【さよならナスカ】ナスカ〜リマバスの旅
オラ、ブエノスディアス、イルカパパです。小4、中1の子供2人連れて家族でペルー旅行に出かけました。
いよいよナスカとお別れする時がやってきました。今日のブログはナスカバスセンターでロサさんたちとお別れして、高速バスでリマへ戻る場面をお伝えします。
そうそう、バスの中で上映していた映画がとっても面白かったですよ、えっ、何と言う映画かって?それは本文を読んでからのお楽しみ、うは。
それでは夢と冒険の旅へヒアウィーゴー!
<今日の予定>
- パンアメリカンハイウェイ
- ナチュラルミラドール
- ミラドール
- マリアライヘ博物館
- エルテラール
- ナスカ陶芸博物館
- ホテルニドコンドルでランチ
- 長距離バスでリマへ帰る
ナスカバスセンターでお別れ
ホテルコンドルでのランチが終ったら、車に乗ってナスカの町に戻ります。バスセンターまで送ってもらい、そこでロサさん、ドライバーのホアンカルロスさんとお別れです。町の中心にあるバスセンターに到着すると、リマ行きの大型バスがすでに待機していて、乗客たちもほとんどが荷物を積み終えているようでした。昨日あのバスでナスカに到着したのが、もう遠い昔のことのように感じられます。
こどもたちが車から荷物を降ろして、バスに積み込みます。それからロサさんとホアンカルロスさんにお別れのあいさつ。たった2日間だったけど、本当にお世話になりました。
この旅行記で何度も書いてきましたが、ナスカはその世界的な知名度からは想像もできないほどいい意味で「観光ずれ」していなくて、素朴で親しみやすくひとことでいえばとても「優しい」町です。それは砂漠という厳しい自然環境の中で、人々が助け合いながら生きてきた長い歴史の積み重ねによるものでしょう。
2日間ガイドをしてくれたロサさんも運転手のホアンカルロスさんも、カンターヨ放水路を案内してくれたナスカ大学のレオナルドくんも、ミラドールの露店のおばさんも、ホテルの門番のお兄さんも、本当に親切で優しい人ばかりでした。
みなさん本当にありがとうございました。地球の果てにあるナスカの町で、この素晴らしい人たちと出会えたこと、子供たちと元気に楽しく旅行ができることに心から感謝します。
わたしたちがバスに乗って席に座ると、ほどなくエンジンがかかり、大きな車体がゆっくりと動き始めました。バスの脇で、ロサさんとホアンカルロスさんが手をふっています。
「さよなら、ありがとう!」
わたしたちもバスが大通りに出てスピードを上げるまでずっと手を降り続けました。
さよなら、そして本当にありがとう。
リマへ戻るバスで観た映画
午後2時半にナスカのバスセンターを出発したバスは、パンアメリカンハイウェイに出てナスカ平原をひたすら走ります。今朝ロサさんたちに案内された、ナチュラルミラドールや、マリアライヘ博物館が、車窓を流れていきます。
やがてナスカ平原が終わり、渓谷の崖を下り始めころ、猛烈な睡魔に襲われました。一昨日から移動によるハードスケジュールで睡眠時間が少なくなっています。それにシカゴからリマへの機内で突然発症した気を失うほどの謎の痛みも、いつまた再発するかわかりません。またあの痛みが襲ってきたらいやだなーと心配しながら、いつしか深い眠りに落ちていきました。
バスは2階建てになっていて、わたしたちの席は来た時と同じ2階の革張りのシートです。
当然ここが「1等席」だと思っていましたが、日本に帰国したあと調べてみたら、2階席は「普通クラス」でどうやら1階席はもっと豪華な「ファーストクラス」だったようです。
ナスカ~リマのバスは、途中、イカの町で2か所と、パラカスの海辺の停留所に止まります。それぞれ数名の旅行者が乗ってきました。ナスカへ行く時は乗客が減っていったのですが、帰りは逆に増えていきます。それからサンドイッチの軽食と飲み物のサービスがあります。
リマに到着したのは午後10時。ナスカからおよそ7時間半の長旅でした。
ところでバスの中では前方のスクリーンで映画を上映していました。眠りから冷める中でうとうとしながら見始めたのですが、ストーリーの展開に目が釘付けとなり、途中から身を乗り出して本気で観ました。スペイン語の吹き替えなのでセリフのこまかいところはわかりませんが、とにかく面白い映画でした。
日本に帰って調べてみたらこの映画は「August Rush」という2007年にワーナーブラザーズが配給したアメリカ映画でした。主演は「チャーリーとチョコレート工場」のフレディ・ハイモア。共演はケリー・ラッセル、ジョナサン・リース=マイヤー、ロビン・ウィイリアムズと豪華な面々です。日本では2008年に「奇跡のシンフォニー」という邦題で公開されています。
どうして旅行と関係のないこんな映画の説明をするかと言ったら、この映画がとんでもなく面白かったからです。も~この映画が観れただけで7時半かけてナスカまで行ったかいがあるもんだというくらい、ってそこまでですかーー!
ニューヨーク郊外の孤児院で暮らす孤独な少年エヴァンが音楽の天才的な才能を開花させる痛快なストーリー。生き別れた両親もともに著名な音楽家という「みにくいアヒルの子」的な設定も、前半のみじめな生活の鬱憤をはらす複線になっています。
映画のラストシーンでは、バスの乗客全員が涙と笑顔で拍手喝采!
ものすごい盛り上がりを見せた、夜の高速バスでした。
バスセンターに到着
夜のバスの旅は考え事をするにはちょうどいいと思います。私はバスの中でじっと下を向いて本を読んでいると、車酔いしてしまいます。昔、中学の時だったでしょうか、修学旅行のバスの中で本を読んでいたら酷く酔ってしまいました。どうして、電車や飛行機では平気なのに、バスや乗用車、船ではだめなんでしょか?東京のような都会なら夜でもバスの窓から町の灯りを見ることができますが、ナスカ~リマの間は大半が砂漠地帯なので、どこまでも黒く暗い闇が続くだけです。
暗闇の中に何か見えないかじっと目を凝らしても、何も見えません。結局、夜のバスでは、誰かとおしゃべりをするか、寝るか、考え事をするしか他に方法がないのです。乗客全員が拍手大喝采をした「奇跡のシンフォニー」も終わり、黒い窓に映る自分の顔をぼーっと眺めながらどれくらいの時間考え事をしていたでしょうか。
もしかしたら途中からうとうと眠っていたのかもしれません。「あれ?」と思ったときには、少しずつ窓の外に灯りが増えてきているのがわかりました。どうやらリマの町に戻ってきたようです。それからどんどん車の交通量が増え、信号待ちの停車が多くなり、今までのようにノンストップで快走することができなくなりました。
のろのろ走っては停車を繰り返しながら、私たちをのせたバスが見覚えのあるバスセンターに到着したのは、午後10時を少しまわった頃でした。ナスカを出てパンアメリカンハイウェイをひたすら走り順調に進んできたと思っていましたが、予定より45分遅れです。
バスから降りて荷物を受け取り、それから送迎車を探します。ドライバーは昨日の早朝、シェラトンホテルからバスセンターまで送迎してくれたのと同じ人だったのですぐわかりました。荷物を持って車に乗り込みながらまわりを見ると、バスが到着したときはあんなに混雑していたのに、クモの子を散らすようにさーっとみんないなくなっていました。夜遅い時間のバスセンターは次から次へとバスが到着するわけではないので、1本バスが到着してちょっとするとあっというまに静かになるのです。
さて午後10時にリマのバスセンターに着いて、それから送迎車でホテルに戻り、どこかで夕食を食べるとなると、今夜もベッドに入るのが深夜12時過ぎになりそうです。明日はクスコへ向けて出発するためまた5時には起床しなければなりません。連日、深夜就寝早朝起床、というハードなスケジュールです。
「ホテルに着いたらどこかへ夕食を食べに出かける?」
「う~~ん、あてもなく歩き回ってたら時間ばかり過ぎちゃうし、バスの中で軽食が出たからそんなにお腹へってないよ」
そうか、それに夜のリマの町を子供を連れてうろうろ歩き回るのはかなり危険です。ペルーと言えば数年前には日本大使館が占拠されるという事件が起きた場所です。へたに出歩いて誘拐なんかされたら怖いですからね。
「じゃあ、ホテルのレストランで軽くすませようか」
リマシェラトンのディナー
リマシェラトンホテルのロビー
送迎車がホテルに着いて、ベルボーイたちが荷物を運んでくれます。昨日はいったんチェックアウトをしているので、またチェックインの手続きをし直します。少しでも早く寝て少しでも多く睡眠時間を確保するために、チェックインの手続きが終ったあと、荷物は部屋のほうへ運んでもうらうよう伝えて、私たちは部屋へ向かわず、直接ホテル内のレストランへ行きました。これで少なくとも10分は時間を節約できるはずです。
たかが10分と言っても、早朝のベッドで目覚ましが鳴り響く中、「あと10分寝れる分」の10分と思ったらかなり貴重ですよね。こうしたちょっとした時間の節約で身体を休める時間を積み重ねていくことは、ペルー旅行のようなハードな旅程を無事こなすためにはとても大切なことだと思います。まあ、結局はこのあと私以外全員が病気になるのですが、このときのように少しでも時間を作って身体を安めたため、旅行の継続が不可能になるほどの大事にはならなかったのだと思います。多分、、
この時間に開いているのは、昨日朝食をいただいたレストランだけです。給仕係のお姉さんに案内されテーブルにつきメニューを見てびっくり!どの料理も1品20~30ドルします。しかも日本のように定食なんてありませんから、サラダや飲み物を頼むとさらに別料金が加算されます。そのうえサービスチャージや税金がかかるので、ちょっとスパゲティ1皿食べても家族4人ではとんでもない金額になってしまいました。
まあそれでも夜のリマの町をうろついて危険な目にあうかもしれないリスクを考えたら仕方のない出費ですね。時間の節約で少しでも多く睡眠時間を確保するという目的にもあっています。それに料金が高いのは高いですが、さすがリマでも一流ホテルのシェラトンのレストランです。値段にじゅうぶん見合うほど、味のほうも大変美味しかったです。
メニューの中で一番安くてそのわりにはお腹にたまりそうな、ハンバーガーとかスパゲティを頼んだのですが、大満足したのでした。
さあ、食事が終ったらさっと部屋に戻ってぱっとシャワーを浴びて、ちゃちゃっと明日の荷造りをしてガーガー眠ろう。明日はいよいよインカ帝国の首都がおかれていた世界遺産の町クスコへ行きます。