シチリアみやげにオススメ!モディカのチョコレート屋〜アンティカ・ドルチェリーア・ボナユート
モディカの古い古いチョコレート屋さん
古代メキシコで、アステカの王様が召し上がっていたチョコレートは、今時のチョコレートとはかなり違うらしい。バターやレチシンなど「不純物」は一切加えず、カカオといくばくかの砂糖、香料だけで作るチョコレートだそうだ。
モディカには16世紀にアステカ王朝を征服したスペインから伝わった、そんなホンモノのチョコレートを今も作り続けている店があると言う。それも24、5軒も。今日はその中でも老舗中の老舗「アンティカ・ドルチェリーア・ボナユート」に行ってみることにした。
ところで、チョコレートとは関係ないが、イタリアでは「アンティカ~」と付く名前のお店がけっこうある。カターニアで行った市場レストラン「アンティカ・マリーナ」なんてのもそうだ。「古い~」とい意味らしい。
でも日本では店名にわざわざ「古い」なんて付けませんよね。だって「斉藤古い豆腐店」なんてあったら「腐った豆腐でも売ってるのか~?」と思ってしまうでしょ。「佐々木古い寿司」とか。へっへっへ。
さてその古いチョコレート屋アンティカ・ドルチェリーア・ボナユートは、12使徒の大理石像が立ち並ぶサン・ピエトロ大聖堂の道の向かい側にあった。チョコレート店のイメージには似つかわしくないこりゃまた立派な扉を開けて中に入ってみる。おお~。
この内装、雰囲気はチョコレート店というより、宝飾店みたいだ。大理石の床にガラスのショーケース。重厚そうなカウンターの上には試食用に小粒にカットされたチョコが並んでいる。
試食
「どれどれ」
さっそく一粒つまんで口にほうりこんでみる。
「だっ!なんだコレ!!」
それは今まで体験したことがない味覚。バターを使っていないそのチョコレートは口の中でとろけるのではなく、まるで小石を噛みくだいたみたいに、ガリっと崩壊する。
その瞬間、チョコレートそのもの濃厚で骨太な波動が、脳天まで達した。これに比べたら今まで食べてきたのって、チョコレートの味がする別の食べものに思えてきた。
さらにふた噛み、み噛み。その度に波動が脳を揺らし、気がつけば至福の花園へプチトリップしちゃってたわたしたち。いかんいかん、冷静になろう。
シチリアみやげにおすすめ
どうやら60%とか80%とか種類があるのは、カカオの純度のようだ。食べ比べてみると70%が一番イケルような気がする。さらにバニラやシナモン入りというのがあって、こちらもかなりイケル。そして一番人気があるのが「辛子入りチョコ」。
ええ~、ウケ狙いですかぁ~。さすがにそれは騙されんぞと身構えながら食べましたが、食べた直後はカラシの辛さなんて拍子抜けするほどみじんも感じない。ところがしばらくしてから喉の奥のほうがぴりぴりしてきた。どひゃぁ~、これもまたまた未体験ゾーンの味覚。甘いものが嫌いな人は、食べたあと口の中がまったりするのがいやだって言うけど、これはそのまったり感を打ち消す効果もある。
最初はカカオ本来の濃厚でパワフルな衝撃、その後深い甘みが口の中いっぱいに広がり、飲み込んだあとで最後にぴりぴり体験。
まさに美味しさの三段ロケット、魅惑の三位一体攻撃と言える。
バター使ってないから暑い中持ち歩いても溶けません。
これはナイスなシチリア土産が見つかったと、大喜びでせっせと買い込むママだった。
アンティカボナユートの隣にある「マーティンカフェ」で冷たいグラニータを頂く
Antica Dolceria bonajuto
Corso Umberto I 159,Modica
Tel 0932 941225