヌーたちの集結点になっているらしい。

ここからヌーの大軍団は1500kmにもおよぶ長い旅に出る

毎年なぜ同じ時期に同じルートを通って移動できるのかについては、まだハッキリした答えは見つかっていない。

ハッピーニューイヤーサファリの様子

ンドゥドゥ湖のフラミンゴ/湖畔を進むヌー

広い平原

湖畔をすこし走って、キャンプ場を取り囲む森を抜けると、広い平原に出た。遠くのほうにインパラやガゼルの群れ。

近くの穴の中にはジャッカル。

今日は珍しい野鳥もたくさんいる。

セレンゲティには500種を越える野鳥が住んでいるという。

シマウマの群れ

本当に広い景色/テントの裏にいたチーター/インパラ

フンコロガシを発見

そのときモーゼスが何か地面を見ながら車を止めた。

指さすほうに目をやると、

ピンポン玉より少し大きいくらいの泥のかたまりが、

すごい早さでコロコロ転がっている。

フンコロガシだ。

へ~こどもの頃ファーブル昆虫記で読んだことがあるけど、本物を見るのは始めて。けっこうなスピードで転がすんですね。

よく見ると2匹で転がしている。それぞれ役割分担があるみたい。そして最終的にはかなりの大きさになるんだって。

運動会の玉転がしくらいの

いや、さすがにそこまではならないでしょう。

それにしてもモーゼス

こんな広い場所で、

よくフンコロガシなんてちっぽけな虫見つけられたね

むしろそっちの方が驚くぜ。

フンコロガシ

穴から顔をだすジャッカル/ガンバレ!ふんころがし

小さなフンコロガシにとって、

この広大なサバンナは宇宙のように広く感じられるのだろう。

フンコロガシについて

日本に帰って「フンコロガシ」について調べてみたけど、糞を転がす昆虫は「フンコロガシ」以外にもたくさんいるようだ。なぜ糞を転がすかといえば、それは糞を自分の巣へ運んで食べるためなのだが、中には転がさずにその場で食べ始める昆虫もいる。

フンコロガシは自分の体より大きな糞を、逆立ちするような格好で足で押しながら動かしていく。どうして逆立ちした格好で、夜間でも遠く離れた巣まで戻ることができるのか長い間謎だったらしい。2013年にスウェーデン・ルンド大学の研究グループは「フンコロガシは天空の天の川から自分の位置を確認している」という驚くべき論文を発表した。

現在ではこの研究結果は世界中で指示されているが、フンコロガシの小さな脳のどこに天の川のようは広大な空間を認知する機能が備わっているのかは謎だ。

ところで日本にも糞を転がすマメダルマコガネという昆虫がいるが、体長3mmしかないので見つけるのは難しい。ということは私たちがアフリカで見たフンコロガシは日本では見ることができない大変貴重な昆虫であり、まさに糞を転がしているシーンが見れたことは、ライオンやバッファローのようなビッグファイブとの遭遇に匹敵するような大イベントだったのだ。

フンコロガシとファーブル

ところでファーブルは、その著「昆虫記」の第1巻でいきなりフンコロガシを登場させている。よっぽどこの不思議な昆虫の奇妙な生態に興味があったようだ。

興味とか好奇心といのは、知的思考の回路を動かす原動力であり、子供の学力を伸ばし、ひいては社会で成功する人間に成長するために必須のファクターだと思う。一般に年をとるほど物事に対する興味や好奇心は失われて行き、それが自分の世界を狭くしてゆく。若い頃から好奇心に乏しい人間は、若くして老化が始まっているとも言え、人間的に成長し、周囲の人々や社会を幸せにすることはほぼ不可能かもしれない。

驚くべきことにファーブルがフンコロガシなどというほとんどの人が興味も関心もしめさない、その存在すら認知しない奇妙でちっぽけな昆虫について本に著したのは56歳のときだ。それから66歳になるまで様々な昆虫の生態を記載し続けた。その年齢でその好奇心と情熱を持ち得たことは驚嘆に価する。ちなみに64歳のとき23歳の女性と結婚して、3人の子供をもうけているから、そちらのほうの情熱も尊敬するくらい強かったのだろう。