子連れタヒチ旅行記・ボラボラ島へのフライト編
パペーテからボラボラ島へのもっとも一般的な行き方はエア・タヒチ航空を利用する方法だ。エア・タヒチ航空でパペーテ〜ボラボラ島間の所要時間は直行便で約45分、経由便で1時間半。フライトは毎日5~9便運航ありほとんどが直行便だ。
絶景が見れるのは左側座席〜エア・タヒチ航空ボラボラ島へのフライト
この飛行機でボラボラ島へ飛ぶよ
エア・タヒチ航空
エア・タヒチ航空は、前身の会社が1961年に商業運航を開始、1970年からは「エアーポリネシア航空」としてタヒチ島を中心に路線を拡大、そして1986年の大株主による資本移動を機に「エア・タヒチ航空」と社名変更し現在にいたっている。2003年のデータだが、従業員数632名、域内40の島に定期便を運航し、年間約71万人の乗客を運んでいる、フレンチポリネシアの民間資本による航空会社だ。
チケット購入方法
チケットの予約/購入は、ネットや電話をつうじてのほか、パペーテ市内とファアア国際空港内のオフィスでもおこなえる。チケットには片道運賃と往復割引運賃のほか、いくつかの島を組み合わせて効率よくまわれる「タヒチエアーパス」という割引周遊チケットがある(パスは島の組み合わせによって5つのタイプがある)。
今回の旅行では、個人手配のメリットをあまり感じなかったので、チケットはすべて日本国内の旅行代理店をとおしておこなった。
使用機材はATR-42-500、ATR72-500、ピーチクラフト、ツインオッター。座席指定はなく、自由席のため搭乗ゲートに早く並んだ人から好きな座席を確保できる(子連れ優先搭乗あり)
船でも行ける
ちなみにパペーテからボラボラ島まで、船でいく方法もある。飛行機のような定期路線ではないが、いくつかの旅行会社がクルージングツアーを主催している。またクルーザーを貸しきりにするのもおもしろい。キャプテンからシェフ、メイドさん、そして食材まですべてひっくるめた料金なので決して安くはないが、ボラボラ島はホテル代、食事代がほんとうに高いので、トータルで比較した場合じゅうぶん競争力のある料金になる。小型のクルーザーでも2ベッド、3ベッドルームと部屋数がおおく、居住性の点でも申し分ないはずだ。
ボラボラ島へのフライト
ボラボラ島いきの飛行機はプロペラ機だ。機体の一番うしろからステップをのぼって機内に乗り込む。シート配列は2-2、中央ふきんの座席は、つばさについたプロペラが視界をさえぎるのでさけよう。わたしたちは前方左側の席を前後2席ずつ確保した。ちなみにトイレは一番うしろだ。またフライトの途中ちょっとうすいグァバジュースが出た。
離陸するとすぐ左側にモーレア島が見える。さらにしばらくして今度はフアヒネ島、ライアテア島、タハア島とぞくぞく登場。おおーやっぱり左側で正解だ!空から見おろす海の色がメチャクチャきれい!そして機体が高度をおろしはじめたら、さあ、いよいよボラボラ島の優雅なすがたが目に飛び込んできた。
ボラボラ島は土星のような「輪」をもつ島だ。中央の火山島と、そのまわりを珊瑚礁の島がぐるっととりかこんでいる。珊瑚礁の島はタヒチの言葉で「モトゥ」といい、それぞれに名前がついているらしい。飛行機は「輪」のちょっと外側を飛びながらどんどん高度をさげていく。そしていったん島を通り越し「あれ?過ぎちゃったよ」と思った瞬間、グーンと180度Uターンして、「輪」の部分にあるボラボラ空港に着陸した。
飛行機の進行方向左側座席から見た着陸前のボラボラ島の写真
ボラボラ空港に到着
ボラボラ空港は1943年に米軍によって作られた、タヒチではもっとも古い空港のひとつだ。エアタヒチがパペーテの他、モーレア島、ファヒネ島、ランギロア島等多くの島へ直行便、経由便を多数運行している。
機体が停止し、ドアがあいてタラップをおりる。とたんに強烈なひざしがふりそそぐが、それにめげず顔をあげると、眩いラグーンのむこうにオテマヌ山の勇姿。
ああ、夢にまでみたボラボラ島 ついにやってきたんだ!
プロペラのしだいにおちる回転数とは対照的に、わたしの感激のボルテージはどんどん上がっていった。
ボラボラ空港のターミナルビル
飛行機をおりた乗客たちは、影だけがくっきり浮かび上がる滑走路をあるいて、その先にあるかやぶき屋根の建物に向かっている。どうやらあれが空港ビルみたい。建物にはいると、ここでもタヒチアンダンスのお出迎え。不安になるくらい素朴な外観とはうらはらに、建物の中はおみやげショップやカフェがあって、その意外な「充実」ぶりにちょっとびっくりする。きょろきょろしながら到着ロビーにすすんでいくと、わたしたちが宿泊する「ボラボラパールビーチリゾート」のカウンターは、拍子抜けするくらいあっさりみつかった。
カウンターで出迎えてくれたホテルのスタッフは、みんなみるからに陽気そうなタヒチアン。わたしたちの名前をつげると、にぎやかに1人1人にティアレの花のレイをかけてくれる。う~ん、いいね、で、今日何回目だ?これしてもらうの。
空港内にあるホテルのカウンター
空港の建物を出ると、ふつうだったら道路や駐車場があってバスやタクシーが待機してるのだが、ボラボラ空港はちょっと様子がちがう。建物を出たすぐそこにあるのは、イキナリ海です!えぇ~っ、すごいへんな感じ。ホテルへはここから専用のシャトルボートでむかうのだ。あ、そうそう荷物はカウンターで「あれとこれとそれ」って指示すれば、部屋まで運んでくれるぞ。子連れにはとってもありがたい。
スタッフに案内されたボートをみてまたびっくり。海があんまり透明なせいで、水に浮いてるというよりまるで空中に浮かんでいるみたいにみえる。そのとき
「あー、さかながいっぱい!」とリュウが叫ぶ。
「わぁーほんとだ。マンタいる?」とカイ。
いや、いきなりこんなとこにマンタはいないでしょう。「でもこんな綺麗な海、ほんとにひさしぶりね」とママ。こどもたちが生まれる前、わたしたち夫婦の海外旅行は、ほぼダイビング旅行だった。数年前のわたしたち夫婦のようなカップルを数組のせて、船はこの世のものとは思えぬ、まぶしく透き通った海へ出発するのを待っていた。
空港からホテル専用クルーザーで移動
わたしたちが泊まるボラボラパールビーチリゾートは、ボラボラ島でもっとも空港に近いリゾートホテルだ。空港の到着ロビーを出てすぐ正面にある桟橋からホテル専用クルーザーに乗船する。波音がちゃぷちゃぷ響き、この世のものとは思えないほど美しいライムグリーンの水面の先に、その頂に白い雲をたなびかせオテマヌ山がぬーっとそびえている。
こんな絶景の中をクルージングするなんて、と言ってもちょっと空港からホテルへ送迎するだけなんだけど、これだけでひとつの有料エクスカーション、それもかなり上質の!と言ってもおかしくない。
やがてホテル専用クルーザーは、そのガラスのように透き通った水の上をすべるように動き始めた。風としぶきが強烈な日差しに照らされた頬に当たり、気持ちいい。
空港島を出て波にゆられること10分たらず、夢のような時間に包まれていたら、風をきり進むクルーザーの前方に、水上コテージ群がみえてきた。振り返るとラグーンのむこうにオテマヌの霊峰、どこまでも感動的な景色だ。
これから5日間、こんなすごい眺めのリゾートですごすと思うとそれだけで胸がいっぱいになる。やがてクルーザーは速度をおとし、ヤシの木のビーチから伸びるボードウォークの先端にある、大きな屋根におおわれた船着場に到着した。
いよいよドラマッチックなボラボラステイが始まる
タヒチアン様式の天井の高いロビー棟の入り口でまっていたのは、美人なのに親しみやすい笑顔が印象的なスイス人女性、マチルダ。まだ朝の9時すぎだというのに、もう部屋に入れるという。
やったー、なんてラッキー!!アーリーチェックインの別料金なんて払ってないのに。正直、オーバーナイトのフライトだったので、本当のチェックインの時間(正午)まで部屋が使えなかったら、どうしようっておもってました。どうしてたんだよー!
ジュネーブ近郊出身のマチルダは、研修で半年間このホテルで働いているという。「どんな研修だ、それ。うらやましすぎ!」っていうと「今日本話せるスタッフいないから、いつでも歓迎ですよ」だって。う~ん、グラっときちゃうなー。
ここちよい風が吹き抜ける水上コテージへつづく桟橋。マチルダにみちびかれながら、かるい足どりで部屋にむかうわれわれだった。