ウィーン空港でこどもと世界経済の話をした

2019年2月15日

子供と経済や金融、国際情勢の勉強をしよう!

ウィーン空港での乗り継ぎ
この飛行機でギリシャへ飛ぶよー、じゃあね!

今のこどもたちが社会人になる頃には、今よりもっと情報伝達手段が多様化し、スピードも迅速化されているだろう。つまり今よりもっと世界のあらゆる国や業種でおこることが、短時間のうちに影響し合う世の中になっている可能性があります。

そのような世の中で立派に通用する社会人になるためには、金融やお金、経済など国際/社会情勢に関する正しい知識を持ち、それに対処する適切な能力を備えていることが不可欠だね、うん。今日から食卓で、こどもといっしょに新聞を読んだり、テレビのニュースを見て、わからないことを調べ合ったり、意見を出し合って討論してみてはいかがでしょうか?大手新聞社が発行している「小学生新聞」「中学生新聞」を購読したり、NHKの「週間こどもニュース」もおすすめですよ。

ただし気をつけたいのは、必ず親子でいしょにそれをおこなうこと。こどもだけに一方的に押し付けたら、学校の勉強と同じで「イヤな物」という印象が、こどもの脳に刻印されてしまいます。

それから旅行に出た時、例えば空港での乗り継ぎの待ち時間なんか、親子でじっくり話すいい機会ですよ。

金融危機と空港ファンド

日本の義務教育では、国際情勢や金融、経済、株式投資などに関する授業はほとんどおこなわれていないけど、アメリカでは小学校の授業で、株式投資や資産運用についての基本的な知識を教えているぞ。

1929年の大恐慌の反省として、お金に対する正しい考え方をこどものうちから養う必要があるとして、学校教育に導入されたものだよん。

2008年秋、世界はその大恐慌以来、百年に一度あるかないかという深刻な金融危機に見舞われました。この金融危機による景気後退を受けて、給料が減らされたり、ボーナスが出なかったり、失業した人も大勢いる。金融危機なんて自分には関係ないのに、と嘆いてもしょうがない。情報通信手段が発達し、グローバル化した世界は、今やあらゆる国々の経済や様々な業種が密接につながっているのですから。

開発が進む東欧へのゲートウェイとして発展してきたオーストリア経済にも、金融危機の影響が出ている。乗客の激減という厳しい状況を受け、オーストリア航空がルフトハンザの支配下に入ったのは、年の瀬も迫る2008年12月上旬のこと。経営力に勝るルフトハンザ航空は、すでにスイスインターナショナル航空も配下におさめているが、さらにスペイン/イベリア航空やアリタリア航空、KLMオランダ航空といった、欧州主要国のフラッグキャリアとも経営統合の交渉をすすめている。それらの交渉がまとまれば、その後もルフトハンザがスターアライアンス陣営に残ろうが残るまいが、世界の航空会社の勢力図も今とはかなり違ったものになるだろう。

金融危機の直前まで、住宅ローンなどの債権を証券にした「証券化商品」や、複数の有価証券をひとつにまとめた「合成証券」が、世界中の投資家にさばかれていた。投資家には生命保険会社や年金基金のような法人投資家もいれば、個人の投資家もいる。その中で近年、急速に存在感を強めていたのがファンド会社だ。彼らはあらゆるものを投資対象とする。株式や債券、金、原油、つぶれかかった会社が発行する転換社債、クーデターが起きた国の国債のクレジットデフォルトスワップ、設立されたばかりの会社が発行するワラント付きメザニン債、消費依存症の人のクレッジットカードによる買い物代金を肩代わりしたコラテラルデッドボンド、森林、農地、二酸化炭素排出権等々。

空港に投資してリターンをあげることを目的とした「空港ファンド」もユニークな投資対象に目をつけた運用プロダクツと言えるだろう。世界の空港の中には株式会社の形態をとっていて、取り引き所に上場されている空港も少なくない。

今回乗り継ぎで寄港したウィーン国際空港もそのひとつ。ということで今回はおしまい。

それでは良いご旅行を!