【アクロポリス子連れ旅行記】子供料金と共通チケットのメリット、買い方

2019年2月15日

ども!カリメーラ!子連れ海外旅行をこよなく愛するイルカパパです。小2、小5の子連れでちょっと変わった個人手配ギリシャ家族旅行を楽しみました。

今回のブログ記事はアテネ観光のハイライト、アクロポリスとパルテノン神殿の紹介です!最後まで楽しんでね〜♪

アクロポリス遺跡の入口プロピライア門

アクロポリス遺跡2020年2月現在の入場料

アクロポリス遺跡&ディオニソス劇場
営業時間
  • 8:00-20:00
  • 8:00-18:00〜19:00(4、5、9、10月は閉園時間が変動します)
  • 8:00-15:00(11/1-3/31)
休館日 12/25、26、1/1、3/25、5/1、イースター期間中の日曜など
入館料
  • 大人 20ユーロ
  • 子供(18歳未満) 無料
  • 7遺跡共通チケット 30ユーロ
無料開放日 3/6、4/18、5/18、9月最終週、10/28、11/1〜3/31の毎月第1日曜日
公式サイト http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=2384

*アクロポリス遺跡の入場料20ユーロにはディオニソス劇場への入場料が含まれています。アクロポリス単体、ディオニソス劇場単体の入場チケットはありません。

アクロポリス遺跡の見どころはパルテノン神殿、プロピライア門、エレクティオン、イドロ・アティコス音楽堂などです。

アクロポリス遺跡の地図

アテネ遺跡見学共通チケットについて

アテネの主な遺跡7箇所(アクロポリスとディオニソス劇場は2つで1箇所とカウント)の共通入場チケットの内容です。

共通チケット
メリット
  1. アクロポリスの他に2つ以上の遺跡を見学するならお得になる
  2. 施設ごとにチケットを買う(並ぶ)手間が省ける
有効期限 最初に使用した日から5日間
使い方 各施設1回のみ
料金
  • 大人 30ユーロ  *冬季は15ユーロ  
  • 子供(18歳未満) 無料
買い方 各施設の窓口または公式サイト
公式サイト https://etickets.tap.gr

2008年の共通チケットの料金は12ユーロだったから随分値上がりしましたね〜、はひゃぁー。

共通チケットのメリット

共通チケットのメリットはアクロポリス以外に2つ以上の遺跡に入場するとお得になることと、施設入場ごとに窓口に並ばなくていいことです。

アクロポリス以外の6つの遺跡の入場料の合計は

2020年1月現在44ユーロです。

アクロポリス遺跡単体の入場料と共通チケットの差額は10ユーロなので、仮にアクロポリス以外全ての遺跡に行くとしたら大人1人34ユーロお得になります、おお〜〜。

問題はアクロポリス以外の遺跡に子連れで行くかどうかということですね。

結論から言いますと、これは「行く」でしょう。アクロポリス以外の6つ遺跡全てに行くかどうかは判断におまかせしますが、少なくと古代アゴラとゼウス神殿は子連れにおすすめですし行ったほうがいいと思います。お互いの遺跡はとても近いし。

そうするとこれだけでもう元は取れちゃうということですね、うは。

それから各遺跡共通の無料開放日があるのでチケットを購入する前に必ずチェックしてください。

7遺跡共通の無料開放日:3/6、4/18、5/18、9月最終週、10/28、11/1〜3/31の毎月第1日曜日

アテネ7遺跡の大人と子供の入場料

パルテノン神殿
パルテノン神殿

次に遺跡ごとの単体の入場料と公式サイト(英語)を記載しておきます。

1.アクロポリス遺跡&ディオニソス劇場 

入場料:大人20ユーロ 子供(18歳未満)無料

公式サイト:http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=2384

2.古代アゴラ(ギリシャ時代) 

入場料:大人10ユーロ 子供(18歳未満)無料

公式サイト:http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=2485#=

3.ローマ時代のアゴラ 

入場料:大人8ユーロ 子供(18歳未満)無料

公式サイト:http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=2402

4.ハドリアヌスの図書館 

入場料:大人6ユーロ  子供(18歳未満)無料

公式サイト:http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=2370

5.オリンピエイヨン・ゼウス神殿 

入場料:大人8ユーロ 子供(18歳未満)無料

公式サイト:http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=2488

6.ケラミコス遺跡 

入場料:大人8ユーロ 子供(18歳未満)無料

公式サイト:http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=2392

7.アリストテレスの学校

入場料:4ユーロ *子供の料金は未確認

公式サイト:http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=20744

共通チケットはどこで買ったらいい?

共通チケットのメリットは料金がお得意なる他に、一度買ってしまえば各施設のチケット販売窓口に並ばなくていいことです。

共通チケットは公式サイトと各施設のチケット販売窓口で購入できます。

チケット購入の公式サイト:https://etickets.tap.gr

共通チケットは7つの史跡のどこで買ってもいいでんですが、時間を節約するためには一番空いている遺跡の窓口で買うのが賢明です。

それは

ハドリアヌスの図書館です。

ここはだいたいいつもがら〜〜んとしています。地下鉄モナスティラキ駅から100m、徒歩2分たらず。ここで共通チケットを買ってアクロポリスを目指すのが正解です。ってチケット買ったのにハドリアヌスの図書館は見ないのぉ〜〜、えへへ、まあそれは最後に時間が余ったらということで。ただしここの窓口では現金しか使えません。

それから予定がハッキリ決まっているなら公式サイトで購入する方法が一番おすすめです。

ハドリアヌスの図書館の地図

アクロポロリス子連れ旅行記

アクロポリス遺跡の入場ゲート
アクロポリス遺跡の正面ゲート / こっちは北側(裏)ゲート

夢を見る力を育む旅育の観点からの子連れ旅行

アクロポリスの岩山にひときわそびえるパルテノン神殿は、今からおよそ2500年前に建てられた、世界で最も有名な建築物のひとつだ。

その正面に立つと、クレーンや電動工具などを持たなかった古代の人々が、いったいどれほどの情熱をかけてこの後世に残る建物を築いたのだろうかと思う。

昨日と今日では進み具合の違いがわからないくらいささやかな歩みを、毎日毎日積み重ねてゆく。

その愚直な歩みの原動力は、夢を実現したいと願う情熱だ。

その夢を見る力=情熱を燃やす心、を子供の中に育むには、親子で感動体験を共有することが一番大切と言われている。

わたしは子連れ海外旅行の目的もまた、親子で感動体験を共有することだと思う。正しい子連れ海外旅行をしていれば、必然的にこどもの心に「夢を見るちから」「情熱を燃やし続けるちから」

が育まれていくのだ。

せっかくこどもを連れて海外まで行くのに、その旅行が子供のためにならなくてもいいと思っている親はいないだろう。

ほとんどの親御さんはこどもに、できればこの旅行から何か大切なことを学びとって欲しいと願っている。

しかし、その願いとは裏腹に、旅行の内容やスケジュールが、その目的達成とはほど遠いものになってはいないだろうか?

大人だけの旅行でやっていたのと同じような内容、、、ホテルに泊まって、オプショナルツアーに参加して、有名な観光スポットを訪れて、買い物して、ガイドブックに載っているレストランで食事をして~、ではこどもは感動しない。

こどもが感動する旅行のキーワードは、「体験」。

一緒に料理を作る、散歩する、海や川で泳ぐ、砂で遊ぶ、山や森の中を歩く、そして珍しい野生の生き物を見る。

それらをこどもの年齢にあわせて親子でおこなえば、子供の心の中に、パパやママと感動体験を共有したという思いが強く残るだろう。

その小さな種は、やがてこどもの成長にあわせて大きくなり、大きな夢を実現するための、大きな情熱の炎となって燃え続けるのだ。これこそ旅育

アクロポリス遺跡
プロピライアを昇る / 奥に見えるのがアテナニケ神殿、NIKEの名前の由来となった像

ところで感動を共有しようと親子で何かを体験するとき、気をつけなければならない重要なポイントが三つある。

ひとつは、体験することの難易度や時間を、こどもの年齢や能力にあわせること。

こどもが0歳前後なら、泊まっている部屋のまわりやリゾートの敷地内をいっしょに散歩するだけでいい。海や川に足首まで浸かるだけだっていい。

二つ目は、親が期待しているほど上手くできなくても、決してこどもをしからないこと。

無理強いしたり、逆にこの子には無理だとあきらめたりしてもだめ。最初から大人のようにうまくできる子供はいない。うまくできてないと思うのは、大人の目で見て大人のレベルで考えているから。こどもにとっては、はじめての体験で大きなチャレンジなのだ。最初はとにかくやってみることに意義がある。

三つ目は、こども自身がうまくやれたという満足感と、また次もやってみたいと思う気持ちを持つようにすること。

そのためには、ゆったりした気持ちで暖かく見守る必要がある。そしてどんな結果であっても「上手だね」と褒めてあげ、その時間を親も感動しながら楽しむことが大切だ。

もう二度と海に入りたくない、二度と自然の中を散歩するのはいやだと、こどもが思ってしまうような時間の過ごし方だけは避けたい。

我が家では、こどもと始めた海外での散歩が、いつしかトレッキングや山登りになり、水遊びが、ボディーボードやスキンダイビングになり、いっしょに料理をつくる体験がキャンプになった。

最初はささいなお遊び程度だったものが、こどもの年齢があがってくると本格的なものになり、今では親も全力で楽しめる体験になってきている。

この調子だと、わたしやママがこどもの足手まといになる日もそう遠くないかもしれない。

アクロポリスの一番北側にある展望台
アクロポリスの一番北側にある展望台に座って景色を眺める子供達

さて、こどもは体験でしか感動を味わえないと述べたが、子供の年齢があがってくると話しは別。じょじょに、観光、つまり見るだけでも感動できるようになってくる。そして歴史や地理や世の中の様々なことに好奇心をいだくようになれば、遺跡や史跡めぐりが、親子で感動体験を共有できる子連れ海外旅行になる。

そんなわけで今回の旅行では、主にエジプトやギリシャ、イスラエルなどの遺跡を見てわまることをメインテーマとした。

そして観光や遺跡めぐりでの印象や感動がより大きなものとなるよう、日本を出発する前に準備をしておいた。ギリシャなら星座や神話のお話しは、こどもむけの本として学校の図書館にもたくさんあるので、事前に読んで予備知識を頭に入れておくのもひとつの方法だろう。

ではこれからわたしやこどもたちが旅行前に仕入れた、ギリシャに関する「ネタ」を紹介しよう。遺跡巡りをしながら、あるいは観光の後のカフェでアイスクリームをほおばりながら、こんなお話しを親子でしてみるのも面白いだろう。

旅行前に親子で調べたギリシャに関する面白い話

エレクティオンの少女の像
エレクティオンの少女の像はアクロポロリス遺跡の見所のひとつ

おおいぬ座

ギリシャ神話にはたくさんの神や動物たちが登場する。中はに天空に昇って星座になった動物もいる。

冬の夜空に昇るおおいぬ座も、オリオンの猟犬が星座になったものだ。

おおいぬ座と言えば、この星座を構成する星のひとつ、ヴィーワイ星が全天で最も巨大な恒星として知られている。光でさえこの星を1周するのに8時間もかかるとうからその大きさは想像もできない。この星をジェット機で1週しようとすると、1705年かかり、新幹線のぞみで1周しようとすると3492年、不眠不休で歩いても174600年もかかる大きさなのだ。いや歩かんでしょう、不眠不休で17万年も。

おおいぬ座には、ヴィーワイ星のほかにも有名な星がある。全天で最も明るい恒星シリウスだ。シリウスには伴星のシリウスBがあり、主星シリウスAと伴星シリウスBは、互いの周りを公転周期50.05年で回る双子星だ。シリウスBの表面重力はとても大きく、地球の表面重力の実に40万倍以上もある。

アインシュタインの一般相対性理論では、このように強い重力場から出る光の波長は長いほうへずれる(赤方偏移)と予想していた。1925年W・S・アダムズは、シリウスBのスペクトルがアインシュタインの予想どおり赤方偏移することを検証し、宇宙空間に超高密度の天体が存在していることを初めて明らかにした。同時に、一般相対性理論の正しさも証明された。

エレクティオン
エレクティオン

守護神アテナとパルテノン神殿

さて星座になった猟犬の主オリオンは、ギリシャで一番腕のいいの狩人であった。またかなりのイケメンでもあったらしい。そのオリオンの父は海神ポセイドンである。

ポセイドンはアテネの治世をめぐって、女神アテナと争ったことがある。結局アテネ市民は、馬を贈ったポセイドンではなく、平和の象徴オリーブの木を贈ったアテナを守護神に選び、この女神を祭る場所としてパルテノン神殿を建築した。

現存するパルテノン神殿は、ペルシャ戦争の勝利を祝って、紀元前432年に建てられたもの。幅31m、奥行き70m、正面、背面にそれぞれ8本、側面17本のドーリア式の石柱が周囲を囲み、内部には巨大な青銅製のアテナ女神像が東を向いて祭られていた。

パルテノン神殿とほぼ同じ時期に、プロピライア(前門)、エレクテイオン、アテナ・ニケ神殿などが完成した。これらはすべて標高156m、アテネを見下ろすアクロポリスの丘に建っている。そしてアクロポリスの丘全体が、1987年、ユネスコの世界遺産に登録されている。

パルテノン神殿

パリスの審判

ところで、アテネの守護神、アテナは知恵と戦の女神とされている。

結婚の女神ヘラ、愛と美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)、そしてアテナは、この世で最も美しい女性が持てる黄金の林檎の所有をめぐって争う。

判定をたくされたトロイの王子パリスは、3女神からうらやましいくらいモーレツな買収工作に合った。ヘラは、自分を選んでくれたら「君主の地位」を、アテナは「いかなる戦でも勝利」を、アフロディーテは「この世で最も美しい女性」を与えると。

アクロポリアスからイドロ・アティコス音楽堂を見下ろす

さあ、こんな美味しい裏工作をもちかけられたら、アナタならどれを選びますか?今風に置き換えると「権力」か「お金」か「世界一の美女」のいずれかを得ることができる、というシアワセな三択。

この「パリスの審判」でパリスは、こともあろうに、この中から権力でもお金でもなく「世界一の美女」を選んでしまったのだ。

コンチクショーー!なんて美味しい野郎なんだ。

こうしてパリスのもとに差し出されたのは、当時アテネと並んでギリシャに覇を唱えていた都市国家スパルタの王の妻ヘレネだった。って何~~、人妻じゃないか~~、そんなん勝手に他人に捧げていいのか!

いいわけありません。トロイに連れ去られた我が妻を取り戻すため、スパルターギリシャ連合軍とトロイの間で戦争が勃発してしまう。これがトロイの木馬で有名なトロイ戦争っちゅうわけです。

戦争の影に美女ありですね、ふふふ。

トロイの木馬

ところでこのトロイの木馬の話しを聞いて、「それは本当にあった話しに違いない」と信じ、その話しの虜になった8歳の少年がいた。

東ドイツの貧しい家に育ったハインリッヒ・シュリーマンだ。彼はこの伝説を聞いて「絶対トロイの木馬を発見するぞ」と誓い、その夢を実現するために、10カ国以上の語学を学び、考古学を学び、経営学を学び、商売を起こし巨万の富を手に入れ、その金で発掘したい場所の土地を買い、発掘機材を買い、たくさんの人を雇い、とうとう本当に発掘現場からトロイの遺跡を発見してしまったのだ、あひゃぁ〜〜。

普通の人なら10カ国語をマスターしたり、巨万の富を手に入れたりすることが、大きな夢なのに、彼にとっては

単なる通過点

にすぎなかったというのがスゴい。

エウメネスの回廊
足元の大理石がつるつるに滑るの気をつけよう

40年以上もかけて、少年の頃見た夢を実現したシュリーマンは、その著書「古代への情熱」で数カ国語をマスターする心得を記載している。

たくさん音読すること、必ず毎日勉強すること、反復して記憶に定着させること、などが大切だと。

また物語を丸暗記することを実践している。同じ物語を違う言語で丸暗記する、それで短時間のうちにたくさんの言語を理解できるのだと。

プロピライア門を登る子供達
プロピライア門とアテナニケ神殿

ルーベンス

さてトロイ戦争の発端となった「パリスの審判」は、ヨーロッパにおいて多くの画家の題材として描かれている。中でもバロック期を代表するアントワープの宮廷画家ルーベンスは、この神話を題材とした絵を7点以上も書いており、その心酔ぶりを想像できる。

ルーベンスが書いた「パリスの審判」は、現在ロンドンのナショナルギャラリーや、マドリードのプラド美術館などで展示されている。

17世紀に活躍したルーベンスの代表作と言えば、ベルギー/アントワープ大聖堂に掲げられている「キリスト降架」だろう。この絵は物語「フランダースの犬」で主人公のネロが最後に見た絵とされている。そしてこの物語で描かれた少年とパトラッシュの友情の絆は、今でも多くの人々の胸の中で輝いている。

ギリシャ神話の中でおおいぬ座になったオリオンの猟犬もまた、星座となって冬の夜空に輝いている。

ディオニソス劇場

ディオニソス劇場
ディオニソス劇場

古代ギリシャの人々は、とにかく演劇が好きだったようだ。当時のギリシャの都市には、必ずと言っていいほど劇場が建設されていた。

そういえば2006年に旅行したシチリア島でも、タオルミーナやシラクーザ、アグリジェンドなど主だった都市には、古代ギリシャ劇場があった。それもそのはず、当時のシチリア島はギリシャの植民地だったのだ。

植民地の都市にも劇場を作っちゃうくらいだから、当然、自分たちのお膝元で、ギリシャ最大の都市国家だったアテネにも劇場を作りました。それが、アクロポリス南麓にどか~~んと構えるディオニソス劇場、うひょぉ〜〜。

ディオニソスはギリシャ神話に登場するオリンポス十二神のひとりで、酒と演劇の神様だ。そんな神様の名前を冠する劇場だから、当時においてもさぞ立派な劇場だったんだろうね。

入場ゲート
エウメネスの柱廊下 / ディオニソス劇場の入場ゲート

アクロポリスの見学が終わったら、アクロポリス西麓にある正面ゲートを通って外に出よう。

入る時は道に迷ってしまい、北側の裏門から負け犬のようにこそこそ入ったものだからそのリベンジ。

ゲートを出て、広くゆったりした遊歩道を南側に下ってゆく。やがて正面に、夏の間、演劇、コンサート、オペラ、ギリシャ古典劇などが上演される、イドロ・アティコス音楽堂が見えてくる。

そこからアクロポリスの南側の壁を仰ぎ見ながら、エウメネスの回廊を進んで行くと、ディオニソス劇場に到着する。

アクロポリスの南麓にあるディオニソス劇場は、紀元前6世紀頃作られた円形劇場。1万5000人の観客を収容できる大劇場だった。

最前列には貴賓席があり、背もたれ付きの大理石のイスが並んでいる。また半円形の舞台後方には、ディオニソスの一生をテーマにしたレリーフが残っている。

劇場はぱっと見た感じよりずっと大きくて、階段状の座席を昇って後ろの列へ行くのはかなりの運動

この劇場は現座は使用されていないが、座席に座って舞台を見下ろすと、なんだか遠い空から時空を超えて、役者たちの息づかいが聞こえてくるようだ。

入場ゲートをくぐってからも少し歩く / 劇場で出土した彫刻

古代ギリシャが熱い演劇国家なら、1970~80年代の東京も、新興劇団が次々に勃興し毎日のように新しい芝居が上演され、たくさんの観客を陶酔させた演劇都市だった。

その中でひときわ高い人気を誇ったのが劇団「夢の遊民社」だ。遊民社の演劇には、ギリシャ神話やシェークスピアの世界を独特の切り口で解体し、世相を反映した事件やニュースと融合させたストーリー展開も少なくない。

日本全国のみならず、ニューヨークやエジンバラでも公演し、絶大な人気を誇った遊民社だが、その出発点は、東大駒場キャンパスにあった小さなテント劇場。

わたしは1980年の夏、そのテント劇場で「二万七千光年の旅」(入場料500円)を観た。

彼らが後にどんなに立派な劇場で上演するようになっても、ぎゅーぎゅー詰めの駒場キャンパスのテント劇場にあった、観客とステージが一体となって芝居を盛り上げていく高揚感が好きだった。

ディオニソス劇場を見学する子供たち
これが貴賓席のイスだよ

演劇の神様の名前を冠した劇場を子供達と見学しながらそんな遠い昔のことを思い出していた。

【アクロポリス子連れ旅行記】子供料金と共通チケットの買い方

アクロポリス遺跡はアテネ子連れ旅行で必見の場所です。古代アゴラやゼウス神殿など他の遺跡2つ以上にも行く予定なら7遺跡共通チケットを購入するのがおすすめです。

ただし無料開放日があるので、チケット購入前に確認しておきましょう。

このブログ記事があなたのアテネ旅行の参考になったならとっても嬉しいです。

それではどこかでまたお会いしましょう。良いご旅行を!

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