ブルーモナーク号のプールで最後の日に見た景色
今日のエクスカーションは午前中で終了したので、お昼ごはんは船でいただく。
お昼を食べている間に船はアンタルヤを出港し、トルコの南海岸に沿って西へ進む。
船上から眺めるトルコの山々と、その背後に輝く青空が、ゆっくりゆっくり後ろへ流れていた。
クルーズ船で最後のプール遊び
このまま地中海からエーゲ海に入り、明日の朝にはサントリーニ島に到着するんだなーー。お昼を食べたあと午後からも、今日はずーっとプールで遊ぶ予定だ。明日、船を下りるわたしたちにとって、これが最後のプール遊びになる。
最後のランチは船の上でいただく
さて、クルーズ旅行も5日目になると、プールや船内ですれ違ったりして、こども同士でもお互いのことを意識するようになってくるようだ。そしてプールで遊んでいるうちにすっかり打ち解けて、名前を聞いたり、どこから来たのか、年はいくつかなど質問し合っている。
さらにそのうちプールサイドで落とし合いこや、水の中で闘いごっこや鬼ごっこ、ま~一ひとことで表現すると、いわゆるこども大暴れ大会が始まった。
柔軟な思考や新鮮な感受性がある小学校の時に、できるだけ多くのことを「体験」することはとても重要なことだと思う。机に座って知識を詰め込むことや、方程式の解き方を教わるとこは、もっともっと大きくなってからでもできる。友達とどろんこになって身体をぶつけ合い、すり傷、なま傷が絶えないくらい、無心に遊ぶことは、小学校時代しかできないのだ。
「体験」することに「答え」はない。
そのプロセスを通じて、何を感じ、どう考え、次にどう生かすか。
こどもたちは遊び体験の中から、長い長い人生を生き抜いてゆくための、大切なことを学んでいくのだ。
とりゃぁ~~、たりゃぁ~~
こどもたちはますます盛り上がっている。こうしていろんな国のこどもたちが集まって、いっしょに遊ぶ姿を見るのはとても微笑ましい。でも、それ以上に貴重だと思うのは、異なる年齢のこどもたちがいっしょに遊んでいることだ。
少子化が進む日本では、異年齢のこどもたちと遊ぶ機会が、めっきり減っている。
少子化が進行すると、単に経済の活力が衰退するだけでなく、こどもたちの元気も失われてゆくだろう。
おれたちがプールで大暴れした悪ガキ軍団です
そんなことを考えていたら、全身びしょ濡れのリュウが「助けて助けて」と叫びながら走りよって来た。
だっ、ばかっ!そんな濡れた身体でひっついてきたら、おれが濡れちゃうだろーー!
そう言い終わる前に、アハアハ歓喜の声をあげて、反対側へ走り去る。
海原に親指ほどの波頭、流れる雲、そよそよと頬に触れる風。
太陽の光をいっぱいに浴びたこどもたちの笑い声が、エーゲ海に響きわたっている。
ブルーモナークのプールで最後の日に見た景色は、いつもと特別変わらない、こどもたちのとびっきりの笑顔と弾ける水しぶきの景色だった。
クルーズ船は今日も順風満帆だ。
遠ざかるトルコ