タヒチ子連れ旅行記(8歳・5歳)・パペーテ・タヒチ島編

2019年2月27日

ティケハウ島経由パペーテへのフライト

ランギロア空港を飛び立った飛行機は、しばらく環礁に沿ってその上空を飛ぶ。どこまでも続く細長い陸地と、目のさめるような鮮やかな珊瑚の海。

「ああ、この島とも本当にお別れなんだ」。

そう思って飛行機の翼の先に目を向けると、この世のものとは思えぬほど美しい光景が飛び込んできた。ブルーラグーンだ。おお!まさかこんなところで見れるなんて。進行方向左側の列の乗客がいっせいにカメラを構える。右側の人も空いてる席に怒濤の勢いで移動してきて、って、おいおい、そんなに左側ばっかりによったら飛行機が傾いちゃうよ~!

ブルーラグーンとティケハウ島

ブルーラグーン / ファアア国際空港に戻って来た / 空港から市内へ向う

ブルーラグーンとティケハウ島

やがてブルーラグーンもランギロアの環礁も見えなくなり、機内が落ち着いたと思ったら、今度は右側に別の環礁が見えてきた。どうやらティケハウ島だ。今日のフライトは、ランギロアを飛び立ったあと一旦ティケハウに着陸して、それからパペーテにむかう。高度を降ろして機体がぐーんと旋回し、窓の下に水上コテージのある、ティケハウパールビーチリゾートホテルが見えた。

空から見るかぎり、小さなモツゥにあるのはこのホテルだけ。モルジブのように、1島1リゾートスタイルのようだ。海洋探検家のジャック・クストーが「世界で一番魚影の濃い島」と絶賛したティケハウ。今度機会があったら是非泊まってみたい。

ティケハウ空港では、数人のグループが乗り降りしただけで、他の乗客は機内に座ったまま。飛行機はまたすぐに動き出し、焼け付くような日差しにゆらめく滑走路から、眩しい空にむけて離陸した。

パペーテの観光局案内所

パペーテの観光局案内所 / パペーテ港の広場 / 観光局案内所前のトイレ

パペーテに着陸

それからどれくらい眠っただろうか?着陸を告げる機内アナウンスに目をさますと、窓の下にパペーテの町が見えていた。

「おお、大都会!」

ランギロアの村のサイズに慣れた身にとって、このフレンチポリネシアの首都は気後れするくらい都会に写る。飛行機はタヒチ島を過ぎ去り、となりのモーレア島が見えるところまで行ったら180度旋回して、パペーテ/ファアア国際空港に着陸した。飛行機を降りて滑走路を歩き、ターミナルビルに入る。荷物を受け取りゲートの外に出ると、赤いシャツを来たタヒチヌイトラベルのスタッフが待っていた。

「お帰りなさい!」

う~ん、この表現、ちょっといいです。未開の島の冒険旅行から、無事生還して祝福されてるような気分。出迎えてくれたのはさわやかな日本人の男性スタッフ。でもわたしは内心プチガッカリ。初日に成田から着いた時迎えてくれた、ドラマ「美女と野獣」に出てた、あの何とかという女優さんに似た女の人だったらいいなーと密かに期待してたのに。

「ボラボラやランギロアは楽しめましたか?」

私のそんな気持ちも知らず、このさわやか男性スタッフは、これまた今日のパペーテの青空のようにさわやかに聞いてくる。それから彼の運転するミニバンに乗り、今夜イースター島へ出発するまでしばし休憩する、ホテル・ル・マンダリンへ向った。

ホテル・ル・マンダリンタヒチでデイユースする理由

ホテル・ル・マンダリンはパペーテの町中、市庁舎の向かいにある3つ星クラスのホテル。ショッピングセンターや、観光局案内所、港、公共市場、銀行などが徒歩圏内で、どこに行くにも大変便利な場所にある。

隣にあるチャイニーズレストラン、マンダリンのオーナーが始めたホテルで、客室の内装もどことなくオリエンタル風。建物自体は古いが、フロントロビーや客室はリニューアルされており、きれいで落ち着いた雰囲気だ。

ホテル・ル・マンダリンタヒチ

客室のタイプは36室のスタンダードと6室のミニスイート。スイートと言っても特別に豪華なわけではなく、スタンダードより幾分広めの部屋、ということらしい。ミニスイートには、1台のキングサイズベッドと2台のシングルベッドが入っていて、家族4人でもゆったり過ごせる。

バスルームも清潔感があるが、バスタブはなくシャワーのみ。シャンプーや石鹸など必要最低限のものはきちんと用意されている。それから冷房がぎんぎんに効くのがうれしい。予想してたより広くて快適で、料金から考えると大変コストパフォーマンスの高いホテルといえるだろう。

ベッドルームの写真

パウダールーム / ミニスイートの客室 / 部屋からの眺め。おお!港が見える

デイユース

われわれは昼すぎにランギロアからパペーテに着いて、深夜1時の便でイースター島へ移動する。大人だけなら空港に荷物を預けて、出発までパペーテの町でぶらぶら過ごすことも可能だが、子連れ旅行、それもリュウは幼稚園の年中なので、ホテルの部屋をデイユースで予約した。

ホテルのデイユースとは、文字通り昼間の使用のこと。一般的にパペーテのホテルでは、深夜12時までにチェックアウトすればデイユース料金が適用でき、1泊分の半額の室料で済む。ファアア国際空港のフライトは、日本へ帰る便も含め深夜発があるため、ホテルのほうもこれに対応しているのだろう。数時間休憩するだけなので、豪華な設備やプールは必要ない。今日の午前中、ランギロアでさんざんプールで遊んで来たし。立地と広さと料金の安さで、今回はホテル・ル・マンダリンを選んだ。

空港からホテルまで送ってくれたスタッフが、「じゃあ今夜11時にお迎えに来ます」と言って帰っていった。とりあえず部屋に荷物を置いてから、食事するところを探そう。

ホテル・ル・マンダリのロビー

インフォメーション

  • 住所:P.O Box 802 Paeete Tahiti, French Polynesia
  • TEL:(689) 50-33.50 / FAX:(689) 42-16.32
  • ファアア国際空港から車で15分程度

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タヒチ島北西に位置するパペーテは、海に面して開けた港町。仏領ポリネシアの首都であり、政治、経済の中心地、そして観光、交通の要所でもある。人口26000人のうち約30%はフランス人で、街の北側にはフランス海軍基地もある。

パペーテのケーキ屋さん

わたしはいっぺんでこの街が気に入ってしまった。フランスのエスプリがそこかしこに漂い、街角のカフェで香りのいいカフェオレをすすれば、まるで南仏のリゾートにいるような気分になる。

そう言えばこの町は、以前訪れた西アフリカの港町カサブランカにとてもよく似ている。あの町もフランスの植民地だった時代があり、共通点が多いのだろう。

隣の席では、イングリッド・バーグマンとハンフリー・ボガードに似たカップルが、静かにそして熱く見つめ合っていた。

パペーテの教会

タヒチのショッピングセンターセンターでトイレへ行くときは鍵を借りること〜バイマ・ショッピングセンター

バイマ・ショッピングセンターは、タヒチ/パペーテ最大のショッピングセンター。ポマレ大通りに面したひときわ目立つ大きな建物で、港からもよく見える。デューティーフリーショップや、ビーチウェア、アクセサリー、パレオ、書籍、雑貨、映画館、カフェ、みやげ物店、旅行会社や航空会社のオフィスなどが入っている。

ただし、ほとんどのお店が日曜、祝日はお休み。このへんもいかにもフランス風だ。

バイマ・ショッピングセンター

主なテナント

  • デューティーフリーショップタヒチ
  • エレガンシア(靴)
  • レーブ(雑貨)
  • ビキニ(ビーチウェア、アクセサリー)
  • バイマパール(黒真珠)
  • ルレトロ(カフェ)
  • リブレリーデュバイマ(書籍、文房具)
  • パーリッシマ(黒真珠)
  • ルティアレ(パレオ)
  • シバニジョアイエ(黒真珠)
  • オアシス(カフェ)
  • サイバーメシア(インターネット)
  • タヒチアンネイティブジュエリー(黒真珠)
  • ニュージーランド航空
  • ラン航空
  • カンタス航空
  • タヒチヌイトラベル
  • 真珠博物館
トイレの鍵を借りる子ども達

日本人の店員さんがたくさんいるお店 / トイレに行くときは鍵を借りる

充電できない大ピンチ!プラグをランギロアに忘れてきちゃった〜子連れで深夜の移動タヒチからイースター島へ

われわれは午後2時にパペーテに到着した。そして深夜1時のフライトでイースター島へ向けて再び飛び立つ。パペーテでの滞在時間は約13時間。さてこの時間を使ってタヒチ島/パペーテで何をするか?

パペーテで何をする?

アラフラフの神殿や洞窟、タヒチ博物館、ゴーギャン博物館、ヴィーナス岬、ファアルマイの滝、などタヒチ島の見どころはたくさん。ゴーギャンがすごしたマタイエア村にも行ってみたいし、テニスやトレッキングも魅力的。レンタカーを借りて島を1周ドライブするだけも楽しいに違いない。

しかしわれわれは、ただひたすら寝ることにした。

ひたすら寝る、作戦

深夜1時の出発までずっと寝ないでいたら、こどもたちがもたない。かといって、空港へのお迎えが来る時間は午後11時なので、中途半端な時間に寝かせたのでは、起こしたときぐずったりわめいたりして大変だ。空港での待ち時間も修羅場になるだろう。お迎えが来る11時には、もうたっぷり眠って機嫌よく起きる必要がある。

そんなわけで我が家は、昼食が終ったらすぐ寝ることに。昼食のときちょっと町をぶらぶらできたのはせめてものなぐさめ。こんなときホテル・ル・マンダリンは町中にあるのでとっても便利だ。

バイマ・ショッピングセンターを少しぶらぶらして、ル・レトロ(ツナステーキカレー2250CFP、スプライト400CFP)で昼食をとったあとホテルに戻り、午後3時半にはベッドに入る。マンダリンは町中にあるわりには静かで、こんな昼間でも物音ひとつしない。遮光カーテンをしめれば真っ暗になるし、冷房もよく効くので、気持ちよく眠れました。

ちなみに、イースター島までの飛行時間は約5時間。到着したら現地は朝の10時過ぎで、いきなり観光ツアーに参加する予定になっている。よしんばこどもたちが飛行機の中でたっぷり眠っても、5時間足らずの睡眠ではイースター島についてからが大変だ。そんな理由からも、パペーテでしっかり睡眠をとっておくことは、大切なことなのだ。

プラグを忘れた!

お昼を食べ終ってホテルに戻って、さあ寝るぞー、と思ったとき、わたしはとてもいやなことに気づいた。プラグのアダプターが見当たらないのだ。ええー!もしかしてランギロアに忘れてきちゃった!?タヒチもイースター島もプラグの形状はCタイプ。最近の電化製品には変圧機は内蔵されているものが多いが、プラグのアダプターは別に買って持ち歩かなければならない。

どうやら充電器からコンセントを抜くとき、プラグだけ抜き忘れてきちゃったみたいだ。これはやばい!このままだと、せっかくイースター島へ行くのに、ビデオもデジカメも使えません、ということになってしまう。そんなのしゃれにならないですよー!

早速、タヒチヌイトラベルのオフィスに電話してみた。が、うーだめだ。日曜なのでオフィスやってないみたい。がーん!気があせりながら、成田からパペーテに到着した初日にもらった冊子をひっくり返してみる。買い物のクーポン券やらオプショナルツアーの案内やらにまぎれて、あった!あった!ありましたよー。緊急時の携帯の連絡先。

もーこれって緊急時でいいんだよね?その番号にかけるとスタッフの男性が出た。そして事情を話すと、夜向えに行くときまでにCプラグのアダプターを調達しておいてくれるとのこと。やったー!!なんて素敵なスタッフだろう!わたしはあきれるくらい感謝の意を伝えて、それからおだやかな気持ちで眠りに入った。(おだやかに眠ったのかよ!)

タヒチからイースター島へ深夜の移動

イースター行きの搭乗手続きに並ぶ人 / ファアア国際空港のキッズルーム / 出国ゲート

深夜の移動~イースター島へ

「はい、プラグ、これです」

ホテルに迎えに来たのは、日本人とフランス人のハーフっぽいお兄さん。スタッフの中でもリーダー格の人みたいで、とてもしっかりしている。プラグは他のスタッフのを借りてきたらしい。日曜はほとんどのお店が閉まっているので、購入することはできなかったみたいだ。イースター島からまたパペーテに戻ってきたとき返せばいいとのこと。本当に助かりました。ありがとう!!

イースター島へ行く飛行機の登場手続きは大変混雑するので、子連れのわたしたちだけ先に空港へ送ってくれるという。他のお客さんはその後戻ってまたピックアップしてまわるらしい、ええーいいの?そんなことしてもらっちゃって。

でもラン航空のカウンターは、本当に大変な混雑で、結局手続きが終るまで1時間も列に並ぶことになった。こどもたちもわたしたちも、ホテルでたっぷり睡眠をとっておいてかえすがえすよかった。一つ反省材料は、空港でちょっとした食べ物が高い!ということ。お腹が減ったので、サンドイッチを買ったら、1きれなんと400CFP!ドーナッツも1個400CFP!ええぇ~、そんなにしますのー?(涙)。だったらホテルの近くのテイクアウトスタンドでサンドイッチ買っとけばよかった。

両替所やお店、カフェがこの時間にも開いてるのがわかったのは、今後何かの役に立つかも。それから出国ゲートの先にキッズ用のちょっとしたプレイグランドがあった。

この記事を参考にしてね🐋

シェラトンホテルタヒチ

タヒチ島の宿泊先~シェラトンホテルタヒチ

シェラトンタヒチは、ファアア国際空港とパペーテのほぼ中間に位置する大型のリゾートホテル。客室のテラスやプールサイドからモーレア島を見ることができ、特に夕暮れ時は素晴らしい眺めを堪能できる。客室のタイプは、ラグーンビュー、スーペリアラグーンビュー、デラックスラグーンビュー、1ベッドルームスイート、2ベッドルームスイート、の5タイプ。水上コテージはない。

われわれが宿泊したデラックスラグーンビューは、36平方メートルの広さで、ダブルベッド2台とシングルベッド1が台入っていた。室内はリニューアルしてあり清潔で、フローリングの床も材質に高級感がある。また、ラグーンに面したテラスにはイスとテーブルがおかれ、ルームサービスを頼めば、モーレア島を眺めながら食事を楽しむことができる。

一方、バスルームのほうもリニューアル済みでとてもきれい。シャワーヘッドが取り外せるのは、子連れにはありがたい。しかもシャワーはグローエだ。壁は大理石張りで、アメニティやリネン類もセンスがいい。

われわれがイースター島から戻ってきて、ホテルにチェックインしたのは午前0時をまわっていた。デイユースで0時までにチェックアウトすれば室料が半額になるのだから、0時以降にチェックインする場合にも室料が安くなってよさそうなのだが、そのような料金設定はないとのこと。結局この日の1泊分と、翌日はやはり深夜発なのでデイユース、計1泊半分の室料がかかった。とは言っても、料金のわりに快適に滞在でききる、お得感の強いホテルといえるだろう。

*シェラトンホテルタヒチは2019年5月現在休業中です

プールサイドのレストラン

プールサイドのレストラン、ヘエプエヌイ・テラス

レストラン

・モエヴァイ水上レストラン

朝食6:30~10:00、ランチ12:00~14:30、ディナー18:30~22:00

朝食ビュッフェは大人2000CFE、子供1000CFP

毎週金曜のランチはフライデービュッフェ(12:00~14:30)大人4000CFR、子供2000FCFP

・ヘエプエヌイ・テラス・レストラン

11:00~22:00 プールサイドのカジュアルレストラン

・クインズバー

10:00~23:00 同じくプールサイドのバー

ロビー

アクセス

空港からもパペーテ中心部からも約2km。パペーテへはホテル前バス停から、ルトラックで130CFP、バスで200CFP、タクシーで1000CFP。夕方以降は料金があがる。時間は10~15分程度。

水上アクティビティ 

シュノーケリング3点セット  1日1,500cfp / ぺダルボート  1時間2,850cfp / ボートでのシュノーケリングツアー   6,200cfp / スキューバダイビング   6,500cfp / ヤック  1人用1時間1,200cfp 2人用1時間2,200cfp / ジェットスキーツアー(ガイド付き)30分7,970cfp 1時間12,530cfp / 水上スキー   初心者3,760cfp 一般2,470cfp / レンタルボート(パイロット付き、最大4名まで) 1時間16,610cfp

バスルームの写真

設備・サービス

・プール

無料。滝やジャグジー、ビーチもある。タオルはプールカウンターで無料で借りれる。ただし夕方5時以降は部屋のタオルを持参

・フィットネス・センター 

フィットネスマシン、サウナなどがありホテルのゲストは無料で利用できる。エアロビクス等のコースは1000cfp。フロアは3階。

・マンダラスパ

・セーフティーボック

各室内にある

・荷物

離島に出発し、再度シェラトンタヒチに戻る場合、無料で預かってくれる

・売店「カイマナブティック」

8:00~12:00 13:00~20:00 毎日営業 おみやげ、絵はがき等

・美容室

火曜~金曜 8:30~18:30 (月曜、日曜、祝日 休業)

住所

住所 B.P.416 PAPEETE

電話 86.48.48

カフェパタシューで朝食

タヒチ最後の朝食はカフェパタシューで

とうとうタヒチ最後の朝がやってきた。

「朝食どうする?」

ホテルにある水上レストランでブレックファストビュッフェにするか、いや、でももう食べ放題もいっぱいいっぱいだな。タヒチに来てから朝食はほとんどホテルのレストランでビュッフェだった。いろんなモノが食べれていいんだけど、どうしても食べ過ぎになってしまう。それに4人分だと料金もばかにならない。タヒチのリゾートホテルでは、朝食は家族4人でだいたい1回6000円程度。10日間だと、朝食代だけでなんと6万円ちかくになる。ひぇ~どうりでお腹はいっぱい、財布はからっぽのわけだ。

せっかくフランス領にいるのだから、パリの街角のカフェでいただくような、カフェオレとクロワッサンというシンプルな朝食を試してみたい。そんなわけでわれわれはパペーテの町へ繰り出した。

焼きたてのパンとペストリー

カフェパタシュー

バイマショッピングセンターの正面、ポマレ大通りに面した「ル・レトロ」は、いかにもパリ風という外見のカフェ。しかしイースター島へ行く前にここでランチを食べたが、値段が高かった記憶だけしか残ってない。今日は他の店を探してみようと思いながら、ファレトニーショッピングセンターの角の通りを入って行くと、右手にいい雰囲気のカフェを発見!

シンプルな料理ほど、本場の味がわかるもの。人口の3割がフランス人というこの仏領ポリネシアの首都の「パリ度」は、期待を裏切らない素晴らしいものだった。

「お、これはいけるんじゃない?」

パンを焼く香ばしい匂い。ガラスケースには色鮮やかなスイーツ。溢れんばかりに積まれたクロワッサンやバゲットサンド。

ここはカルチェラタンか?

テラス席で朝食を食べる人々

まるでパリの街角にいるよな錯覚を覚えるそのお店は「カフェ・パタシュー」。パトリック・ブルネル氏が2002年に開業した、ペイストリーとパンが自慢のカフェだ。好きなパンを指差して飲み物をオーダーすれば、席まで運んでくれる。もちろんカフェオレは、サラダボウルに柄がつたような大きなカップになみなみと注がれたパリスタイルで。

Patachoux

CENTRE FARE TONY Tel 83.72.82 Fax 83.72.83 e-mail : Pastryland@mail.pf 

南国迷宮パペーテのマルシェでお土産を買う

パペーテのマル

カフェ・パタシューで美味しい朝食を食べたあと、マルシェに向った。タヒチ島/パペーテのマルシェは町のほぼ中心にある。正面入り口付近はちょと暗い雰囲気だが、中に入ると天井が高くて明るい。そしてものすごい商品と人でごった返している。さながら南国の迷宮という表現がぴったりだ。

店内の様子

お土産や民芸品もたくさん

商品は魚や野菜に始まり、奥へ進むと果物、食品、お菓子、さら進むと花や、石鹸、各種オイル、帽子に手編みのかご、バッグなど。

エスカレータで2階へ上がると、民芸品の山!木彫り石彫りのティキ、カラフルなティファイファイ、タパ、貝殻のアクセサリー、パフ(サメ皮のドラム)や楽器類、CD、絵葉書、Tシャツ、それから色とりどりのパレオ等等。おみやげも全部ここで揃っちゃう。カフェもあります。

マルシェで売られている様々な商品

そもそもマルシェとは

「マルシェ」とはフランス語で「市場」のこと。カルチェラタンのムフタール・マルシェやドメニル・マルシェなど、パリにはたくさんのマルシェがあるが、大半は通りや広場に露店が並ぶ形態。またバスティーユ広場のマルシェのように、決められた曜日しか開かないマルシェも多い。それに対して、ここパペーテのマルシェは鉄筋コンクリートのビルの中にあって、しかも常設。青森駅前再開発ビルに入ってる「新鮮市場」とタイプ的には近い。(ちなみにこのビルの地下にある、すし処三國の海鮮丼はかなりおすすめ!)

1400年前にフランスで生まれ発展してきたマルシェとは、別の進化をとげた南国の熱気むんむんのマルシェ。われわれは、しばし彷徨うように買い物を楽しんだ。

タヒチの民芸品も売られている

パペーテ・マルシェ基本情報

地図

パペーテのチャイニーズレストラン・ル・マンダリンでチャーハン&肉飯をがっつり食べる

マルシェでおみやげをほぼ買い終えたママはごきげん。わたしとこどもたちは足がくたくた、お腹ぺこぺこ。

「え~さっき食べたばかりじゃない!」

「いや、もうお昼過ぎてるんですけど」

「ヤダ、もうそんな時間になるの」と、今さら驚くママ。

パペーテのチャイニーズレストラン・ル・マンダリン

楽しんでる人とそうでない人では時間の過ぎ方が違うみたいだ。

じゃあお昼どこかで食べようか、ということになり、わたしが「朝食べたパタシューは?」と提案するも、それにはこどもたちが反対。「もうパンはいやだ、ごはんが食べたい」と言う。そうか、日本を出て13日目になるが、今回の旅行ではまだ1回もごはんを食べてなかったなー。

どこかにごはんが食べれるレストランはないか、といろいろ思い出してたら、デイユースで泊まったホテル・マンダリンを思い出した。そう言えばあのホテルのオーナーは中華レストランをやってたはずだ、確かホテルのすぐ近くで。

「あそこならきっとごはん食べれるよ、チャーハンとかで」

それを聞いてこどもたちの目がキラリンコンと光る。

「ごはんが食べれる、それもチャーハンで」

うはは、考えるだけで頭の中が真っ白になりそう。

店内の様子

肉飯が美味しい!

チャイニーズレストラン・ル・マンダリンはホテルより1ブロック港よりのビルの2階にあった。店内は照明を落としてあり、思いっきりオリエンタルな内装。冷房がギンギンに効いているあたりも東南アジアっぽい。

「ひゃーもうメニュー選べないくらい腹へってるよー!」

「とりあえずチャーハンやら肉飯やらごはん系でせめようーぜ!」

ガンガン注文して運ばれてきた料理をガツガツ食べる。やきそばやチャーハンも美味しいけど、肉飯がたまりません。それからこのキチンライス。これはシンガポールスタイルのチキンライスですねー。六本木ヒルズのふもとに、本場の味のチキンライスを食べさせてくれるお店があるけど、東京じゃあそこ以外なかなかお目にかかれません。

関連記事👍:シンガポールスタイルのチキンライス

パラパラごはんと蒸したチキンとタレの相性が絶妙!いや~もう大満足です。カードが使えるうえ、日本語メニューあり。こどもたちにはぬり絵セットをくれる。食べきれず余った料理は持ち帰り用にパックに入れてくれました。

チャイニーズレストラン・ル・マンダリン

地図

タヒチ島の庶民の足 ル・トラック

タヒチに来たら、海の美しさや人々のやさしさに魅了されたが、それと同じくらハートを射抜かれちゃったものがある。

ル・トラックだ。タヒチ島のいたるところをブイブイ走りまわっていて、その形といい色といい、いやいや、とにかく存在そのものがも~どうしようもなく可愛くて、いとおしくて、思わず抱きしめたくなる。(いや、ケガしますって)

タヒチ島の庶民の足、ル・トラック

ル・トラックとは?

ル・トラックとは、トラックを改造した乗り合いバスで、タヒチの重要な公共交通機関だ。料金も安く庶民の足として気軽に利用されている。色や形がまちまちなのは、それぞれ運転手個人による経営だから。といっても運行や料金は政府によって管理されてるのでぼられる心配はない(と思う)。

路線は、パペーテを起点に時計周りと、反時計周りがある。たとえばわたしたちの泊まっているシェラトンタヒチからパペーテへ行く場合は、時計回り路線、ホテルに帰るときは反時計周り路線を利用する。時計回り路線でホテルや空港、カルフール方面からパペーテに行く場合、ポマレ大通りの観光局案内所向かい側あたりに停車する。一方、反時計回りでホテル方面へ向う場合は、マルシェの正面入り口5差路付近から発車する。

時刻表はないが、平日の日中は5~10分間隔で運行している。ただし夕方6時以降は30分間隔になり、夜9時くらいが最終になる。また日曜、祝日は反時計回り路線のみで、1時間に1~2本の運行となる。

ルトラックに乗る子ども達

基本的にどこでも乗れてどこでも降りれる。わたしたちはマルシェで買い物をしたあと、ホテルに帰るのに利用した。始発の五叉路付近にル・トラックが何台か止まっていたので、先頭の車両の運転手さんに「シェラトン?」と聞いたら「イエス」とうなずくので乗車した。車内は荷台にベンチと屋根を付けただけのシンプルな作り。乗り心地はファーストクラスとはいかないが、開け放たれた窓からゆっくりと流れる景色を見てるだけで楽しい。

料金は大人130CFP、ホテル前に着いたら運転手さんが振り返って「シェラトン」と教えてくれた。乗車してから10分ちょっと、あっという間のル・トラックの旅だった。

タヒチに暮らす人々の生活を肌で感じることができ、雰囲気にも浸れる、子連れ旅行者にもおすすめの乗り物だ。

シェラトンのプールでタヒチ最後のプール遊び

シェラトンタヒチのプール

「買い物に付き合ったんだからプールでいっぱい遊ぶよ!!」

ホテルに戻るとこどもたちは、すたこらさっさと水着に着替えて部屋から飛び出してゆく。

「おいおい、そんなにあわてなくてもプールは逃げないから」

わたしはミネラルウォーターのボトルとサングラスと読みかけの小説を持って、こどもたちのあとを追いかける。もう午後は何も予定ないから、夕方まで5時間くらいプールで遊べるぞ。ママはちょっと部屋でごろごろして、それからホテルの中のお店をぶらぶらして、その後プールに来るって。

シェラトンホテルのプールは、ロビーフロアーからさらに1階降りた、海に面した素敵なガーデンの中にある。プールサイドにはカジュアルなレストランやバーがあって、なかなかナイスな雰囲気だ。滝やジャグジーやビーチもある。しいて贅沢を言えば、対岸に港の産業施設が見えるのがマイナスなのと、ウォータースライダーがなくて残念、ということくらいだろうか。

プールで遊ぶ子ども達

プールで遊び始めて2時間経った頃、ママが来た。水しぶきをあげながら楽しそうに遊んでいるこどもたちを見て、ママが写真を撮り始める。

「あーこうしてプールで遊んでるぶんにはかわいいのにねー。怒る必要もぜんぜんないし」

無邪気に遊んでいるこどもたちの笑顔は、本当に輝いて見える。

ママがこどもを怒る必要がない、と言った意味がよくわかると思った瞬間

「もーあなたたち皮膚がぶよぶよじゃないの!早くあがって休憩しなさい!!」

怒鳴ってましたがな。

プールで遊び続けるこどもたちを見ながら、ビーチベッドに寝そべって、話をしたり、笑ったり、本を読んだり、たまに水に飛び込んでこどもたちと遊んだり、そうしてタヒチ最後の時が過ぎていった。ふと気が付くといつの間にか夕暮れ時。茜色に染まる空と海のスクリーンに、モーレア島の島影が浮かんでいる。

ああ、なんておだやかな黄昏だろう。

この景色を心に焼き付けておこう。

日本に帰っても忘れないように。

君達が大人になっても思い出せるように。

シェラトンタヒチのプール

さよならタヒチ

夜11時。チェックアウトするためにホテルロビーへ降りたら大勢の日本人でごった返していた。金曜日のフライトはタヒチを午前1時20分発。こんな時間に移動するのは大人でもちょっとつらい。

子連れの家族が何組かいるが、うちと同じくらいの小さなこどもはみんな機嫌が悪そう。中には泣き叫んでいる子供もいる。ずっと起きていてこの時間まで待ってたのかな?それともちょっと寝てすぐ起こされたのかな?

どっちにしろそりゃーかわいそうだ。うちの子たちは元気はつらつ。

だってプールで5時間も遊んで疲れて夕方5時からぐっすり眠っていたのだから。

ファアア国際空港から出発

ポリネシア銀行はソシエテジェネラル銀行系列 / 両替え窓口も開いている / チェックインカウンターの行列

涙のファアア国際空港/出発~帰国

大勢いた日本人はみなタヒチヌイトラベルのツアー客だった。大型バス3台に分乗して空港まで移動する。空港に着いていやな予感が的中した。心配していたとおりエアータヒチヌイ航空のカウンターは長蛇の列だったのだ。イースター島へ行くときの列より長い。こりゃー1時間以上並ぶな、と覚悟をしていたら「こっちへこい」と係の人が手まねきをする。「おっ何だろう?」と思って行ってみたらファーストクラスのチェックインカウンター。

これはありがたい!子連れは優先して搭乗手続きできるのねんのねん。ラッキー♪

空港内のおみやげショップはこんな時間にもかかわらずほぼ全開。銀行の両替え窓口も開いている。大勢の人がタヒチで最後のショッピングに精を出していた。

ターミナルビル中央にある出国ゲートへ向ったら、そこにいた出国審査係のお兄さんが、私たちを見てまるで幽霊にでも出会ったかのように驚く。

「あれ~あなたち、ついこの前出国しませんでしたっけ?」

「ああー、あれはイースター島へ行ってたんですよ」

「なんだ、そうか、てっきりタヒチが気に入って戻って来たのかと思いました」

タヒチのいいところは海や山の景色の美しさだけではない。そこに住む人々の素朴な優しさや何気ない気使いも、また旅人の心を打つのだ。

「またタヒチに戻って来て下さい」

「ええ、是非そうします」

「ボクたちまたね、ばいばい」

「バイバイ、お兄さん、バイバイ、タヒチ!」

トンネルのような出国ゲートをくぐるわずかな時間、この旅行で出会った美しい風景や、人々の笑顔が、スクリーンショットのようにまぶたの裏に映ってゆく。

さよならタヒチ。

ゲートを抜けて、振返って見た楽園の最後のシーンは、涙ににじんでゆがんでいた。

タヒチの夕暮れ

楽園の扉~タヒチ ボラボラ島ランギロア島子連れ旅行記 おわり